リモートI/Oとは、センサやスイッチ、表示灯、電磁弁などの入出力信号を、制御盤から離れた場所で取り込み、通信によってPLCや監視装置へ伝送する機器またはシステムです。遠隔I/O、分散I/Oなどと呼ばれることもあります。

従来は、現場にあるすべての信号線を制御盤まで個別に配線する方法が一般的でした。リモートI/Oを使用すると、現場側で複数の信号をまとめ、通信ケーブルや無線通信で上位装置へ送ることができます。これにより、配線本数、施工工数、制御盤内の端子数を削減できる場合があります。

リモートI/Oの基本構成

一般的なリモートI/Oシステムは、次の機器で構成されます。

  • 現場のセンサやスイッチ
  • デジタル入力ユニット
  • デジタル出力ユニット
  • アナログ入力・出力ユニット
  • 通信ユニット
  • PLC、パソコン、監視装置などの上位機器
  • 通信ケーブルまたは無線機器

現場の信号をリモートI/Oへ接続し、通信データへ変換して上位装置へ送ります。上位装置から出力指令を送り、現場の表示灯やリレーなどを動作させる構成もあります。

取り扱う信号の種類

デジタル入力

スイッチ、リレー接点、異常信号、運転信号など、ON・OFFで表される信号を取り込みます。無電圧接点、有電圧接点、NPN出力、PNP出力などの違いを確認します。

デジタル出力

表示灯、ブザー、中継リレーなどをON・OFFする信号です。出力方式には、リレー、トランジスタなどがあります。

アナログ入力

温度、圧力、流量、電力、WBGTなどの連続的な測定値を取り込みます。代表的な信号にはDC4~20mAやDC0~10Vがあります。

アナログ出力

インバータの速度指令、調節計の設定値など、連続的な指令値を出力します。

リモートI/Oを使用する目的

  • 現場から制御盤までの配線本数を減らす
  • 広い工場や複数建屋の信号を集約する
  • 既設設備へ監視点を後付けする
  • 制御盤内の端子台やI/O点数を分散する
  • 遠隔地の設備状態を監視する
  • 設備増設時の配線工事を抑える

設備が広範囲に分散している場合、すべての信号を個別配線すると、ケーブル長と工事費が大きくなります。リモートI/Oを現場付近へ配置することで、センサからI/Oまでの配線を短くできます。

有線式リモートI/O

有線式では、Ethernet、RS-485、フィールドネットワークなどを利用して通信します。通信の安定性を確保しやすく、短い周期でデータを更新する制御用途にも使用されます。

選定時には、PLCが対応する通信方式、最大接続台数、通信距離、更新周期を確認します。

通信線を動力線と並行して配線するとノイズの影響を受ける場合があります。シールド、接地、終端抵抗、配線経路などを仕様に合わせて設計します。

無線式リモートI/O

無線式では、現場の接点信号やアナログ信号を無線で伝送します。道路、屋外、別棟など、通信ケーブルの敷設が難しい場所へ後付けしやすいことが特長です。

ただし、無線通信では、建物、金属、設備、アンテナ位置、通信距離などによって通信状態が変化します。導入前に通信確認を行うことが重要です。

また、無線機の用途がモニタリング中心か、機器制御にも使用できるかを確認する必要があります。監視用の無線システムを、安全機能や即時性が必要な動力制御へそのまま使用することは適切ではありません。

LoRa無線を利用した信号収集

LoRa無線は、少量のデータを長距離へ伝送する用途に適した無線方式です。接点信号、アナログ信号、RS-485通信などを遠隔で収集する用途に利用できます。

設備異常、電力、温度、WBGT、水位など、秒単位の高速制御を必要としない監視用途に向いています。

通信周期、データ量、電源、通信断時の運用を確認し、目的に合った構成を選定します。

通信周期と応答速度

リモートI/Oでは、現場で信号が変化してから上位装置へ反映されるまでに通信時間が必要です。

高速な機械制御では、数ミリ秒単位の応答が必要になることがあります。一方、設備監視では、数秒から数分の更新でも運用できる場合があります。

必要な応答速度に対して、通信方式と更新周期が適しているか確認します。

通信断時の設計

通信が途絶えると、上位装置は現場の最新状態を確認できなくなります。そのため、通信断を異常として検出する必要があります。

通信断時には、次のような処理を検討します。

  • 監視画面へ通信異常を表示する
  • 最後に受信した値であることを明示する
  • 出力をOFFまたは安全側へ移行する
  • 現場側だけで必要な運転を継続する
  • 通信復旧後に自動再接続する

通信断時の出力状態は、設備の安全性を考慮して決定します。

アナログ信号を扱うときの注意点

アナログ入力では、入力レンジ、分解能、精度、絶縁、断線検出を確認します。

DC4~20mA信号では、電流が4mAより小さくなった場合に断線と判断できる構成があります。DC0~10V信号は配線抵抗の影響を受けにくい一方、ノイズや電位差への注意が必要です。

上位装置では、取得したデジタル値を温度、圧力、流量などの工業値へ換算します。

電源の確認

リモートI/Oには、一般にDC24Vなどの電源が必要です。屋外や遠隔地では、電源工事が通信工事より難しくなる場合があります。

バッテリー駆動を検討する場合は、通信周期、センサ消費電力、使用温度、電池交換周期を確認します。

電源が停止したことを上位装置で把握できるよう、通信異常や電源監視も検討します。

増設と更新

設備増設時には、既設リモートI/Oの空き点数、通信容量、電源容量を確認します。

異なるメーカーや世代の機器へ更新する場合は、通信プロトコル、アドレス、データ形式、入出力論理が異なる可能性があります。

機器交換だけでなく、PLCプログラムや監視画面の変更が必要になる場合があります。

ハカルプラスの対応

ハカルプラスでは、接点、アナログ、RS-485などの現場信号を取り込み、LoRa無線や通信機器を用いて遠隔監視する構成を検討します。

対象信号、点数、通信距離、更新周期、電源、上位システムなどの条件を確認して構成します。ハカルプラスのLoRa無線機は、主に設備状態のモニタリングや通知用途に使用します。

よくある質問

Q. リモートI/Oを使うと配線が不要になりますか?

A. 上位装置までの多芯配線は削減できますが、センサとリモートI/O間の配線や機器電源は必要です。

Q. 有線式と無線式のどちらがよいですか?

A. 応答速度、通信距離、施工条件、信頼性などを確認して選定します。高速制御では有線式が適する場合があります。

Q. LoRa無線で機械を起動・停止できますか?

A. ハカルプラスのLoRa無線機は主にモニタリングや通知用途です。動力制御や安全制御への使用は避け、別の制御方式を検討します。

Q. 通信が切れた場合はどうなりますか?

A. 通信異常を検出し、画面表示や警報を行います。出力を扱う場合は、通信断時の安全状態を事前に設定します。

Q. 既設設備へ後付けできますか?

A. 信号仕様、設置スペース、電源、通信環境などの条件によって対応できる場合があります。

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OPC UAとは、PLC、計測器、産業用コンピュータ、MES、クラウドなどの間で、設備データを共通の形式で安全に交換するための通信規格です。OPC Unified Architectureの略で、単純な数値だけでなく、データの名称、単位、階層、状態、品質なども扱えます。

メーカーごとに異なるPLCアドレスや通信方式を、OPC UAサーバー側で共通化することで、上位システムから設備データを利用しやすくなります。暗号化、証明書、ユーザー認証などのセキュリティ機能も備えています。

ハカルプラスでは、PLC、計量システム、産業用コンピュータ、上位システムの構成を確認し、OPC UAサーバー、データモデル、通信周期、証明書管理を含む連携を検討します。

OPC UAの主な用途

  • PLCや計測器のデータをMESへ送る
  • 複数メーカーの設備データを統一して収集する
  • 設備状態・異常・計量実績を上位で監視する
  • 産業用コンピュータとクラウドを連携する
  • 設備データへ名称・単位・品質情報を付ける
  • 認証・暗号化を用いて安全に通信する

