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フレキシブルホッパー
(フレキシブルホッパー)
フレキシブルホッパーとは、ホッパーの一部または全体にゴムや樹脂などの柔軟な材料を使用し、外部から変形や振動を与えることで粉体の付着、ブリッジ、ラットホールを抑える供給補助装置です。
粉体は、粒径、含水率、付着性、圧縮性などによってホッパー内で流れにくくなることがあります。金属製ホッパーの内壁へ粉体が付着すると、残量があるにもかかわらず排出できない状態が発生します。フレキシブルホッパーは、柔軟な壁面を周期的に動かし、粉体の固まりや付着を崩して排出を促します。
粉体が排出しにくくなる原因
ホッパー内の粉体には、重力によって下向きの力が働きます。一方で、粉体同士の摩擦、内壁との摩擦、付着力が大きいと、粉体が自然に流れません。
代表的な流動不良には次のものがあります。
- ブリッジ:排出口の上部で粉体がアーチ状に固まる
- ラットホール:中央部だけが流れ、周囲の粉体が残る
- 壁面付着:粉体がホッパー内壁へ付着する
- 圧密:上部の粉体荷重によって下部が締め固まる
- 偏析:粒径や密度の違いによって粉体が分離する
フレキシブルホッパーは、主にブリッジ、ラットホール、壁面付着の低減を目的に使用されます。
フレキシブルホッパーの仕組み
柔軟なホッパー壁面を、外側から機械的に押す、もむ、振動させることで、内壁へ付着した粉体を剥がします。壁面形状が変化すると、粉体に加わっていた応力のバランスが崩れ、固まった部分がほぐれます。
駆動方法には、エアシリンダ、空気圧パッド、モータ、振動機などがあります。一定時間ごとに動作させる方法や、排出中だけ動作させる方法があります。
一般的な構成は次のとおりです。
- 柔軟なホッパー本体
- 変形や振動を与える駆動部
- エアシリンダやモータ
- 動作を制御する電磁弁やPLC
- 粉体を排出するフィーダやゲート
金属製ホッパーとの違い
一般的な金属製ホッパーは、形状が変わらない剛体構造です。内壁を滑らかにする、角度を急にする、バイブレータやエアノッカーを取り付けることで流動を改善します。
フレキシブルホッパーは壁面そのものを変形させるため、付着粉を剥がしやすい点が特長です。また、金属板へ強い衝撃を与えるエアノッカーと比べ、騒音や設備への衝撃を抑えられる場合があります。
一方で、柔軟材は摩耗、疲労、薬品、温度などの影響を受けます。原料と使用環境に合った材質選定が必要です。
適用しやすい粉体
付着性があり、ホッパー壁面へ残りやすい粉体に適しています。微粉、吸湿性粉体、圧縮性粉体などで検討されます。
ただし、硬く鋭い粒子を含む原料や、摩耗性の高い粉体では、柔軟材が損傷する可能性があります。高温原料、溶剤を含む原料、油分を含む原料では、材料の耐熱性や耐薬品性を確認します。
材質選定のポイント
ホッパーの柔軟部には、ゴム、ウレタン、樹脂シートなどが使用されます。選定時には次の条件を確認します。
- 原料との化学的な相性
- 使用温度
- 摩耗性
- 食品衛生対応の必要性
- 静電気対策
- 洗浄方法
- 交換周期
粉体と接触する部分に規制や衛生条件がある場合は、適合する材質を選定します。可燃性粉体では、帯電防止材や接地方法も確認します。
供給機との組合せ
フレキシブルホッパーの下部には、スクリューフィーダ、振動フィーダ、ロータリーバルブ、ゲートなどを取り付けます。ホッパーが粉体をほぐしても、下流の供給機が詰まっている場合は排出できません。
供給機の運転とホッパーの変形動作を連動させ、排出中だけ動作させる方法があります。常時動作させると、粉体が過度に圧縮されたり、偏析したりする場合があるため、原料に合わせて動作周期を調整します。
計量設備での使用
計量ホッパーやフィーダ上部の貯留ホッパーへ使用すると、原料供給を安定させ、計量時間のばらつきを抑えられる場合があります。
ただし、ホッパーの駆動や振動がロードセルへ伝わると、計量値が不安定になります。計量判定中は動作を停止する、秤と切り離した上部ホッパーへ使用するなどの構成を検討します。
フレキシブル部が配管やフレームへ接触すると、不要な力が秤へ加わるため、変形範囲を考慮した設置が必要です。
排出不良が起きたときの確認
粉体が排出されない場合は、柔軟部が正常に変形しているか、エアシリンダや電磁弁が動作しているかを確認します。
原料性状が変化し、以前より含水率や付着性が高くなっている場合は、動作周期や排出口径を見直す必要があります。ホッパー下部のフィーダやゲートへの詰まりも確認します。
柔軟部が硬化、変形、破損している場合は、十分な動きが得られません。材質劣化や摩耗を点検します。
保守点検
柔軟部には繰返し変形が加わるため、亀裂、摩耗、膨れ、硬化を定期的に確認します。原料が入り込む小さな傷でも、使用を続けると破損が広がる場合があります。
エア駆動では、エア圧力、電磁弁、チューブ、シリンダを点検します。動作部に粉じんが堆積すると、十分なストロークを得られないことがあります。
交換時には、柔軟材の取付け方向、締付け状態、シール性を確認します。締め付けが不均一だと、原料漏れや局所的な損傷につながります。
選定時のポイント
選定では、粉体性状、必要容量、排出口径、使用温度、設置スペース、供給能力を確認します。既設設備へ追加する場合は、上部・下部の接続寸法と周辺機器への干渉も確認します。
どの程度の付着やブリッジを解消できるかは、粉体とホッパー形状によって異なります。必要に応じて原料試験を行い、排出状態を確認します。
ハカルプラスの対応
ハカルプラスでは、粉体計量設備や供給設備に使用するフレキシブルホッパーについて、原料性状、容量、排出量、接続機器などの仕様を確認して検討します。
フィーダとの連動、エアシリンダ制御、計量への振動影響、交換しやすい構造についても、設備条件を確認して構成します。
よくある質問
Q. フレキシブルホッパーはすべての粉体に使用できますか?
A. 原料の摩耗性、温度、付着性、薬品性によって適否が異なります。柔軟材との相性を確認する必要があります。
Q. ブリッジを完全になくせますか?
A. 改善できる場合がありますが、粉体性状やホッパー形状によっては、排出口の拡大やフィーダ変更なども必要です。
Q. 計量ホッパーに取り付けてもよいですか?
A. 動作や振動が計量値へ影響する可能性があります。計量中の停止や、秤への力を伝えない構造を検討します。
Q. 柔軟部の交換は必要ですか?
A. 繰返し変形や摩耗によって劣化するため、定期点検と必要に応じた交換が必要です。
Q. 既設の金属ホッパーから変更できますか?
A. 接続寸法、設置スペース、原料、下流機器などの条件によって対応できる場合があります。