ポンプ交互運転制御とは、同じ用途に設置された複数台のポンプを順番に切り替えて運転し、各ポンプの運転時間や起動回数を均等化する制御です。給水、排水、循環、加圧などの設備で使用されます。

一台だけを常用すると、特定のポンプへ摩耗や劣化が集中します。交互運転によって負担を分散し、故障時には残りのポンプへ切り替えることで、設備の継続運転性を高めます。

ハカルプラスでは、ポンプ台数、液位・圧力条件、必要流量、予備機の考え方を確認し、PLCによる交互運転、追掛け運転、異常切替を検討します。

交互運転の基本

二台のポンプを使用する場合、前回ポンプ1を運転したら、次回はポンプ2を優先します。その次は再びポンプ1を優先します。

運転開始ごとに優先機を交代する方式のほか、一定時間ごと、一定日数ごと、運転時間差によって切り替える方式があります。

主な目的

  • 運転時間と起動回数を均等化する
  • 特定ポンプへの負担集中を防ぐ
  • 故障時にも設備を継続運転する
  • 保守・点検中のバックアップを確保する
  • 必要流量増加時に複数台を運転する

液位による交互運転

排水槽では、液位が起動水位へ達すると優先ポンプを起動し、停止水位まで下がると停止します。次回の起動では、もう一方のポンプを優先します。

液位がさらに上昇した場合は、待機中のポンプも起動する追掛け運転を行います。

圧力による交互運転

給水・加圧設備では、配管圧力が低下すると優先ポンプを起動し、目標圧力まで回復すると停止または減速します。

一台で必要圧力や流量を確保できない場合は、二台目を追加運転します。圧力センサとインバーターを組み合わせる場合もあります。

起動ごとの交互切替

運転要求が発生するたびに優先機を交代する最も基本的な方式です。運転時間が各回で大きく異なる設備では、累積運転時間が均等にならない場合があります。

起動回数の分散を重視する設備に適しています。

運転時間による切替

各ポンプの累積運転時間を記録し、運転時間が短いポンプを次回の優先機とします。

運転要求の長さにばらつきがある設備でも、総運転時間を均等化しやすくなります。運転時間は停電後も保持できるようにします。

一定期間ごとの切替

毎日、毎週、毎月など、定めた時刻に優先機を切り替える方式です。常時運転する循環ポンプなどで使用されます。

運転中に切り替える場合は、先に待機ポンプを起動し、圧力や流量が安定してから運転中ポンプを停止します。

追掛け運転

一台だけでは処理能力が不足した場合に、二台目以降を追加起動します。高液位、高圧力偏差、大流量要求などを条件とします。

追掛け起動と停止に同じ設定値を使うと、頻繁に起動・停止するため、起動条件と停止条件に差を設けます。

異常時の自動切替

優先ポンプが過負荷、インバーター異常、起動失敗となった場合は、そのポンプを運転対象から外し、待機ポンプを起動します。

切替後も異常ポンプを自動的に再起動し続けると、故障を悪化させる可能性があります。復旧操作が行われるまで故障状態を保持します。

起動確認

PLCが運転指令を出しただけでは、ポンプが実際に送液しているとは限りません。

電磁接触器の補助接点、インバーター運転信号、モーター電流、圧力、流量などを監視し、一定時間内に正常状態へならなければ起動失敗と判定します。

空運転防止

吸込側の液面が低い状態でポンプを運転すると、空運転による過熱や損傷が発生する可能性があります。

下限液位、吸込圧力、流量などを監視し、条件不足時はすべてのポンプを起動禁止とします。

起動回数の制限

短時間に起動・停止を繰り返すと、モーター、接触器、ポンプへ負担がかかります。最低運転時間、最低停止時間、時間あたりの最大起動回数を設定します。

液位センサや圧力設定の差が小さすぎる場合は、チャタリング運転が発生しやすくなります。

手動運転と保守

点検時には、各ポンプを個別に手動運転できるようにします。ただし、液位下限、バルブ状態、非常停止などの保護条件は維持します。

一台を保守対象として除外し、残りのポンプだけで自動運転する休止設定を設ける場合があります。

優先順位の管理

二台以上の設備では、次回優先機、待機機、休止機、故障機を管理します。タッチパネルへ状態を表示すると、運転計画と保守が分かりやすくなります。

ポンプ交換後に累積運転時間を初期化するか、設備管理上の履歴を残すかを決めます。

異常履歴と運転時間

各ポンプの累積運転時間、起動回数、故障回数、最終運転日時を保存します。

振動、電流、圧力などと併せて記録すると、摩耗や性能低下の予兆を把握しやすくなります。

