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ボールバルブ

(ボールバルブ)

ボールバルブは、中央に貫通穴を設けた球状の弁体を回転させ、配管内の流路を開閉するバルブです。ボールの穴を配管方向へ合わせると全開となり、約90度回転させて流路と直角にすると全閉になります。

短い動作で素早く開閉でき、全開時の圧力損失を抑えやすいため、水、油、薬液、圧縮空気、ガスなどを扱う設備で広く使用されます。一方、粉体、スラリー、固形物を含む流体では、ボールとシートの間へのかみ込みや摩耗が起こることがあるため、対象物と使用条件に合った構造を選定する必要があります。

ボールバルブの仕組みと構成

主な構成部品は、バルブ本体、球状のボール、ボールを保持して密封するシート、回転軸であるステム、グランド部、手動レバーまたはアクチュエータです。ステムを回転させるとボールが連動して動き、全開と全閉を切り替えます。

手動式ではレバーやハンドルで開閉します。自動設備では、空気圧式のロータリーアクチュエータや電動アクチュエータを取り付け、PLCから指令を出します。開限・閉限センサを設ければ、指令どおりの位置へ到達したか確認できます。

ボールの穴が配管内径に近いものはフルボア型と呼ばれ、全開時に比較的なめらかな流路を確保できます。穴径を小さくしたレデューストボア型は、外形やコストを抑えやすい一方、フルボア型より圧力損失が大きくなります。

主な用途

  • 水、油、薬液などの液体配管の開閉
  • 圧縮空気や各種ガス配管の遮断
  • ポンプの吸込側・吐出側の流路分離
  • タンクや計量槽への液体供給
  • 洗浄配管、排液配管、バイパス配管の切り替え
  • 設備保守時の配管区間の遮断

液体計量設備では、計量槽の入口側に設置して原料供給を開始・停止したり、出口側に設置して計量後の液体を排出したりします。重量、流量、液面などの信号と連動して自動開閉する構成もあります。

他のバルブとの違い

バタフライバルブとの違い

バタフライバルブは円板状の弁体を回転させて開閉します。大口径でも比較的軽量・コンパクトに構成しやすい一方、全開時にも弁体と軸が流路内に残ります。

ボールバルブは、フルボア型であれば流路内の障害物を少なくでき、高い遮断性を得やすい方式です。ただし、口径が大きくなるとバルブ本体や必要駆動トルクも大きくなります。

ピンチバルブとの違い

ピンチバルブは、弾性スリーブを外側から押しつぶして流路を閉じます。スラリー、摩耗性流体、固形物を含む流体に適する場合があります。

ボールバルブでは流体がボールとシートへ接触するため、固形物がシート部へ入り込むと、閉鎖不良、傷、摩耗の原因になります。流体性状と必要なシール性を比較して選定します。

設計・選定上のポイント

流体に合う材質を選ぶ

バルブ本体、ボール、ステム、シート、シール材は、流体の種類、濃度、温度に応じて選定します。腐食性のある薬液では耐食性、研磨性のあるスラリーでは耐摩耗性が重要です。

シート材には、樹脂系や金属系など複数の種類があります。同じ材質でも、温度や圧力、薬液濃度によって適否が変わるため、メーカーの耐薬品表や圧力温度定格を確認します。

圧力・温度・口径を確認する

ボールバルブには、使用可能な最高圧力と温度範囲があります。流体温度が上がると、シート材の許容圧力が低下することがあります。通常運転時だけでなく、洗浄時、停止時、異常時の最大条件も確認します。

口径は配管径だけでなく、必要流量と許容圧力損失から選定します。圧力損失を小さくしたい場合や、配管内部を清掃器具が通過する必要がある場合は、フルボア型が適することがあります。

必要な駆動トルクを見込む

自動開閉では、ボールとシートの摩擦、配管内圧、圧力差、付着物などに打ち勝つトルクが必要です。通常状態だけでなく、長期停止後や最大差圧時には、必要トルクが増える場合があります。

アクチュエータ容量に余裕が不足すると、途中で停止したり、全閉位置まで到達しなかったりします。バルブメーカーの必要トルク値に安全率を見込み、空気圧や電源条件も確認します。

内部漏れと外部漏れを区別する

全閉時に下流側へ流体が漏れる現象を内部漏れ、ステムや本体接続部から外部へ漏れる現象を外部漏れと呼びます。内部漏れはシートの摩耗、異物のかみ込み、ボール表面の傷などで発生します。

外部漏れは、グランド部やガスケットの劣化、締結部の緩みなどが原因になります。流体が危険物や薬液の場合は、要求する漏れ性能と点検方法を明確にします。

開閉用途と流量調整用途を分ける

一般的なボールバルブは、全開または全閉で使用する遮断用途に適しています。途中開度で長時間使用すると、狭い部分へ流れが集中し、シートやボールの摩耗、騒音、振動が発生することがあります。

流量調整が必要な場合は、Vポートボールなど調整用途に適した構造や、別方式の調節弁を検討します。開度と流量は単純な比例関係にならないため、流量計や制御特性を含めて設計します。

