ベルト蛇行検知とは、ベルトコンベヤの搬送ベルトが正常な走行位置から左右へずれた状態を検出することです。ベルトの蛇行を放置すると、搬送物のこぼれ、ベルト端部の摩耗、フレームとの接触、設備停止などにつながるため、早期の検知と調整が重要です。

砂、砂利、砕石、粉体、袋物などを搬送する設備では、ベルトへの偏った荷重、ローラの傾き、付着物、張力の不均一などによって蛇行が発生します。蛇行検知器を設置すれば、ベルトが一定位置を超えたときに警報を出したり、コンベヤを停止したりできます。

ベルト蛇行が発生する仕組み

コンベヤベルトは、駆動プーリ、従動プーリ、キャリアローラ、リターンローラなどによって支持されながら走行します。各部の中心がそろい、左右の張力が均一であれば、ベルトはおおむね中央を走行します。

しかし、ローラやプーリが搬送方向に対して直角でない場合や、ベルトの左右で張力が異なる場合は、ベルトが片側へ寄ります。搬送物がベルト中央に載っていない場合も、左右の荷重差によって蛇行が起こります。

主な発生原因

  • ローラやプーリの取付けずれ
  • ベルト張力の左右差
  • 搬送物の偏った投入
  • ローラやプーリへの原料付着
  • ベルトの継ぎ目不良
  • フレームの変形
  • ローラの回転不良や固着
  • ベルトの摩耗や伸び
  • 雨水や原料による滑り

原因が複数重なっている場合もあります。蛇行検知器が繰り返し動作する場合は、検知器の位置を戻すだけでなく、コンベヤ全体を点検します。

蛇行検知器の仕組み

一般的な蛇行検知器は、ベルト端部の近くにローラ付きのレバーを設置し、蛇行したベルトがレバーを押すことで接点を動作させます。

軽い蛇行で警報接点を動作させ、さらに大きく蛇行した場合に停止接点を動作させる二段階構成もあります。これにより、初期段階では注意を促し、危険な位置までずれた場合に設備を停止できます。

接触式以外に、光電センサ、超音波センサ、画像センサなどを利用して非接触でベルト端部を検出する方法もあります。

検知器の設置位置

蛇行が発生しやすい場所は、ヘッドプーリ付近、テールプーリ付近、投入部、乗継部、長い直線部などです。コンベヤの長さや設備構成に応じて、複数箇所へ設置します。

ベルトの左右どちらにも蛇行する可能性があるため、通常は両側へ検知器を設けます。検知ローラは、正常走行中のベルトへ常時強く接触しない位置に調整します。

原料がこぼれやすい位置では、検知器が原料に埋もれたり、レバーの動きが妨げられたりしないようにします。

警報と停止制御

蛇行検知器の接点は、PLCやリレー回路へ入力します。警報段階では、操作画面や表示灯で対象コンベヤを知らせます。停止段階では、搬送物の供給を止めたうえでコンベヤを停止する制御を行います。

下流側のコンベヤを先に停止すると、上流から搬送物が流れ続けて詰まりや堆積が発生する可能性があります。そのため、設備全体の搬送順序を考慮してインターロックを構成します。

蛇行検知後に自動復帰させると、原因が解消していない状態で再起動するおそれがあります。一般には現場確認後に手動でリセットする運用が適しています。

異常発生時の確認方法

蛇行警報が発生した場合は、まず設備を安全に停止し、ベルトがどの位置でどちら側へ寄っているかを確認します。次に、投入位置、ローラ、プーリ、ベルト張力、付着物を確認します。

ベルトが片側へ寄った状態でフレームと接触している場合は、ベルト端部に傷やほつれがないか確認します。大きな損傷がある場合は、継続運転せず修理や交換を行います。

検知器だけが動作している場合は、レバーの固着、取付けずれ、接点不良、配線断線なども確認します。

蛇行を調整するときの注意点

ローラの角度を調整すると、ベルト走行位置を変えられる場合があります。ただし、一度に大きく動かすと反対側へ蛇行する可能性があるため、少しずつ調整して状態を確認します。

コンベヤ運転中の調整は、回転部やベルトへの巻込みの危険があります。設備の安全手順に従い、必要な停止措置やロックアウトを行います。

調整後は無負荷運転だけでなく、実際に搬送物を載せた状態でも確認します。無負荷では正常でも、負荷時に蛇行することがあります。

検知器を選定するポイント

選定時には、レバーの動作角度、接点数、接点容量、復帰方式、使用温度、防じん・防水性能を確認します。屋外や粉じん環境では、設置環境に適した構造が必要です。

警報と停止を分ける場合は、二段動作型や複数接点を備えた機器を選定します。制御回路の電圧やPLC入力仕様に合わせて接点を構成します。

保守点検

定期点検では、レバーやローラが滑らかに動くか、接点が正常に切り替わるかを確認します。付着物、腐食、取付けボルトの緩み、ケーブル損傷も確認します。

実際にレバーを動かし、操作画面の警報表示やコンベヤ停止まで動作するか確認します。検知器単体だけでなく、制御回路を含めた連動試験が重要です。

ハカルプラスの対応

ハカルプラスでは、ベルトコンベヤの蛇行信号を取り込む制御盤、PLC、操作画面、警報・停止インターロックについて、コンベヤ構成や既設回路の仕様を確認して検討します。

複数コンベヤの異常表示、履歴保存、上位監視との接続についても、必要な入出力点数や通信条件を確認して構成します。

よくある質問

Q. ベルトが少し動くだけでも蛇行異常になりますか?

A. ベルトは運転中に一定範囲で左右へ動くため、通常の変動で動作しない位置へ検知器を調整します。

Q. 蛇行検知器は左右両側に必要ですか?

A. ベルトはどちら側にも蛇行する可能性があるため、一般には左右両側へ設置します。

Q. 蛇行検知後に自動で再起動できますか?

A. 制御上は可能な場合がありますが、原因を確認せず再起動すると損傷につながるため、手動復帰が適する場合があります。

Q. 蛇行検知器が頻繁に動作する原因は何ですか?

A. ローラのずれ、投入の偏り、付着物、張力差、ベルト損傷などが考えられます。コンベヤ全体を確認します。

Q. 既設コンベヤの操作盤へ蛇行警報を追加できますか?

A. PLCやリレー回路の空き入力、停止回路、表示器などの条件によって対応できる場合があります。

関連ワード

AMR搬送とは、自律走行搬送ロボットであるAMRを使用して、原料、部品、容器、完成品などを工場や倉庫内で搬送することです。AMRはAutonomous Mobile Robotの略で、周囲の地図やセンサ情報を利用して現在位置を推定し、目的地まで自律的に走行します。

床面に磁気テープや誘導線を敷設する搬送車と異なり、AMRは登録された地図上で経路を計画し、障害物を避けながら走行できる点が特長です。製造設備の配置変更や搬送先の追加に対応しやすく、人が台車を押して行っていた運搬作業の省力化に利用されます。

