フレコン自動充填とは、粉体や粒体をフレキシブルコンテナバッグへ所定量ずつ自動的に充填する設備です。フレコンは、粉体や粒体を数百キログラムから1トン程度の単位で保管・輸送するために使用される大型の袋です。
自動充填設備では、空のフレコンをセットし、袋口を充填ノズルへ接続した後、原料供給、計量、充填、満量判定までを制御します。作業者が秤の表示を見ながら手動でバルブを操作する方式と比べ、充填重量のばらつきや作業負担を抑えやすくなります。
フレコン充填設備の基本構成
一般的なフレコン自動充填設備は、次の機器で構成されます。
- 原料を貯留するホッパー
- 原料を供給するゲートやフィーダ
- フレコンへ原料を入れる充填ノズル
- 袋口を固定するクランプ
- フレコンの吊りベルトを保持するフック
- 重量を測定するロードセル
- 袋を支えるパレットまたは昇降台
- 粉じんを吸引する集じん設備
- 計量と充填を制御する制御盤
原料性状、目標重量、必要処理能力によって、供給機やノズル形状を選定します。
自動充填の流れ
作業者が空のフレコンを設備へセットし、吊りベルトをフックへ掛けます。袋口を充填ノズルへ取り付け、クランプで固定します。
準備完了を確認すると、制御装置が原料供給を開始します。目標重量へ近づくまでは大投入を行い、残り重量が少なくなると小投入へ切り替えます。
基本的な計量制御は次のように行います。
残量=目標重量-現在重量
残量が大きいときは高速供給し、目標重量へ近づいたら低速供給へ切り替えます。供給停止後に落下する原料量を考慮し、目標値より少し手前で停止します。この補正量を落差と呼びます。
重量が許容範囲内に入ると充填完了となり、袋口を閉じてフレコンを搬出します。
計量方式
フレコン自体を秤へ載せて充填重量を測定する方式と、上部の計量ホッパーで所定量を計量してからフレコンへ排出する方式があります。
フレコン直接計量方式
フレコンをロードセルで支持し、充填しながら重量を測定します。設備構成を比較的簡単にできますが、袋の揺れ、ダクトやノズルから加わる力が計量値へ影響しないようにします。
計量ホッパー方式
上部の計量ホッパーで原料を計量し、計量完了後にフレコンへ一括排出します。充填中に次の原料計量を行える構成では、処理能力を高められる場合があります。
袋のセットと保持
フレコンには、袋口、吊りベルト、底部排出口などがあり、製品によって寸法が異なります。充填設備は、使用するフレコンの高さ、幅、吊りベルト位置に合わせて設計します。
袋口は、原料や粉じんが漏れないようにノズルへ確実に固定します。エア膨張式シールや機械式クランプを使用する場合があります。
充填中に袋が膨らむため、フレコンの側面や底部を適切に支持します。袋が偏った状態で膨らむと、形状が崩れ、搬送や保管が不安定になります。
袋の膨らみと脱気
微粉体を充填すると、原料と一緒に多量の空気が袋内へ入ります。空気が抜けにくいと、フレコンが必要以上に膨らみ、充填速度が低下します。
充填ノズルに脱気経路を設ける、集じん機で袋内の空気を吸引する、袋を振動させるなどの方法があります。
粉体へ強い振動を与えると、かさ密度が変化し、袋の高さや重量分布が変わります。製品の保管や輸送条件に合わせて振動時間を調整します。
粉じん対策
袋口と充填ノズルの隙間から粉じんが漏れないよう、密閉性の高いクランプを使用します。充填開始時やノズルを外すときは粉じんが発生しやすいため、局所集じんを行います。
集じん風量が強すぎると製品粉まで吸い込むため、袋内の空気だけを適切に排出できるよう調整します。
可燃性粉体を扱う場合は、フレコンの帯電防止仕様、設備接地、粉じん爆発対策を確認します。
処理能力に影響する要因
- 目標充填重量
- 原料の流動性とかさ密度
- 供給機の能力
- 大投入・小投入の切替え条件
- 袋のセットと取外し時間
- 脱気に必要な時間
- パレットの搬入・搬出方法
供給速度だけを上げても、袋のセットや搬出に時間がかかると設備全体の処理能力は上がりません。フォークリフト、ローラコンベヤ、パレット供給装置などを含めて検討します。
充填精度を高める方法
目標重量へ近づいたときの供給量を小さくし、供給停止後の落差を補正します。原料の流動性やホッパー残量が変化すると落差も変わるため、過去の実績値から補正量を更新する方法があります。
フレコンやパレットの風袋重量が異なる場合は、充填前に風袋引きを行います。袋や吊り具が周辺機器へ接触すると、ロードセルへ正しい荷重が加わらないため、接触を避けます。
異常時の確認方法
重量が安定しない場合は、フレコンの揺れ、ノズルやダクトの接触、ロードセル、床振動を確認します。充填量が目標を超える場合は、小投入量、落差補正、ゲートの閉止遅れを確認します。
原料が出ない場合は、ホッパー内のブリッジ、フィーダ、ゲート、レベルセンサを確認します。袋口から粉じんが漏れる場合は、クランプ、シール、集じん風量を確認します。
自動化の範囲
フレコンのセットや袋口接続を作業者が行い、充填だけを自動化する半自動方式が一般的です。さらに、空袋供給、袋口把持、パレット搬送、満袋搬出まで自動化する構成もあります。