停電・復電時の動作

停電後に液位や圧力が運転条件を満たしている場合でも、無条件に全ポンプを同時起動すると電源へ大きな負担がかかります。

復電後は一定時間を置き、優先順位に従って順番に起動します。必要に応じて作業者の復旧確認を求めます。

異常時の確認

交互運転されない場合は、優先機データ、累積時間、手動・自動モード、休止設定を確認します。

一台だけ頻繁に運転する場合は、もう一台の故障状態、起動許可条件、バルブ、逆止弁を点検します。

ハカルプラスの対応

ハカルプラスでは、ポンプ台数、必要流量、液位・圧力条件、予備機運用を確認し、交互運転方式を設計します。

PLC、圧力センサ、レベルセンサ、インバーター、タッチパネルを組み合わせ、追掛け運転、異常切替、運転時間管理まで含む構成を検討します。

よくある質問

Q. ポンプは起動するたびに交互に切り替わりますか?

A. 起動回数、累積運転時間、一定期間など、設備に合った切替方式を選べます。

Q. 一台が故障した場合は自動で切り替わりますか?

A. 起動失敗や保護異常を検出し、正常な待機ポンプへ切り替える構成にできます。

Q. 流量が不足した場合に二台同時運転できますか?

A. 液位、圧力、流量を条件として追掛け運転できます。

Q. 保守中のポンプを自動運転から外せますか?

A. 休止設定や手動選択により、自動運転対象から除外できます。

Q. ポンプごとの運転時間を記録できますか?

A. 累積運転時間、起動回数、異常回数などを記録し、保守管理に利用できます。

関連ワード

ポンプ空運転防止とは、吸込側に液体がない状態や、必要な流量を確保できない状態でポンプが運転し続けることを防ぐ制御です。空運転は、ポンプ内部の冷却や潤滑を失わせ、メカニカルシール、軸受、羽根車などの過熱・摩耗・焼付きにつながる可能性があります。

空運転の検出には、液面、流量、吸込圧力、吐出圧力、モーター電流などを利用します。使用するポンプの種類、液体の性質、配管構成によって有効な検出方法が異なるため、複数の条件を組み合わせる場合もあります。

ハカルプラスでは、ポンプ、タンク、配管、センサ、制御盤の条件を確認し、空運転の検出、停止、警報、復旧まで含む制御構成を検討します。

空運転が発生する主な原因

  • タンクやピットの液面低下
  • 吸込配管の詰まりやバルブ閉止
  • 吸込配管からの空気混入
  • 呼び水不足や自吸失敗
  • 液切れ後も運転指令が継続している
  • レベルセンサや流量計の故障

ポンプが回転していても送液できていない場合があるため、運転指令や接触器の動作だけでは空運転を判断できません。

空運転による影響

液体がポンプ内部の冷却や潤滑を担っている場合、空運転によって短時間で温度が上昇します。特にメカニカルシールは、摺動面の冷却が失われると損傷しやすくなります。

  • メカニカルシールの焼損・漏れ
  • 軸受や回転部の過熱
  • 樹脂部品やライニングの変形
  • キャビテーションや異音
  • 吐出不能による工程停止

レベルセンサによる検出

吸込元のタンクやピットへ下限レベルセンサを設け、液面が設定位置を下回った場合にポンプを停止します。構成が分かりやすく、空運転が発生する前に起動を禁止できる方法です。

ただし、レベルセンサの位置より下に吸込口がある場合や、配管途中で詰まり・空気混入が発生した場合は、液面が正常でも送液できないことがあります。

流量計による検出

ポンプ運転中の流量を監視し、一定時間経過しても最低流量へ到達しない場合に空運転または送液異常と判定します。

流量を直接確認できるため有効ですが、起動直後は配管充填に時間がかかることがあります。起動直後の判定待ち時間と、運転中の最低流量判定を分けて設定します。

圧力による検出

吸込圧力または吐出圧力を監視し、正常運転時より圧力が低下した場合に異常と判定します。加圧ポンプでは、吐出圧力が一定時間上昇しないことを起動失敗として扱えます。

バルブ閉止や配管詰まりでは吐出圧力が上昇する場合もあるため、圧力低下だけでなく上限圧力も監視します。

モーター電流による検出

遠心ポンプでは、空運転時に負荷が低下してモーター電流が小さくなる場合があります。電子式モーター保護機器や電流センサを用いて、下限電流を監視します。

ポンプ形式や運転条件によっては、正常時と空運転時の電流差が小さい場合があります。インバーター運転では周波数によって電流が変わるため、運転速度に応じた判定が必要です。