AMRの走行の仕組み

AMRは、レーザスキャナ、カメラ、距離センサ、車輪の回転情報などを利用して、自機の位置と周囲の状況を認識します。導入時に作成した地図とセンサ情報を照合しながら走行します。

目的地が指定されると、地図上で走行可能な経路を計算します。通路に人や台車などの障害物がある場合は、減速、停止、迂回などを行います。

複数台を運用する場合は、上位の管理システムが各AMRへ搬送指示を割り当て、経路の混雑や充電状態を管理します。

AGVとの違い

AGVはAutomated Guided Vehicleの略で、一般に磁気テープ、磁気マーカ、誘導線などの決められた経路に沿って走行します。AMRは地図とセンサを利用し、状況に応じて経路を変更できます。

AGVは走行経路が明確で、固定された繰返し搬送に適しています。AMRはレイアウト変更や複数経路への対応が必要な設備で利用しやすい傾向があります。

ただし、製品名称としてAGVとAMRの区分が異なる場合もあるため、選定時には実際の走行方式と機能を確認します。

AMR搬送の主な用途

  • 原料容器を計量設備まで搬送する
  • 計量済み材料を混合工程へ運ぶ
  • 部品箱を組立ラインへ供給する
  • 完成品を検査・梱包工程へ移動する
  • 空容器やパレットを回収する
  • 倉庫と製造設備の間を往復する

計量設備と組み合わせる場合は、原料容器を秤へ搬入し、計量完了後に次工程へ搬送する一連の流れを自動化できます。

搬送物の受渡し方法

AMRの上部には、棚、ローラコンベヤ、リフタ、フック、ロボットアームなどを搭載できます。搬送物の形状や重量、受渡し先の設備に応じて選定します。

ローラコンベヤ型では、固定設備側のコンベヤと高さを合わせ、双方のローラを連動させて荷物を受け渡します。リフタ型では、棚や台車の下へ入り込み、持ち上げて搬送します。

受渡し時には、AMRが所定位置へ正確に停止したこと、搬送物が存在すること、固定設備が受入れ可能な状態であることを相互に確認します。

設備との連携

AMRと製造設備は、無線LAN、接点信号、PLC通信、上位システムなどを通じて連携します。例えば、計量設備が搬出可能になったときにAMRを呼び出し、到着後に搬送物を受け渡します。

一般的な連携手順は次のとおりです。

  • 設備から搬送要求を出す
  • 管理システムがAMRを選択する
  • AMRが搬送元へ移動する
  • 到着と位置決め完了を確認する
  • 搬送物を受け取る
  • 搬送先まで走行する
  • 搬送物を引き渡す
  • 搬送完了を上位システムへ通知する

各工程で確認信号を設け、受渡し途中にAMRや固定設備が誤って動作しないようインターロックを構成します。

経路とレイアウトの設計

AMRの走行には、本体幅に加えて安全に通過できる通路幅が必要です。曲がり角、すれ違い場所、充電場所、待機場所も考慮します。

床面の段差、傾斜、溝、滑りやすさは走行安定性に影響します。エレベーターや自動扉を通過させる場合は、設備との通信連携が必要です。

人やフォークリフトが多い通路では、AMRが頻繁に停止して処理能力が低下する可能性があります。人と車両の動線を分けることも検討します。

処理能力の考え方

必要台数は、搬送距離、走行速度、積み降ろし時間、待機時間、充電時間から検討します。

1回の搬送に必要な時間は、概念的に次のように表せます。

搬送時間=往路走行時間+受渡し時間+復路走行時間+待機時間

実際には、障害物による停止、交差点での待機、充電などを考慮して余裕を持たせます。必要処理量に対して台数が少ないと、搬送待ちによって製造設備が停止する可能性があります。

安全機能

AMRは、レーザスキャナやバンパセンサなどで人や障害物を検知し、減速または停止します。ただし、安全機能の範囲や性能は機種によって異なります。

搬送物が本体からはみ出す場合や、上部に可動機構を搭載する場合は、AMR本体のセンサだけでは危険範囲を十分に検知できないことがあります。設備全体としてリスクアセスメントを行います。

非常停止ボタン、警告灯、音声案内、走行表示なども運用環境に合わせて検討します。

充電方法

AMRはバッテリーで動作します。作業者が充電器へ接続する手動充電と、AMRが自動的に充電ステーションへ移動する自動充電があります。

自動充電では、搬送要求が少ない時間や、残量が設定値を下回ったときに充電します。複数台を運用する場合は、充電設備の数と位置も処理能力へ影響します。

異常時の確認方法

AMRが目的地へ到着しない場合は、経路上の障害物、地図情報、無線LAN、バッテリー残量、走行エラーを確認します。特定位置で停止する場合は、床面状態や周囲形状が位置推定に適しているか確認します。

搬送物を受け渡せない場合は、停止位置、設備側センサ、コンベヤ、インターロック信号を確認します。AMR単体が正常でも、固定設備との信号不一致によって動作しないことがあります。

導入時のポイント

搬送物の重量、寸法、搬送回数、搬送距離、通路幅、床面、受渡し方法を確認します。必要な可搬質量と走行速度から機種を選定します。

既設設備と連携する場合は、PLC、通信方式、搬送要求、到着信号などのインターフェースを整理します。無線LANの通信品質についても、走行経路全体で確認します。

導入後の運用を安定させるため、通路へ物を置かない、搬送物を所定位置へ置く、異常停止時の対応者を決めるなどのルールも必要です。

保守・更新

定期的に車輪、センサ、バッテリー、充電端子、非常停止機能を点検します。床面や設備レイアウトを変更した場合は、地図や走行経路を更新します。

上位システムやPLCを更新する場合は、搬送指示や完了信号の通信仕様を確認します。AMRの台数を増やす場合は、通路の混雑、充電設備、無線LAN容量も見直します。

ハカルプラスの対応

ハカルプラスでは、計量設備や原料供給設備とAMRを組み合わせた搬送自動化について、搬送物、処理能力、受渡し方法、既設設備などの仕様を確認して検討します。

PLCによる搬送要求、到着確認、コンベヤ連動、計量実績との連携についても、AMRメーカーの通信仕様を確認して構成します。

よくある質問

Q. AMRとAGVは何が違いますか?

A. 一般にAGVは決められた誘導経路を走行し、AMRは地図とセンサを利用して経路を判断します。

Q. 人がいる通路でも走行できますか?

A. 障害物を検知して減速・停止できる機種がありますが、通路幅や人の動線を含めた安全設計が必要です。

Q. 計量設備と自動連携できますか?

A. 搬送要求、到着、受渡し完了などの信号を連携することで、自動搬送できる構成を検討します。

Q. 床に磁気テープを貼る必要はありますか?

A. 地図を利用して自律走行するAMRでは、通常、走行経路全体への磁気テープは必要ありません。

Q. 既設工場にも導入できますか?

A. 通路幅、床面、受渡し設備、無線通信などの条件を満たせば対応できる場合があります。

関連ワード

回転ラック制御とは、円形または多角形に配置されたラックを回転させ、収納している容器、部品、原料、治具などを指定位置へ移動させる制御です。限られた設置面積で複数の保管位置や作業位置を切り替えられるため、製造設備、計量設備、搬送設備、自動保管設備などで利用されます。

