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追従式充填ノズル
(ついじゅうしきじゅうてんノズル)
追従式充填ノズルとは、粉体や粒体を袋、容器、ドラム缶などへ充填するときに、充填物の表面高さに合わせてノズル先端を上下させる装置です。充填中の落下距離を短く保つことで、粉じんの飛散、原料の衝撃、袋内への空気巻込みを抑えます。
一般的な固定ノズルでは、容器の底部から充填物表面までの距離が大きい充填初期に、原料が高い位置から落下します。微粉体では、落下によって空気が巻き込まれ、粉じんが舞いやすくなります。追従式充填ノズルは、充填開始時にノズルを容器の底部付近まで下降させ、原料がたまるにつれて上昇します。
追従式充填ノズルの仕組み
充填開始前に、ノズルを袋や容器の内部へ下降させます。ノズル先端を底部近くに配置した状態で原料供給を開始し、充填物の表面が上昇するとノズルも上方へ移動します。
ノズルの昇降には、エアシリンダ、電動シリンダ、サーボモータ、ワイヤ機構などが使用されます。
充填物表面への追従方法には次のような方式があります。
- 充填重量や供給量から表面高さを推定する
- 一定時間または一定重量ごとにノズルを上昇させる
- レベルセンサで充填物表面を検知する
- ノズルへ加わる圧力や反力を検知する
粉じんを抑える理由
粉体が高い位置から落下すると、周囲の空気を巻き込みながら容器内へ入ります。巻き込まれた空気は、袋口や容器開口部から外へ抜けるときに粉じんを伴います。
追従式充填ノズルで落下距離を短くすると、原料の速度と空気巻込みを抑えられます。ノズル周囲に集じん経路を設ければ、袋内から排出される空気と粉じんを吸引できます。
粉じん発生量は、原料の粒径、充填速度、落下高さ、袋の通気性などによって異なります。
充填物表面への追従
ノズル先端を原料表面へ近づけすぎると、粉体がノズル出口を塞ぎ、供給不良が発生する可能性があります。反対に、離れすぎると粉じん抑制効果が低下します。
そのため、ノズル先端と原料表面の間に適切な距離を保つ必要があります。
目安となる位置は、原料性状、ノズル径、供給量によって異なります。試運転時に粉じん発生、充填速度、ノズル詰まりを確認して調整します。
袋への充填
袋やフレコンへ使用する場合は、袋口をノズル外周へ固定します。ノズルが上下しても袋口が外れないよう、クランプ構造や蛇腹部を設けます。
ノズルの上昇とともに袋が引っ張られる場合は、袋の支持方法やノズルストロークを調整します。フレコンでは、吊りベルトや底部の支持高さも確認します。
袋が柔らかいため、充填物が偏ると形状が崩れることがあります。ノズル位置を中央へ合わせ、必要に応じて袋底部の振動や整形を行います。
ドラム缶・容器への充填
ドラム缶や箱型容器では、ノズルを容器底部付近まで下降させて充填します。容器がノズルの真下へ正確に位置決めされていないと、ノズルが縁へ接触する可能性があります。
容器有無、位置ずれ、ノズル下降端をセンサで確認します。ノズル下降中に障害物を検知した場合は、停止または上昇させる安全制御を行います。
充填速度との関係
高速で充填すると処理能力は上がりますが、粉じんと空気巻込みが増えます。追従式ノズルを使用しても、原料や容器に対して過大な供給速度では十分な効果を得られません。
充填初期、中間、終盤で供給速度を切り替える方法があります。終盤は目標重量への過量を防ぐため、小投入へ切り替えます。
重量計量と組み合わせる場合は、ノズルの昇降動作が秤へ力を加えないようにします。袋や容器へノズルが接触した状態で計量すると、正しい重量を測定できない場合があります。
集じん機能との組合せ
ノズルを二重管構造とし、中央から原料を供給し、外周部から袋内の空気を吸引する方式があります。これにより、充填原料と排気の経路を分けられます。
集じん風量が強すぎると、投入した製品粉を吸い戻す可能性があります。弱すぎると袋口から粉じんが漏れます。充填速度と袋の通気性に合わせて調整します。
フィルタ詰まりによって集じん風量が低下すると、以前より粉じんが増えることがあります。差圧や風量を定期的に確認します。
制御シーケンス
一般的な動作手順は次のとおりです。
- 袋または容器の有無を確認する
- 袋口クランプや容器位置決めを行う
- ノズルを充填開始位置まで下降させる
- 集じん機を運転する
- 原料供給を開始する
- 充填量に応じてノズルを上昇させる
- 目標重量で原料供給を停止する
- 残留粉を排出する
- ノズルを上限位置まで上昇させる
- 袋口や容器の固定を解除する
各工程に確認信号を設け、ノズルが所定位置にない状態で供給を開始しないようインターロックを構成します。
異常時の確認方法
ノズルが上下しない場合は、エア圧力、電磁弁、シリンダ、モータ、位置センサを確認します。原料がノズル内へ付着して重量が増えると、昇降機構への負荷が大きくなる場合があります。
粉じんが多い場合は、ノズル位置、充填速度、袋口シール、集じん風量を確認します。ノズルが原料へ埋まる場合は、上昇タイミングや追従距離を見直します。
容器へ接触する場合は、位置決め装置、ノズル芯、下降端設定を確認します。
ノズル形状の選定
ノズル径は、必要な充填能力と原料性状から選定します。細すぎると充填時間が長くなり、付着性粉体では詰まりやすくなります。太すぎると袋口への取付けや密閉が難しくなる場合があります。
内面は原料が付着しにくく、清掃しやすい形状にします。食品や医薬品では、分解洗浄、表面仕上げ、材質も重要です。
複数品種を扱う場合は、ノズル内の残留を抑え、清掃や交換を行いやすい構造を検討します。
保守点検
昇降ガイド、シリンダ、ワイヤ、位置センサ、蛇腹、クランプを定期的に点検します。粉じんがガイド部へ入り込むと動作が重くなるため、清掃と給脂を行います。
蛇腹やフレキシブルダクトに亀裂があると、粉じん漏れや吸引力低下が発生します。袋口シール材も摩耗するため、密閉状態を確認します。
非常停止や下降端検知など、安全機能の動作確認も行います。
ハカルプラスの対応
ハカルプラスでは、粉体や粒体の充填設備に使用する追従式充填ノズルについて、原料性状、容器形状、充填重量、処理能力などの仕様を確認して検討します。
ロードセル計量、ノズル昇降、袋口クランプ、集じん、供給機との連動についても、必要な動作と安全条件を確認して構成します。
よくある質問
Q. 追従式充填ノズルを使うと粉じんを完全になくせますか?
A. 粉じんを抑えやすくなりますが、原料性状や充填速度によっては、集じん設備や袋口シールも必要です。
Q. ノズルは原料表面へ接触させますか?
A. 通常は詰まりを防ぐため、原料表面との間に一定の距離を保ちながら上昇させます。
Q. フレコンとドラム缶の両方に使用できますか?
A. ノズル径、ストローク、固定方法、容器高さなどを切り替えられる構成であれば対応できる場合があります。
Q. ノズルの昇降はどのように制御しますか?
A. 重量、時間、レベルセンサなどを基準にして、エアシリンダや電動機を制御します。
Q. 既設の充填機へ追加できますか?
A. 設置高さ、ノズル周辺のスペース、既設供給機、制御盤などの条件によって対応できる場合があります。