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容器充填計量
(ようきじゅうてんけいりょう)
容器充填計量とは、缶、ボトル、ドラム、コンテナ、箱などの容器へ粉体、粒体、液体を供給し、設定した目標重量まで自動的に充填する計量方式です。ロードセルや電子台秤で容器重量を測定しながら、供給機器の速度やバルブの開閉を制御します。
空容器の重量を風袋として差し引き、充填物だけの正味重量を管理します。目標重量へ近づくまでは高速で供給し、その後は低速供給へ切り替えて、停止後に落下・流入する量を含めて仕上げます。
容器充填計量では、計量精度だけでなく、容器の位置決め、供給口との接続、粉じんや液だれの防止、充填後の搬出、品種・ロット情報の記録まで含めた設備設計が重要です。
容器充填計量の基本構成
一般的な設備は、計量台、ロードセル、計量コントローラ、PLC、制御盤、タッチパネル、容器搬送装置、供給機器、充填ノズルなどで構成されます。
粉体・粒体では、スクリューフィーダー、振動フィーダー、ゲート、ロータリーフィーダーなどを使用します。液体では、ポンプやバルブを使用し、粘度、配管圧力、泡立ち、液だれを考慮して制御します。
容器は作業者、フォークリフト、ローラーコンベアなどで計量位置へ搬入します。容器の到着と位置決めを確認した後、風袋引き、充填、重量安定、過不足判定、実績保存、搬出の順で処理します。
主な用途
- 粉体や粒体の缶・箱・コンテナ充填
- 液体のボトル・缶・ドラム充填
- 中間製品や原料の小分け計量
- 出荷容器への定量充填
- 品種・ロット別の充填実績管理
- 容器重量を含む総重量の確認
少量容器を連続処理する設備から、数百kg以上のドラムやコンテナへ充填する設備まで、対象物と処理能力に応じて構成が異なります。
基本的な充填工程
容器の搬入と位置決め
空容器を計量台へ載せ、供給口の下へ正しく位置決めします。容器が計量台からはみ出して周辺床面へ接触している場合や、搬送コンベアに支持されたままの場合は、正しい重量を測定できません。
在荷センサ、位置決めストッパー、容器高さ検出などを用いて、充填可能な状態であることを確認します。品種によって容器寸法が異なる場合は、ガイドやノズル位置を切り替えます。
ゼロ確認と風袋引き
計量台に容器がない状態でゼロ点を確認し、容器を載せた後に風袋重量を登録します。総重量をWg、風袋重量をWt、正味重量をWnとすると、次の関係になります。
Wn=Wg-Wt
例えば、総重量82kg、容器重量12kgの場合、充填物の正味重量は70kgです。
粗充填と微充填
充填開始後は、高速または大流量で粗充填を行います。目標重量へ近づくと微充填へ切り替え、供給量を小さくして精度を高めます。
スクリューフィーダーでは回転速度を下げる、ダブルゲートでは粗側を閉じて微側のみを開く、液体ではバルブ開度やポンプ速度を下げるなど、供給機器に応じて切り替えます。
供給停止と落差補正
停止指令を出した時点で供給が完全に止まるわけではありません。供給口と容器の間にある原料、配管内の液体、機器内部の残留物が引き続き容器へ入ります。この停止後に加わる重量を落差と呼びます。
目標重量をWs、予測落差をWf、供給停止重量をWcとすると、概算では次のように設定します。
Wc=Ws-Wf
目標重量50kg、予測落差0.3kgの場合は、49.7kg付近で供給を停止します。
重量安定と完了判定
供給停止後は、落下中の原料、液面の揺れ、容器の振動などが収まるまで待ちます。一定時間内の重量変動が設定範囲内になったことを確認し、確定重量を取得します。
確定重量が許容範囲内であれば充填完了とします。不足時は追加充填、過量時は作業者確認や抜取り処理へ移ります。
対象物ごとの設計ポイント
粉体・粒体の充填
粉体では、流動性、付着性、圧縮性、かさ密度、含水率によって供給量と落差が変化します。供給口で詰まりや偏流が発生すると、充填時間や計量精度が安定しません。
粉じんが発生する場合は、充填口を容器へ密着させる、集塵フードを設ける、ノズルを容器内へ下降させるなどの対策を検討します。容器内で原料が片寄る場合は、容器の振動や充填位置の変更が必要になることがあります。
液体の充填
液体では、粘度、温度、泡立ち、配管圧力、バルブの閉止性能が精度へ影響します。低粘度液体は停止後の液だれ、高粘度液体は配管内残留や糸引きが問題になる場合があります。
泡立ちやすい液体では、充填開始時に低速で供給する、ノズルを容器底部付近まで下降させる、液面上昇に合わせて引き上げるなどの方法を検討します。
計量精度を安定させるポイント
計量台へ外力を加えない
充填ノズル、配管、ホース、コンベア、ガイドなどが容器や計量台へ力を加えると、その力も重量として検出されます。液体配管には柔軟性のあるホースや可とう継手を使用し、計量中の張力変化を抑えます。