PLCから目的位置を指定し、モーターを正転または逆転させます。位置センサやエンコーダで現在位置を管理し、目的位置の手前で減速して停止します。位置決め完了後は、コンベア、ロボット、計量機、投入装置などと連動して、容器やワークを搬入・搬出します。

回転ラックの構成と動作

回転ラックは、ラック本体、回転軸、支持機構、駆動モーター、減速機、ブレーキ、位置検出センサ、制御盤、PLCなどで構成されます。用途によっては、各収納位置へ在荷センサ、ストッパー、ローラーコンベア、容器識別機器などを設けます。

PLCは現在位置と目的位置を比較し、移動方向と移動量を決定します。モーターを起動して高速で移動し、停止位置へ近づくと低速へ切り替えます。最終的に位置センサ、エンコーダ、サーボモータなどで停止位置を確定します。

停止後は、ラックが所定位置にあること、駆動部が停止していること、搬送先が受入可能であることを確認してから、搬入・搬出を開始します。

主な用途

  • 複数の容器やトレーの一時保管・呼出し
  • 品種ごとの治具、部品、金型の切り替え
  • 計量容器を複数の供給位置へ順番に移動
  • 原料容器や製品容器の搬送先選択
  • ロボットや作業者へのワーク供給
  • 限られた設置面積での循環保管

例えば、複数の原料容器をラックへ収納し、製造指示に応じて必要な容器を計量・投入位置へ呼び出す設備があります。作業完了後は元の保管位置へ戻すほか、洗浄位置や次工程へ移動させることもできます。

主な位置決め方式

位置センサ方式

各停止位置に近接センサやドグを設け、目的位置の信号を検出して停止させる方式です。停止位置が固定され、位置数が比較的少ない設備に適しています。

停止精度はセンサの取付位置、検出距離、回転速度、機械のがたに影響されます。高速から直接停止させるのではなく、減速用センサと停止用センサを分ける場合があります。

エンコーダ方式

モーターや回転軸に取り付けたエンコーダのパルスを数え、回転角度と現在位置を管理します。停止位置が多い場合や、位置を柔軟に変更したい場合に使用します。

エンコーダだけでは機械的な滑りやパルス欠落による位置ずれを検出できない場合があるため、原点センサや位置確認センサを併用します。

インバーター方式

インバーターでモーターの周波数を変更し、起動時の加速、通常速度、停止前の低速運転、減速停止を制御します。急停止による容器のずれや機械的衝撃を抑えられます。

サーボモータ方式

高い停止精度や短い位置決め時間が必要な場合は、サーボモータを使用します。回転角度、速度、加減速を細かく制御でき、停止位置が多い設備にも対応しやすい方式です。

移動方向と最短経路の決定

収納位置数をN、現在位置をC、目的位置をDとすると、正転方向の移動数Fは、位置番号が循環することを考慮して次のように求められます。

F=(D-C+N)mod N

逆転方向の移動数Rは次のようになります。

R=(C-D+N)mod N

FとRを比較し、小さい方を選択すれば最短方向へ移動できます。例えば12位置のラックで現在位置が10、目的位置が2の場合、正転は4位置、逆転は8位置となるため正転を選択します。

ただし、電源ケーブル、エア配管、機械ストッパーなどにより回転方向や旋回範囲が制限される場合は、最短経路よりも許容範囲を優先します。

設計・制御上のポイント

停止精度と機械的保持を確保する

ラックとコンベア、ロボット、投入装置の位置がずれると、容器の受け渡しや投入ができません。停止前に十分に減速し、位置センサ、ブレーキ、位置決めピンなどを組み合わせます。

重量物を載せたラックでは、モーター停止後も慣性で回転する場合があります。ラック径、総重量、偏荷重、速度、減速時間を考慮して駆動能力を選定します。

偏荷重を考慮する

ラックの片側に重量物が集中すると、必要トルクや軸受荷重が増え、停止精度も変化します。すべての位置が満載の状態だけでなく、最大偏荷重となる配置を想定して設計します。

回転中に容器やワークが移動しないよう、ガイド、ストッパー、落下防止部材を設けます。

収納情報と実在荷を一致させる

各位置に収納している容器番号、品種、原料名、ロット、使用可否などをPLCや上位システムで管理します。搬入・搬出の完了時に情報を更新し、在荷センサと管理データが一致しているか確認します。

データ上は空きでも実際には容器がある場合や、その反対の場合は、衝突や誤投入につながります。不一致時は自動運転を停止し、作業者による確認を求めます。

搬入・搬出と相互インターロックを設ける

ラックの回転中に容器を搬入・搬出すると、落下や機械損傷につながります。所定位置への到着、位置決め完了、回転停止、ストッパー開放などを確認してから搬送を許可します。

搬入先に容器がある場合は新しい容器を送り込まず、搬出先が満杯の場合は送り出しません。コンベア側も、ラックが退避または位置決めされていることを確認して動作させます。

原点復帰と位置補正を行う

電源投入時や異常復旧後には、原点センサを検出してPLC内の位置番号と実際のラック位置を一致させます。アブソリュートエンコーダを使用する場合でも、機械的に動かされた可能性があるときは位置確認が必要です。

長期間の運転でチェーンの伸び、カップリングの緩み、車輪の滑りが発生すると位置ずれが蓄積する場合があります。一定回数ごとに基準位置で補正する方法もあります。

通信・停電時の状態を保持する

上位システムから容器情報や搬送指示を受け取る場合は、通信断時に新しい移動指令を受け付けないようにします。通信復旧後は、古い指令を重複実行しないよう指令番号や処理状態を照合します。

停電によって移動途中で停止した場合は、復電後に現在位置、搬送物、ストッパー状態を確認します。位置が不明な場合は低速で原点復帰し、収納情報との整合を確認してから自動運転へ戻します。

異常監視と復旧

主な異常には、目的位置未到達、位置センサ不一致、モーター過負荷、インバーター異常、エンコーダ異常、容器引っ掛かり、ストッパー未復帰などがあります。

運転開始後、設定時間以内に目的位置へ到達しない場合はタイムアウト異常とします。モーター電流が高い場合は、異物、偏荷重、軸受不良、駆動部の固着を確認します。

復旧時は、現在位置、目的位置、収納物、搬送途中の容器を確認します。位置情報だけを強制的に書き換えると管理データと実際の状態がずれるため、手動運転で基準位置へ移動し、必要に応じて収納情報を再登録します。