自動化範囲が広くなるほど、袋寸法や形状の統一、位置決め精度、安全対策が重要になります。使用するフレコンの種類が多い場合は、段取り替え方法を検討します。
ハカルプラスの対応
ハカルプラスでは、フレコン自動充填設備について、原料性状、目標重量、充填精度、処理能力、フレコン寸法などの仕様を確認して構成します。
ロードセル計量、供給機制御、袋口クランプ、集じん、パレット搬送、充填実績の保存についても、必要な自動化範囲を確認して検討します。
よくある質問
Q. フレコンのセットも完全自動化できますか?
A. 袋仕様や設備条件によって可能な場合がありますが、袋のばらつきや位置決めを考慮した専用機構が必要です。
Q. 1トン未満の充填にも対応できますか?
A. 目標重量、ロードセル容量、フレコン寸法を確認し、数百キログラム単位などにも対応できる場合があります。
Q. 粉じんが多い原料も充填できますか?
A. 袋口シール、脱気、局所集じんなどを組み合わせることで対応を検討します。
Q. 充填重量がばらつく原因は何ですか?
A. 原料流動性、落差、供給ゲートの応答、袋の揺れ、周辺機器との接触などが考えられます。
Q. 充填実績を保存できますか?
A. 品種、目標重量、実績重量、日時などを上位システムへ保存できる構成を検討します。
関連ワード
追従式充填ノズルとは、粉体や粒体を袋、容器、ドラム缶などへ充填するときに、充填物の表面高さに合わせてノズル先端を上下させる装置です。充填中の落下距離を短く保つことで、粉じんの飛散、原料の衝撃、袋内への空気巻込みを抑えます。
一般的な固定ノズルでは、容器の底部から充填物表面までの距離が大きい充填初期に、原料が高い位置から落下します。微粉体では、落下によって空気が巻き込まれ、粉じんが舞いやすくなります。追従式充填ノズルは、充填開始時にノズルを容器の底部付近まで下降させ、原料がたまるにつれて上昇します。
追従式充填ノズルの仕組み
充填開始前に、ノズルを袋や容器の内部へ下降させます。ノズル先端を底部近くに配置した状態で原料供給を開始し、充填物の表面が上昇するとノズルも上方へ移動します。
ノズルの昇降には、エアシリンダ、電動シリンダ、サーボモータ、ワイヤ機構などが使用されます。
充填物表面への追従方法には次のような方式があります。
- 充填重量や供給量から表面高さを推定する
- 一定時間または一定重量ごとにノズルを上昇させる
- レベルセンサで充填物表面を検知する
- ノズルへ加わる圧力や反力を検知する
粉じんを抑える理由
粉体が高い位置から落下すると、周囲の空気を巻き込みながら容器内へ入ります。巻き込まれた空気は、袋口や容器開口部から外へ抜けるときに粉じんを伴います。
追従式充填ノズルで落下距離を短くすると、原料の速度と空気巻込みを抑えられます。ノズル周囲に集じん経路を設ければ、袋内から排出される空気と粉じんを吸引できます。
粉じん発生量は、原料の粒径、充填速度、落下高さ、袋の通気性などによって異なります。
充填物表面への追従
ノズル先端を原料表面へ近づけすぎると、粉体がノズル出口を塞ぎ、供給不良が発生する可能性があります。反対に、離れすぎると粉じん抑制効果が低下します。
そのため、ノズル先端と原料表面の間に適切な距離を保つ必要があります。
目安となる位置は、原料性状、ノズル径、供給量によって異なります。試運転時に粉じん発生、充填速度、ノズル詰まりを確認して調整します。
袋への充填
袋やフレコンへ使用する場合は、袋口をノズル外周へ固定します。ノズルが上下しても袋口が外れないよう、クランプ構造や蛇腹部を設けます。
ノズルの上昇とともに袋が引っ張られる場合は、袋の支持方法やノズルストロークを調整します。フレコンでは、吊りベルトや底部の支持高さも確認します。
袋が柔らかいため、充填物が偏ると形状が崩れることがあります。ノズル位置を中央へ合わせ、必要に応じて袋底部の振動や整形を行います。
ドラム缶・容器への充填
ドラム缶や箱型容器では、ノズルを容器底部付近まで下降させて充填します。容器がノズルの真下へ正確に位置決めされていないと、ノズルが縁へ接触する可能性があります。
容器有無、位置ずれ、ノズル下降端をセンサで確認します。ノズル下降中に障害物を検知した場合は、停止または上昇させる安全制御を行います。
充填速度との関係
高速で充填すると処理能力は上がりますが、粉じんと空気巻込みが増えます。追従式ノズルを使用しても、原料や容器に対して過大な供給速度では十分な効果を得られません。
充填初期、中間、終盤で供給速度を切り替える方法があります。終盤は目標重量への過量を防ぐため、小投入へ切り替えます。
重量計量と組み合わせる場合は、ノズルの昇降動作が秤へ力を加えないようにします。袋や容器へノズルが接触した状態で計量すると、正しい重量を測定できない場合があります。
集じん機能との組合せ
ノズルを二重管構造とし、中央から原料を供給し、外周部から袋内の空気を吸引する方式があります。これにより、充填原料と排気の経路を分けられます。
集じん風量が強すぎると、投入した製品粉を吸い戻す可能性があります。弱すぎると袋口から粉じんが漏れます。充填速度と袋の通気性に合わせて調整します。
フィルタ詰まりによって集じん風量が低下すると、以前より粉じんが増えることがあります。差圧や風量を定期的に確認します。
制御シーケンス
一般的な動作手順は次のとおりです。
- 袋または容器の有無を確認する
- 袋口クランプや容器位置決めを行う
- ノズルを充填開始位置まで下降させる
- 集じん機を運転する
- 原料供給を開始する
- 充填量に応じてノズルを上昇させる
- 目標重量で原料供給を停止する
- 残留粉を排出する
- ノズルを上限位置まで上昇させる
- 袋口や容器の固定を解除する
各工程に確認信号を設け、ノズルが所定位置にない状態で供給を開始しないようインターロックを構成します。
異常時の確認方法
ノズルが上下しない場合は、エア圧力、電磁弁、シリンダ、モータ、位置センサを確認します。原料がノズル内へ付着して重量が増えると、昇降機構への負荷が大きくなる場合があります。
粉じんが多い場合は、ノズル位置、充填速度、袋口シール、集じん風量を確認します。ノズルが原料へ埋まる場合は、上昇タイミングや追従距離を見直します。
容器へ接触する場合は、位置決め装置、ノズル芯、下降端設定を確認します。
ノズル形状の選定
ノズル径は、必要な充填能力と原料性状から選定します。細すぎると充填時間が長くなり、付着性粉体では詰まりやすくなります。太すぎると袋口への取付けや密閉が難しくなる場合があります。