クライアント・サーバー方式

設備データを公開する側をOPC UAサーバー、データを読み書きする側をOPC UAクライアントと呼びます。

PLCや産業用コンピュータがサーバーとなり、MES、SCADA、データ収集ソフトなどがクライアントとして接続します。

アドレス空間

OPC UAサーバーは、公開するデータを階層構造のアドレス空間として表現します。

設備、ライン、機器、計測項目などをフォルダのように整理し、利用者が必要なデータを探しやすくできます。

ノード

アドレス空間内の設備、変数、メソッド、イベントなどをノードとして扱います。

各ノードには、一意のNode ID、表示名、データ型、説明などを設定できます。上位システムはNode IDを指定してデータを取得します。

データの意味を持たせる

単純なPLCアドレスだけでは、その値が重量なのか温度なのか分かりません。

OPC UAでは、「1号計量機の現在重量」「単位kg」「読出し専用」などの情報を付けられます。設備が異なっても共通名称で扱いやすくなります。

データ型

真偽値、整数、浮動小数点、文字列、日時、配列、構造化データなどを扱えます。

PLC側のデータ型とOPC UA上の型を適切に変換します。符号、小数点、単位換算を明確にします。

データ品質

取得値には、正常、不確実、異常などの品質情報を付けられます。

通信断やセンサ異常時に、最後の値だけが残って正常値に見えることを防ぎます。上位システムは値と品質を合わせて判断します。

タイムスタンプ

データには、設備側で値を取得した時刻や、サーバーが処理した時刻を付けられます。

複数設備の異常順序や計測履歴を比較する場合は、PLC、サーバー、上位システムの時刻を同期します。

読出し・書込み

クライアントはサーバーから値を読み出し、権限があれば設定値を書き込めます。

運転指令や設定変更を許可する場合は、書込み範囲、ユーザー権限、入力値制限、安全条件を設けます。

Subscription

クライアントがデータ変化を定期的に監視し、必要な更新だけを受信する仕組みをSubscriptionと呼びます。

毎回すべてのデータを読みに行くより効率よく通信できます。監視頻度、通知周期、キューサイズを設定します。

Sampling Interval

サーバーが対象データを確認する間隔です。

重量やモーター電流など変化の速い値は短い周期、温度や在庫など変化の遅い値は長い周期へ設定できます。

Publishing Interval

監視したデータをクライアントへ通知する間隔です。

サンプリング周期より長く設定し、複数の変更値をまとめて送ることもできます。リアルタイム性と通信負荷のバランスを取ります。

イベント・アラーム

設備異常、警告、状態変化などをイベントとして通知できます。

異常名称、重要度、発生時刻、確認状態などを上位システムへ送信し、アラーム管理へ利用できます。

メソッド

OPC UAでは、単純な値の読書きだけでなく、「校正開始」「履歴出力」などの処理をメソッドとして公開できる場合があります。

実行条件、権限、結果コードを定義し、設備制御と安全性を確認します。

情報モデル

設備や機器の構造を共通のルールで表現する考え方を情報モデルと呼びます。

同じ種類の計量機、ポンプ、メーターを共通モデルで表現すると、上位システム側の個別対応を減らせます。

コンパニオン仕様

業界や機器分野ごとに、標準的なデータ名称や構造を定めた仕様があります。

対象設備に適した仕様がある場合、独自名称だけで構成するより、他システムとの互換性を高められる可能性があります。

セキュリティポリシー

OPC UAでは、署名、暗号化、認証に関するセキュリティポリシーを設定します。

相手機器と対応方式を合わせ、古く安全性の低い設定を無条件に許可しないようにします。

アプリケーション証明書

クライアントとサーバーは、証明書を使用して相互のアプリケーションを確認できます。

初回接続時に証明書を信頼リストへ登録し、未承認の機器からの接続を拒否します。証明書の有効期限も管理します。

ユーザー認証

匿名、ユーザー名・パスワード、証明書などの認証方法があります。

設備データの閲覧だけか、設定変更も許可するかに応じて権限を分けます。共通管理者アカウントの多用を避けます。

エンドポイント

OPC UAサーバーへの接続先URLと、利用できる暗号化・認証方式の組み合わせをエンドポイントとして公開します。

クライアント側で、接続先、ポート、セキュリティ設定を一致させます。

ファイアウォール

OPC UAで使用するポートを必要な接続元だけへ許可します。

設備ネットワークと上位ネットワークの境界にファイアウォールを設け、無関係な端末からの接続を防ぎます。

通信断時の処理

クライアントが切断した場合も設備制御は継続し、上位通信の停止がPLC制御へ影響しない構成とします。

設備側または中間サーバーへデータを一時保存し、通信復旧後に履歴を補完する方法があります。

PLC内蔵サーバー

OPC UAサーバー機能を内蔵するPLCでは、PLCから直接データを公開できます。

構成を簡略化できますが、公開点数、同時接続数、処理負荷、証明書管理などの制約を確認します。

産業用コンピュータによる中継

複数PLCや旧型機器のデータを産業用コンピュータで収集し、OPC UAへ変換する構成があります。

メーカー固有通信を上位から分離でき、一時保存、データ加工、再送なども実装しやすくなります。

通信負荷

多数のタグを短周期で監視すると、PLC、サーバー、ネットワークの負荷が増えます。

必要なデータだけを公開し、変化周期に応じてSampling Intervalを分けます。上位システムごとの接続数も確認します。

異常時の確認

接続できない場合は、エンドポイント、ポート、証明書、時刻、ユーザー認証を確認します。

値が更新されない場合は、Node ID、Subscription、Sampling Interval、PLC通信を点検します。品質がBadの場合は、設備側通信やセンサ異常を確認します。

ハカルプラスの対応

ハカルプラスでは、PLC、計量装置、MES、監視システムで共有するデータを整理し、OPC UAのノード構成を検討します。

産業用コンピュータ、データベース、証明書、ユーザー権限を組み合わせ、複数メーカー設備のデータを共通化する構成に対応できる場合があります。

よくある質問

Q. OPC UAはPLC制御用の高速通信ですか?

A. 主に設備情報と上位システムの連携に適しており、高速モーション制御は専用ネットワークを使用するのが一般的です。

Q. 異なるメーカーのPLCデータを同じ形式で取得できますか?

A. OPC UAサーバー側で名称とデータ型を整理すれば、上位から共通形式で扱いやすくなります。

Q. 通信内容を暗号化できますか?

A. 対応するセキュリティポリシーと証明書を使用して署名・暗号化できます。

Q. PLCへ設定値を書き込めますか?

A. 書込み可能なノードとして公開すれば可能ですが、権限、範囲、安全条件を設定します。

Q. 既設PLCがOPC UA非対応でも連携できますか?

A. 産業用コンピュータやゲートウェイで既設通信を受け、OPC UAへ変換できる場合があります。

関連ワード

Modbus TCPとは、Ethernet上でPLC、計測器、インバーター、リモートI/O、産業用コンピュータなどのデータを読み書きする通信方式です。Modbusのデータ構造をTCP/IP通信へ載せて使用します。

比較的シンプルな仕様で、異なるメーカーの機器間でも利用しやすいため、電力計測、温度監視、流量監視、設備データ収集などで広く使われています。

ハカルプラスでは、接続機器のModbus仕様、アドレス、データ型、更新周期を確認し、PLCや産業用コンピュータによるModbus TCP通信を検討します。

Modbus TCPの基本

Modbus TCPでは、要求を送る側が接続先へ読出し・書込み命令を送り、接続先が結果を応答します。

一般に、通信を開始する側をクライアント、要求へ応答する側をサーバーと呼びます。従来の資料ではマスター・スレーブと表現される場合もあります。

Ethernetを利用する通信

Modbus TCPは、一般的なEthernet配線やスイッチングハブを利用できます。

IPアドレスを設定し、TCPポート番号502を使用するのが一般的です。社内LANと設備ネットワークを共用する場合は、通信負荷とセキュリティを考慮します。

主な接続機器

  • PLC
  • 電力計・電力量計
  • 温度調節計・記録計
  • インバーター・モーター保護機器
  • リモートI/O
  • 計量コントローラ
  • 産業用コンピュータ・IoTゲートウェイ

データ領域

Modbusでは、デジタル信号や数値データを複数の領域として扱います。

  • コイル:読書き可能な1ビットデータ
  • ディスクリート入力:読出し専用の1ビットデータ
  • 入力レジスタ:読出し専用の16ビットデータ
  • 保持レジスタ:読書き可能な16ビットデータ

機器によって、どの値をどの領域へ割り当てるかが異なります。

ファンクションコード

読出し・書込みの種類を示す番号をファンクションコードと呼びます。

保持レジスタ読出し、複数レジスタ書込み、コイル読出しなど、操作ごとにコードが定められています。接続機器が対応する機能を確認します。

アドレス表記

Modbusのアドレスは、資料によって0始まりと1始まりの表記が混在することがあります。

説明書に「40001」と記載されていても、通信要求ではアドレス0を指定する場合があります。1点ずれた値を読まないよう、実機と通信仕様書で確認します。

16ビットレジスタ

Modbusの基本レジスタは16ビットです。

整数値は1レジスタで扱えますが、32ビット整数や浮動小数点数は複数レジスタを組み合わせます。符号の有無、小数点位置、倍率も確認します。

32ビットデータ

電力量、積算値、浮動小数点値などでは、2レジスタを使用することがあります。

上位ワードと下位ワードの並び順がメーカーによって異なるため、ワードオーダーを確認します。バイトの並び順も合わせて確認します。

倍率と小数点

温度253を25.3℃として扱うなど、整数値へ倍率を持たせる機器があります。

受信側で0.1倍、0.01倍などの換算を行います。単位と倍率を誤ると、表示や制御値が大きくずれます。

Unit ID

Modbus TCPでは、Ethernet上の機器をIPアドレスで識別しますが、ゲートウェイの先にあるシリアル機器を識別するためにUnit IDを使用する場合があります。