安全対策

回転ラックの周囲では、挟まれ、巻き込まれ、容器落下を防止する必要があります。安全柵、安全扉、非常停止、ライトカーテンなどを設け、安全条件が成立していない場合は回転を禁止します。

保守用手動運転では、低速運転、押している間だけ動作する操作、作業者から可動部を確認できる位置での操作を検討します。安全機能を通常のPLCプログラムだけに依存させず、安全リレーや安全PLCを使用する場合があります。

計量・搬送設備との連携

回転ラックを計量機や搬送装置と組み合わせることで、容器の呼出し、計量位置への搬送、原料投入、保管位置への復帰までを自動化できます。

計量中は、ラックや搬送機の振動がロードセルへ伝わらないようにします。容器を計量台へ完全に載せ、搬送機を停止・退避させた後、重量安定を確認して計量を開始します。

容器番号、収納位置、原料、ロット、計量値、処理時刻をひも付けて保存すれば、製造実績やトレーサビリティへ活用できます。上位の生産管理システムから作業指示を受け、目的位置を自動選択する構成も検討できます。

保守と設備更新

定期点検では、チェーン、歯車、カップリング、軸受、支持ローラー、ブレーキ、位置センサ、エンコーダ、取付ボルトを確認します。機械的ながたや摩耗は停止位置のずれにつながります。

インバーターやPLCを更新する場合は、速度設定、加減速時間、位置番号、センサ論理、通信データを確認します。旧機器と新機器で停止応答が異なる場合は、減速位置やタイムアウト時間の再調整が必要です。

収納数や搬送物重量を増やす改造では、モータートルク、減速機、軸受、架台強度、安全距離まで見直します。

ハカルプラスの対応

ハカルプラスでは、搬送物の重量、寸法、収納数、回転径、停止位置、必要能力、設置スペースなどを確認し、回転ラックを含む搬送設備を検討します。

ラック本体、駆動機構、支持部、ストッパー、コンベア、位置決め機構などの機械設計に加え、制御盤、PLC、インバーター、サーボモータ、位置センサを組み合わせた制御を設計します。

現在位置と収納情報の管理、最短方向選択、原点復帰、搬入・搬出インターロック、異常監視、タッチパネル表示、手動復旧操作まで、設備条件に合わせて構成します。

計量機、バーコードリーダー、生産管理システム、自動倉庫などとの連携についても、通信仕様と運用方法を確認して検討します。

よくある質問

Q. 回転ラックが目的位置でずれる場合は何を確認しますか?

A. 減速位置、ブレーキ、位置センサ、エンコーダ、チェーンの伸び、機械的ながたを確認します。積載重量や偏荷重によって停止距離が変化していないかも確認します。

Q. 電源投入後に現在位置が分からない場合はどうしますか?

A. 周辺設備を退避させ、低速で原点復帰を行います。原点確定後に各収納位置と管理データの一致を確認して自動運転へ戻します。

Q. 収納情報と在荷センサが一致しない場合はどうしますか?

A. 自動搬送を停止し、実際の容器番号と位置を確認します。確認後に管理データを修正し、不一致が生じた搬入・搬出工程も調査します。

Q. 既設の回転ラックへ停止位置を追加できますか?

A. 機械構造、位置検出方式、PLC容量、駆動能力に余裕があれば追加できる場合があります。センサ追加またはエンコーダ制御への変更を検討します。

Q. 回転ラックを生産管理システムと連携できますか?

A. 容器番号、収納位置、品種、ロット、作業指示を通信で受け渡し、目的位置の自動選択や実績保存を行う構成を検討できます。

関連ワード

移動台車・トラバーサ制御とは、容器やパレットを台車へ載せ、複数の搬送ラインや作業ステーションの間を自動で移動させる制御です。一直線上を往復する移動台車のほか、コンベアと直交する方向へ搬送物を移載する装置をトラバーサと呼びます。

一般的なコンベアは搬送経路全体に設置しますが、移動台車・トラバーサは一台の台車で複数の搬送位置をつなげます。そのため、分岐先が多い設備や、限られたスペースで複数工程を結びたい場合に適しています。

ハカルプラスでは、搬送物の寸法・重量、必要な設備能力、停止位置、設置スペースに応じて、台車、コンベア、駆動機構、位置検出、制御盤を含む搬送設備を設計します。計量機を搭載し、搬送と計量を組み合わせる構成にも対応します。

移動台車とトラバーサの使い分け

移動台車は、レールなどに沿って台車そのものが移動し、容器やパレットを目的位置まで運びます。原料供給位置、計量位置、排出位置などを順番に巡回する設備にも利用されます。

トラバーサは、複数の平行なコンベア間を横方向につなぐ用途で使用されます。搬送物を載せた台車が各ラインの前へ移動し、内蔵コンベアによって搬入・搬出します。

搬送経路、分岐数、サイクルタイム、将来の増設計画を確認し、固定コンベア、移動台車、トラバーサを組み合わせます。

主な構成機器

  • 走行台車、フレーム、レール、車輪
  • ギヤードモーター、チェーン、ベルトなどの駆動機構
  • ローラーコンベア、チェーンコンベアなどの移載機構
  • 近接センサ、光電センサ、エンコーダーなどの位置検出機器
  • ケーブルベア、給電レールなどの電源・信号供給機器
  • 制御盤、PLC、インバーター、タッチパネル

搬送物の底面形状、重量、重心、温度、表面状態に応じて、台車上に搭載するコンベアやガイド構造を選定します。

基本的な搬送動作

搬送元で容器やパレットの到着を検出すると、台車が受取位置へ移動します。台車が所定位置に停止し、搬送元と台車側のコンベア位置が一致したことを確認してから移載を開始します。

搬送物が台車へ完全に乗り移った後、台車を搬送先へ移動させます。搬送先が受入可能であることを確認し、台車側と搬送先側のコンベアを連動させて搬出します。

搬送途中でセンサ状態が想定と一致しない場合は、搬送物の引っ掛かりや二重搬入の可能性があるため、動作を停止して警報を表示します。

位置決め制御

停止位置がずれると、コンベア間に段差や隙間が生じ、搬送物の落下や引っ掛かりにつながります。目的位置の手前で減速し、低速で接近して停止することで位置決め精度を高めます。

簡単な設備では位置検出センサを使用し、高い停止精度や多数の停止位置が必要な場合は、エンコーダーや位置決め機能付きインバーターなどを利用します。

位置検出センサの故障や通過を想定し、一定時間内に到着しない場合や、同時に成立しないはずの位置信号が重複した場合は異常として停止します。

設備能力とサイクルタイム

設備能力は、走行時間だけでなく、搬入、位置確認、搬出、次工程の待ち時間を含めて検討します。走行速度を上げても、移載時間や受入待ちが長ければ処理能力は向上しません。