複数条件の組み合わせ

一つのセンサだけでは、センサ故障や別の異常を空運転と誤判定する可能性があります。

例えば、下限液面で起動を禁止し、運転開始後は流量または圧力で送液を確認する構成が考えられます。モーター電流も併用すると、機械側の負荷状態を確認できます。

起動時の判定

ポンプ起動直後は、配管内の空気排出や圧力上昇に時間がかかります。直ちに低流量・低圧力異常と判定すると、正常な始動でも停止する可能性があります。

起動確認時間を設け、その時間内に流量または圧力が設定値へ到達することを確認します。到達しない場合は起動失敗として停止します。

運転中の判定

正常運転へ移行した後は、流量、圧力、液面が下限を一定時間継続した場合に停止します。瞬間的な波立ちや信号ノイズで停止しないよう、判定遅延を設けます。

ただし、遅延時間を長くしすぎるとポンプ損傷が進むため、ポンプが許容できる空運転時間を確認します。

異常時の停止方法

空運転異常を検出した場合は、ポンプを停止し、タッチパネルや警報灯へ原因を表示します。ポンプ交互運転設備では、待機ポンプへ切り替える前に、液切れなど共通原因でないことを確認します。

液面不足が原因の場合、別のポンプへ切り替えても同じ空運転となるため、全ポンプを停止する必要があります。

自動復帰の考え方

液面が回復した際に自動再起動する構成も可能ですが、吸込配管の呼び水が失われている場合や、故障原因が残っている場合があります。

重要設備では、異常を保持し、作業者が原因を確認してからリセットします。自動復帰を行う場合は、再起動回数や再試行間隔を制限します。

センサ故障への対応

レベルセンサや流量計が故障すると、液体があるのに起動できない、または液切れを検出できない可能性があります。

断線、測定範囲外、値の固定、相互に矛盾する信号を異常として監視します。必要に応じて複数センサや異なる原理の検出器を組み合わせます。

異常履歴の活用

空運転発生時刻、液面、流量、圧力、モーター電流、運転周波数を保存すると、原因を特定しやすくなります。

空運転警報が頻発する場合は、タンク容量、補給能力、吸込配管、運転条件の見直しに利用できます。

保守と定期点検

レベルセンサ、流量計、圧力センサを模擬動作させ、ポンプが停止することを確認します。吸込ストレーナ、バルブ、配管漏れも点検します。

インバーターやモーター保護機器を使用している場合は、下限電流設定、保護動作、警報出力を確認します。

ハカルプラスの対応

ハカルプラスでは、ポンプ形式、液体、タンク、配管条件を確認し、レベル、流量、圧力、電流のどの情報を使用するか検討します。

PLC、インバーター、タッチパネルを組み合わせ、起動確認、空運転停止、再起動制限、交互運転、異常履歴まで含む制御に対応できる場合があります。

よくある質問

Q. 液面センサだけで空運転を防止できますか?

A. 液切れには有効ですが、配管詰まりや呼び水不足を検出するには流量や圧力の監視も有効です。

Q. モーター電流から空運転を検出できますか?

A. 空運転時に負荷電流が低下するポンプでは可能ですが、実機で正常時との差を確認する必要があります。

Q. 空運転異常後に自動再起動できますか?

A. 条件を満たせば可能ですが、原因が残ったまま再起動しないよう再試行回数や確認条件を設定します。

Q. ポンプ交互運転設備では待機機へ切り替えますか?

A. ポンプ固有の故障なら切替可能ですが、液切れなど共通原因の場合は全台を停止します。

Q. 既設ポンプへ空運転防止を追加できますか?

A. レベル、流量、圧力、電流の取得方法と制御盤の入出力を確認し、追加できる場合があります。

関連ワード

ポンプ制御とは、液体を移送・循環・供給するために、ポンプの運転・停止、回転速度、流量、圧力、液面などを制御する技術です。水、薬液、油、食品原料、排水などを扱う設備で使用され、タンク間移送、定量供給、循環、排水、圧送などに用いられます。

制御方法には、液面スイッチによる自動運転、流量計や圧力センサを用いたフィードバック制御、インバーターによる回転速度制御、重量計を用いた定量供給などがあります。液体の粘度、温度、腐食性、固形物の有無、必要流量、揚程、配管条件に応じて、ポンプ形式と制御方式を選定します。

ポンプ制御の基本構成

ポンプ設備は、ポンプ本体、モーター、吸込・吐出配管、バルブ、逆止弁、液面センサ、流量計、圧力センサ、制御盤、PLC、インバーターなどで構成されます。

PLCは、送液元と送液先の液面、バルブの開閉状態、圧力、流量、ポンプ異常などを確認し、運転条件が成立したときにポンプを起動します。設定量の移送、送液元の下限液面、送液先の上限液面などを条件として停止します。