直接接続機器でも特定値を必要とする製品があるため、説明書を確認します。

ポーリング通信

クライアントは、必要なデータを一定周期で繰り返し読み出します。これをポーリングと呼びます。

周期を短くすると更新は速くなりますが、接続機器とネットワークの負荷が増えます。計測値の変化速度と必要な応答時間から設定します。

複数データの一括読出し

隣接するレジスタをまとめて読み出すと、通信回数を減らせます。

ただし、機器が対応する最大点数を超えないようにします。必要のない広い範囲を毎回読むと負荷が増える場合があります。

書込み制御

Modbus TCPでは、設定値や運転指令を書き込める機器があります。

誤書込みによる設備動作を防ぐため、書込み先、範囲、権限を制限します。安全機能や非常停止を通信だけに依存させないことも重要です。

通信タイムアウト

要求に対して一定時間内に応答がない場合はタイムアウトとします。

タイムアウト時間が短すぎると一時的な遅延で異常となり、長すぎると故障検出が遅れます。再試行回数と異常判定条件を設定します。

通信断時の動作

通信が途絶えた場合に、最後に受信した値を保持するか、無効値として扱うかを決めます。

制御へ使用する値では、古い値のまま運転を続けると危険な場合があります。データの更新時刻や通信正常フラグを併せて管理します。

複数クライアント接続

機器によって、同時に接続できるクライアント数が限られています。

PLC、監視パソコン、保守ツールが同時接続すると上限を超える場合があります。接続数と切断処理を確認します。

IPアドレス管理

同じネットワーク上でIPアドレスが重複すると通信できません。

設備番号とIPアドレスの対応表を作成し、固定IP、サブネットマスク、ゲートウェイを管理します。機器交換時にも設定を引き継ぎます。

ネットワーク分離

設備制御ネットワークと事務系ネットワークを分離すると、不要な通信や障害の影響を抑えられます。

VLAN、ルーター、ファイアウォールなどを用い、必要な通信だけを許可します。

セキュリティ

一般的なModbus TCPには、通信内容の暗号化や強い認証が標準で備わっていない場合があります。

外部ネットワークへ直接公開せず、アクセス制御、VPN、ファイアウォール、ネットワーク分離を行います。

通信診断

要求回数、正常応答、タイムアウト、例外応答を記録すると、通信品質を確認できます。

パケット解析ツールを使用すると、要求アドレス、ファンクションコード、応答内容を確認できます。

異常時の確認

接続できない場合は、IPアドレス、サブネット、ポート番号、接続数、ケーブルを確認します。

値が正しくない場合は、アドレスずれ、ワード順、符号、倍率を点検します。時々通信が切れる場合は、ネットワーク負荷、タイムアウト、ハブ、電源を確認します。

ハカルプラスの対応

ハカルプラスでは、PLC、計測器、インバーターなどのModbusマップを確認し、必要データと通信周期を整理します。

アドレス変換、データ型変換、通信異常監視、上位データベースへの保存まで含むModbus TCP通信を検討します。

よくある質問

Q. 異なるメーカーの機器同士でも接続できますか?

A. 両機器がModbus TCPへ対応し、アドレス、データ型、動作仕様が一致すれば接続できます。

Q. レジスタ番号が一つずれるのはなぜですか?

A. 説明書の表記が1始まり、通信要求が0始まりになっている場合があるためです。

Q. 32ビットの電力量も読み取れますか?

A. 複数レジスタを組み合わせて読み取れますが、ワード順とデータ型の確認が必要です。

Q. Modbus TCPで設備を遠隔操作できますか?

A. 書込み対応機器では可能ですが、権限、安全回路、通信断時の動作を検討する必要があります。

Q. 通信が切れた場合に警報を出せますか?

A. 応答タイムアウトや連続失敗回数を監視し、通信異常として表示・記録できます。

関連ワード

CC-Linkとは、PLC、リモートI/O、インバーター、表示器、センサなどを接続し、制御信号やデータを高速に共有するための産業用ネットワークです。主に工場設備や生産機械のフィールドネットワークとして使用されます。

多数の入出力信号を個別配線する代わりに、専用通信ケーブルで複数機器を接続できるため、配線削減、盤内省スペース、診断性向上に役立ちます。

ハカルプラスでは、PLC機種、接続局数、必要点数、通信速度、配線距離を確認し、CC-Link対応機器を用いた設備通信を検討します。

CC-Linkの主な用途

  • リモートI/Oとの入出力通信
  • インバーターの運転・周波数指令
  • 計測器や温調器のデータ収集
  • 操作盤・表示器との信号連携
  • 複数制御盤間の状態共有
  • 設備診断情報の取得

