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液体供給制御(バルブ/ポンプ)
(えきたいきょうきゅう(バルブ/ポンプ))
液体供給バルブ
液体供給制御とは、水、油、薬液、添加剤などの液体を、設定した流量または重量に合わせて供給する制御です。液体の粘度、温度、比重、泡立ちやすさ、必要な供給能力、計量精度などを確認し、ポンプ、バルブ、配管、計量器を組み合わせて構成します。
液体を短時間で供給するだけでなく、目標値へ近づくまでは大流量、その後は小流量へ切り替え、最後に少量ずつ供給するショット制御を行うことで、処理能力と精度を両立させます。
流動性の高い液体では、ポンプを使用せず、高低差を利用した自重落下とバルブ制御で供給できる場合があります。一方、高粘度液体や配管抵抗が大きい設備では、液体に適したポンプ容量と配管口径を選定する必要があります。
液体供給制御の基本構成
一般的な設備は、原料タンク、ポンプ、供給バルブ、配管、計量槽または充填容器、ロードセル、計量コントローラ、PLC、制御盤、タッチパネルなどで構成されます。
重量によって供給量を管理する場合は、計量槽や容器をロードセルで支持し、現在重量を監視しながらポンプやバルブを制御します。流量によって管理する場合は、流量計の瞬時流量や積算流量をPLCへ取り込みます。
エアシリンダーで駆動するバルブでは、PLCから電磁弁へ信号を出して開閉します。開端・閉端センサを設ける場合は、実際に所定位置へ到達したことを確認してから次の工程へ進みます。
主な用途
- 液体原料のバッチ計量
- 容器、缶、ドラムへの定量充填
- 複数液体の累積計量
- ミキサーや反応槽への液体投入
- 添加剤や薬液の少量供給
- 流量一定制御や積算量管理
粉体と液体を同じ製造工程で扱う設備では、原料ごとの計量結果をまとめて配合実績として保存し、上位システムへ送信する構成も可能です。
液体供給の主な方式
ポンプ供給
原料タンクから計量槽や容器まで、ポンプによって液体を移送します。液体の粘度、必要流量、揚程、配管抵抗を確認し、遠心ポンプ、ギヤポンプ、ダイヤフラムポンプなどから適した方式を選定します。
インバーターでポンプ速度を変更すれば、大供給と小供給を切り替えられます。一定流量を維持する場合は、流量計の値をフィードバックして回転速度を調整します。
自重落下供給
供給元のタンクを計量槽より高い位置へ設置し、高低差を利用して液体を流します。水のように粘度が低く、必要な流量を確保できる場合に適しています。
ポンプが不要なため構成を簡素化できますが、タンク内の液面高さによって流量が変化します。粗供給用と微供給用のバルブを分ける、バルブ開度を変更するなどの対策を行います。
流量計による供給
流量計から出力される積算量を監視し、設定量へ達した時点でポンプやバルブを停止します。配管内を通過した液体量を直接管理できる方式です。
一方、配管内の気泡、脈動、液体の導電率や粘度などが流量計の測定へ影響するため、液体に適した測定方式を選定します。
重量による供給
計量槽や容器の重量変化を測定し、正味重量が目標値へ達するように供給します。液体の密度が温度などで変化しても、質量として管理できることが特長です。
配管やホースから加わる力、液面の揺れ、ノズルの接触は重量値へ影響するため、計量部へ外力を伝えない構造が必要です。
大供給・小供給・ショット制御
大供給
計量開始直後は、ポンプを高速運転する、または大口径バルブを開き、短時間で目標量の大部分を供給します。
大供給を長く続けすぎると、配管内やノズルから流れ込む液体によって目標重量を超えやすくなります。
小供給
目標値へ近づくと、ポンプ速度を下げる、小供給用バルブへ切り替えるなどして供給量を小さくします。供給速度を抑えることで、停止時の流れ込み量を安定させます。
ショット制御
目標値の直前で、バルブを短時間だけ開閉し、少量ずつ液体を追加する制御です。連続微供給では流量が大きすぎる場合や、わずかな不足量を補う場合に使用します。
ショット時間を短くしすぎると、バルブが開く前に閉指令が出て、実際には液体が流れないことがあります。バルブの応答時間、液圧、粘度を確認して設定します。
停止後の流れ込みと補正