単純な運転・停止だけでなく、ポンプ起動前のバルブ確認、運転中の流量不足監視、停止後の逆流防止、異常時の待機ポンプ切り替えまで含めて制御します。

流量・移送量・揚程の考え方

流量が一定の場合、移送量Vは流量Qと運転時間tから次の式で求められます。

V=Q×t

例えば、流量100L/minで15分間運転した場合、理論上の移送量は1,500Lです。ただし、実際の流量は液面差、配管抵抗、バルブ開度、粘度、ポンプ摩耗などによって変化します。正確な定量供給が必要な場合は、流量計やロードセルで実量を確認します。

液体を高い位置へ送るには、位置エネルギーに相当する圧力が必要です。液体密度をρ、重力加速度をg、揚程をHとすると、静水圧Pは次のように表せます。

P=ρgH

水を10m上方へ送る場合、静水圧は約98kPaです。実際には、配管長、曲がり、バルブ、フィルター、熱交換器などによる損失を加え、ポンプの性能曲線と照合して選定します。

主な制御方法

液面による運転・停止

タンク内の液面をフロートスイッチや連続式液面センサで検出し、上限・下限に応じてポンプを運転します。排水設備では上限で起動し、下限で停止します。受入れタンクへ移送する場合は、送液先の満杯信号でも停止します。

起動液面と停止液面に差を設けることで、短時間の起動・停止の繰り返しを防ぎます。センサ故障に備え、通常の制御用とは別に異常高液面・異常低液面を設ける場合もあります。

流量制御

流量計の測定値と設定流量を比較し、インバーターでポンプの回転速度を調整します。目標流量をQset、実流量をQとすると、偏差eは次のように表せます。

e=Qset-Q

偏差に応じて速度指令を変化させ、設定流量へ近づけます。流量計の応答遅れや配管容量が大きい設備では、制御を急激にすると流量が上下に振れるため、制御定数を調整します。

圧力制御

圧力センサの測定値を取り込み、配管圧力が設定値となるように回転速度を制御します。給水設備や循環設備など、使用量の変化によって必要流量が変わる設備に適しています。

吐出側のバルブが急に閉じた場合は、圧力が上昇します。上限圧力で速度を低下させる、ポンプを停止する、逃がし弁を設けるなど、機械と制御の両面で保護します。

時間による定量供給

流量が安定していることを前提に、設定時間だけポンプを運転して一定量を供給します。構成は簡潔ですが、液面、粘度、温度、配管圧力の変化によって供給量が変わります。

高い精度が不要な補助液の投入などには使用できますが、製品品質へ直接影響する原料では、流量または重量による確認を検討します。

重量による定量供給

計量槽や受入れ容器をロードセルで支持し、設定重量へ達した時点でポンプを停止します。流量の変化があっても、実際に入った重量で管理できるため、配合や充填に適しています。

供給停止後も配管内の液体が流入するため、停止後落差を考慮して目標重量より手前で停止します。微量域ではポンプを低速化する、細径配管へ切り替える、バルブを併用するなどの方法があります。

インバーターによる速度制御

遠心ポンプでは、インバーターによってモーター回転速度を変えることで、流量や圧力を調整できます。同一ポンプで条件が大きく変わらない範囲では、回転速度N、流量Q、揚程H、軸動力Wに概ね次の関係があります。

Q2/Q1=N2/N1

H2/H1=(N2/N12

W2/W1=(N2/N13

例えば、回転速度を80%にすると、理論上の流量は約80%、揚程は約64%、軸動力は約51%となります。実際の運転点は配管特性との交点で決まるため、メーカーの性能曲線を確認します。

容積式ポンプでは、回転速度と吐出量が比較的比例しやすい一方、吐出側を閉止したまま運転すると圧力が急上昇するため、逃がし弁などの保護が重要です。

ポンプ形式による違い

遠心ポンプ

羽根車の回転によって液体へ速度と圧力を与えます。水や低粘度液体の移送、循環、給水に広く使われます。流量は配管抵抗の影響を受けやすく、インバーターによる流量・圧力制御に適しています。

容積式ポンプ

一定容積の液体を繰り返し押し出す方式で、ギヤポンプ、ダイヤフラムポンプ、チューブポンプなどがあります。高粘度液体や定量供給に適する場合がありますが、閉止運転による過圧へ注意します。

水中ポンプ

ポンプ本体を液中へ設置し、排水槽、ピット、汚水処理などで使用します。液面制御と組み合わせることが多く、漏電、浸水、異物詰まり、過熱を監視します。

設計・制御上のポイント

空運転を防止する

ポンプ内部に液体がない状態で運転すると、冷却や潤滑が不足し、メカニカルシール、軸受、ポンプ本体を損傷する場合があります。吸込側の低液面、流量不足、圧力不足などを監視し、空運転を防ぎます。

遠心ポンプでは、起動前にポンプと吸込配管を液体で満たす呼び水が必要な構造もあります。停電復旧後や長期停止後は、液が保持されているか確認します。

キャビテーションを防止する

吸込側の圧力が液体の蒸気圧近くまで低下すると、気泡が発生し、羽根車付近で崩壊します。これをキャビテーションと呼び、異音、振動、流量低下、羽根車の損傷につながります。