フィールドネットワーク

CC-Linkは、制御盤内のPLCと、現場に分散した機器を接続するフィールドネットワークです。

センサや電磁弁の近くへリモートI/Oを配置し、そこから通信ケーブルだけを制御盤へ戻すことで、多数の信号線を削減できます。

基本構成

ネットワーク全体を管理する局と、管理局の制御に従って通信する複数の局で構成されます。

PLC側へマスタ局を設け、リモートI/O、インバーター、機器側通信ユニットなどを接続します。各局には重複しない局番を設定します。

局番

接続機器ごとに局番を割り当てます。同じ局番を複数機器へ設定すると、通信異常になります。

電気図面、ネットワーク構成図、機器ラベルへ局番を記載し、交換時にも同じ設定を行えるようにします。

占有局数

機器がネットワーク上で使用するデータ量に応じて、占有局数が決まります。

デジタル入出力だけの小型機器と、多数の数値データを扱う機器では必要な領域が異なります。全機器の占有局数を合計し、ネットワーク容量内に収めます。

リモート入出力

ビット単位のON・OFF信号を、リモート入力・リモート出力として周期的に共有します。

センサ入力、運転指令、異常信号、電磁弁出力などに利用します。PLCプログラムでは、割り付けられたデバイスを通常の入出力と同様に扱えます。

リモートレジスタ

数値データは、リモートレジスタとして送受信します。

インバーター周波数、モーター電流、温度、重量、異常コードなどを扱えます。データ型、符号、倍率、ワード順を確認します。

サイクリック通信

CC-Linkでは、設定された入出力やレジスタを一定周期で繰り返し更新します。

個別に要求を送らなくても最新データが共有されるため、設備制御へ利用しやすい方式です。通信周期は、接続局数、通信速度、設定によって変化します。

トランジェント通信

通常の周期通信とは別に、必要なタイミングで特定機器へデータを送受信する通信機能があります。

パラメータ読出し、設定変更、診断情報取得などに利用されます。サイクリック通信への影響と対応機器を確認します。

通信速度と配線距離

通信速度を高くすると更新周期を短くできますが、許容配線距離は短くなる傾向があります。

設備規模、必要応答時間、ケーブル経路から通信速度を選定します。幹線長、支線長、局間距離の制約も確認します。

専用ケーブル

CC-Linkでは、規定された特性を持つ専用通信ケーブルを使用します。

一般的な制御ケーブルで代用すると、反射やノイズによって通信が不安定になる可能性があります。ケーブル種類と通信速度の適合を確認します。

終端抵抗

ネットワークの両端には、信号反射を抑える終端抵抗を取り付けます。

終端抵抗の未取付、重複取付、抵抗値違いは通信異常の原因になります。物理的な両端を確認し、指定値を使用します。

配線方式

基本的には、機器を順番に接続する幹線構成とします。

規定外の分岐、長すぎる支線、ループ配線を行うと通信品質が低下する場合があります。分岐ユニットを使用する場合は対応条件を確認します。

シールドと接地

通信ケーブルのシールドを適切に接地し、インバーターやモーターからのノイズ影響を抑えます。

接地方法はシステム仕様に従い、動力線と通信線を離して配線します。盤間接続では接地電位差も考慮します。

通信電源

機器によっては、通信回路用電源や入出力負荷用電源が別に必要です。

電源容量、電圧降下、共通端子を確認します。通信は正常でも負荷電源が失われて入出力が動作しない場合があります。

機器交換

リモートI/Oやインバーターを交換する場合は、局番、通信速度、占有局数、パラメータを同じに設定します。

型式変更では、データ割付や診断情報が変わる可能性があります。PLCプログラムと図面を確認します。

通信異常時の動作

通信が途絶えた場合、リモート出力をOFFする、直前値を保持するなど、機器ごとに動作を設定できる場合があります。

モーター、バルブ、ヒーターなどは、通信断時に安全側へ移行するようにします。PLC側でも局異常を監視します。

一局異常と全体異常

一つの局だけが故障した場合に、他局の通信を継続できる構成があります。

ただし、配線断線位置や電源喪失によって複数局が通信できなくなる場合があります。異常局番と最終正常局を確認し、故障範囲を切り分けます。

診断情報

PLCの通信ユニットでは、各局の通信状態、エラーコード、再試行回数などを確認できます。

タッチパネルへ異常局番と機器名を表示すると、保全作業を行いやすくなります。

更新・改造

機器追加時は、局番、占有局数、通信周期、ケーブル長を再確認します。

既存局の間へ機器を追加する場合は、配線変更と終端抵抗位置にも注意します。追加後は全局の通信と入出力を確認します。

上位ネットワークとの連携

CC-Linkで収集した現場データをPLCへ集約し、Ethernetや上位システムへ送信できます。

設備制御用の高速信号と、履歴・監視用データを分けて扱います。

CC-Link IEとの違い

CC-Link IEは、産業用Ethernet技術を利用した別のネットワーク群です。

従来のCC-Linkとはケーブル、通信方式、接続機器が異なるため、単純に置き換えられるとは限りません。更新時には互換性と変換方法を確認します。

異常時の確認

全局が通信異常の場合は、マスタ局、通信電源、幹線、終端抵抗、通信速度を確認します。

特定局だけ異常の場合は、局番重複、機器電源、コネクタ、占有局設定を点検します。時々異常になる場合は、ノイズ、接地、端子緩み、ケーブル長を確認します。

ハカルプラスの対応

ハカルプラスでは、PLC、リモートI/O、インバーター、計測器の通信仕様を確認し、局番とデータ割付を設計します。

専用ケーブル、終端抵抗、通信異常監視、タッチパネル表示を含め、既設設備のCC-Link機器追加や更新を検討します。

よくある質問

Q. CC-Linkを使うと配線を減らせますか?

A. 現場へリモートI/Oを配置し、多数の個別信号線を通信ケーブルへまとめられます。

Q. 同じ局番を設定するとどうなりますか?

A. 局番が競合して通信異常となるため、各機器へ重複しない番号を設定します。

Q. 通信速度は高いほどよいですか?

A. 更新は速くなりますが、許容配線距離が短くなるため、設備規模に合わせて選定します。

Q. 通信が切れた場合に出力をOFFできますか?

A. 機器設定とPLC制御により、通信異常時に安全側へ移行できます。

Q. 既設CC-Linkへ機器を追加できますか?

A. 空き局番、占有局数、通信周期、ケーブル長を確認し、追加できる場合があります。

関連ワード

CC-Link IEとは、産業用Ethernetを利用してPLC、リモートI/O、サーボアンプ、インバーター、計測器、産業用コンピュータなどを接続するネットワーク群です。設備制御に必要な周期通信と、設定・診断・上位連携に使用する情報通信を同一ネットワーク上で扱えます。

従来のCC-Linkが専用フィールドネットワークとして利用されるのに対し、CC-Link IEはEthernet技術を基盤とし、大容量データ、高速通信、複数階層のネットワーク構築へ対応します。ただし、CC-LinkとCC-Link IEでは通信方式や対応機器が異なるため、単純な置換はできません。

ハカルプラスでは、PLC、リモートI/O、サーボ、計測器の構成と必要な通信周期を確認し、CC-Link IE対応機器の選定、局設定、配線、異常監視を検討します。

CC-Link IEの主な用途

  • PLC間の高速データ共有
  • リモートI/Oとの入出力通信
  • サーボ・インバーターの制御
  • 計測値、設定値、診断情報の収集
  • 複数制御盤・生産ライン間の連携
  • 産業用コンピュータや上位システムへの接続

CC-Link IEのネットワーク群

CC-Link IEには、用途や世代に応じた複数のネットワークがあります。代表的なものとして、コントローラ間通信を中心とするネットワーク、フィールド機器を接続するネットワーク、汎用Ethernet機器との共存性を高めたTSN対応ネットワークなどがあります。

名称が似ていても、対応する通信ユニット、ケーブル、トポロジー、設定方法が異なります。採用時にはPLCと接続機器が同じ規格へ対応しているかを確認します。

CC-Link IE Field Network

CC-Link IE Field Networkは、PLCとリモートI/O、サーボ、インバーター、計測器などを接続する産業用Ethernetです。

制御データを一定周期で更新する通信と、パラメータや診断情報を必要時に送受信する通信を利用できます。設備全体の配線削減と情報量増加の両立に有効です。

CC-Link IE TSN

CC-Link IE TSNは、時間制御を利用して、リアルタイム制御通信と一般的なEthernet通信を同一ネットワーク上で扱いやすくする方式です。

制御通信へ必要な時間帯を割り当てながら、カメラ、産業用コンピュータ、診断機器などの情報通信を共存させる構成が可能です。ただし、性能を得るにはTSN対応機器や適切なネットワーク設計が必要です。