ポンプを停止し、バルブを閉じても、配管やノズル内部に残った液体が計量槽へ流れ込むことがあります。この停止後の増加量を見込んで、目標値より手前で供給を止めます。
目標重量をWs、予測流れ込み量をWf、供給停止重量をWcとすると、概算では次のように設定します。
Wc=Ws-Wf
目標重量100kg、停止後の流れ込み量が0.4kgの場合は、99.6kg付近で停止します。
流れ込み量は、供給速度、液体粘度、配管圧力、ノズル高さ、バルブの閉止時間によって変化します。実液を使用した試験で補正値を調整します。
複数液体の累積計量
1台の計量槽へ複数の液体を順番に供給し、累積重量で管理することができます。液体ごとに配管、ポンプ、バルブを分け、製造指示に従って順次投入します。
例えば、最初の液体を20kg計量した後、計量値をゼロへ戻さず、累積値が35kgになるまで次の液体を15kg供給します。
累積計量では、前の液体の実績重量を基準に次の目標値を設定します。途中の液体が過量または不足となった場合に、後続原料で補正するのか、工程を停止するのかを事前に決めておきます。
異なる液体が同じ配管を通る場合は、混入、残液、洗浄性を確認します。混合を避ける必要がある場合は、専用配管や切替弁を使用します。
ポンプ選定のポイント
必要流量と揚程
必要な供給量と供給時間から流量を求め、タンクと供給先の高低差、配管長、バルブ、フィルターなどの抵抗を含めてポンプを選定します。
ポンプ能力が不足すると供給時間が長くなり、過大なポンプを選ぶと微供給の調整が難しくなる場合があります。
液体の粘度
粘度が高い液体は配管内を流れにくく、必要な圧力も大きくなります。温度によって粘度が変化する液体では、最低使用温度で必要能力を確保できるか確認します。
耐薬品性と接液材質
薬液や溶剤を扱う場合は、ポンプ、バルブ、パッキン、ホース、配管の材質が液体に適合するか確認します。
材質が適さないと、腐食、膨潤、亀裂、液漏れが発生する可能性があります。
空運転への対応
液体がない状態でポンプを運転すると、シールや内部部品が損傷する場合があります。原料タンクの液面センサ、吸込圧力、流量計などで空運転を検出します。
バルブ選定のポイント
液体供給には、ボールバルブ、バタフライバルブ、ダイヤフラムバルブ、ピンチバルブなどが使用されます。
必要流量、粘度、圧力、固形物の有無、洗浄方法、閉止性能を確認して選定します。微供給では、小流量を安定して出せる口径や構造が必要です。
エア駆動バルブでは、空気圧が低下すると開閉速度が遅くなったり、全閉しなくなったりします。必要に応じて圧力スイッチを設け、空気圧不足時の供給を禁止します。
液だれ防止
供給停止後にノズル先端から液体が垂れると、計量過量、容器外への付着、床面の汚れ、品種混入につながります。
液だれ対策として、ノズル先端に遮断弁を設ける、サックバック機能で液体をわずかに吸い戻す、受け皿を設ける、ノズルを上昇させるなどの方法があります。
粘度の高い液体では、糸引きによってノズルと容器の間に液体が残る場合があります。ノズル形状、閉止速度、容器との距離を調整します。
計量精度を安定させるポイント
配管やホースの影響を抑える
計量槽へ接続した配管やホースが硬いと、その張力や変形が重量値として検出されます。柔軟なホースや可とう継手を使用し、計量槽へ無理な力を加えないようにします。
液面の揺れを考慮する
供給停止直後は液面が揺れ、重量値が安定しないことがあります。一定時間内の重量変化が許容範囲内になったことを確認してから確定します。
流入口の位置や勢いによって揺れ方が変わるため、計量槽内へ沿わせて流す、供給速度を下げるなどの対策を行います。
温度変化を確認する
液体温度が変化すると、粘度や密度、流量が変わる場合があります。流量計による体積管理では、温度変化が投入質量へ影響することがあります。
高い精度が必要な場合は、温度補正や重量計量を検討します。
気泡と泡立ちを抑える
配管内に気泡が混入すると、流量計の指示やポンプ能力が不安定になる場合があります。吸込配管の漏れ、タンク液面、配管勾配を確認します。
泡立ちやすい液体では、ノズルを液面近くまで下げる、供給速度を段階的に変更するなどの対策を行います。
インターロック設計
液体供給を開始する前に、供給先の受入準備、バルブ位置、ポンプ状態、原料タンク液面などを確認します。