吸込配管を短く太くする、曲がりやフィルターの抵抗を減らす、液面を確保する、液温を確認するなどの対策を行います。メーカーが示す必要NPSHと設備側で確保できるNPSHを比較します。

バルブとのインターロックを設ける

ポンプ起動前に、吸込側・吐出側バルブが適切な位置であることを確認します。吸込側が閉じていれば空運転、吐出側が閉じていれば異常圧力や発熱につながる場合があります。

停止時は、流体の逆流やウォーターハンマーを防ぐため、ポンプとバルブの動作順序を設備ごとに設定します。位置センサがない手動バルブでは、運用確認や別の圧力・流量監視を組み合わせます。

逆流と逆転を防止する

ポンプ停止後に液体が逆流すると、羽根車が逆転したり、送液先から送液元へ液体が戻ったりします。逆止弁を設け、必要に応じて遮断バルブの閉鎖順序を制御します。

逆止弁の固着や異物かみ込みによって逆流する場合もあるため、停止後の圧力低下や流量を監視することがあります。

頻繁な起動・停止を避ける

短時間に起動と停止を繰り返すと、モーター、電磁接触器、インバーター、ポンプへ負担がかかります。起動液面と停止液面に差を設け、最小運転時間、最小停止時間、再起動待ち時間を設定します。

必要流量が小さい時間帯では、インバーターで低速運転する方法があります。ただし、冷却不足や最低流量制限があるポンプでは、低速運転可能範囲を確認します。

複数台ポンプの制御

設備の必要流量や信頼性に応じて、複数台を交互運転、追従運転、並列運転することがあります。交互運転では、起動ごとまたは運転時間ごとに使用ポンプを切り替え、特定の機器へ運転が偏ることを防ぎます。

圧力や流量が不足した場合は、追加ポンプを起動します。需要が低下した場合は、短時間で頻繁に増減台しないよう遅延時間を設けて停止します。

運転中のポンプが過負荷やインバーター異常で停止した場合、待機側を自動起動できます。ただし、吸込側の液不足や共通配管の閉塞など、設備全体に共通する異常では、待機側も同じ故障状態になるため、原因を判定して切り替えます。

異常監視と復旧

主な監視項目は、モーター過負荷、漏電、インバーター異常、吸込低液面、吐出圧力異常、流量不足、配管詰まり、バルブ動作異常、漏液です。異常時はポンプを停止し、必要に応じて上流供給やヒーターなどの関連設備も停止します。

ポンプが運転中にもかかわらず流量が出ない場合は、液不足、空気混入、呼び水不足、吸込配管詰まり、バルブ閉止、回転方向の誤り、羽根車や継手の損傷を確認します。

異常復旧後は、ポンプ内に液体があること、バルブ位置、配管圧力、送液先の空き容量を確認してから再起動します。自動復帰が危険な設備では、作業者によるリセット後に運転を再開します。

保守と設備更新

定期点検では、異音、振動、漏れ、モーター電流、吐出圧力、流量、軸受温度、メカニカルシールを確認します。通常時の値を記録しておくと、摩耗や閉塞による変化を早期に把握しやすくなります。

既設ポンプを更新する場合は、流量、揚程、液体性状、配管口径、モーター容量、始動方式、回転方向を確認します。性能が過大なポンプへ交換すると、流量過多、騒音、電力消費増加などにつながる場合があります。

インバーターやPLCを更新する場合は、周波数指令、運転信号、異常信号、圧力・流量センサの信号形式を確認します。新旧機器で加減速時間や最低周波数が異なる場合は、制御設定を再調整します。

ハカルプラスの対応

ハカルプラスでは、移送する液体の性状、必要流量、揚程、配管条件、タンク容量、運転頻度、要求精度などを確認し、ポンプを使用した供給・搬送設備を検討します。

ポンプ、タンク、配管、バルブ、流量計、圧力センサ、ロードセルなどを含む機械構成に加え、動力回路、制御盤、PLC、インバーター、タッチパネルまで一体的に構成します。

液面による自動運転、流量・圧力のフィードバック制御、重量による定量供給、複数台の交互・並列運転、バルブとのインターロック、空運転・過圧・流量不足などの異常監視を設計します。

運転時間、流量、移送量、警報履歴などの保存や、生産管理システム・配合管理システムとの連携も、必要な通信仕様を確認して検討します。既設設備のポンプ、インバーター、PLC更新についても、現在の運転条件と信号仕様を確認して構成します。