内面は原料が付着しにくく、清掃しやすい形状にします。食品や医薬品では、分解洗浄、表面仕上げ、材質も重要です。
複数品種を扱う場合は、ノズル内の残留を抑え、清掃や交換を行いやすい構造を検討します。
保守点検
昇降ガイド、シリンダ、ワイヤ、位置センサ、蛇腹、クランプを定期的に点検します。粉じんがガイド部へ入り込むと動作が重くなるため、清掃と給脂を行います。
蛇腹やフレキシブルダクトに亀裂があると、粉じん漏れや吸引力低下が発生します。袋口シール材も摩耗するため、密閉状態を確認します。
非常停止や下降端検知など、安全機能の動作確認も行います。
ハカルプラスの対応
ハカルプラスでは、粉体や粒体の充填設備に使用する追従式充填ノズルについて、原料性状、容器形状、充填重量、処理能力などの仕様を確認して検討します。
ロードセル計量、ノズル昇降、袋口クランプ、集じん、供給機との連動についても、必要な動作と安全条件を確認して構成します。
よくある質問
Q. 追従式充填ノズルを使うと粉じんを完全になくせますか?
A. 粉じんを抑えやすくなりますが、原料性状や充填速度によっては、集じん設備や袋口シールも必要です。
Q. ノズルは原料表面へ接触させますか?
A. 通常は詰まりを防ぐため、原料表面との間に一定の距離を保ちながら上昇させます。
Q. フレコンとドラム缶の両方に使用できますか?
A. ノズル径、ストローク、固定方法、容器高さなどを切り替えられる構成であれば対応できる場合があります。
Q. ノズルの昇降はどのように制御しますか?
A. 重量、時間、レベルセンサなどを基準にして、エアシリンダや電動機を制御します。
Q. 既設の充填機へ追加できますか?
A. 設置高さ、ノズル周辺のスペース、既設供給機、制御盤などの条件によって対応できる場合があります。
関連ワード
定量充填とは、粉体、粒体、液体などを、設定した重量または容量だけ袋、容器、缶、ボトル、フレコンなどへ投入する工程です。製品ごとの内容量を一定にし、過量充填による原料損失や不足充填を防ぐために行います。
充填方式には、重量を直接測定する重量式と、流量、時間、容積、回転数などを基準にする方式があります。対象物の性質、容器形状、必要精度、生産能力に応じて選定します。
ハカルプラスでは、供給装置、計量機、容器搬送、充填ノズル、PLC、タッチパネルを組み合わせた定量充填設備を検討します。
定量充填の目的
定量充填では、製品ごとの内容量を規定範囲へ収めることが重要です。不足充填は品質や取引上の問題につながり、過量充填は原料損失や生産コスト増加につながります。
- 内容量を一定にする
- 過量・不足を低減する
- 充填実績を記録する
- 手作業を自動化する
- 容器違いや品種違いを防止する
重量式充填
重量式では、容器または計量ホッパーをロードセルで支持し、充填中の重量増加を測定します。目標重量へ近づいたら供給量を小さくし、所定の重量で停止します。
原料の密度が変化しても重量を直接測定できるため、容量式より内容重量を安定させやすい方式です。
正味計量と総重量計量
正味計量では、あらかじめ計量ホッパーで原料を計量し、計量完了後に容器へ排出します。計量と容器交換を並行しやすく、高速化に向いています。
総重量計量では、容器を秤に載せ、容器へ直接充填します。容器重量を風袋引きし、内容物の正味重量を求めます。
- 正味計量:原料を別の計量ホッパーで計量
- 総重量計量:容器を含めて直接計量
容量式・時間式充填
液体ポンプの運転時間、スクリュー回転数、一定容積の計量カップなどを基準に充填する方法があります。構成は比較的簡単ですが、密度、粘度、供給圧力などが変化すると充填重量も変動します。
必要に応じて抜取計量やチェックウェイヤーを組み合わせ、充填量を補正します。
粗充填・微充填
目標値から離れている間は大流量で充填し、目標値へ近づくと小流量へ切り替えます。これにより、充填時間を短縮しながら過量を抑えられます。
供給機の速度変更、大小二つのバルブ、ノズル開度の切替などを利用します。
落差補正
供給装置を停止しても、ノズルやシュート内に残った原料が容器へ落下します。この停止後供給量を見込んで、目標重量より手前で供給を停止します。
原料温度、粘度、供給速度、ノズル形状によって落差量は変化します。充填実績から自動的に補正値を更新する方法もあります。
粉体・粒体の充填
粉体では、充填時の粉じん、空気の巻込み、付着、流動性を考慮します。微粉は充填直後に見かけの体積が大きく、時間が経つと沈降することがあります。
集塵フード、脱気機構、容器昇降機構、振動機構などを組み合わせ、粉じん飛散と充填高さを抑えます。
液体の充填
液体では、粘度、泡立ち、糸引き、液だれ、温度変化を確認します。低粘度液体は高速充填しやすい一方、飛散や泡立ちが発生することがあります。
ノズルを容器内へ下降させ、液面に合わせて引き上げる方法や、充填終了後にノズルを閉止・吸引して液だれを防ぐ方法があります。
容器の風袋処理
容器ごとに重量差がある場合、充填前に空容器重量を測定して風袋引きします。容器重量を固定値として登録する方法もありますが、容器ばらつきが大きい場合は個別風袋が有効です。