制御上のポイント

開閉確認と動作時間監視

PLCでは、開指令・閉指令と開限・閉限センサの状態を監視します。指令後、設定時間内に所定位置へ到達しない場合は、動作時間超過として警報を出します。

原因には、空気圧低下、電動アクチュエータの過負荷、バルブ固着、異物のかみ込み、位置センサのずれがあります。タッチパネルへ指令、限位置、異常内容を表示すると、復旧箇所を確認しやすくなります。

ポンプとのインターロック

ポンプを起動する前に、吸込側と吐出側のバルブが適切な位置にあることを確認します。吸込側が閉じた状態で運転すると空運転、吐出側が閉じた状態で運転すると圧力上昇や発熱につながる場合があります。

停止時も、ポンプとバルブの順序を設備に合わせて設定します。高圧液体や長い配管では、急閉によるウォーターハンマーを避けるため、停止順序や開閉時間を調整します。

経路切り替えと混入防止

複数の原料配管を切り替える場合は、誤った組み合わせのバルブが同時に開かないよう相互インターロックを設けます。既存経路の閉限を確認してから、次の経路を開くことで異品種混入を抑えます。

切り替え前後に洗浄やフラッシングが必要な設備では、洗浄経路、排液先、洗浄完了条件も含めて制御します。

停電・エア圧低下時の安全動作

異常時に開側、閉側、現状保持のどれを安全側とするかは用途によって異なります。原料供給を遮断する設備では閉側、冷却水を維持する必要がある設備では開側が適する場合があります。

空気圧式では、スプリングリターン方式を用いてエア喪失時に所定位置へ戻せます。複動式では、その場で停止したり、配管条件によって動いたりする可能性があるため、エア回路を含めて確認します。

異常時の復旧と保守

ボールバルブが動かない場合は、配管内圧、アクチュエータへの空気圧・電源、電磁弁、位置センサ、ステム、異物のかみ込みを確認します。圧力が残った状態で分解すると危険なため、必ず配管を遮断し、残圧と残液を除去します。

閉じても流れが止まらない場合は、全閉位置まで到達しているか、シートやボールに傷がないか、固形物がかみ込んでいないかを確認します。位置センサが閉限でも、内部が完全に遮断されているとは限りません。

定期点検では、外部漏れ、内部漏れ、開閉時間、異音、アクチュエータ、電磁弁、位置センサを確認します。長期間動作させないバルブは固着しやすいため、設備条件に応じて定期的に開閉動作を行います。

設備更新時の注意点

既設ボールバルブを更新する場合は、口径、接続規格、面間寸法、使用圧力、温度、材質、流れ方向、必要トルクを確認します。同じ口径でもフルボアとレデューストボアで流路や圧力損失が異なります。

アクチュエータも交換する場合は、電源電圧、電磁弁電圧、開閉時間、限位置信号、異常信号を確認します。新旧機器で動作時間が異なると、ポンプとの連動やタイムアウト設定の変更が必要になる場合があります。

ハカルプラスの対応

ハカルプラスでは、流体の種類、温度、圧力、必要流量、配管口径、遮断性能、使用環境などを確認し、ボールバルブを含む液体供給・搬送設備の構成を検討します。

バルブ単体だけでなく、タンク、計量槽、ポンプ、流量計、配管、ロードセルなどとの取り合いを含む機械設計や、空気圧式・電動式アクチュエータ、電磁弁、位置センサを組み込んだ制御盤設計に対応します。

PLCによる開閉制御、ポンプや計量機とのインターロック、経路切り替え、開閉異常、流量異常、圧力異常の監視、タッチパネルへの状態・警報・復旧手順の表示まで、設備全体に合わせて構成します。

液体計量設備では、重量値や流量値に応じた粗供給・微供給、停止後に流入する量の補正、計量実績の保存、配合管理システムや生産管理システムとの連携も、仕様を確認して検討します。

よくある質問

Q. ボールバルブを閉じても液体が流れる場合は何を確認しますか?

A. 全閉位置まで動作しているか、シートの摩耗、異物のかみ込み、ボール表面の傷を確認します。閉限信号が入っていても内部漏れが発生する場合があります。

Q. 自動ボールバルブが途中で止まる原因は何ですか?

A. 必要トルク不足、空気圧低下、電動アクチュエータの過負荷、バルブ固着、異物のかみ込みなどが考えられます。最大差圧時の必要トルクも確認します。

Q. 一般的なボールバルブで流量を細かく調整できますか?

A. 途中開度で流量を変えることはできますが、細かな連続調整には適さない場合があります。Vポート型や流量調整用バルブを検討します。

Q. 既設の手動バルブを自動化できますか?

A. アクチュエータを取り付けられる構造で、必要トルクと設置スペースを確保できれば自動化できる場合があります。位置センサ、電磁弁、PLC入出力も追加します。

Q. ボールバルブを別機種へ更新するときは何を確認しますか?

A. 口径、面間寸法、接続規格、材質、圧力温度定格、必要トルク、開閉時間、信号仕様を確認します。更新後は漏れとインターロック動作を確認します。

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