搬送先が複数ある場合は、最も移動距離が長い経路や、搬送要求が集中する時間帯を基準にサイクルタイムを確認します。必要に応じて待機位置や搬送順序を見直します。

インターロック

移動台車・トラバーサでは、台車と前後設備の状態を相互に確認してから動作させます。

  • 台車が正しい位置に停止している
  • 搬送元に搬送物が存在している
  • 台車上に別の搬送物がない
  • 搬送先が受入可能である
  • 搬送物が台車内へ完全に収まっている
  • 走行経路や安全扉に異常がない

搬送中に受入可能信号が失われた場合でも、搬送物がコンベア間にまたがった状態で停止しないよう、動作段階に応じた停止処理を設計します。

安全対策

台車の走行範囲へ人が立ち入る可能性がある場合は、安全柵、安全扉、非常停止、警告灯などを設置します。設備条件によっては、障害物検知センサや安全レーザースキャナーを検討します。

非常停止や停電が発生した場合はモーターを停止し、搬送物が惰性で移動しないようにします。傾斜や重量物を扱う場合は、ブレーキ付きモーターや機械的な保持機構も必要です。

計量機付き移動台車

台車へ電子台秤やロードセル式計量機を搭載すると、容器を搬送しながら複数の計量ステーションで原料を順次計量できます。

配合設定に従って各供給位置へ移動し、位置決め完了後に原料を計量します。全原料の計量後は、混合機や次工程の排出位置へ移動します。

計量中は台車を確実に停止させ、走行による振動が収まってから重量を判定します。ケーブルやホースが計量部へ外力を加えない構造も重要です。

異常時の復旧

代表的な異常には、台車の位置未到達、搬送物の引っ掛かり、モーター過負荷、センサ不一致、通信異常があります。タッチパネルには、異常が発生した場所と復旧に必要な確認事項を表示します。

復旧操作では、現在の台車位置、搬送物の有無、前後設備の状態を確認します。自動運転へ戻す前に、低速の手動操作で台車やコンベアを安全な位置へ移動できる構成とします。

停電復旧後は、停電前の指令をそのまま再実行せず、センサ情報から現在状態を確認して再開方法を決定します。

保守・点検

定期的に、レールや車輪の摩耗、チェーン・ベルトの張り、駆動部の給油、センサの取付状態を確認します。床面やレール上への粉体・異物の堆積は、走行抵抗や停止位置ずれの原因になります。

ケーブルベアや可動配線は繰り返し曲げられるため、外皮の損傷、端子の緩み、断線を点検します。搬送物が接触するガイドやストッパーの摩耗も確認します。

既設設備への追加・更新

既設設備へ移動台車やトラバーサを追加する場合は、床の強度、走行スペース、搬送高さ、前後コンベアの仕様を確認します。既設設備と新設設備の受渡し信号や安全回路も整理します。

老朽化した設備を更新する場合は、機械部分だけでなく、PLC、インバーター、位置センサ、配線を含めて調査します。既設の搬送条件を維持しながら、停止精度や異常表示を改善できる場合があります。

ハカルプラスの対応

ハカルプラスでは、搬送物の寸法・重量、必要能力、移動距離、停止位置、工場の設置スペースを確認し、移動台車・トラバーサを設計・製造します。

ローラーコンベア、チェーンコンベアなどの選定に加え、台車、駆動機構、ガイド、位置検出を含む機械構成を検討します。

制御盤、PLC、インバーター、タッチパネルによる搬送順序、位置決め、前後設備とのインターロック、異常監視まで一体で設計します。計量機付き台車や計量ステーションを組み合わせた設備にも対応します。

よくある質問

Q. コンベアだけで搬送する場合と比べて、どのような利点がありますか?

A. 一台の台車で複数の搬送先をつなげるため、分岐が多い設備ではコンベアの設置量や占有面積を抑えられる場合があります。

Q. パレットと容器の両方を搬送できますか?

A. 寸法、重量、底面形状が異なるため、共通して保持・搬送できるコンベアやガイドを設計できる場合に対応可能です。

Q. 停止位置の精度を高くできますか?

A. 低速接近、エンコーダー、機械式位置決めなどを組み合わせて精度を高めます。必要精度と搬送速度に応じて構成します。

Q. 移動台車へ計量機を搭載できますか?

A. 電子台秤やロードセルを搭載し、複数の供給位置を移動しながら逐次計量する設備を設計できます。

Q. 既設コンベアへトラバーサを追加できますか?

A. 搬送高さ、設置スペース、床強度、既設制御との信号連携を確認し、追加できる場合があります。

関連ワード

リフター制御とは、容器、パレット、台車、製品などを上下方向へ搬送するリフター・昇降機を、安全に所定位置まで移動させ、前後のコンベアや作業工程と連動させる制御技術です。異なる階への搬送、高さの異なるコンベア間の受け渡し、計量・充填・包装工程への搬入出などに使用されます。

リフターには、チェーン、ベルト、ワイヤーロープ、ボールねじ、油圧シリンダなど、さまざまな昇降方式があります。搬送物の総重量、昇降距離、必要能力、停止精度、設置環境に応じて機械方式を選定し、PLC、インバーター、位置センサ、安全機器を組み合わせて制御します。

リフター制御の仕組みと構成

主な構成要素は、昇降台、ガイドレール、駆動モーター、減速機、チェーンやベルトなどの昇降機構、ブレーキ、位置検出センサ、過走行検出器、落下防止機構、搬送コンベア、制御盤、PLCです。

PLCは、昇降台の現在位置、搬送物の有無、扉や安全柵の状態、前後設備の受入可否、モーターやブレーキの状態を確認します。条件が成立すると昇降を開始し、目的位置の手前で減速して停止位置へ進入します。

停止後は、所定位置への到着とブレーキ保持を確認してから、昇降台上と接続先のコンベアを動かします。搬送物の受け渡しが完了したことをセンサで確認し、次の指令へ移ります。

主な用途

  • 異なる階の間での容器・パレット搬送
  • 高さの異なるコンベア間の受け渡し
  • 計量、充填、包装設備への搬入・搬出
  • 複数階に配置された製造工程間の自動搬送
  • 保管棚や作業ステーションへの上下移載
  • 搬送ライン内の高低差を吸収する昇降搬送

例えば、1階で原料容器を搬入し、2階の計量・配合設備へ上昇させ、処理後に別の階へ搬送する設備があります。容器番号や製造指示と連携し、停止階や行先を自動で切り替えることもできます。

