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電子記録・電子署名
(でんしきろく・でんししょめい)
電子記録・電子署名とは、製造、検査、計量、承認などの記録を紙ではなく電子データとして保存し、その記録を作成・確認・承認した人物を電子的に識別する仕組みです。
電子記録を利用すると、検索、集計、共有、長期保存を効率化できます。一方、データの改ざん、消失、なりすましを防ぎ、紙の記録と同等以上の信頼性を確保する必要があります。
ハカルプラスでは、製造記録、計量実績、検査結果、承認手順を確認し、ユーザー認証、監査証跡、電子署名、バックアップを含む構成を検討します。
電子記録の対象
- 製造日時、品種、ロット、製造数量
- 原料の目標値・計量実績値
- 温度、圧力、流量などの工程データ
- 検査結果、判定、再検査情報
- 異常、停止、復旧の履歴
- 設定変更、承認、操作履歴
電子署名の役割
電子署名は、記録を作成・確認・承認した人物を明確にし、その意思表示を記録へ関連付けるものです。
単に画面へ氏名を入力するだけでは、他人が同じ名前を入力できるため十分ではありません。個人ID、パスワード、ICカードなどによる認証と組み合わせます。
紙記録との違い
紙では、手書き署名、押印、訂正線によって変更経緯を残します。
電子記録では、元データを消さず、変更前後の値、変更理由、操作者、時刻を監査証跡として保存します。
ユーザー認証
電子署名を行う前に、操作者本人であることを確認します。
ユーザーIDとパスワード、ICカード、NFC、生体認証などを使用します。共有IDは、署名者を特定できないため避けます。
署名情報
電子署名には、次の情報を関連付けます。
- 署名者の氏名・ユーザーID
- 署名日時
- 署名の意味
- 対象となる記録
- 必要に応じてコメントや理由
署名の意味には、「作成」「確認」「承認」「再確認」などがあります。
署名と記録の関連付け
署名情報が別の記録へ付け替えられないよう、対象データと一体で管理します。
データID、ロット番号、記録バージョンなどを使用し、署名後に対象データが変更された場合は、署名を無効化して再承認を求めます。
作成・確認・承認
一人の作業者が記録を作成し、別の担当者が確認・承認する運用があります。
役割ごとに権限を設定し、作成者が自分の記録を最終承認できないようにする場合があります。
訂正処理
確定済みの電子記録に誤りが見つかった場合、元データを直接上書きせず、訂正処理を行います。
訂正前の値、訂正後の値、訂正理由、操作者、日時を保存し、必要に応じて再承認します。
監査証跡
電子記録の作成、変更、削除、署名、承認、差戻しを監査証跡へ保存します。
監査証跡そのものを一般ユーザーが編集・削除できないよう、アクセス権限と保存方法を設計します。
時刻管理
電子署名や監査証跡では、正しい日時が重要です。
サーバー、NTP、GNSSなどで時刻を同期し、時刻変更を権限管理します。時刻変更操作も履歴へ残します。
記録の完全性
保存中の停電、通信断、ストレージ故障により、電子記録が欠落・破損する可能性があります。
トランザクション処理、CRC、二重化、バックアップを使用し、保存完了を確認してから次工程へ進めます。
データの可読性
長期間保存した記録は、将来も内容を読める必要があります。
独自形式だけに依存せず、CSV、PDF、データベースなどの出力方法を用意します。項目名、単位、日時形式、バージョンも保存します。
長期保存
保存期間は、製品保証、顧客要求、社内規程、対象業界の要件から決めます。
ストレージ容量、バックアップ、媒体更新、システム更新後の読出し互換性を考慮します。
バックアップ
電子記録を一つの装置だけに保存すると、機器故障で失われる可能性があります。
別ストレージ、サーバー、外部媒体などへ定期バックアップします。バックアップから実際に復元できることも定期的に確認します。
アクセス権限
閲覧、入力、修正、承認、出力、管理者設定などの権限を役割ごとに分けます。
退職、異動、担当変更時にはアカウントを速やかに無効化し、権限変更履歴を残します。
パスワード管理
パスワードの最小文字数、有効期限、再利用制限、連続失敗時のロックなどを設定します。
パスワードを画面やログへ平文で表示・保存しないようにします。
ICカード・NFC
ICカードやNFCを利用すると、ユーザーIDの入力を簡略化できます。
ただし、カードの貸借・紛失によるなりすましを防ぐため、重要な署名ではパスワード併用を検討します。
電子署名後の変更
署名済みデータを変更した場合は、変更前の署名と記録を保持し、新しい版として再署名します。
署名があるように見えても、署名後に内容が変わっていれば信頼性を失うためです。
ロット管理との連携
製造ロット、原料ロット、計量実績、検査記録へ電子署名を関連付けます。
出荷判定や品質承認を電子化すると、承認待ち・差戻しの状態をシステム上で管理できます。
設備データとの連携
PLCや計量コントローラから自動取得した値は、手入力値と区別して保存します。
自動取得値を手動修正した場合は、元値、修正値、理由、操作者を記録します。
通信断時の対応
設備と上位システムの通信が切れた場合は、設備側へ記録を一時保存します。
通信復旧後に未送信データを再送し、二重登録を防ぐために一意の記録番号を使用します。
システム更新
ソフトウェアやデータベースを更新する場合、過去の電子記録と署名情報を引き継げることを確認します。
データ移行後に件数、内容、署名、監査証跡が一致しているか検証します。
異常時の確認
署名できない場合は、ユーザー権限、認証、対象記録の状態、時刻を確認します。
記録が保存されない場合は、データベース、通信、ストレージ容量、トランザクション処理を点検します。
ハカルプラスの対応
ハカルプラスでは、製造・品質記録の流れと、作成・確認・承認の役割を整理します。
ユーザー認証、操作権限、監査証跡、変更理由、再承認、バックアップを組み合わせ、計量・製造システムの電子記録化を検討します。
よくある質問
Q. 氏名を画面へ入力すれば電子署名になりますか?
A. 本人を特定できる認証と、署名日時・対象記録・署名の意味を関連付ける必要があります。
Q. 電子署名後に記録を修正できますか?
A. 元記録と署名を保持し、変更履歴を残したうえで再承認する構成が必要です。
Q. 共通アカウントでも電子署名できますか?
A. 誰が署名したか特定できないため、個人ごとのアカウントを使用することが重要です。
Q. 電子記録をCSVやPDFで出力できますか?
A. 検索・確認用にCSVやPDFへ出力する構成を検討できます。
Q. 既設の紙記録を電子化できますか?
A. 現在の記録項目、承認手順、設備データ取得方法を整理し、段階的に電子化できる場合があります。