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多言語対応(海外言語対応)

(たげんごたいおう)

多言語対応(海外言語対応)とは、タッチパネル、パソコン画面、帳票、警報、取扱説明などを複数の言語で表示し、海外の作業者や海外工場でも設備を操作・管理できるようにすることです。

単に日本語を翻訳するだけでなく、文字コード、表示領域、単位、日時形式、数値表記、フォント、入力方法などを含めて設計する必要があります。特に制御設備では、誤訳や表示崩れが操作ミスにつながるため、機械・電気・計量・製造工程の意味を理解したうえで言語を切り替えることが重要です。

対象となる言語には、英語、中国語、韓国語、タイ語、ベトナム語、インドネシア語などがあります。設備の納入先、作業者、保守担当者、現地法規に応じて必要な言語を決定します。

多言語対応の主な対象

  • タッチパネルの操作画面
  • パソコンや監視システムの画面
  • 警報・異常・ガイダンス表示
  • 品種名、原料名、工程名、設備名
  • 計量実績、製造実績、帳票
  • ラベル、銘板、取扱説明書

画面表示だけを多言語化しても、原料名や警報内容が日本語のままでは十分に運用できません。作業者が日常的に確認する情報と、保守担当者が異常時に必要とする情報を整理して対応範囲を決めます。

タッチパネルの言語切替

制御設備では、画面上の言語選択ボタンから表示言語を切り替える方式が一般的です。選択された言語番号をタッチパネル内部またはPLCへ保持し、画面タイトル、ボタン、状態表示、警報などを対応する言語へ切り替えます。

言語切替の方法には、画面部品ごとに複数言語を登録する方式と、言語別の文字列テーブルを参照する方式があります。表示項目が多い場合は、文字列を一元管理できるテーブル方式が変更や追加に適しています。

操作途中で言語を切り替えても、運転状態、入力値、選択中の品種などが変化しないようにします。言語切替は表示だけを変更し、設備の制御条件には影響させないことが基本です。

翻訳時の注意点

技術用語を統一する

同じ機器や工程を画面ごとに異なる言葉で表すと、作業者が別の意味として受け取る可能性があります。例えば、「供給」「投入」「充填」などは似ていますが、設備上の動作は異なる場合があります。

機器名、工程名、操作名、警報名について対訳表を作成し、画面、帳票、取扱説明書で統一します。

直訳だけで判断しない

日本語の短い表現をそのまま機械翻訳すると、設備動作の意味が正しく伝わらない場合があります。「原料なし」が、原料切れ、容器未設置、供給指令なしのどれを意味するかによって翻訳は変わります。

翻訳者へ表示箇所、設備の状態、作業者に求める操作を伝え、文脈に合った表現を選びます。

文章を短くしすぎない

画面スペースを優先して省略表現を多用すると、海外の作業者に意味が伝わりにくくなります。特に異常表示では、異常の対象、原因、確認箇所を区別できる文章とします。

例えば「計量異常」だけでなく、「原料Aの重量が設定範囲を超えました」のように、対象と状態を明確にします。

表示領域とレイアウト

同じ意味でも、言語によって文字数や単語の長さが異なります。日本語では短く収まる文字列でも、英語やベトナム語では長くなり、ボタンや表の範囲からはみ出すことがあります。

多言語対応を前提とする場合は、初期設計からボタン幅や表示領域に余裕を持たせます。文字を極端に小さくして収めると、操作性が低下します。

言語ごとに文字サイズや改行位置を調整できる画面設計にすると、視認性を保ちやすくなります。単語の途中で不自然に改行されないことも確認します。

文字コードとフォント

多言語を扱うシステムでは、Unicodeなど複数言語を表現できる文字コードを使用します。文字コードが一致していないと、文字化け、欠落、検索不能などが発生します。

タッチパネル、PLC、パソコン、データベース、CSVファイル、上位システムの間で、使用する文字コードを統一または変換します。

機器に搭載されているフォントが対象言語へ対応していない場合、四角形や空白として表示されます。タイ語やベトナム語、中国語などでは、必要な文字を表示できるフォントと機器容量を確認します。

単位・日時・数値表記への対応

海外向け設備では、言語だけでなく単位や数値形式も確認します。重量はkg、温度は℃、圧力はMPaなどのSI単位が一般的ですが、地域や用途によって異なる単位が求められることがあります。

単位を切り替える場合は、表示文字だけでなく数値自体を換算します。例えばkgからlbへ変更する場合、次の関係を使用します。

1kg≒2.2046lb

ただし、PLC内部の制御値まで単位を変更すると誤設定の原因になるため、内部演算は統一単位で行い、画面表示時だけ換算する方法があります。

小数点と桁区切りも地域によって異なります。1,234.5と1.234,5では意味が異なるため、表示、入力、帳票、データ通信で形式を統一します。

日付についても、年/月/日、月/日/年、日/月/年などの形式があります。誤認を避けるため、2026-07-16のような形式や、月名を文字で表示する方法も検討します。