空容器が所定範囲外の場合は、容器違いや異物混入として排除できます。
容器確認と位置決め
容器がない状態で充填を開始すると、原料流出につながります。光電センサや近接センサで容器の有無と位置を確認します。
容器クランプ、ストッパー、昇降台などを使用し、充填口とノズルの位置を合わせます。
過量・不足への対応
充填後の重量が許容範囲を外れた場合は、警報、排出、手直しなどを行います。不足時には追加充填できる場合がありますが、過量分の回収は難しいことがあります。
過量・不足の発生傾向を記録し、落差や供給速度を自動補正します。
品種切替と洗浄
複数の原料を扱う場合は、ノズル、ホッパー、供給経路へ前品種が残らない構造とします。工具を使わずに分解できる構造や、洗浄しやすい接液・接粉面を検討します。
品種ごとの目標重量、供給速度、補正値をレシピとして保存すると、切替作業を効率化できます。
充填実績の管理
製造日時、品種、目標重量、実績重量、誤差、容器番号、作業者などを保存します。バーコードやRFIDと連携し、容器と製造指示を照合することもできます。
実績を生産管理システムや上位システムへ送信する構成にも対応できます。
異常時の確認
過量が増えた場合は、落差補正、供給停止応答、ノズルからの液だれを確認します。不足が増えた場合は、供給不足、原料詰まり、供給圧力低下を点検します。
重量値が安定しない場合は、床振動、容器接触、配管・ホースの反力、ロードセル周辺を確認します。
ハカルプラスの対応
ハカルプラスでは、原料性状、容器寸法、充填量、必要能力を確認し、充填方式と計量機構を検討します。
粗充填・微充填、落差補正、容器確認、風袋引き、実績保存、上位連携まで含む充填計量設備に対応できる場合があります。
よくある質問
Q. 定量充填は重量と容量のどちらで行いますか?
A. 必要精度や原料特性によって選びます。内容重量を重視する場合は重量式が適しています。
Q. 容器ごとの重量差は補正できますか?
A. 充填前に空容器重量を測定し、個別に風袋引きできます。
Q. 粉体の充填時に粉じんを抑えられますか?
A. 集塵フード、ノズル昇降、低速充填などを組み合わせて低減できます。
Q. 充填実績を保存できますか?
A. 目標重量、実績重量、誤差、品種、時刻などを保存できます。
Q. 既設の手作業充填を自動化できますか?
A. 供給装置、計量台、容器搬送、設置スペースを確認し、自動化できる場合があります。
関連ワード
容器充填計量とは、缶、ボトル、ドラム、コンテナ、箱などの容器へ粉体、粒体、液体を供給し、設定した目標重量まで自動的に充填する計量方式です。ロードセルや電子台秤で容器重量を測定しながら、供給機器の速度やバルブの開閉を制御します。
空容器の重量を風袋として差し引き、充填物だけの正味重量を管理します。目標重量へ近づくまでは高速で供給し、その後は低速供給へ切り替えて、停止後に落下・流入する量を含めて仕上げます。
容器充填計量では、計量精度だけでなく、容器の位置決め、供給口との接続、粉じんや液だれの防止、充填後の搬出、品種・ロット情報の記録まで含めた設備設計が重要です。
容器充填計量の基本構成
一般的な設備は、計量台、ロードセル、計量コントローラ、PLC、制御盤、タッチパネル、容器搬送装置、供給機器、充填ノズルなどで構成されます。
粉体・粒体では、スクリューフィーダー、振動フィーダー、ゲート、ロータリーフィーダーなどを使用します。液体では、ポンプやバルブを使用し、粘度、配管圧力、泡立ち、液だれを考慮して制御します。
容器は作業者、フォークリフト、ローラーコンベアなどで計量位置へ搬入します。容器の到着と位置決めを確認した後、風袋引き、充填、重量安定、過不足判定、実績保存、搬出の順で処理します。
主な用途
- 粉体や粒体の缶・箱・コンテナ充填
- 液体のボトル・缶・ドラム充填
- 中間製品や原料の小分け計量
- 出荷容器への定量充填
- 品種・ロット別の充填実績管理
- 容器重量を含む総重量の確認
少量容器を連続処理する設備から、数百kg以上のドラムやコンテナへ充填する設備まで、対象物と処理能力に応じて構成が異なります。
基本的な充填工程
容器の搬入と位置決め
空容器を計量台へ載せ、供給口の下へ正しく位置決めします。容器が計量台からはみ出して周辺床面へ接触している場合や、搬送コンベアに支持されたままの場合は、正しい重量を測定できません。
在荷センサ、位置決めストッパー、容器高さ検出などを用いて、充填可能な状態であることを確認します。品種によって容器寸法が異なる場合は、ガイドやノズル位置を切り替えます。
ゼロ確認と風袋引き
計量台に容器がない状態でゼロ点を確認し、容器を載せた後に風袋重量を登録します。総重量をWg、風袋重量をWt、正味重量をWnとすると、次の関係になります。
Wn=Wg-Wt
例えば、総重量82kg、容器重量12kgの場合、充填物の正味重量は70kgです。
粗充填と微充填
充填開始後は、高速または大流量で粗充填を行います。目標重量へ近づくと微充填へ切り替え、供給量を小さくして精度を高めます。
スクリューフィーダーでは回転速度を下げる、ダブルゲートでは粗側を閉じて微側のみを開く、液体ではバルブ開度やポンプ速度を下げるなど、供給機器に応じて切り替えます。
供給停止と落差補正
