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リアルタイムクロック(RTC)

(リアルタイムクロック)

リアルタイムクロックとは、機器の電源が切れている間も、年、月、日、時、分、秒などの日時を継続して保持するための時計回路です。英語のReal-Time Clockを略してRTCと呼ばれます。

組込機器では、計測データ、異常履歴、操作履歴、通信記録へ正しい日時を付けるために使用されます。バックアップ電池やスーパーキャパシタを備えることで、主電源が切れても時計を動かし続けます。

ハカルプラスでは、必要な時刻精度、停電保持時間、通信環境を確認し、RTC、バックアップ電源、時刻補正、履歴保存を含む構成を検討します。

RTCの主な役割

  • 計測データへ日時を付与する
  • 異常発生・復旧時刻を記録する
  • 定時処理やスケジュール運転を行う
  • 保守期限や累積運転期間を管理する
  • 複数機器の記録時刻をそろえる

日時情報が不正確だと、異常の発生順序や製造実績を正しく追跡できません。

RTCの基本構成

RTCは、低消費電力の時計回路、発振子、日時レジスタ、バックアップ電源などで構成されます。

マイコンに内蔵されている場合と、専用RTC ICを外付けする場合があります。外付けICは、主電源から独立して動作させやすく、高精度補正機能を持つ製品もあります。

水晶発振子

RTCでは一般に32.768kHzの水晶振動子が使用されます。この周波数は2の累乗で分周しやすく、1秒の基準を作りやすいためです。

水晶振動子の精度は温度、負荷容量、基板配線によって変化します。指定された部品と回路定数を使用します。

時刻精度

RTCの時計は完全に正確ではなく、発振周波数の誤差によって少しずつ進んだり遅れたりします。

例えば、誤差が20ppmの場合、理論上は1日あたり約1.7秒ずれる可能性があります。長期間補正しない機器では、月単位・年単位で大きな差になります。

温度による影響

水晶振動子の周波数は温度によって変化します。屋外機器、冷凍設備、発熱の大きい筐体では、周囲温度変化による時刻ずれが大きくなる場合があります。

高い精度が必要な場合は、温度補償型RTCや定期的な時刻同期を使用します。

バックアップ電源

主電源が切れた際にRTCを動作させるため、コイン電池、充電池、スーパーキャパシタなどを使用します。

  • コイン電池:長期間保持しやすいが交換が必要
  • 充電池:充電して繰り返し使用できる
  • スーパーキャパシタ:交換不要にしやすいが保持時間が比較的短い

必要な停電保持時間、保守周期、使用温度から選定します。

バックアップ時間

バックアップ時間は、電池容量、RTC消費電流、自己放電、周囲温度によって変わります。

機器の保管期間や停電期間を考慮し、必要な余裕を持たせます。長期間電源を入れずに保管する製品では、出荷から設置までの期間も含めます。

電池切れの検出

バックアップ電圧が低下すると、停電中に時刻が停止したり初期値へ戻ったりする可能性があります。

電圧低下フラグや電池電圧を監視し、交換時期を画面や通信で通知します。電池交換後は日時設定が必要になる場合があります。

日時の初期設定

製造時、設置時、電池交換時には正しい日時を設定します。タッチパネル、パソコン用ツール、通信コマンドなどを使用します。

存在しない日付や範囲外の値を受け付けないよう、入力値を確認します。年月日の形式や12時間・24時間表示も統一します。

うるう年と月末処理

RTC ICが日付計算へ対応している場合でも、対応年の範囲を確認します。ソフトウェア側で曜日や経過日数を計算する場合は、うるう年を正しく処理します。

2099年まで対応する機器など、製品寿命と時刻管理範囲を確認します。

時刻同期

ネットワークへ接続する機器では、NTPサーバー、上位PLC、産業用コンピュータなどから定期的に時刻を補正できます。

GPS・GNSSを利用すると、インターネットへ接続せず高精度な時刻を取得できます。複数設備の異常発生順序を比較する場合に有効です。

時刻変更時の注意

現在時刻を大きく戻すと、同じ日時の履歴が重複する可能性があります。進める場合は、一定期間のデータが存在しない状態になります。

履歴には通し番号を付ける、時刻変更操作を記録するなど、後から判別できる仕組みを設けます。

タイムゾーンと夏時間

国内専用機器では日本標準時だけを扱うことが多いですが、海外向け製品やクラウド連携ではタイムゾーンを考慮します。

内部ではUTCで保存し、表示時に現地時間へ変換する方法があります。夏時間へ対応する場合は、時刻の重複・欠落に注意します。

データロギングへの利用

温度、圧力、重量、電力などの計測データへRTC時刻を付与し、SDカードや内部メモリへ保存します。

一定周期で記録する場合、処理時間によって記録時刻が徐々にずれないよう、RTCの時刻を基準に次回記録を設定します。

異常履歴への利用

異常発生、確認、復旧の各時刻を記録すると、停止時間や対応時間を集計できます。

複数機器で履歴を比較する場合は、各機器の時計を同期し、時刻精度をそろえることが重要です。

電源切替時の回路設計

主電源とバックアップ電源の切替時にRTC電源が途切れないようにします。逆流、過充電、電池消耗を防ぐ回路も必要です。

充電できないコイン電池へ充電電流を流さないよう、電池種類と回路を一致させます。

異常時の確認

時計がリセットされる場合は、バックアップ電池、電池ホルダ、切替回路、RTC電源を確認します。時刻が大きくずれる場合は、水晶振動子、温度、補正設定を点検します。

通信同期後もずれる場合は、同期周期、タイムゾーン、上位機器側の時刻を確認します。

ハカルプラスの対応

ハカルプラスでは、必要な時刻精度、保持期間、設置環境を確認し、RTC IC、バックアップ電源、時刻設定方法を選定します。

データロギング、異常履歴、NTP・GNSS時刻同期、電池低下警報まで含む組込機器の時刻管理を検討します。

よくある質問

Q. マイコンだけで時刻を管理できますか?

A. 電源が入っている間は可能ですが、停電中も保持するにはRTCとバックアップ電源が必要です。

Q. RTCの時計は少しずつずれますか?

A. 水晶の誤差や温度変化によってずれるため、必要に応じて定期的に時刻同期します。

Q. コイン電池は交換が必要ですか?

A. 使用期間と消費電流に応じて交換が必要です。電圧低下を監視できる構成もあります。

Q. インターネットがなくても時刻同期できますか?

A. 上位PLC、パソコン、GPS・GNSSなどを利用して同期できます。

Q. 時刻を変更した履歴を残せますか?

A. 変更前後の時刻、操作者、変更日時を不揮発性メモリや上位システムへ保存できます。

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