よくある質問

Q. ポンプが運転しているのに液体が流れない場合は何を確認しますか?

A. 送液元の液面、吸込側への空気混入、呼び水、バルブ位置、配管詰まり、回転方向、羽根車や継手の状態を確認します。流量不足のまま運転を継続すると損傷する場合があります。

Q. ポンプが頻繁に起動・停止する場合はどうしますか?

A. 液面の起動点と停止点の差、最小運転時間、再起動待ち時間を見直します。タンク容量や必要流量に対してポンプ能力が過大な場合もあります。

Q. インバーターで速度を下げれば省エネになりますか?

A. 遠心ポンプでは省エネ効果を得られる場合があります。ただし、必要揚程、最低流量、冷却条件を満たす範囲で運転し、ポンプと配管の特性を確認します。

Q. 2台のポンプを自動で交互運転できますか?

A. 起動回数や累積運転時間に応じて交互運転できます。運転中のポンプが異常となった場合に、条件を確認して待機側へ切り替える制御も可能です。

Q. 既設ポンプへ流量一定制御を追加できますか?

A. インバーターで速度変更でき、流量計の信号をPLCへ取り込めれば対応できる場合があります。ポンプ形式、最低回転速度、配管特性、既設制御盤の余裕を確認します。

関連ワード

液体供給制御とは、水、油、薬液、添加剤などの液体を、設定した流量または重量に合わせて供給する制御です。液体の粘度、温度、比重、泡立ちやすさ、必要な供給能力、計量精度などを確認し、ポンプ、バルブ、配管、計量器を組み合わせて構成します。

液体を短時間で供給するだけでなく、目標値へ近づくまでは大流量、その後は小流量へ切り替え、最後に少量ずつ供給するショット制御を行うことで、処理能力と精度を両立させます。

流動性の高い液体では、ポンプを使用せず、高低差を利用した自重落下とバルブ制御で供給できる場合があります。一方、高粘度液体や配管抵抗が大きい設備では、液体に適したポンプ容量と配管口径を選定する必要があります。

液体供給制御の基本構成

一般的な設備は、原料タンク、ポンプ、供給バルブ、配管、計量槽または充填容器、ロードセル、計量コントローラ、PLC、制御盤、タッチパネルなどで構成されます。

重量によって供給量を管理する場合は、計量槽や容器をロードセルで支持し、現在重量を監視しながらポンプやバルブを制御します。流量によって管理する場合は、流量計の瞬時流量や積算流量をPLCへ取り込みます。

エアシリンダーで駆動するバルブでは、PLCから電磁弁へ信号を出して開閉します。開端・閉端センサを設ける場合は、実際に所定位置へ到達したことを確認してから次の工程へ進みます。

主な用途

  • 液体原料のバッチ計量
  • 容器、缶、ドラムへの定量充填
  • 複数液体の累積計量
  • ミキサーや反応槽への液体投入
  • 添加剤や薬液の少量供給
  • 流量一定制御や積算量管理

粉体と液体を同じ製造工程で扱う設備では、原料ごとの計量結果をまとめて配合実績として保存し、上位システムへ送信する構成も可能です。

液体供給の主な方式

ポンプ供給

原料タンクから計量槽や容器まで、ポンプによって液体を移送します。液体の粘度、必要流量、揚程、配管抵抗を確認し、遠心ポンプ、ギヤポンプ、ダイヤフラムポンプなどから適した方式を選定します。

インバーターでポンプ速度を変更すれば、大供給と小供給を切り替えられます。一定流量を維持する場合は、流量計の値をフィードバックして回転速度を調整します。

自重落下供給

供給元のタンクを計量槽より高い位置へ設置し、高低差を利用して液体を流します。水のように粘度が低く、必要な流量を確保できる場合に適しています。

ポンプが不要なため構成を簡素化できますが、タンク内の液面高さによって流量が変化します。粗供給用と微供給用のバルブを分ける、バルブ開度を変更するなどの対策を行います。