- 供給先の計量槽や容器が所定位置にある
- 対象配管の切替弁が正しい位置にある
- 排出バルブが閉じている
- 原料タンクに必要量の液体がある
- ポンプと電磁弁に異常がない
- 計量器のゼロ点が許容範囲内にある
複数液体を扱う場合は、異なる系統のバルブが同時に開かないようにし、誤った液体の供給を防止します。
異常監視と復旧
主な異常には、重量増加なし、流量なし、供給時間超過、過量、バルブ開閉異常、ポンプ過負荷、原料切れ、液漏れなどがあります。
ポンプ運転中に重量や流量が増加しない場合は、原料切れ、バルブ未開、吸込不良、配管閉塞、ポンプ回転方向、計量信号を確認します。
供給停止後も重量が増え続ける場合は、バルブの閉止不良、液だれ、サイフォン現象などが考えられます。供給元タンクとの高低差によって流れ続ける場合は、遮断弁や配管構成を見直します。
異常復旧時は、計量槽や容器内にすでに入っている液体量を確認します。最初から再供給すると過量になるため、残量供給、手動確定、排出のいずれを行うか選択します。
停電・通信異常時の処理
停電時には、ポンプを停止し、供給バルブを安全側へ閉じます。エア駆動バルブでは、電源や空気圧を失った際に閉となる構成を採用する場合があります。
復電後は、バルブ位置、計量途中の重量、PLCの工程状態を確認します。途中工程を無条件に最初から実行しないことが重要です。
上位システムとの通信が切れた場合は、受信済みの製造指示で継続するか、新規供給を停止するかを設備仕様に応じて決めます。供給実績は一時保存し、復旧後に重複なく送信します。
保守・点検
定期点検では、ポンプの漏れや異音、バルブの閉止性能、配管接続部、ホース、パッキン、電磁弁、流量計、ロードセルを確認します。
液体が固化・結晶化する場合は、配管やノズル内部の付着を点検します。洗浄液や温水を流す洗浄工程を組み込む場合もあります。
供給時間、停止後の流れ込み量、計量誤差を記録すると、ポンプ劣化、バルブ摩耗、配管閉塞の傾向を把握しやすくなります。
既設設備への追加・更新
既設設備へ液体供給系統を追加する場合は、原料タンクの位置、必要流量、配管経路、計量槽の容量、制御盤の空き、PLC入出力を確認します。
ポンプやバルブを更新する場合は、流量、圧力、電源、接液材質、開閉時間、位置確認信号を比較します。動作特性が変わる場合は、大供給・小供給の切替値や停止補正を再調整します。
流量計や計量コントローラの更新では、アナログ信号、パルス単位、通信方式、スケーリングも確認します。
ハカルプラスの対応
ハカルプラスでは、液体の性質、粘度、温度、必要能力、目標精度、洗浄方法を確認し、用途に適した液体供給設備を検討します。
ポンプ、バルブ、流量計、配管、計量槽、ロードセルなどを組み合わせ、大供給、小供給、ショット制御、自重落下供給を構成します。
機械・配管設計に加え、制御盤、PLC、電磁弁、インバーター、タッチパネルを含め、計量、異常監視、液だれ防止、停電復旧まで一連の制御を設計します。
複数液体の累積計量、液体充填、計量実績の保存、配合管理システムや基幹システムとの連携についても、既存設備と通信仕様を確認して対応を検討します。
よくある質問
Q. 供給重量が毎回目標値を超える場合はどう調整しますか?
A. 小供給速度、供給停止重量、停止後の流れ込み量、バルブの閉止時間を確認します。液だれやサイフォン現象も点検します。
Q. 粘度の高い液体も自動供給できますか?
A. 液体の粘度、温度、必要流量に適したポンプと配管を選定すれば対応できる場合があります。加温や配管径の見直しが必要になることもあります。
Q. ポンプを使わずに液体を供給できますか?
A. 低粘度液体で、供給元タンクと供給先に十分な高低差があれば、自重落下とバルブ制御で供給できる場合があります。
Q. 1台の計量槽で複数の液体を計量できますか?
A. 液体ごとに配管とバルブを分け、累積重量を管理することで順次計量できます。混入や残液の影響も確認します。
Q. 供給停止後の液だれを防止できますか?
A. ノズル先端の遮断弁、サックバック機構、受け皿、ノズル昇降などを、液体の粘度と供給方法に応じて検討します。
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