警報・異常表示の多言語化

警報表示は、通常画面以上に正確な翻訳が必要です。異常名だけでなく、発生機器、原因候補、確認項目、復旧条件を分かりやすく表示します。

警報番号を言語に依存しない共通コードとして管理すると、日本側と海外側で同じ異常を特定しやすくなります。例えば、警報番号E-102に対して、日本語と英語でそれぞれ説明文を登録します。

海外拠点から問い合わせを受ける際も、警報番号があれば言語が異なっても対象を確認できます。履歴には発生日時、復旧日時、警報番号、設備状態を保存します。

品種名・原料名・マスタの管理

生産設備では、品種名、原料名、工程名などを上位システムやマスタから受信する場合があります。固定画面の文字列だけでなく、可変データも多言語化する必要があります。

マスタには、品目コードと日本語名、英語名、中国語名などをひも付けて登録します。表示言語に応じて対応する名称を選択します。

翻訳が登録されていない場合に、空欄とするか、日本語や英語へ自動的に戻すかも決めます。原料コードや品目コードを併記すると、名称の翻訳に問題があっても対象を確認しやすくなります。

入力方法と操作権限

海外言語の文字をタッチパネルから直接入力する場合は、対応するキーボードや文字入力機能が必要です。ただし、現場で自由入力を増やすと表記の揺れや誤入力が発生しやすくなります。

品種名や原料名はマスタから選択し、作業者が入力する項目を数量やロット番号などに限定する方法があります。

言語設定の変更、マスタ編集、単位変更などは管理者権限だけに限定し、一般作業者が誤って変更できないようにします。

通信・データ保存時の注意点

多言語文字列をPLC、パソコン、データベース、上位システム間で受け渡す場合は、文字コード、最大文字数、データ長を確認します。

日本語や中国語などは、通信方式によって1文字当たり複数バイトを使用します。英数字だけを想定した固定長データへ多言語文字列を入れると、途中で切れたり、後続データがずれたりすることがあります。

CSV出力では、利用する表計算ソフトや基幹システムが文字コードへ対応しているか確認します。帳票や履歴を保存する場合も、表示言語だけで保存するか、共通コードと複数言語名称を保存するかを決めます。

既設設備を多言語化する場合

既設設備では、タッチパネルの機種、画面容量、利用可能なフォント、言語切替機能を確認します。古い機種では、対象言語を表示できない、メモリ容量が不足する、複数言語を同時に登録できない場合があります。

画面だけを変更できる場合もありますが、PLC内に日本語文字列が固定登録されている場合や、上位システムから日本語名称を受信している場合は、PLCソフトや通信仕様の改修も必要です。

タッチパネルを更新する場合は、既存画面、PLCアドレス、警報履歴、レシピ、通信設定を確認し、新しい機種へ移行します。多言語化と設備更新を同時に行うことで、対応しやすくなる場合があります。

試験と確認

多言語画面は、翻訳一覧だけでなく実際の画面上で確認します。文字切れ、重なり、改行、フォント、ボタンサイズ、警報履歴、帳票出力などを言語ごとに試験します。

運転中、停止中、異常時、手動操作時など、すべての状態で表示が切り替わることを確認します。数値入力では、小数点、符号、入力範囲、単位換算も確認します。

可能であれば、対象言語を母語とし、設備の運用を理解する担当者による確認を行います。翻訳として正しくても、現地で一般的に使われない表現である場合があります。

ハカルプラスの対応

ハカルプラスでは、海外向けの計量設備、搬送設備、制御盤などについて、タッチパネルや監視画面の多言語対応を検討します。

対象言語、操作対象者、表示項目、警報、単位、日時形式を確認し、PLC、タッチパネル、パソコンソフトウェア、データベースを含めた構成を整理します。

画面文字列の切替、警報番号と説明文の管理、品種・原料マスタの多言語化、帳票や実績データの出力などを、設備仕様に応じて設計します。

既設設備の多言語化や海外移設についても、タッチパネル機種、PLCソフト、通信仕様、使用可能なフォントを確認し、対応できる範囲を検討します。

よくある質問

Q. 既設のタッチパネルへ英語表示を追加できますか?

A. タッチパネルが多言語表示に対応し、画面容量に余裕があれば追加できる場合があります。固定文字列、警報、PLCから受信する名称も確認します。

Q. 機械翻訳だけで設備画面を多言語化できますか?

A. 下訳には利用できますが、設備の動作や専門用語を理解した確認が必要です。特に警報と復旧手順は、誤解が生じない表現へ調整します。

Q. 言語切替によってPLCの設定値も変わりますか?

A. 通常は表示言語だけを変更し、制御設定は変えません。単位を切り替える場合も、内部値は共通単位で保持し、表示時に換算する方法があります。

Q. 中国語やタイ語が文字化けする場合は何を確認しますか?

A. タッチパネルとパソコンの対応フォント、文字コード、通信データ形式を確認します。機器が対象文字を収録していない場合は表示できません。

Q. 海外拠点から異常内容を正確に伝えてもらう方法はありますか?

A. 言語に依存しない警報番号を各異常へ付け、画面と履歴へ表示します。番号、発生時刻、設備状態を共有すれば、対象を特定しやすくなります。

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