サイクリック通信

サイクリック通信では、PLCと接続局の入出力データやレジスタデータを一定周期で繰り返し更新します。

センサ入力、電磁弁出力、運転指令、計測値などをPLCデバイスへ割り付け、通常の入出力と同様にプログラムから利用できます。

トランジェント通信

トランジェント通信は、必要なタイミングで特定の機器へ要求を送り、設定値や診断情報を取得する通信です。

機器パラメータの読出し・書込み、異常履歴取得、製品情報取得などに利用します。周期通信と同時に使用する場合は、ネットワーク負荷を確認します。

通信周期

必要な通信周期は、制御対象によって異なります。サーボや同期制御では短い周期が求められ、温度・在庫監視では比較的長い周期でも問題ない場合があります。

局数、データ量、ネットワーク構成、PLC処理周期を確認し、必要な応答性能を満たすように設定します。

データ割付

リモート入力、リモート出力、リンクレジスタなどのデータを、PLC側のデバイスへ割り付けます。

機器追加や占有点数変更でアドレスがずれると、異なる信号を参照する可能性があります。割付表とPLCコメントを整合させます。

局番号と機器識別

接続する機器には、ネットワーク上で重複しない局番号やIPアドレスなどを設定します。

設定方式は機器によって、ロータリースイッチ、ディップスイッチ、設定ツール、PLCからの自動設定などがあります。交換時に同じ設定を再現できるよう記録します。

ネットワークトポロジー

対応機器やネットワーク仕様に応じて、ライン型、スター型、リング型などの構成を利用できます。

スター型ではスイッチングハブを介して接続し、ライン型では機器の内蔵ポートを順番につなぎます。リング型では一部断線時に別経路へ切り替えられる構成もあります。

ライン型構成

ライン型は配線を順番に接続でき、制御盤間や機械に沿った配線へ適しています。

一方、途中機器の電源喪失やポート故障が後段通信へ影響する場合があります。機器のバイパス機能や電源構成を確認します。

スター型構成

スター型は、スイッチングハブから各機器へ個別に配線します。

一つの機器や枝配線の異常が他の枝へ影響しにくく、保守や拡張を行いやすい構成です。ハブの電源・性能・産業環境対応を確認します。

リング型と冗長性

リング型では、ネットワークを環状に接続し、一箇所が断線しても逆方向の経路で通信を継続できる場合があります。

対応するネットワークと機器が必要であり、すべての構成で自動冗長化できるわけではありません。切替時間と異常表示も確認します。

Ethernetケーブル

使用するケーブルは、ネットワーク仕様、通信速度、配線環境に適合する産業用Ethernetケーブルを選定します。

可動部では耐屈曲ケーブル、屋外では耐候ケーブル、ノイズ環境ではシールドケーブルなどを検討します。コネクタ加工品質も通信安定性へ影響します。

スイッチングハブ

スター構成や複数分岐では、産業用スイッチングハブを使用します。

ポート数、通信速度、電源冗長、使用温度、管理機能、TSN対応などを確認します。一般事務用ハブは、制御盤内の温度や振動に適さない場合があります。

ノイズ対策

インバーター、サーボ、モーター配線の近くでは、通信ケーブルがノイズの影響を受ける可能性があります。

動力線と通信線を分離し、交差する場合はできるだけ直角にします。シールド、接地、盤間配線、コネクタ処理を適切に行います。

通信異常時の動作

通信が途絶えた場合、出力をOFFする、直前値を保持する、設定値へ移行するなど、接続機器ごとの動作を確認します。

モーター、ヒーター、供給ゲートなどは、通信断時に安全側となるよう設計します。安全回路は通常通信だけに依存させません。

局異常の監視

PLCでは、ネットワーク全体の状態だけでなく、各局の接続・異常状態を監視します。

タッチパネルへ局番号、機器名称、エラー内容を表示すると、故障箇所を特定しやすくなります。最終正常時刻や復旧回数を履歴へ保存する方法もあります。

機器交換

故障機器を交換する場合は、局番号、IPアドレス、占有点数、パラメータ、ファームウェア版を確認します。

自動パラメータ配信へ対応するシステムでは、交換後にPLCや管理ツールから設定を書き戻せる場合があります。交換後は全入出力と安全動作を確認します。

既設CC-Linkからの更新

従来のCC-LinkからCC-Link IEへ更新する場合は、通信ユニットと接続機器だけでなく、ケーブル、データ割付、PLCプログラムも確認します。

既設機器を残す場合は、ゲートウェイや変換ユニットを利用できることがあります。更新範囲と段階移行を検討します。

上位システムとの連携

CC-Link IEで収集した計測値、稼働状態、異常情報を産業用コンピュータやMESへ送信できます。

リアルタイム制御に必要なデータと、監視・履歴用データを分け、上位通信の負荷が設備制御へ影響しない構成とします。

異常時の確認

全体が通信できない場合は、PLC通信ユニット、ネットワーク電源、ハブ、ケーブル、設定を確認します。

特定局だけ異常の場合は、局番号、IPアドレス、機器電源、ポート、データ割付を点検します。断続的な異常では、ノイズ、コネクタ、ケーブル屈曲、ハブ負荷を確認します。

ハカルプラスの対応

ハカルプラスでは、PLC、リモートI/O、サーボ、インバーター、計測器の対応規格と必要データ量を確認します。

ネットワーク構成、局設定、データ割付、異常監視、タッチパネル表示を含め、CC-Link IEの新規構築や既設設備更新を検討します。

よくある質問

Q. CC-LinkとCC-Link IEは同じ機器を接続できますか?

A. 通信方式と対応機器が異なるため、両方へ対応する機器や変換装置を除き、そのまま接続できません。

Q. CC-Link IEでサーボ制御と設備監視を同時に行えますか?

A. 対応するネットワークと機器を使用し、通信周期と帯域を適切に設計すれば可能です。

Q. 一箇所の断線でも通信を継続できますか?

A. 対応するリング構成や冗長機能を採用すれば、別経路へ切り替えられる場合があります。

Q. 一般的なEthernetハブを使用できますか?

A. 通信仕様上使える場合でも、温度、振動、管理機能、TSN対応などを確認し、産業用機器を選定します。

Q. 既設CC-Link設備を段階的に更新できますか?

A. ゲートウェイやネットワーク分割を利用し、既設部分を残しながら更新できる場合があります。

関連ワード

EtherNet/IPとは、Ethernet上でPLC、リモートI/O、インバーター、サーボ、ロボット、計測器などを接続し、制御データや設定・診断情報を送受信する産業用ネットワークです。名称中のIPはIndustrial Protocolを意味します。

一般的なEthernetとTCP/IP・UDP/IPの技術を利用しながら、産業機器のデータを共通のオブジェクトモデルで扱います。周期的な入出力通信と、必要時に行う設定・メッセージ通信の両方を利用できます。

ハカルプラスでは、PLCと接続機器の対応機能、必要な通信周期、データサイズを確認し、EtherNet/IPの接続設定、タグ割付、通信異常監視を検討します。

EtherNet/IPの主な用途

  • PLCとリモートI/Oの通信
  • インバーター・サーボの指令と状態監視
  • ロボットや画像処理装置とのデータ交換
  • 計測器・センサの測定値取得
  • PLC間の生産情報共有
  • 産業用コンピュータや上位システムとの連携

CIP

EtherNet/IPでは、CIPと呼ばれる共通産業プロトコルを使用します。

機器の入出力、設定、診断情報をオブジェクトとして表現し、異なる種類の産業機器を共通の考え方で扱います。機器ごとのプロファイルや対応サービスは仕様書で確認します。

周期通信とメッセージ通信

EtherNet/IPでは、制御用データを一定周期で交換するI/O通信と、必要なときに設定・診断データを送受信するメッセージ通信があります。

高速な設備制御にはI/O通信、パラメータ読出しや異常履歴取得にはメッセージ通信を使用します。

Implicit Messaging

Implicit Messagingは、あらかじめ定義した入出力データを一定周期で交換する通信です。

送信データの意味を接続設定時に共有するため、毎回アドレスや項目を指定せずに効率よく通信できます。リモートI/Oやインバーター制御で利用されます。

Explicit Messaging

Explicit Messagingは、対象オブジェクト、属性、処理内容を指定して要求を送る通信です。

機器情報、パラメータ、診断データの読出し・書込みに使用します。周期制御よりも設定・保守用途に適しています。

ScannerとAdapter

周期通信を開始・管理する側をScanner、要求を受けて入出力データを提供する側をAdapterと呼びます。

PLCがScanner、リモートI/OやインバーターがAdapterとなる構成が一般的です。機器によって同時接続数や対応役割が異なります。

OriginatorとTarget

通信接続を開始する側をOriginator、接続される側をTargetと表現する場合があります。

設定ツールや仕様書によって用語が異なるため、Scanner・Adapterとの関係を確認します。

Assembly Instance

入出力通信では、送信・受信・設定データをAssembly Instanceとして指定します。

同じ機器でも用途やデータサイズによって複数のAssemblyが用意されている場合があります。機器説明書の番号とデータ構造を確認します。

データサイズ

接続設定では、送受信するバイト数やワード数を正しく設定する必要があります。

サイズが一致しないと接続できない、またはデータ位置がずれる可能性があります。予約領域や状態ワードも含めて確認します。

RPI

RPIはRequested Packet Intervalの略で、周期通信データをどの程度の間隔で更新するかを示します。

RPIを短くすると応答は速くなりますが、機器とネットワークの負荷が増えます。設備の応答要求、局数、データ量から設定します。

マルチキャストとユニキャスト

マルチキャストは一つの送信データを複数機器へ配信しやすい方式で、ユニキャストは特定の相手機器へ送信する方式です。

マルチキャスト通信を適切に管理しないと、不要なポートへ大量の通信が流れる可能性があります。管理機能付きスイッチの利用を検討します。

IGMP Snooping

IGMP Snoopingは、スイッチングハブがマルチキャストの受信先を把握し、必要なポートだけへ転送する機能です。

EtherNet/IPのマルチキャスト通信を使用するネットワークでは、不要な通信負荷を抑えるために有効です。ネットワーク構成に合わせて設定します。

タグ通信

PLC同士や産業用コンピュータとの間で、タグ名を利用してデータを送受信できる構成があります。

アドレス番号ではなく意味のある名称で扱えるため、プログラムを理解しやすくできます。ただし、相手機器のタグ仕様とデータ型を一致させます。

データ型

整数、32ビット整数、浮動小数点数、ビット列、構造体などを扱えます。

異なるメーカー間では、データ型、符号、バイト順、構造体の配置が一致しない場合があります。通信仕様書を作成し、試験データで確認します。

EDSファイル

EDSファイルは、機器の識別情報、通信機能、パラメータなどを設定ツールへ伝えるための電子データシートです。

設定ツールへ登録すると、機器選択やパラメータ確認を行いやすくなります。製品型式とファームウェア版に対応するファイルを使用します。

IPアドレス設定

各機器へ重複しないIPアドレス、サブネットマスク、必要に応じてゲートウェイを設定します。

設定方法には、機器スイッチ、専用ツール、DHCP・BOOTPなどがあります。設備用途では固定アドレスとして管理することが一般的です。

ネットワーク構成

スター型、ライン型、リング型など、対応機器に応じた構成を利用できます。

ライン型では機器の内蔵スイッチ機能を使用し、リング型では対応する冗長プロトコルを使用する場合があります。

DLR

DLRはDevice Level Ringの略で、対応機器をリング状に接続し、一箇所の断線時に通信経路を切り替える機能です。

リング管理機器と対応ノードが必要です。復旧時間、非対応機器の接続方法、異常検出を確認します。

QoS

QoSは、通信の種類に応じて優先順位を付ける機能です。

制御用データを一般情報通信より優先させることで、ネットワーク負荷が増えた場合の遅延を抑えます。スイッチと接続機器が対応する設定を確認します。

通信異常時の動作

周期通信が途絶えた場合、Adapter側の出力をOFF、保持、事前設定値へ移行するなどの動作を確認します。

PLC側では接続状態、通信エラー、最終更新時刻を監視し、設備を安全側へ停止します。

接続数の制限

PLCや接続機器には、同時に維持できるEtherNet/IP接続数の上限があります。

周期通信、メッセージ通信、保守ツール、監視パソコンの接続数を合計し、上限内に収めます。

ネットワーク負荷

多数機器へ短いRPIを設定すると、パケット数が増えて通信負荷が高くなります。

必要以上に高速な周期を避け、複数ネットワークへの分割、データ集約、管理スイッチの利用を検討します。

セキュリティ

設備ネットワークを外部へ直接公開せず、ファイアウォール、VLAN、アクセス制御を利用します。

通常の制御通信が暗号化されない構成もあるため、遠隔接続時はVPNや安全な中継システムを使用します。

診断と保守

接続状態、パケットエラー、ポート状態、機器診断コードを確認します。

管理スイッチやPLC診断機能を利用し、異常が発生した機器、ポート、時刻を記録すると原因調査に役立ちます。

異常時の確認

接続できない場合は、IPアドレス、Assembly Instance、データサイズ、RPI、EDS、接続数を確認します。

通信が不安定な場合は、ネットワーク負荷、マルチキャスト、IGMP Snooping、ケーブル、ノイズを点検します。値がずれる場合はデータ型とバイト配置を確認します。

