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局所集じんフード
(きょくしょしゅうじんフード)
局所集じんフードとは、粉体の投入、計量、袋詰め、移し替えなどで発生する粉じんを、発生源の近くで吸引するための囲いや吸込口です。粉じんが作業場全体へ拡散してから回収するのではなく、発生した直後に捕集することを目的とします。
粉体設備では、原料をホッパーへ投入するとき、袋を開封するとき、計量容器へ落下させるときなどに粉じんが発生します。局所集じんフードを適切に設計すると、作業者の粉じん曝露、周辺設備への堆積、異物混入、清掃負担を抑えやすくなります。
局所集じんの仕組み
局所集じん設備は、粉じんが発生する場所をフードで囲い、ダクト、集じん機、排気ファンを通じて空気を吸引します。吸い込まれた粉じんは、フィルタやサイクロンなどで空気から分離されます。
一般的な構成は次のとおりです。
- 粉じん発生源を囲う集じんフード
- 粉じんを搬送するダクト
- 粉じんを分離する集じん機
- 吸引力を発生させる排気ファン
- 風量を調整するダンパ
- 回収粉をためる容器
フードの開口部では、外側から内側へ空気が流れる状態をつくります。この流れによって、発生した粉じんが作業場側へ漏れ出す前に吸い込まれます。
捕捉速度とは
捕捉速度とは、粉じんをフードへ引き込むために必要な空気速度です。粉じんの発生方法、粒径、飛散方向、周囲気流などによって必要な速度は異なります。
必要風量は、概念的に次のように考えられます。
必要風量=フード開口面積×開口部の平均風速
開口面積が大きいほど、同じ風速を得るために大きな風量が必要です。そのため、作業性を損なわない範囲で開口部を小さくし、発生源をできるだけ囲うことが重要です。
フード形状の種類
局所集じんフードには、粉じん発生源の囲い方によって複数の形状があります。
囲い式フード
粉じん発生源をできるだけ囲い、必要な開口部だけを残す方式です。少ない風量で捕集しやすく、粉じんの拡散防止に有効です。
外付け式フード
粉じん発生源の側面や上部に吸込口を設ける方式です。設備を完全に囲えない場合に使用しますが、発生源とフードの距離が離れるほど捕集性能が低下します。
レシーバ式フード
粉じんや気流が向かう方向にフードを設置し、発生時の勢いを利用して吸い込む方式です。落下する粉体の流れに合わせて配置する場合があります。
粉体投入時の集じん
袋詰め原料をホッパーへ投入する工程では、袋を開封した瞬間や原料が落下したときに粉じんが舞い上がります。投入部の背面や側面に吸込口を設け、前面には作業に必要な開口を残します。
投入高さが高いほど粉体が空気を巻き込み、粉じんが発生しやすくなります。投入位置を低くする、シュートを設ける、原料落下速度を抑えるなど、発生量そのものを減らす対策も有効です。
フードだけで粉じんを吸い切ろうとすると、必要風量が大きくなる場合があります。囲い、投入方法、吸引位置を組み合わせて設計します。
計量・充填設備での活用
粉体計量機や充填機では、計量容器への投入時や袋からノズルを外すときに粉じんが発生します。計量部全体を囲う方法や、充填口の周囲から吸引する方法があります。
集じん風量が大きすぎると、投入中の粉体まで吸い込み、計量誤差や原料損失につながることがあります。そのため、粉じんだけを捕集し、製品粉を過度に吸引しない風量調整が必要です。
計量中に集じん機を運転する場合は、吸引による秤への力やダクトの引張りが計量値へ影響しないよう、フレキシブル接続などを使用します。
設計時のポイント
- 粉じんが発生する位置と方向を確認する
- フードを発生源へできるだけ近づける
- 作業に必要な開口部だけを残す
- 外乱風がフード内部へ入り込まないようにする
- 製品粉を過度に吸引しない風量に調整する
- 清掃や点検がしやすい構造にする
扇風機、空調、出入口からの風がフードの吸引方向と反対に流れると、粉じんが外へ漏れやすくなります。周辺の気流も確認して配置します。
ダクトと集じん機の選定
ダクト内の風速が低すぎると、吸い込んだ粉じんが内部へ堆積します。反対に、風速が高すぎると圧力損失や消費電力が大きくなり、粉体による摩耗も進みます。
粉じんの種類、発生量、粒径、付着性、爆発性などを確認し、集じん機の方式とフィルタを選定します。湿気を含む粉体や付着性の高い粉体では、フィルタの目詰まりに注意が必要です。
可燃性粉じんを扱う場合は、粉じん爆発の危険性を確認し、防爆、静電気対策、火花対策、爆発放散などを検討します。
吸引不足が起きたときの確認
粉じんがフード外へ漏れる場合は、集じん機のフィルタ詰まり、ファンの異常、ダンパ設定、ダクト詰まり、フード開口部の変更などを確認します。
以前は問題なく吸引できていた場合でも、フィルタへ粉じんが堆積すると風量が低下します。ダクトの穴あきや接続部からの空気漏れでも、フード部分の吸引力が弱くなります。
フードの前に物を置いたり、設備改造によって粉じん発生位置が変わったりした場合も、捕集性能が低下することがあります。
保守点検
定期的にフード内部、ダクト、フィルタ、回収容器を点検します。付着粉が堆積すると、吸込口の面積が狭くなり、風量が低下します。
差圧計を備えた集じん機では、フィルタ前後の差圧を確認します。差圧が高い場合は、フィルタ清掃、払い落とし機構、交換時期を確認します。
フードやダクトの清掃時は、粉じんを再飛散させない方法を選びます。エアブローだけで清掃すると、周囲へ粉じんを拡散させる可能性があります。
ハカルプラスの対応
ハカルプラスでは、粉体計量設備や充填設備に付帯する局所集じんフードについて、粉体性状、発生位置、作業方法、必要風量などの仕様を確認して検討します。
計量精度への影響、既設集じん機との接続、フード形状、ダクト取り回しについても、設備条件を確認して構成します。
よくある質問
Q. 集じんフードを大きくすれば粉じんを吸いやすくなりますか?
A. 開口部が大きくなると、必要な吸引風量も増えます。作業性を確保しながら、発生源をできるだけ囲う方が効率的です。
Q. 集じん風量が強いほどよいですか?
A. 強すぎると製品粉まで吸い込み、原料損失や計量誤差につながる場合があります。粉じん発生量に合った調整が必要です。
Q. 既設の集じん機へフードを追加できますか?
A. 集じん機の余裕風量、ダクト圧力損失、既設吸込口の数などによって対応できる場合があります。
Q. フードから粉じんが漏れる原因は何ですか?
A. フィルタ詰まり、風量不足、外乱風、フード位置のずれ、開口部の拡大などが考えられます。
Q. 計量機の周囲にも集じんフードを設置できますか?
A. 吸引力が計量値へ影響しない構造を検討し、フレキシブル接続や風量調整を行うことで対応できる場合があります。