停止指令を出した時点で供給が完全に止まるわけではありません。供給口と容器の間にある原料、配管内の液体、機器内部の残留物が引き続き容器へ入ります。この停止後に加わる重量を落差と呼びます。
目標重量をWs、予測落差をWf、供給停止重量をWcとすると、概算では次のように設定します。
Wc=Ws-Wf
目標重量50kg、予測落差0.3kgの場合は、49.7kg付近で供給を停止します。
重量安定と完了判定
供給停止後は、落下中の原料、液面の揺れ、容器の振動などが収まるまで待ちます。一定時間内の重量変動が設定範囲内になったことを確認し、確定重量を取得します。
確定重量が許容範囲内であれば充填完了とします。不足時は追加充填、過量時は作業者確認や抜取り処理へ移ります。
対象物ごとの設計ポイント
粉体・粒体の充填
粉体では、流動性、付着性、圧縮性、かさ密度、含水率によって供給量と落差が変化します。供給口で詰まりや偏流が発生すると、充填時間や計量精度が安定しません。
粉じんが発生する場合は、充填口を容器へ密着させる、集塵フードを設ける、ノズルを容器内へ下降させるなどの対策を検討します。容器内で原料が片寄る場合は、容器の振動や充填位置の変更が必要になることがあります。
液体の充填
液体では、粘度、温度、泡立ち、配管圧力、バルブの閉止性能が精度へ影響します。低粘度液体は停止後の液だれ、高粘度液体は配管内残留や糸引きが問題になる場合があります。
泡立ちやすい液体では、充填開始時に低速で供給する、ノズルを容器底部付近まで下降させる、液面上昇に合わせて引き上げるなどの方法を検討します。
計量精度を安定させるポイント
計量台へ外力を加えない
充填ノズル、配管、ホース、コンベア、ガイドなどが容器や計量台へ力を加えると、その力も重量として検出されます。液体配管には柔軟性のあるホースや可とう継手を使用し、計量中の張力変化を抑えます。
容器の偏りと変形を確認する
容器が計量台の端へ寄るとロードセルへ偏荷重が加わります。柔らかい容器や薄い缶では、ノズル接触や内容物の荷重で変形し、周辺部材へ接触することがあります。
ガイドで容器位置を整え、最大偏荷重でも必要精度を確保できる計量台を選定します。
品種ごとに設定を管理する
同じ設備でも、対象物や容器が変われば、粗充填速度、微充填速度、切替重量、落差、安定時間が変化します。品種・容器ごとに設定を登録し、製造指示に応じて呼び出します。
実際の原料を使用した試験で、計量精度と充填時間を確認して調整することが重要です。
容器搬送とのインターロック
容器が所定位置へ到着していない状態では、充填を開始しません。充填中はストッパーやクランプで容器を保持し、搬送機が動かないようにします。
充填完了後は、ノズル上昇、バルブ閉確認、重量確定、キャップや蓋の状態などを確認してから搬出します。搬出先が満杯の場合は、計量位置から容器を送り出さないようにします。
容器がない状態で供給を開始すると原料流出につながるため、在荷センサだけでなく、重量値や位置センサを組み合わせて確認する場合があります。
異常監視と復旧
主な異常には、容器未到着、容器位置ずれ、ゼロ点異常、ロードセル断線、重量不安定、供給時間超過、重量増加なし、過量、ノズル未復帰などがあります。
供給指令中に重量が増えない場合は、原料切れ、フィーダー停止、バルブ未開、配管閉塞、ロードセル信号異常を確認します。供給停止後も重量が増え続ける場合は、バルブの閉止不良や液だれ、粉体の流れ込みが考えられます。
異常復旧時は、容器内の実重量とPLCが管理する工程状態を確認します。充填途中の容器を空容器として再開始すると二重充填につながるため、継続充填、手動確定、排出のいずれを行うか選択できる構成とします。
実績保存とトレーサビリティ
充填完了時には、品種、容器番号、原料ロット、目標重量、実績重量、誤差、開始・完了時刻などを保存します。
バーコードやRFIDで容器を識別すれば、正しい容器と品種の組み合わせを確認してから充填できます。計量実績を生産管理システムや基幹システムへ送信することで、在庫管理、出荷管理、品質記録にも活用できます。
通信異常時は実績を一時保存し、復旧後に重複しないよう送信します。容器番号や充填番号を一意に管理することが重要です。
保守と設備更新
定期点検では、ロードセル取付部、計量台と周辺設備の接触、配管・ホースの張力、ノズルの付着、バルブの漏れ、フィーダーの摩耗、ゼロ点、既知重量による指示値を確認します。
粉体設備では、充填口やシュートへの付着が落下量を変化させるため、清掃性と分解しやすさも重要です。液体設備では、ノズル先端、パッキン、バルブシートの摩耗や固着を点検します。
計量コントローラやPLCを更新する場合は、ロードセル仕様、校正値、フィルター、安定判定、落差補正、品種設定、実績データ形式を確認します。機器更新後は実原料と実容器で再調整します。
ハカルプラスの対応
ハカルプラスでは、充填物の性状、目標重量、容器寸法、必要精度、処理能力、洗浄方法などを確認し、容器充填計量設備の構成を検討します。
電子台秤やロードセル式計量台、スクリューフィーダー、振動フィーダー、ゲート、ポンプ、バルブ、充填ノズル、搬送コンベアなどを組み合わせます。
機械設計、計量コントローラ、制御盤、PLC、タッチパネルを含め、容器位置確認、風袋引き、粗充填・微充填、落差補正、安定判定、過不足判定、搬出まで一連の制御を設計します。