流量計による供給

流量計から出力される積算量を監視し、設定量へ達した時点でポンプやバルブを停止します。配管内を通過した液体量を直接管理できる方式です。

一方、配管内の気泡、脈動、液体の導電率や粘度などが流量計の測定へ影響するため、液体に適した測定方式を選定します。

重量による供給

計量槽や容器の重量変化を測定し、正味重量が目標値へ達するように供給します。液体の密度が温度などで変化しても、質量として管理できることが特長です。

配管やホースから加わる力、液面の揺れ、ノズルの接触は重量値へ影響するため、計量部へ外力を伝えない構造が必要です。

大供給・小供給・ショット制御

大供給

計量開始直後は、ポンプを高速運転する、または大口径バルブを開き、短時間で目標量の大部分を供給します。

大供給を長く続けすぎると、配管内やノズルから流れ込む液体によって目標重量を超えやすくなります。

小供給

目標値へ近づくと、ポンプ速度を下げる、小供給用バルブへ切り替えるなどして供給量を小さくします。供給速度を抑えることで、停止時の流れ込み量を安定させます。

ショット制御

目標値の直前で、バルブを短時間だけ開閉し、少量ずつ液体を追加する制御です。連続微供給では流量が大きすぎる場合や、わずかな不足量を補う場合に使用します。

ショット時間を短くしすぎると、バルブが開く前に閉指令が出て、実際には液体が流れないことがあります。バルブの応答時間、液圧、粘度を確認して設定します。

停止後の流れ込みと補正

ポンプを停止し、バルブを閉じても、配管やノズル内部に残った液体が計量槽へ流れ込むことがあります。この停止後の増加量を見込んで、目標値より手前で供給を止めます。

目標重量をWs、予測流れ込み量をWf、供給停止重量をWcとすると、概算では次のように設定します。

Wc=Ws-Wf

目標重量100kg、停止後の流れ込み量が0.4kgの場合は、99.6kg付近で停止します。

流れ込み量は、供給速度、液体粘度、配管圧力、ノズル高さ、バルブの閉止時間によって変化します。実液を使用した試験で補正値を調整します。

複数液体の累積計量

1台の計量槽へ複数の液体を順番に供給し、累積重量で管理することができます。液体ごとに配管、ポンプ、バルブを分け、製造指示に従って順次投入します。

例えば、最初の液体を20kg計量した後、計量値をゼロへ戻さず、累積値が35kgになるまで次の液体を15kg供給します。

累積計量では、前の液体の実績重量を基準に次の目標値を設定します。途中の液体が過量または不足となった場合に、後続原料で補正するのか、工程を停止するのかを事前に決めておきます。

異なる液体が同じ配管を通る場合は、混入、残液、洗浄性を確認します。混合を避ける必要がある場合は、専用配管や切替弁を使用します。

ポンプ選定のポイント

必要流量と揚程

必要な供給量と供給時間から流量を求め、タンクと供給先の高低差、配管長、バルブ、フィルターなどの抵抗を含めてポンプを選定します。

ポンプ能力が不足すると供給時間が長くなり、過大なポンプを選ぶと微供給の調整が難しくなる場合があります。

液体の粘度

粘度が高い液体は配管内を流れにくく、必要な圧力も大きくなります。温度によって粘度が変化する液体では、最低使用温度で必要能力を確保できるか確認します。

耐薬品性と接液材質

薬液や溶剤を扱う場合は、ポンプ、バルブ、パッキン、ホース、配管の材質が液体に適合するか確認します。

材質が適さないと、腐食、膨潤、亀裂、液漏れが発生する可能性があります。

空運転への対応

液体がない状態でポンプを運転すると、シールや内部部品が損傷する場合があります。原料タンクの液面センサ、吸込圧力、流量計などで空運転を検出します。

バルブ選定のポイント

液体供給には、ボールバルブ、バタフライバルブ、ダイヤフラムバルブ、ピンチバルブなどが使用されます。

必要流量、粘度、圧力、固形物の有無、洗浄方法、閉止性能を確認して選定します。微供給では、小流量を安定して出せる口径や構造が必要です。

エア駆動バルブでは、空気圧が低下すると開閉速度が遅くなったり、全閉しなくなったりします。必要に応じて圧力スイッチを設け、空気圧不足時の供給を禁止します。

液だれ防止

供給停止後にノズル先端から液体が垂れると、計量過量、容器外への付着、床面の汚れ、品種混入につながります。

液だれ対策として、ノズル先端に遮断弁を設ける、サックバック機能で液体をわずかに吸い戻す、受け皿を設ける、ノズルを上昇させるなどの方法があります。

粘度の高い液体では、糸引きによってノズルと容器の間に液体が残る場合があります。ノズル形状、閉止速度、容器との距離を調整します。

計量精度を安定させるポイント

配管やホースの影響を抑える

計量槽へ接続した配管やホースが硬いと、その張力や変形が重量値として検出されます。柔軟なホースや可とう継手を使用し、計量槽へ無理な力を加えないようにします。

液面の揺れを考慮する

供給停止直後は液面が揺れ、重量値が安定しないことがあります。一定時間内の重量変化が許容範囲内になったことを確認してから確定します。

流入口の位置や勢いによって揺れ方が変わるため、計量槽内へ沿わせて流す、供給速度を下げるなどの対策を行います。

温度変化を確認する

液体温度が変化すると、粘度や密度、流量が変わる場合があります。流量計による体積管理では、温度変化が投入質量へ影響することがあります。

高い精度が必要な場合は、温度補正や重量計量を検討します。

気泡と泡立ちを抑える

配管内に気泡が混入すると、流量計の指示やポンプ能力が不安定になる場合があります。吸込配管の漏れ、タンク液面、配管勾配を確認します。

泡立ちやすい液体では、ノズルを液面近くまで下げる、供給速度を段階的に変更するなどの対策を行います。

インターロック設計

液体供給を開始する前に、供給先の受入準備、バルブ位置、ポンプ状態、原料タンク液面などを確認します。

  • 供給先の計量槽や容器が所定位置にある
  • 対象配管の切替弁が正しい位置にある
  • 排出バルブが閉じている
  • 原料タンクに必要量の液体がある
  • ポンプと電磁弁に異常がない
  • 計量器のゼロ点が許容範囲内にある