主な位置決め方式

二位置停止制御

上限と下限の2か所で停止する基本方式です。各位置に近接センサやリミットスイッチを設け、到着信号を確認して停止します。単純な上下搬送に適しています。

多段停止制御

複数階や複数の高さへ停止します。各位置にセンサを設ける方法と、エンコーダのパルスを用いて現在位置を管理する方法があります。

インバーター制御

モーターの回転速度を変え、始動時は緩やかに加速し、通常区間は高速、停止位置の手前では低速に切り替えます。搬送物のずれ、衝撃、停止位置のばらつきを抑えやすくなります。

サーボ位置決め

高い停止精度や短いサイクルが必要な場合は、サーボモーターとエンコーダを用います。指定位置までの移動量と速度を制御し、複数の停止高さへ対応します。

昇降能力の考え方

必要な駆動力を検討する際は、搬送物だけでなく、昇降台、コンベア、治具などを含む総重量を確認します。総質量をm、重力加速度をg、昇降速度をvとすると、理論上の昇降動力Pは概算で次のように表せます。

P=mgv

例えば、総質量1,000kgを0.2m/sで上昇させる場合、理論動力は約2.0kWです。実際には、機械効率、加速、摩擦、偏荷重、安全率を考慮してモーターと減速機を選定します。

搬送物が昇降台の片側へ偏って載る場合は、ガイド、チェーン、フレームへ偏荷重が加わります。最大重量だけでなく、重心位置と載せ方も確認します。

設計・制御上のポイント

停止位置と搬送面を一致させる

昇降台と前後コンベアの間に段差があると、搬送物が引っ掛かったり、転倒したりします。停止位置の手前で低速へ切り替え、到着センサと必要に応じて機械式位置決め機構を用いて搬送面を合わせます。

チェーンの伸び、ブレーキ摩耗、積載重量の違いによって停止位置が変化する場合があるため、調整機構と点検方法も設けます。

搬入・搬出を相互にインターロックする

昇降台が所定位置にない状態で搬送コンベアを動かすと、搬送物が落下する危険があります。到着、停止、ブレーキ保持、搬送面一致を確認してから搬入・搬出を許可します。

昇降台上に搬送物が残っている状態で次の搬送物を送り込まないよう、在荷センサを設けます。搬入側と搬出側が同時に送り込まないよう、使用権も管理します。

昇降中の搬送物を保持する

昇降中に搬送物が動くと、転倒や落下につながります。ローラーの停止だけでなく、ストッパー、ガイド、クランプ、車輪止めなどで保持します。

台車やキャスター付き容器では、床面のわずかな傾きでも移動する可能性があります。搬入完了後に保持機構が作動したことを確認してから昇降します。

扉・安全柵と連動する

各階の開口部には安全扉や柵を設け、扉が開いている間は昇降を禁止します。また、昇降台が対応位置へ停止していない場合は、扉を開けられない構成とします。

安全に関わる扉スイッチ、非常停止、過走行検出などは、通常のPLC制御だけに依存せず、安全リレーや安全PLCを含む安全回路として構成する場合があります。

過走行と落下を防止する

通常の停止位置センサとは別に、上限・下限を超えた場合に動作する過走行検出器を設けます。検出時はモーターへの動力を遮断し、原因を確認するまで自動復帰させません。

チェーンやベルトの破断、ブレーキ異常に備え、機械式落下防止装置、複数本の支持部材、速度監視などを検討します。必要な安全方式は、搬送重量、昇降高さ、設備用途によって異なります。

始動・停止順序を管理する

昇降開始前には、搬送物保持、扉閉鎖、ブレーキ解放、前後コンベア停止を確認します。停止時は、低速で位置へ進入し、モーター停止後にブレーキが確実に保持したことを確認します。

ブレーキを解除する前にモータートルクを立ち上げるなど、機械方式に応じて昇降台がずり落ちない順序を設計します。

異常監視と復旧

主な異常には、モーター過負荷、インバーター異常、ブレーキ異常、位置未到達、過走行、扉開放、搬送物詰まり、在荷信号不一致などがあります。

運転指令後、設定時間内に次の位置へ到達しない場合は昇降タイムアウトとして停止します。原因には、搬送物の引っ掛かり、駆動部の滑り、センサ故障、ブレーキ解放不良などがあります。

復旧時は、昇降台の実位置、搬送物の状態、扉、ブレーキ、前後設備を確認します。位置情報が不明な場合は、手動・低速で基準位置へ戻してから自動運転を再開します。

停電時はブレーキや落下防止機構で位置を保持します。復電後に自動で再始動すると危険なため、搬送物と各階の状態を確認し、作業者のリセット後に復旧する構成が一般的です。

計量設備との連携

リフターは、計量機、搬送コンベア、充填設備と組み合わせて使用できます。容器を計量位置へ搬送し、所定位置へ停止した後に計量を開始し、完了後に別工程へ送ります。

計量中は、リフターや前後コンベアの振動、ストッパーやガイドから加わる外力が重量値へ影響しないようにします。搬送物が完全に計量台へ載り、振動が収まって重量が安定したことを確認して実績を確定します。

容器番号、停止階、搬送時刻、計量実績、警報履歴を保存し、生産管理システムやトレーサビリティへ利用することもできます。

保守と設備更新

定期点検では、チェーンやベルトの伸び・摩耗、ワイヤーロープ、ガイド、ローラー、ブレーキ、落下防止装置、センサ、取付ボルトを確認します。異音、振動、停止位置の変化も劣化の兆候になります。

モーター、インバーター、PLCを更新する場合は、昇降速度、減速比、ブレーキ制御、位置センサ、非常停止回路、信号論理を確認します。新旧機器で加減速特性が異なる場合は、減速開始位置や停止監視時間の再調整が必要です。

ハカルプラスの対応

ハカルプラスでは、搬送物の重量、寸法、重心、昇降距離、停止位置、必要能力、設置スペースなどを確認し、用途に適したリフター・昇降設備を検討します。

リフター単体だけでなく、ローラーコンベア、チェーンコンベア、ストッパー、転換機、計量ステーションなどを含む機械構成と、制御盤、PLC、インバーター、タッチパネルを一体的に設計します。