ハカルプラスの対応

ハカルプラスでは、PLC、リモートI/O、インバーター、計測器のEtherNet/IP仕様を確認し、周期通信とメッセージ通信を設計します。

Assembly設定、RPI、タグ割付、通信断監視、タッチパネル表示を含め、異なるメーカー間の接続を検討します。

よくある質問

Q. EtherNet/IPのIPはインターネットプロトコルの意味ですか?

A. 名称中のIPはIndustrial Protocolですが、通信基盤として一般的なIPネットワーク技術を利用します。

Q. 異なるメーカーのPLCと機器を接続できますか?

A. 両機器が対応し、Assembly、データサイズ、通信周期などを一致させれば接続できる場合があります。

Q. RPIは短いほどよいですか?

A. 応答は速くなりますが通信負荷が増えるため、制御に必要な周期へ設定します。

Q. 通信断時にインバーターを停止できますか?

A. 機器の通信異常時設定とPLC監視を組み合わせ、安全側へ停止できます。

Q. 既設EthernetへEtherNet/IP機器を追加できますか?

A. IPアドレス、通信負荷、スイッチ機能、ネットワーク分離を確認して追加を検討します。

関連ワード

PROFINETとは、PLC、リモートI/O、インバーター、サーボ、ロボット、計測器などをEthernetで接続し、設備制御データと診断情報を送受信する産業用ネットワークです。工場設備や生産機械で、入出力通信、モーション制御、設備診断などに使用されます。

一般的なEthernet技術を利用しながら、周期的なリアルタイム通信、機器設定、ネットワーク診断を行えます。用途に応じて通信性能の異なるクラスがあり、通常の設備制御から高精度な同期制御まで対応します。

ハカルプラスでは、PLCと接続機器の対応クラス、更新周期、トポロジー、データ構造を確認し、PROFINETの機器設定、配線、通信異常監視を検討します。

PROFINETの主な用途

  • PLCとリモートI/Oの通信
  • インバーター・サーボの制御
  • ロボットや自動機との信号交換
  • 温度・圧力・重量などの計測値取得
  • 安全通信対応機器との連携
  • 設備診断・保守情報の収集