複数液体を扱う場合は、異なる系統のバルブが同時に開かないようにし、誤った液体の供給を防止します。

異常監視と復旧

主な異常には、重量増加なし、流量なし、供給時間超過、過量、バルブ開閉異常、ポンプ過負荷、原料切れ、液漏れなどがあります。

ポンプ運転中に重量や流量が増加しない場合は、原料切れ、バルブ未開、吸込不良、配管閉塞、ポンプ回転方向、計量信号を確認します。

供給停止後も重量が増え続ける場合は、バルブの閉止不良、液だれ、サイフォン現象などが考えられます。供給元タンクとの高低差によって流れ続ける場合は、遮断弁や配管構成を見直します。

異常復旧時は、計量槽や容器内にすでに入っている液体量を確認します。最初から再供給すると過量になるため、残量供給、手動確定、排出のいずれを行うか選択します。

停電・通信異常時の処理

停電時には、ポンプを停止し、供給バルブを安全側へ閉じます。エア駆動バルブでは、電源や空気圧を失った際に閉となる構成を採用する場合があります。

復電後は、バルブ位置、計量途中の重量、PLCの工程状態を確認します。途中工程を無条件に最初から実行しないことが重要です。

上位システムとの通信が切れた場合は、受信済みの製造指示で継続するか、新規供給を停止するかを設備仕様に応じて決めます。供給実績は一時保存し、復旧後に重複なく送信します。

保守・点検

定期点検では、ポンプの漏れや異音、バルブの閉止性能、配管接続部、ホース、パッキン、電磁弁、流量計、ロードセルを確認します。

液体が固化・結晶化する場合は、配管やノズル内部の付着を点検します。洗浄液や温水を流す洗浄工程を組み込む場合もあります。

供給時間、停止後の流れ込み量、計量誤差を記録すると、ポンプ劣化、バルブ摩耗、配管閉塞の傾向を把握しやすくなります。

既設設備への追加・更新

既設設備へ液体供給系統を追加する場合は、原料タンクの位置、必要流量、配管経路、計量槽の容量、制御盤の空き、PLC入出力を確認します。

ポンプやバルブを更新する場合は、流量、圧力、電源、接液材質、開閉時間、位置確認信号を比較します。動作特性が変わる場合は、大供給・小供給の切替値や停止補正を再調整します。

流量計や計量コントローラの更新では、アナログ信号、パルス単位、通信方式、スケーリングも確認します。

ハカルプラスの対応

ハカルプラスでは、液体の性質、粘度、温度、必要能力、目標精度、洗浄方法を確認し、用途に適した液体供給設備を検討します。

ポンプ、バルブ、流量計、配管、計量槽、ロードセルなどを組み合わせ、大供給、小供給、ショット制御、自重落下供給を構成します。

機械・配管設計に加え、制御盤、PLC、電磁弁、インバーター、タッチパネルを含め、計量、異常監視、液だれ防止、停電復旧まで一連の制御を設計します。

複数液体の累積計量、液体充填、計量実績の保存、配合管理システムや基幹システムとの連携についても、既存設備と通信仕様を確認して対応を検討します。

よくある質問

Q. 供給重量が毎回目標値を超える場合はどう調整しますか?

A. 小供給速度、供給停止重量、停止後の流れ込み量、バルブの閉止時間を確認します。液だれやサイフォン現象も点検します。

Q. 粘度の高い液体も自動供給できますか?

A. 液体の粘度、温度、必要流量に適したポンプと配管を選定すれば対応できる場合があります。加温や配管径の見直しが必要になることもあります。

Q. ポンプを使わずに液体を供給できますか?

A. 低粘度液体で、供給元タンクと供給先に十分な高低差があれば、自重落下とバルブ制御で供給できる場合があります。

Q. 1台の計量槽で複数の液体を計量できますか?

A. 液体ごとに配管とバルブを分け、累積重量を管理することで順次計量できます。混入や残液の影響も確認します。

Q. 供給停止後の液だれを防止できますか?

A. ノズル先端の遮断弁、サックバック機構、受け皿、ノズル昇降などを、液体の粘度と供給方法に応じて検討します。

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