容器の偏りと変形を確認する
容器が計量台の端へ寄るとロードセルへ偏荷重が加わります。柔らかい容器や薄い缶では、ノズル接触や内容物の荷重で変形し、周辺部材へ接触することがあります。
ガイドで容器位置を整え、最大偏荷重でも必要精度を確保できる計量台を選定します。
品種ごとに設定を管理する
同じ設備でも、対象物や容器が変われば、粗充填速度、微充填速度、切替重量、落差、安定時間が変化します。品種・容器ごとに設定を登録し、製造指示に応じて呼び出します。
実際の原料を使用した試験で、計量精度と充填時間を確認して調整することが重要です。
容器搬送とのインターロック
容器が所定位置へ到着していない状態では、充填を開始しません。充填中はストッパーやクランプで容器を保持し、搬送機が動かないようにします。
充填完了後は、ノズル上昇、バルブ閉確認、重量確定、キャップや蓋の状態などを確認してから搬出します。搬出先が満杯の場合は、計量位置から容器を送り出さないようにします。
容器がない状態で供給を開始すると原料流出につながるため、在荷センサだけでなく、重量値や位置センサを組み合わせて確認する場合があります。
異常監視と復旧
主な異常には、容器未到着、容器位置ずれ、ゼロ点異常、ロードセル断線、重量不安定、供給時間超過、重量増加なし、過量、ノズル未復帰などがあります。
供給指令中に重量が増えない場合は、原料切れ、フィーダー停止、バルブ未開、配管閉塞、ロードセル信号異常を確認します。供給停止後も重量が増え続ける場合は、バルブの閉止不良や液だれ、粉体の流れ込みが考えられます。
異常復旧時は、容器内の実重量とPLCが管理する工程状態を確認します。充填途中の容器を空容器として再開始すると二重充填につながるため、継続充填、手動確定、排出のいずれを行うか選択できる構成とします。
実績保存とトレーサビリティ
充填完了時には、品種、容器番号、原料ロット、目標重量、実績重量、誤差、開始・完了時刻などを保存します。
バーコードやRFIDで容器を識別すれば、正しい容器と品種の組み合わせを確認してから充填できます。計量実績を生産管理システムや基幹システムへ送信することで、在庫管理、出荷管理、品質記録にも活用できます。
通信異常時は実績を一時保存し、復旧後に重複しないよう送信します。容器番号や充填番号を一意に管理することが重要です。
保守と設備更新
定期点検では、ロードセル取付部、計量台と周辺設備の接触、配管・ホースの張力、ノズルの付着、バルブの漏れ、フィーダーの摩耗、ゼロ点、既知重量による指示値を確認します。
粉体設備では、充填口やシュートへの付着が落下量を変化させるため、清掃性と分解しやすさも重要です。液体設備では、ノズル先端、パッキン、バルブシートの摩耗や固着を点検します。
計量コントローラやPLCを更新する場合は、ロードセル仕様、校正値、フィルター、安定判定、落差補正、品種設定、実績データ形式を確認します。機器更新後は実原料と実容器で再調整します。
ハカルプラスの対応
ハカルプラスでは、充填物の性状、目標重量、容器寸法、必要精度、処理能力、洗浄方法などを確認し、容器充填計量設備の構成を検討します。
電子台秤やロードセル式計量台、スクリューフィーダー、振動フィーダー、ゲート、ポンプ、バルブ、充填ノズル、搬送コンベアなどを組み合わせます。
機械設計、計量コントローラ、制御盤、PLC、タッチパネルを含め、容器位置確認、風袋引き、粗充填・微充填、落差補正、安定判定、過不足判定、搬出まで一連の制御を設計します。
バーコード機器、生産管理システム、基幹システムなどとの連携についても、品種、容器番号、ロット、計量実績の管理方法を確認して構成を検討します。
よくある質問
Q. 充填重量が毎回目標を超える場合はどう調整しますか?
A. 微充填速度、供給停止重量、落差補正値を確認します。フィーダーやバルブの停止応答、ノズルからの液だれや粉体の流れ込みも点検します。
Q. 容器ごとに空重量が異なっても計量できますか?
A. 容器を載せるたびに風袋引きを行えば、容器重量の差を除いて正味重量を計量できます。風袋重量が許容範囲外の場合は警報を出すことも可能です。
Q. 粉体充填時の粉じんを減らせますか?
A. 充填口の密閉、集塵フード、下降式ノズル、供給速度の調整などを検討します。実粉体の流動性と発じん状態を確認して構成します。
Q. 既設の台秤を自動充填設備へ改造できますか?
A. 計量信号、供給機器、PLC入出力、安全性、容器搬送方法を確認し、計量コントローラや制御盤を追加できる場合があります。
Q. 充填実績を上位システムへ保存できますか?
A. 品種、容器番号、ロット、目標重量、実績重量、日時などをPLCや産業用パソコンから送信・保存する構成を検討できます。