昇降、加減速、位置決め、搬入・搬出、扉や安全機器とのインターロック、過走行・未到達・搬送詰まりの監視、異常時の復旧操作まで、設備条件に合わせて構成します。

搬送物の行先管理、計量・搬送実績の保存、バーコードによる容器識別、生産管理システムとの連携についても、必要な通信仕様を確認して検討します。

よくある質問

Q. リフターの停止位置がずれる場合は何を確認しますか?

A. 位置センサ、減速開始位置、ブレーキ、チェーンやベルトの伸び、積載重量を確認します。必要に応じて位置調整や機械式位置決めを行います。

Q. 昇降台が動かない場合は何を確認しますか?

A. 扉や安全柵、非常停止、搬送物保持、ブレーキ、モーター、インバーター、位置センサの状態を確認します。安全条件が一つでも成立していないと起動できません。

Q. 停電後にそのまま自動運転を再開できますか?

A. 搬送物と昇降台の位置を正しく確認できれば再開できる場合がありますが、通常は作業者が状態を確認し、リセット後に復旧する構成とします。

Q. 既設リフターへ停止階を追加できますか?

A. 昇降範囲、機械強度、位置検出、前後設備、PLC入出力に余裕があれば対応できる場合があります。停止精度や安全扉も含めて改造範囲を検討します。

Q. リフターと計量設備を自動連携できますか?

A. 到着、搬送物位置、重量安定を確認し、計量完了後に次工程へ搬出する制御を構成できます。容器番号や計量結果の保存にも対応できる場合があります。

関連ワード

搬送制御とは、コンベア、移動台車、リフター、転換機、プッシャーなどを連動させ、容器、パレット、原料、製品を目的の位置まで安全かつ確実に移動させる制御です。

単にモーターを起動・停止するだけではなく、搬送物の到着確認、行き先の振り分け、前後設備との受渡し、滞留防止、計量結果の追跡、異常時の復旧までをPLCで管理します。

容器搬送設備では、空容器、計量中の容器、計量済み容器、計量NG容器など、外観が同じでも状態が異なる搬送物を扱います。そのため、センサで位置を確認するだけでなく、容器番号や工程データを正しく引き継ぐ制御が重要です。

搬送制御の基本構成

一般的な搬送設備は、ローラーコンベア、チェーンコンベア、ベルトコンベア、ストッパー、プッシャー、転換機、リフター、位置検出センサ、モーター、インバーター、制御盤、PLC、タッチパネルなどで構成されます。

光電センサや近接センサで搬送物の到着と通過を検出し、下流側に空きがあることを確認してからコンベアを運転します。停止位置ではストッパーを上昇させ、容器が所定位置へ到着した後に計量、投入、ラベル発行などの工程を行います。

搬送経路が分岐する場合は、製造指示、計量結果、容器種類などに応じてプッシャーや転換機を動作させ、搬送先を切り替えます。

主な搬送制御

  • 空容器と計量済み容器の搬送
  • 計量ステーションへの容器の位置決め
  • 計量OK・NGによる搬送先の振り分け
  • 原料や製品を載せたパレットの搬送
  • リフターによる上下階・高低差間の搬送
  • 移動台車による複数ライン間の受渡し
  • 容器番号と計量実績のトラッキング

基本的な搬送動作

搬送物の到着確認

光電センサなどで容器やパレットの到着を検出します。センサがONしただけで直ちに次工程を開始するのではなく、停止位置への到達、容器の向き、前後の搬送物との間隔などを確認します。

透明容器、光沢のある容器、形状に凹凸がある容器では、光電センサが安定して検出できない場合があります。対象物に応じて透過型、回帰反射型、距離設定型などを選定します。

下流側の空き確認

搬送先に容器が残っている状態で次の容器を送り込むと、衝突や詰まりにつながります。下流側の在荷センサ、設備運転状態、受入許可信号を確認してから搬送を開始します。

複数区間のコンベアを使用する場合は、下流側から順番に起動し、停止時は上流側から順番に停止することで、搬送物の滞留を抑えます。

停止と位置決め

容器を計量器や投入装置へ正確に停止させる場合は、ストッパー、ガイド、位置決めシリンダーなどを使用します。

コンベアを停止しただけでは慣性によって容器が進む場合があります。搬送速度、容器重量、ローラーの摩擦、停止位置の精度を確認し、必要に応じて低速運転へ切り替えてから停止します。

工程完了後の搬出

計量、充填、投入などの工程が完了した後、対象設備が安全な退避位置へ戻っていることを確認してから容器を搬出します。

充填ノズル、クランプ、ストッパー、計量台などが容器と干渉する状態では搬送を開始しません。下流側の空きと搬出許可も確認します。

プッシャーによる振り分け

プッシャーは、コンベア上の容器や箱を横方向へ押し出し、別の搬送ラインへ移す装置です。光電センサで対象物を確認し、所定位置へ停止させた後、エアシリンダーや電動アクチュエータで押し出します。

計量結果が許容範囲外となった容器をNGラインへ排出する、容器種類に応じて行き先を分けるといった用途で使用します。

押出し開始前には、対象物が正しい位置にあること、押出し先に空きがあること、プッシャーが原点にあることを確認します。押出し完了後は前進端と後退端を確認し、原点へ戻ってから次の搬送を許可します。

転換機による直交搬送

転換機は、容器やパレットを持ち上げる、または別方向の搬送機構を作動させることで、進行方向を直角に変える装置です。

プッシャーで横方向へ押す方式と比べて、容器底面を摺動させずに方向転換できるため、容器の傷、摩耗、転倒を避けたい場合に適しています。

転換動作では、搬送物が所定位置へ停止していること、昇降部が正しい高さにあること、直交側の搬送先が空いていることを確認します。昇降途中や方向転換途中にコンベアを動かさないインターロックが必要です。

計量設備との連携

搬送経路の途中に計量ステーションを設け、容器を搬送しながら順次計量する設備があります。空容器重量の取得、原料充填、計量完了、搬出を連続して制御します。

計量中は、容器が周辺コンベアやガイドに接触すると正確な重量を測定できません。計量台を搬送ラインから切り離す、昇降式の計量台で容器を持ち上げるなど、外力を受けにくい構造とします。

計量結果がOKの場合は次工程へ搬送し、NGの場合は手直し工程や排出ラインへ振り分けます。NG容器を誤って投入工程へ送らないよう、容器データと現在位置を照合します。

搬送物のトラッキング

トラッキングとは、各搬送物がどの位置にあり、どの製造指示や計量実績に対応するかを追跡する処理です。

例えば、計量ステーションで容器Aへ原料を計量した後、その計量実績を搬送区間ごとに引き継ぎます。投入装置へ到着した際に、容器Aの原料名、ロット、実計量値、投入先が一致していることを確認してから投入します。

トラッキングには、センサの通過順序を利用する方式、各搬送区間にデータを割り当てる方式、バーコードやRFIDで容器を識別する方式があります。

トラッキングずれを防ぐ制御

センサだけで搬送物を追跡する場合、容器の手動取出し、センサ見逃し、二重検出などによって、実際の位置とPLC内部のデータがずれることがあります。

搬送開始前後のセンサ状態を確認し、出発側から容器がなくなったことと、到着側で容器を検出したことの両方を確認します。一定時間以内に到着しない場合は搬送異常とします。

作業者が容器を手動で移動できる設備では、バーコードの再読取りや位置データの修正機能を設けます。修正操作は管理者権限とし、変更履歴を残す方法があります。

搬送順序と渋滞防止

複数の容器を連続搬送する場合は、各区間に容器が存在するかを管理し、前方が空いた区間から順に移動させます。

分岐や合流がある設備では、どちらのラインを優先するか、一定時間ごとに交互搬送するかなどを決めます。優先順位が固定されていると、一方のラインだけが長時間待機する場合があります。