バーコード機器、生産管理システム、基幹システムなどとの連携についても、品種、容器番号、ロット、計量実績の管理方法を確認して構成を検討します。
よくある質問
Q. 充填重量が毎回目標を超える場合はどう調整しますか?
A. 微充填速度、供給停止重量、落差補正値を確認します。フィーダーやバルブの停止応答、ノズルからの液だれや粉体の流れ込みも点検します。
Q. 容器ごとに空重量が異なっても計量できますか?
A. 容器を載せるたびに風袋引きを行えば、容器重量の差を除いて正味重量を計量できます。風袋重量が許容範囲外の場合は警報を出すことも可能です。
Q. 粉体充填時の粉じんを減らせますか?
A. 充填口の密閉、集塵フード、下降式ノズル、供給速度の調整などを検討します。実粉体の流動性と発じん状態を確認して構成します。
Q. 既設の台秤を自動充填設備へ改造できますか?
A. 計量信号、供給機器、PLC入出力、安全性、容器搬送方法を確認し、計量コントローラや制御盤を追加できる場合があります。
Q. 充填実績を上位システムへ保存できますか?
A. 品種、容器番号、ロット、目標重量、実績重量、日時などをPLCや産業用パソコンから送信・保存する構成を検討できます。
関連ワード
紙袋充填計量とは、粉体や粒体を紙袋へ供給し、所定の重量まで自動計量する装置です。作業者が紙袋を充填口へ装着すると、クランパーで袋口を固定し、フィーダーやゲートから原料を供給します。目標重量に到達すると供給を停止し、クランパーを解除して計量済みの紙袋を取り出します。
食品、化学品、飼料、建材などの袋詰め工程で使用され、手作業による充填と比べて、作業負担の軽減、充填重量の安定、粉じん飛散の抑制に役立ちます。原料の流動性、紙袋の形状、必要能力、要求精度に応じて、供給機器、計量方式、集塵構造を設計することが重要です。
ハカルプラスでは、紙袋の寸法、充填重量、処理能力、計量精度、設置スペースなどを確認し、供給機器、計量部、袋クランプ、集塵フード、制御盤を含む紙袋充填計量装置を設計・製造します。
基本的な充填工程
紙袋充填計量装置の一般的な動作は次のとおりです。
- 作業者が紙袋の袋口を充填ノズルへ差し込む
- フットスイッチなどを操作してクランパーを閉じる
- 紙袋の装着を確認して原料供給を開始する
- 粗供給と微供給を切り替えながら目標重量まで計量する
- 供給停止後に重量を安定判定する
- 計量完了後にクランパーを解除する
- 紙袋を取り出し、封かんや後工程へ送る
袋が正しく装着されていない場合や、クランパーが閉じていない場合は、原料供給を開始しないインターロックを設けます。
計量方式
紙袋そのものを計量台へ載せて充填する方式や、袋を保持する構造全体をロードセルで支持する方式があります。充填重量、紙袋の寸法、必要精度、作業高さなどから適切な方式を選定します。
計量値には、紙袋、クランパー、充填ノズルなどの荷重が影響します。充填前に風袋引きを行い、原料だけの重量を計測します。袋や周辺部品が床、架台、配管などへ接触すると計量誤差が生じるため、計量部へ余分な力が加わらない構造が必要です。
粗供給・微供給制御
充填時間と計量精度を両立させるため、目標重量から離れている間は原料を速く供給し、目標へ近づくと供給量を減らします。一般に、高速側を粗供給、低速側を微供給と呼びます。
供給停止の指令を出した後も、フィーダーや充填ノズル内を落下中の原料が紙袋へ入ります。この量を落差量といい、目標重量より手前で供給を停止するための補正が必要です。
落差量は、粉体の流動性、供給速度、付着状態、袋内の空気の抜け方などによって変化します。試運転時の実計量値を確認し、粗供給から微供給への切替値や停止補正値を調整します。
供給機器の選定
流動性のよい粒体ではゲート式、一定量を安定して供給したい粉体ではスクリューフィーダーやオーガスクリューフィーダーなどが候補になります。
付着性や圧縮性の高い粉体では、ホッパー内でブリッジやラットホールが発生し、供給量が不安定になることがあります。アジテータや振動機器を組み合わせ、原料を安定して供給できる構成を検討します。
供給能力が大きすぎると過量になりやすく、小さすぎると充填時間が長くなります。要求される袋数と精度の両方から供給機器を選定します。
紙袋の固定とクランプ
紙袋は、充填中に外れたり原料が漏れたりしないよう、エアシリンダーなどで袋口を固定します。作業者が両手で袋を支えたまま操作する必要がないよう、フットスイッチでクランパーを動作させる構成があります。
袋の幅、材質、厚さが変わる場合は、クランプ位置や押付力を調整できる構造を検討します。押付力が弱いと袋が外れ、強すぎると袋を傷める可能性があります。
クランパーの閉確認、開確認、供給中の解除禁止などを制御へ組み込み、誤操作による原料流出を防ぎます。
粉じん飛散と集塵設計
粉体を紙袋へ落下させると、袋内の空気が押し出され、充填口周辺から粉じんが飛散することがあります。作業環境を改善するため、充填ノズルの周囲に集塵フードや吸引口を設けます。
吸引量が不足すると粉じんを回収できませんが、強すぎると軽い粉体まで吸い込み、計量誤差や原料損失につながります。充填速度、粉体特性、袋の通気性に合わせて吸引量を調整します。
集塵機が停止している場合は充填を禁止するなど、集塵設備とのインターロックを設けることも可能です。
能力と作業性
装置の処理能力は、原料供給時間だけでなく、紙袋の装着、クランプ、重量安定、袋の取外しに必要な時間を含めて評価します。
能力を高める場合は、充填速度の向上だけでなく、袋を装着しやすい高さ、作業者の動線、計量済み袋を移動させるコンベアなども検討します。重量物では、袋を支える昇降台やローラーコンベアを組み合わせると作業負担を軽減できます。
異常監視と復旧
主な異常には、紙袋未装着、クランプ不良、供給機器過負荷、計量値不安定、過量、集塵機異常などがあります。異常時は原料供給を停止し、タッチパネルなどに原因を表示します。
供給途中で紙袋が外れた場合は、直ちに供給を停止します。復旧時には、袋内の原料量と計量状態を確認し、途中から再開するか、原料を回収して再計量するかを運用に合わせて決めます。
停電後は、停電前の供給指令をそのまま再実行せず、クランパー、計量値、供給機器の状態を確認してから運転を再開します。
清掃・保守
品種切替や衛生管理が必要な設備では、充填ノズル、供給機器、計量部へ原料が残りにくく、分解・清掃しやすい構造が求められます。
定期点検では、クランパーの摩耗、シリンダーの動作、エア漏れ、供給機器への付着、ロードセル周辺への原料のかみ込みを確認します。分銅などを用いて計量値を確認し、ゼロ点やスパンのずれがあれば原因を調査します。
ハカルプラスの対応
ハカルプラスでは、紙袋の寸法、充填重量、要求能力、要求精度、粉体特性を確認し、紙袋充填計量装置を設計・製造します。
ロードセルなどの計量機器、スクリューフィーダーやゲートなどの供給機器、袋クランプ、充填ノズル、集塵フードを組み合わせ、原料と作業環境に適した構成を検討します。
制御盤、PLC、タッチパネルによる粗供給・微供給、落差補正、重量安定判定、異常監視、計量実績保存についても、設備仕様に合わせて設計します。既設の供給設備、集塵設備、封かん機、搬送コンベアとの接続にも対応できる場合があります。