IO ControllerとIO Device

通信を管理して入出力を制御する側をIO Controller、制御されるリモートI/OやインバーターなどをIO Deviceと呼びます。

PLCがIO Controllerとなり、各機器の入力データを受信し、出力データを送信する構成が一般的です。

IO Supervisor

設定・診断用のパソコンやエンジニアリングツールをIO Supervisorと呼ぶ場合があります。

ネットワーク上の機器検索、機器名設定、診断情報確認、パラメータ設定などに利用します。

リアルタイム通信

PROFINETでは、通常のTCP/IP通信とは別に、制御データを効率よく周期更新するリアルタイム通信を利用します。

一般的なPLC入出力ではRT通信が利用され、より高精度な同期が必要なモーション制御ではIRT対応が必要になる場合があります。

RT

RTはReal Timeの略で、一般的な設備制御やリモートI/O通信に使用されます。

センサ入力、電磁弁出力、インバーター状態などを一定周期で交換します。必要周期とネットワーク負荷を確認して設定します。

IRT

IRTはIsochronous Real Timeの略で、通信時刻を高精度に管理し、サーボやモーション機器を同期させる用途に使用されます。

対応するPLC、機器、スイッチ、ネットワーク設計が必要です。通常のPROFINET対応だけではIRTを利用できない場合があります。

機器名

PROFINETでは、機器を識別するためにデバイス名を設定します。

PLCプロジェクト内の機器名と実機へ設定された名称が一致しないと、正しいIPアドレスが設定されていても通信できない場合があります。

IPアドレス

各機器にはIPアドレス、サブネットマスクを設定します。

機器名を基にIO ControllerがIPアドレスを割り当てる構成もあります。機器交換時に同じ名称を設定すると、旧機器と同じ役割で認識させやすくなります。

DCP

DCPは、ネットワーク上の機器を検索し、機器名やIPアドレスを設定するために使用される仕組みです。

設定ツールから接続機器を検出し、MACアドレスや点滅機能を使って対象機器を識別します。

GSDMLファイル

GSDMLファイルは、PROFINET機器の機能、モジュール構成、入出力データ、診断情報などをエンジニアリングツールへ登録するためのファイルです。

対象機器とファームウェア版に合うGSDMLを使用します。古いファイルでは新しい機能を設定できない場合があります。

モジュール構成

リモートI/Oや多機能機器では、実際に取り付けたモジュールをPLCプロジェクト上へ同じ順序で登録します。

構成が一致しない場合、モジュール異常や通信異常となります。予備スロットやオプション機能の扱いも確認します。

入出力データ

デジタル入力、デジタル出力、アナログ値、状態ワードなどをPLCの入出力領域へ割り付けます。

機器ごとにデータ長、符号、バイト順、状態ビットが異なります。仕様書とPLCコメントを整合させます。

更新周期

入出力データの更新間隔は、機器とネットワーク構成に応じて設定します。

短い周期は応答を速めますが通信負荷を増やします。温度監視とサーボ制御では必要周期が異なるため、用途に合わせます。

Reduction Ratio

PROFINETでは、基準周期に対して機器ごとの更新頻度を調整する設定があります。

高速応答が必要な機器は頻繁に更新し、変化の遅い機器は低い頻度へ設定することで、通信負荷を調整できます。

Watchdog Time

一定時間、正常な周期通信を受信できない場合に通信異常と判定する時間です。

短すぎると一時的な遅延で停止し、長すぎると異常検出が遅れます。更新周期と設備の安全要件から設定します。

ネットワークトポロジー

スター型、ライン型、リング型などを利用できます。

機器の内蔵スイッチを利用したライン接続は配線を減らせますが、中間機器の電源喪失が後段へ影響する場合があります。

LLDP

LLDPは、隣接するネットワーク機器の情報を交換する仕組みです。

PROFINETでは、どのポートにどの機器が接続されているかを把握し、トポロジー診断や機器交換支援に利用されます。

MRP

MRPはMedia Redundancy Protocolの略で、対応機器をリング状に接続し、断線時に別経路へ切り替える機能です。

リング管理機器と対応ノードが必要です。切替時間と非対応機器の接続条件を確認します。

診断情報

PROFINET機器は、通信異常だけでなく、モジュール故障、断線、電源異常、測定範囲外などの診断情報を通知できる場合があります。

PLCで診断データを取得し、タッチパネルへ機器名、スロット、異常内容を表示すると保全しやすくなります。

機器交換

故障したIO Deviceを交換する場合は、機器名、モジュール構成、パラメータを再設定します。

トポロジー情報や自動交換機能へ対応する構成では、接続位置を基に交換機器を認識し、設定を自動配信できる場合があります。

安全通信

PROFINET上で安全関連信号を扱うための仕組みとして、対応する安全通信方式があります。

通常のPROFINET通信だけで安全機能を構成できるわけではなく、安全PLC、安全機器、認証された通信機能が必要です。

一般Ethernet通信との共存

同じ物理ネットワーク上で、設定ツール、Web画面、上位システム通信などを使用できます。

ただし、大量データ転送や不適切なブロードキャストが制御通信へ影響しないよう、ネットワークを分離・管理します。

セキュリティ

制御ネットワークを事務系・外部ネットワークから分離し、必要な通信だけを許可します。

遠隔保守ではVPN、ファイアウォール、利用者認証を使用します。機器設定変更の権限も制限します。

異常時の確認

通信できない場合は、機器名、IPアドレス、GSDML、モジュール構成、配線を確認します。

特定モジュールだけ異常の場合は、スロット構成、電源、入力断線を点検します。断続異常では、更新周期、ネットワーク負荷、コネクタ、ノイズを確認します。

ハカルプラスの対応

ハカルプラスでは、PLC、リモートI/O、インバーター、計測器のPROFINET仕様を確認し、機器名、モジュール、入出力割付を設計します。

通信周期、診断表示、通信断時動作、既設Ethernetとの分離まで含むPROFINET接続を検討します。

よくある質問

Q. IPアドレスが合っていても通信できないことがありますか?

A. PLC設定と実機のデバイス名が一致していない場合などは通信できません。

Q. GSDMLファイルは何に使用しますか?

A. 機器のモジュール構成、入出力データ、診断機能をPLC設定ツールへ登録するために使用します。

Q. PROFINETでサーボ同期制御できますか?

A. IRTへ対応するPLC、サーボ、ネットワーク機器を使用すれば対応できる場合があります。

Q. 一箇所の断線時にも通信を継続できますか?

A. MRP対応のリング構成を採用すれば、別経路へ切り替えられる場合があります。

Q. 既設PROFINETへ機器を追加できますか?

A. 機器名、IPアドレス、通信負荷、PLCの入出力容量を確認して追加を検討します。

関連ワード

PLC間・上位ネットワーク通信とは、複数のPLCや制御盤、監視用パソコン、生産管理システムなどの間で、運転状態、計測値、製造指示、実績データを共有するための通信です。代表的な方式には、CC-Link IE、Ethernet、MELSECNET、FL-netなどがあります。

フィールドネットワークがPLCとリモートI/Oや現場機器をつなぐ用途を中心とするのに対し、PLC間・上位ネットワーク通信は、制御盤同士の連携や工場全体の監視、MES・基幹システムとのデータ交換に利用されます。

通信を利用すると、工程完了、搬送許可、異常状態などの接点情報だけでなく、重量、流量、温度、製造番号、配合、実績値など、多数のデータをまとめて伝送できます。

主な用途

  • 複数の制御盤・PLC間における工程状態の共有
  • 前工程と後工程の運転インターロック
  • 監視用パソコンやタッチパネルへのデータ収集
  • 生産管理システムからの製造指示受信
  • 計量実績や製造実績の上位システムへの送信
  • 既設ネットワークの更新や異メーカーPLC間の接続

CC-Link IE

CC-Link IEは、Ethernet技術を利用した高速・大容量の産業用ネットワークです。PLC間のデータ共有、制御ネットワーク、フィールド機器との通信など、用途に応じた構成があります。

従来のCC-Linkとは、通信ユニット、ケーブル、設定方法が異なります。既設設備を更新する場合は、接続機器がどのCC-Link IE規格に対応しているかを確認します。

Ethernet通信

Ethernetは、PLC、パソコン、タッチパネル、計測機器、サーバーなどの接続に広く利用されます。ただし、LANケーブルで接続できるだけでは通信できません。

TCP/IP、UDP/IP、各PLCメーカーの専用プロトコルなど、通信方式を一致させる必要があります。IPアドレス、ポート番号、データ形式、通信周期なども事前に決めます。

上位システムとの連携では、CSVファイル、データベース、ソケット通信などを利用する場合もあります。どの装置が接続を開始するか、送受信に失敗した場合に再送するかなど、通信手順を明確にします。

MELSECNET

MELSECNETは、主に三菱電機製PLC間でデータを共有するためのネットワークです。複数の制御盤で共通のリンクデータを扱い、運転状態、異常、工程完了、製造情報などを共有できます。

既設設備では世代の異なるMELSECNETが使われていることがあります。PLC更新時は、通信ユニット、光・同軸などの伝送路、リンク範囲、既設局との互換性を確認します。

FL-net

FL-netは、異なるメーカーのPLCや制御機器間でデータを共有する用途に利用されるEthernet系の産業用ネットワークです。

各装置が共通メモリーへデータを送信し、相手機器が必要な領域を読み取る構成が一般的です。異メーカー機器を接続しやすい一方、ノード番号、データ領域、更新周期を装置間で統一する必要があります。

制御盤間の連携

複数工程を連携させる場合、前工程のPLCから後工程のPLCへ、搬送要求、製品情報、工程完了などを送信します。後工程からは、受入可能、運転中、異常などを返します。

例えば、前工程が搬送を開始する前に、後工程が自動運転中で、受入位置が空いており、異常がないことを確認します。このような相互確認をインターロックとして組み込みます。

通信が切れた場合に前回の受入可能信号をそのまま使用すると、誤搬送につながる可能性があります。通信異常時は、受信データを無効化し、新しい動作を禁止するなどの処理が必要です。

上位システムとの連携

生産管理システムやMESからは、製造番号、品種、配合、製造数量、実行順序などを受信します。設備側からは、原料使用量、実計量値、開始・終了時刻、異常履歴などを返します。

PLCは設備をリアルタイムに制御し、上位システムは指示と実績を管理するなど、役割を分けて構成します。上位システムが停止しても、受信済み指示で継続するか、新規運転を停止するかは、設備仕様に応じて決めます。

データマップの作成

通信設計では、送受信するデータをデータマップとして整理します。

  • データ名と送信元・受信先
  • PLCデバイスや通信アドレス
  • ビット、整数、実数、文字列などの形式
  • 単位、小数点位置、符号、バイト順
  • 更新周期、初期値、異常時の扱い

同じ数値でも、一方が16ビット整数、他方が32ビット実数として扱うと正しく伝わりません。単位や小数点位置も含め、双方の仕様を一致させます。

ハンドシェイクと重複防止

製造指示や実績データのように、一度だけ確実に処理すべき情報では、要求、受信、処理完了を相互に確認するハンドシェイクを設けます。

製造番号、連番、送信状態などを付加し、同じデータを二重登録しないようにします。通信途中で切断した場合は、どの段階まで処理したかを確認してから再送します。

複数項目をまとめて送る場合は、全データを書き終えてから更新完了フラグをONし、受信側が途中状態を読み込まないようにします。

通信異常と復旧

通信異常の原因には、ケーブル断線、通信ユニット故障、電源断、IPアドレス重複、設定不一致、ネットワーク負荷などがあります。

PLCでは、通信ユニットの異常情報だけでなく、一定時間データが更新されない状態も監視します。異常時は警報を表示し、関連工程の開始禁止や安全側停止を行います。

復旧後は、前回の運転指令や完了信号が残っていないか確認します。通信が復旧しただけで自動再起動せず、各工程の現在状態を照合してから再開します。

ネットワーク構築時の注意点

Ethernet系ネットワークでは、IPアドレスの管理、スイッチングハブの選定、通信経路の整理が必要です。事務所LANと設備ネットワークを接続する場合は、接続範囲やセキュリティも確認します。

通信ケーブルは、インバーター出力線やモーター配線などのノイズ源から離して配線します。既設配線を流用する場合は、規格、劣化、接続状態を確認します。

非常停止など安全に直接関わる信号は、一般通信だけに依存せず、ハード配線や安全規格に対応した方式を使用します。

既設設備の更新

既設ネットワークを更新する場合は、PLC、通信ユニット、接続機器、ケーブル、データマップを調査します。

旧型通信ユニットが現行PLCへ装着できない場合は、中継PLCや通信変換器を追加し、既設設備を残しながら段階的に移行する方法もあります。

更新後は、通信が成立することだけでなく、各データの値、工程インターロック、異常処理、復旧動作、上位システムへの送受信まで総合的に確認します。

ハカルプラスの対応

ハカルプラスでは、CC-Link IE、Ethernet、MELSECNET、FL-netなどを利用したPLC間・上位ネットワーク通信の設計実績があります。

接続するPLC、制御盤、計測機器、上位システムの仕様を確認し、ネットワーク構成、通信ユニット、データマップ、パラメーター、PLCソフトを設計します。

複数の制御盤からデータを収集し、工程状態の一括監視、製造指示の展開、計量・製造実績の保存を行う構成についても、制御盤、PLC、タッチパネル、上位ソフトウェアを含めて検討します。

他社製制御盤との接続や旧式ネットワークの更新についても、既存仕様と運転方法を調査し、設備への影響を抑えた構成を検討します。

よくある質問

Q. 異なるメーカーのPLC同士を通信させることはできますか?

A. 共通の通信規格や公開プロトコルに対応していれば接続を検討できます。対応しない場合は、中継PLCや通信変換器を使用する方法があります。

Q. Ethernetケーブルで接続すれば通信できますか?

A. ケーブルを接続するだけでは通信できません。プロトコル、IPアドレス、ポート番号、データ形式などを一致させる必要があります。

Q. 上位システムが停止した場合も製造を継続できますか?

A. 受信済みの製造指示で継続する構成は可能です。ただし、新規指示の受付や実績送信をどう扱うかを事前に決めます。

Q. 通信復旧後に設備を自動再開できますか?

A. 可能な場合もありますが、古い指令や工程状態の不一致による誤動作を防ぐため、現在状態を確認してから再開する構成が安全です。

Q. 古いMELSECNETや既設Ethernet通信を残してPLCを更新できますか?

A. 対応ユニットや中継機器を利用できる場合は、既設通信を残した更新が可能です。互換性とデータマップを確認して構成します。

関連ワード

産業用フィールドネットワーク通信とは、PLCとリモートI/O、計測機器、インバーター、センサ、アクチュエータなどの現場機器を、通信ケーブルで接続する技術です。代表的な方式には、CC-Link、DeviceNet、CompoNet、CU-NETなどがあります。

従来の個別配線では、運転、停止、異常、計測値などの信号ごとに電線と端子台が必要でした。フィールドネットワークを利用すると、多数の信号を少数の通信ケーブルへまとめられるため、省配線化、施工時間の短縮、制御盤の小型化につながります。

一方、通信方式ごとに使用できる機器、ケーブル、通信速度、伝送距離、接続台数、設定方法が異なります。既設設備へ導入する場合は、PLCと接続機器の対応状況を確認し、設備全体に適した方式を選定します。

主な用途

  • PLCとリモートI/Oの接続
  • 計量器、変換器、インバーターとの通信
  • 盤間配線や現場配線の削減
  • 離れた場所にあるセンサ信号の収集
  • 複数機器の運転状態や警報情報の共有
  • 既設設備のネットワーク化・更新

通信では、ON・OFFの接点情報だけでなく、重量、流量、電流、周波数、警報コード、設定値などの数値データも扱えます。

CC-Link

CC-Linkは、PLCをマスター局として、リモートI/O、インバーター、計測機器などの子局を接続するフィールドネットワークです。ビットデータとワードデータを周期的に通信し、複数の機器を一つのネットワークで制御できます。

導入時には、局番、占有局数、通信速度、総延長、終端抵抗などを設定します。同じ局番を重複して設定した場合や、占有局数とPLC側の割付が一致していない場合は、正常に通信できません。

ハカルプラスでは、CC-Linkに対応するC1・C2・C3シリーズの信号変換器をラインナップしています。接続する信号、必要点数、対応バージョンなどを確認して機種を選定します。

DeviceNet

DeviceNetは、センサ、アクチュエータ、インバーターなどを接続するフィールドネットワークです。機器ごとにノード番号と通信速度を設定し、PLCとの間で入出力データや状態情報を通信します。

幹線と支線によってネットワークを構成し、通信線と機器用電源を同じケーブルで供給する構成もあります。通信距離や支線長は通信速度によって変わるため、設計段階で接続位置と配線長を確認します。

CompoNet

CompoNetは、センサや小点数のリモートI/Oなどを省配線で接続する用途に適したフィールドネットワークです。装置内や製造ラインに分散した多数の入出力信号をPLCへ集約する場合に使用されます。

個別配線に比べて配線量を削減しやすい一方、接続できる機器はCompoNet対応製品に限られます。PLC側の対応ユニット、通信ケーブル、接続台数を確認します。

CU-NET

CU-NETは、制御機器やリモートI/O間でデータを共有するネットワークです。既設設備で使用されている場合は、対応ユニット、局番、通信速度、データ割付を調査したうえで改造や更新を行います。

旧型PLCから現行PLCへ更新する際に、既設の通信ユニットをそのまま使用できないことがあります。その場合は、中継PLCや通信変換器を設け、既設ネットワークを段階的に更新する方法を検討します。

省配線化の効果

個別配線では、信号点数が増えるほど多芯ケーブル、端子台、配線作業、導通確認が増加します。フィールドネットワークを使用すると、現場側のリモートI/Oへ信号をまとめ、PLCとの間を通信ケーブルで接続できます。

これにより、盤間配線の削減、工事期間の短縮、端子台スペースの削減が期待できます。また、設備増設時にネットワークへ新しい機器を追加しやすくなる場合があります。

ただし、一本の通信ケーブルに複数の信号が集約されるため、ケーブル断線や通信ユニット故障の影響範囲は大きくなります。省配線化と同時に、通信異常時の動作を設計することが重要です。

データマップの作成

フィールドネットワークを使用する際は、PLCと各機器の間でやり取りするデータをデータマップとして整理します。

  • 局番、ノード番号、占有局数
  • 入力・出力データのアドレス
  • ビット、16ビット整数、32ビット値などの形式
  • 単位、小数点位置、符号の有無
  • 正常、警報、通信異常の判定方法

例えば、相手機器が「1234」を12.34kgとして扱う場合、PLC側でも小数点位置を合わせる必要があります。データ形式やバイト順が一致しないと、実際とは異なる値として処理されます。

通信ユニットとPLCソフトの設定

PLC側では、通信ユニットの局種、通信速度、接続台数、データ割付などを設定します。そのうえで、受信データを設備制御へ使用するPLCソフトを作成します。

通信開始直後や機器再起動直後は、正しいデータが受信できていない場合があります。通信正常を確認してから受信値を有効にし、初期値や前回値による誤動作を防ぎます。

設定値を機器へ送信する場合は、書込み要求、完了応答、エラー応答を確認し、同じ設定を繰り返し送信しないようにします。

通信異常時の処理

通信ケーブルの断線、コネクタの緩み、機器電源の停止、局番重複、通信設定の不一致などによって通信異常が発生します。

PLCでは、通信ユニットの異常情報だけでなく、一定時間データが更新されない状態も監視します。異常時は、受信値を無効化し、関連機器の運転開始を禁止する、設備を安全側へ停止する、警報を表示するなどの処理を行います。

通信復旧後は、古い運転指令や完了信号が残っていないことを確認します。通信が戻っただけで設備を自動再起動させず、機器の現在状態を照合してから運転を再開します。

安全信号の扱い

非常停止、安全扉、過負荷停止など、人や設備の安全に直接関わる信号は、一般的なフィールドネットワークだけに依存させない場合があります。

安全回路はハード配線とし、運転状態や警報内容をネットワークで共有するなど、信号の重要度に応じて使い分けます。安全通信に対応したネットワークを使用する場合も、対象機器と安全規格への適合を確認します。

配線とノイズ対策

通信ケーブルは、各ネットワークで指定された種類を使用し、許容される分岐方法、配線長、終端処理を守ります。

インバーター出力線、モーター配線、電磁接触器などのノイズ源から距離を取り、必要に応じて金属配管やシールドを使用します。シールドの接地方法が適切でない場合、通信が不安定になることがあります。

現場工事後は、ケーブルの接続、局番、終端抵抗、通信エラーの有無を確認し、実際に機器を動作させて総合試験を行います。

既設設備の改造・更新

既設フィールドネットワークを更新する場合は、PLC、通信ユニット、接続機器、ケーブル、局番、データマップを調査します。

旧型PLCの更新では、既設の通信ユニットや子局が現行機種に対応していないことがあります。すべてを一度に更新する方法のほか、中継機器を設けて既設側を残しながら段階的に移行する方法もあります。

更新後は、通信状態だけでなく、各信号のON・OFF、数値データ、異常処理、復旧動作まで確認します。

ハカルプラスの対応

ハカルプラスでは、CC-Link、DeviceNet、CompoNet、CU-NETなどを使用したフィールドネットワーク通信の設計実績があります。

接続機器、信号点数、配線距離、既設設備の構成を確認し、通信方式、PLC通信ユニット、リモートI/O、ネットワーク構成を選定します。

データマップの作成、通信パラメーターの設定、PLCソフト設計、タッチパネルへの通信状態表示、異常時のインターロックまで含めて構成します。

他社製制御盤との接続や旧式ネットワークの更新についても、既存仕様を調査し、設備への影響を抑えた方法を検討します。

よくある質問

Q. フィールドネットワークを使うと、すべての配線を通信ケーブルへ置き換えられますか?

A. 多くの入出力信号を省配線化できますが、非常停止など安全上重要な信号は、ハード配線を併用する場合があります。

Q. 異なるメーカーの機器を同じネットワークへ接続できますか?

A. 同じ通信規格に対応し、必要な機器情報やデータ仕様が公開されていれば接続を検討できます。対応バージョンも確認が必要です。

Q. 通信異常が発生すると設備は停止しますか?

A. 設備仕様によって異なります。安全性と運転継続性を考慮し、停止、運転禁止、前回値の無効化などの処理を設定します。

Q. 既設の個別配線設備をフィールドネットワーク化できますか?

A. PLCの対応状況、信号点数、現場機器、配線経路を確認し、リモートI/Oなどを追加してネットワーク化できる場合があります。

Q. 古いCC-LinkやDeviceNetを残したままPLCを更新できますか?

A. 現行PLCに対応ユニットがある場合や、中継PLC・通信変換器を使用できる場合は、既設ネットワークを残して更新できることがあります。

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