よくある質問
Q. 紙袋のサイズが複数ある場合でも使用できますか?
A. 袋口の寸法や充填重量の範囲に応じて、クランプ位置やガイドを調整できる構造を検討します。
Q. 充填時の粉じんを抑えることはできますか?
A. 充填ノズル周辺に集塵フードを設け、粉体特性に合わせて吸引量を調整することで、飛散を抑えられます。
Q. 目標重量を超えてしまう場合は何を調整しますか?
A. 粗供給・微供給の切替値、供給停止位置、落差補正値を確認します。原料の流れや付着状態も点検します。
Q. 計量済みの紙袋を自動搬送できますか?
A. ローラーコンベアやベルトコンベアを組み合わせ、封かん工程やパレット積み工程へ搬送する構成を検討できます。
Q. 既設の原料供給設備へ追加できますか?
A. 供給機器の能力、設置高さ、集塵設備、作業スペースを確認し、既設設備へ組み込める場合があります。
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フレコンスケールは、フレキシブルコンテナバッグ(フレコンバッグ)へ粉体や粒体を投入しながら重量を計測し、設定した重量で供給を停止する充填計量装置です。原料、飼料、樹脂ペレット、化学品、鉱物、食品原料などを、所定重量ごとに袋詰めする工程で使用されます。
ロードセルでフレコンバッグと投入物の重量を連続して計測し、目標重量へ近づくと供給速度を下げます。一般には、処理時間を短縮するための粗投入と、目標重量へ精度よく合わせるための微投入を組み合わせ、供給停止後に落下する原料量も見込んで制御します。
フレコンスケールの仕組みと構成
主な構成要素は、計量架台、ロードセル、バッグ支持機構、投入シュート、原料供給機、バッグ口固定機構、集塵機構、制御盤、計量コントローラ、PLC、タッチパネルです。設備によっては、バッグを膨らませる送風機構、充填中の原料をならす振動機、充填後の搬出コンベアなども組み合わせます。
空のフレコンバッグを吊り具や支持部へ取り付け、バッグ口を投入シュートへ接続します。取付状態を確認して風袋引きを行った後、原料供給を開始します。目標重量付近で粗投入から微投入へ切り替え、停止重量へ到達すると供給機やゲートを停止します。
供給停止後は、シュートや供給機内に残った原料の落下が収まり、重量値が安定したことを確認して最終重量を確定します。その後、計量結果を保存し、バッグ口を取り外してフレコンバッグを搬出します。
計量値と風袋重量
ロードセルが検出する総重量には、フレコンバッグ、吊り具、支持部材、投入物などの重量が含まれます。総重量をWg、風袋重量をWt、投入物の正味重量をWnとすると、次の式で表せます。
Wn=Wg-Wt
例えば、計量時の総重量が1,030kg、フレコンバッグや吊り具などの風袋重量が30kgの場合、正味重量は1,000kgです。
フレコンバッグの個体差や吊り具への付着物があると、風袋重量が変化します。そのため、バッグ交換ごとに風袋引きを行い、風袋値が設定範囲外の場合は投入を開始しない制御を設けることがあります。
必要容積とかさ密度
フレコンバッグの容量を選定する際は、投入重量だけでなく、原料のかさ密度を確認します。必要容積をV、投入重量をW、かさ密度をρbとすると、次の式で概算できます。
V=W÷ρb
投入重量が1,000kg、かさ密度が800kg/m3の場合、必要容積は1.25m3です。
実際には、原料の盛り上がり、空気の巻き込み、充填による締まり、バッグ形状などを考慮して余裕を持たせます。同じ原料でも、水分や粒度、保管状態によってかさ密度が変化する場合があります。
粗投入・微投入と落差補正
目標重量まで同じ速度で投入すると、供給停止を指令してから実際に原料の落下が止まるまでの時間差によって、目標値を超えやすくなります。このため、計量初期は粗投入を行い、目標重量へ近づくと微投入へ切り替えます。
目標重量をWset、粗投入から微投入へ切り替えるまでの差をΔWとすると、切替重量Wchangeは次のように設定できます。
Wchange=Wset-ΔW
目標重量が1,000kgで、50kg手前から微投入へ切り替える場合、切替重量は950kgです。
供給停止後に落下する重量をWfall、停止指令時の重量をWstopとすると、最終重量Wfinalは次のように表せます。
Wfinal=Wstop+Wfall
目標値へ合わせるため、停止重量は概念的に次のように設定します。
Wstop=Wset-Wfall
停止後落差は、原料の流動性、微投入速度、供給機内の残留量、シュート形状、原料残量などによって変化します。過去の計量結果から補正値を更新する制御を用いる場合もあります。
供給機器との組み合わせ
原料の性状と必要能力に応じて、スクリューフィーダー、ロータリーフィーダー、ベルトフィーダー、振動フィーダー、各種ゲートなどを選定します。
流動性の高い粒体ではゲートによる重力投入、流れにくい粉体ではスクリューフィーダーやアジテータを組み合わせるなど、原料特性に適した供給方法が必要です。粗投入と微投入は、フィーダーの回転速度を変える方法、大小2系統の供給口を切り替える方法、ゲート開度を変える方法などで行います。
供給機を停止しても原料が流れ続けやすい場合は、フラップ弁やカットゲートなどの遮断機構を供給口付近へ設け、停止後落差を抑えることがあります。
計量能力の考え方
1回当たりの計量重量をW、1時間当たりの計量回数をNとすると、理論処理能力Qは次の式で求められます。
Q=W×N
1回1,000kgの計量を1時間に12回行う場合、理論処理能力は12,000kg/h、つまり12t/hです。
実際の能力には、空バッグの準備、バッグの取付け、風袋引き、投入、安定待ち、計量確認、バッグ口の処理、搬出などの時間が影響します。供給機の能力だけでなく、作業者の動線や搬送設備を含めてサイクルタイムを検討します。
設計・制御上のポイント
荷重をロードセルへ正しく伝える
バッグ、投入シュート、集塵ダクトなどが周囲の固定構造へ接触すると、重量の一部がロードセル以外へ逃げ、計量誤差が生じます。計量部と固定部の干渉を避け、配管や集塵ダクトには柔軟継手を用います。
電気配線やエア配管についても、計量架台を引っ張ったり押したりしないよう、柔軟性と配線余裕を確保します。
バッグの膨らみと偏荷重を考慮する
充填中にバッグが膨らんで床や架台へ接触すると、正しく計量できません。バッグの最大外形を想定し、周囲に十分な隙間を確保します。
原料がバッグ内の片側へ偏ると、ロードセルごとの荷重が不均一になる場合があります。計量架台の剛性、ロードセル配置、投入位置を検討し、必要に応じて原料をならす機構を設けます。
重量安定判定を行う
供給停止直後は、原料の落下やバッグの揺れによって重量表示が変動します。一定時間内の重量変化が設定範囲以下になったことを確認してから、最終重量を確定します。
安定判定を厳しくしすぎると計量時間が長くなり、緩くしすぎると実績値がばらつきます。実機で振動状態を確認しながら、判定幅と判定時間を調整します。
バッグ取付けを確認する
バッグの吊りベルト、投入口、排出口が正しく取り付けられていない状態で投入すると、バッグの落下や原料漏れにつながります。吊り部の位置、バッグ口クランプ、支持機構などの状態をセンサや作業確認によって判定します。
自動運転の開始条件には、バッグ取付け完了、計量値の正常、風袋値の範囲内、搬出設備の停止などを組み込みます。
過充填と供給異常を防止する
目標重量を超えても供給機が停止しない場合に備え、上限重量警報、供給機停止、遮断ゲート閉鎖などを段階的に行います。計量値が一定時間増加しない場合は、原料切れ、ブリッジ、供給機の空転などを検出できます。
反対に、供給停止後も重量が増え続ける場合は、ゲート閉鎖不良、供給機の停止不良、原料のフラッシングなどを疑います。
粉じんと清掃性を考慮する
粉体の充填では、バッグ内部の空気が原料投入によって押し出され、粉じんが発生します。バッグ口と投入シュートの密閉、集塵フード、除じん用フィルターなどを検討します。
原料が計量架台やロードセル周辺へ堆積すると、可動部の干渉や風袋変化の原因になります。掃除しやすい床面、点検口、カバー構造とし、ロードセルへ直接清掃水や衝撃が加わらないようにします。
異常監視・復旧・保守
主な異常には、ロードセル異常、重量信号の範囲外、供給時間超過、過量、供給機過負荷、ゲート動作異常、バッグ取付け異常、集塵機異常などがあります。異常発生時は原料供給を停止し、タッチパネルへ原因と確認箇所を表示します。
停電や非常停止が計量途中で発生した場合は、バッグ内の実重量、供給機やゲートの状態、未保存の実績を確認します。復旧後に最初から投入し直すのか、残量を確認して継続するのかをあらかじめ決めておきます。
定期点検では、ロードセルと取付金具、バッグ支持部、供給機、ゲート、柔軟継手、集塵部、配線、エア配管を確認します。既知重量による点検や校正を行い、ゼロ点、指示値、繰り返し性が管理範囲内であることを確認します。
実績管理とトレーサビリティ
計量完了ごとに、品種、目標重量、実績重量、計量誤差、原料ロット、バッグ番号、計量日時、作業者、警報の有無などを保存できます。
バーコードやRFIDで原料とフレコンバッグを識別し、製造指示と一致した場合だけ充填を許可することで、品種やロットの取り違えを抑えられます。発行した現品票やラベルの番号を計量実績へひも付ければ、出荷後の追跡にも活用できます。
ハカルプラスの対応
ハカルプラスでは、投入物の種類、目標重量、かさ密度、必要な計量精度と能力、バッグ形状、設置環境、作業方法などを確認し、フレコンスケールを含む充填計量設備を検討します。
計量架台、ロードセル、バッグ支持機構、投入シュート、供給機、ゲート、集塵フード、搬出設備などの機械設計に加え、計量コントローラ、制御盤、PLC、タッチパネルまで一体的に対応します。
制御では、風袋引き、粗投入・微投入、停止後落差補正、重量安定判定、過量監視、供給時間監視、バッグ取付け確認などを構成します。品種ごとの目標値、速度、切替重量、補正値を登録し、計量結果に応じて調整することも可能です。
計量実績、警報履歴、設定変更履歴の保存、バーコード・RFIDによる照合、ラベル発行、生産管理システムや配合管理システムとの連携についても、必要なデータ項目と通信仕様を確認して検討します。
よくある質問
Q. 計量値が毎回ばらつく場合は何を確認しますか?
A. 微投入速度、停止後落差、安定判定、バッグやシュートの接触、ロードセル周辺への原料堆積などを確認します。原料のかさ密度や流動性の変化も影響します。
Q. バッグを交換するたびに風袋引きが必要ですか?
A. バッグ重量の個体差や吊り具への付着があるため、原則として取付けごとに風袋引きを行う方が正味重量を正確に求めやすくなります。
Q. 目標重量を超えたフレコンバッグは自動で修正できますか?
A. 過量となった原料を自動で抜き取る機構がなければ、制御だけで重量を減らすことはできません。過量を防ぐため、微投入速度、停止重量、落差補正を調整します。
Q. 原料変更時に同じ計量設定を使用できますか?
A. かさ密度、流動性、供給速度、停止後落差が異なるため、同じ設定では精度や能力が変わる場合があります。品種ごとに切替重量、速度、補正値を設定します。
Q. 既設設備へフレコンスケールを追加できますか?
A. 設置高さ、架台強度、供給機との接続、バッグ搬入・搬出スペース、集塵設備、電源、制御信号を確保できれば追加できる場合があります。現地条件を確認して改造範囲を検討します。