下流設備の処理能力が低い場合は、上流からの搬送を一時停止し、バッファ区間へ容器を滞留させます。バッファが満杯になった場合の上流停止条件も設定します。

インターロック設計

搬送制御では、機器同士の干渉と搬送物の衝突を防ぐため、多数のインターロックを設けます。

  • 下流側に空きがある場合だけ搬送する
  • ストッパーが下降してからコンベアを起動する
  • プッシャーが原点にある場合だけ容器を進入させる
  • 転換機が搬送高さにある場合だけコンベアを動かす
  • 計量や投入の完了後に搬出する
  • 安全扉が開いている場合は自動運転を禁止する

センサ信号が矛盾している場合や、動作指令後に一定時間以内で完了信号が得られない場合は、自動運転を停止して異常を表示します。

異常監視と原因の切り分け

主な異常には、搬送物未到着、在荷センサ長時間ON、モーター過負荷、インバーター異常、ストッパー未動作、プッシャー未復帰、転換機位置異常などがあります。

搬送指令後に到着センサがONしない場合は、容器の引っ掛かり、ベルトやローラーの空転、センサ位置ずれ、下流側での衝突を確認します。

センサが常時ONの場合は、容器が残っているだけでなく、粉じんや汚れの付着、反射物、配線異常の可能性があります。タッチパネルへ各センサ状態と現在工程を表示すると、原因を切り分けやすくなります。

異常停止後の復旧

搬送途中で異常停止した場合は、各区間にある搬送物の位置とPLC内部のトラッキングデータを確認します。

無条件に自動原点復帰や再搬送を行うと、容器同士の衝突、二重投入、データの取り違えにつながる場合があります。手動運転で一台ずつ安全位置へ移動し、位置情報を確定してから自動運転へ戻します。

復旧画面では、異常箇所、対象搬送物、復旧可能な操作を表示し、動作可能な機器だけを操作できる構成とします。

停電・通信異常時の処理

停電時はコンベアやアクチュエータを安全に停止させます。リフターや傾斜搬送では、搬送物の落下や逆走を防ぐブレーキや機械的保持機構が必要です。

復電後は、センサ状態と保存した工程データを照合します。搬送物の位置が確定できない場合は自動運転を開始せず、作業者による確認を求めます。

上位システムとの通信が切れた場合は、受信済みの搬送指示で継続するか、新しい搬送を停止するかを設備条件に応じて決めます。容器番号や計量実績は一時保存し、復旧後に重複なく送信します。

保守・設備更新

定期点検では、コンベアのチェーン・ベルト・ローラー、ストッパー、シリンダー、位置センサ、モーター、減速機、インバーターを確認します。

搬送物の寸法や重量が変更された場合は、ガイド幅、停止距離、センサ位置、モーター容量、加減速時間を再確認します。

PLCやタッチパネルを更新する場合は、インターロック、タイマー、トラッキングデータ、手動復旧機能、上位通信を引き継ぎます。新旧PLCで処理周期や通信タイミングが異なる場合は、実際に容器を搬送して確認します。

ハカルプラスの対応

ハカルプラスでは、搬送物の形状・重量、必要能力、計量工程、投入工程、設置スペースを確認し、設備に適した搬送制御を検討します。

ローラーコンベア、チェーンコンベア、移動台車、転換機、プッシャー、リフターなどの機械設計と、制御盤、PLC、インバーター、タッチパネルを組み合わせます。

空容器、計量済み容器、計量NG容器などの状態を管理し、位置検出、振り分け、渋滞防止、前後設備とのインターロック、異常復旧まで一品一様で構成します。

計量実績、原料ロット、容器番号などを投入工程までトラッキングし、生産管理システムや上位システムと連携する構成についても、仕様を確認して検討します。

よくある質問

Q. 搬送物が途中で停止し、到着異常になる場合は何を確認しますか?

A. 容器の引っ掛かり、ローラーやベルトの空転、モーター・インバーター、ガイド幅、到着センサの位置と汚れを確認します。

Q. 計量NGとなった容器だけを別ラインへ振り分けられますか?

A. 計量結果と容器位置をひも付け、NG容器が振り分け位置へ到着した際にプッシャーや転換機を動作させる構成が可能です。

Q. 容器底面を傷つけずに直角方向へ搬送できますか?

A. 容器を横から押すのではなく、転換機で持ち上げて直交方向へ搬送する方法を検討できます。

Q. 停電後に搬送を自動で再開できますか?

A. 搬送物の位置と工程データを正確に復元できる場合は可能ですが、位置が不明な場合は手動確認後に再開する構成が安全です。

Q. 既設コンベアへトラッキング機能を追加できますか?

A. センサ配置、PLC容量、容器識別方法、既存ソフトを確認し、区間管理やバーコードを使ったトラッキングを追加できる場合があります。

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トロリー搬送制御は、レールや走行桁に沿って移動する台車状の搬送装置「トロリー」を、指定した位置まで走行・停止させ、原料、容器、部品、製品などを搬送する制御技術です。床上を走行する台車のほか、天井や架台に設けたレールから、ホッパー、バケット、容器などを吊り下げて移動させる方式もあります。

複数の供給位置、計量位置、混合機、投入位置、排出位置などを1台の搬送装置で結ぶことができ、床面のスペースを有効に使える場合があります。PLCによって走行モーター、位置検出器、投入・排出ゲート、昇降機構、安全機器などを連動させ、搬送物を正しい工程へ確実に移動させます。

トロリー搬送設備の仕組みと構成

トロリー搬送設備は、走行台車、レールまたは走行桁、車輪、駆動モーター、減速機、ブレーキ、給電・通信機器、位置検出器、制御盤、PLC、タッチパネルなどで構成されます。用途に応じて、搬送物を載せる架台、吊り下げ式ホッパー、投入・排出ゲート、昇降装置、荷重検出器などを組み合わせます。

PLCから目的位置と走行方向を指令すると、モーターがトロリーを走行させます。目標位置の手前で高速から低速へ切り替え、停止位置センサやエンコーダの信号を確認して停止します。停止後は、位置確認が成立したことを条件として、計量、投入、排出、昇降などの次工程へ進みます。

位置検出には、近接センサ、リミットスイッチ、光電センサ、バーコード式位置検出器、エンコーダなどが使用されます。停止位置が少なく、位置ごとに明確な検出点を設けられる場合はセンサ方式が適しています。停止位置が多い場合や細かな位置管理が必要な場合は、エンコーダやサーボモータによる位置決めを検討します。

主な用途と使用される工程

トロリー搬送制御は、複数の設備間で原料や搬送物を移動させる工程に使用されます。代表的な用途は次のとおりです。

  • 複数の計量機、混合機、貯槽への原料搬送
  • 移動ホッパーによる投入先の切り替え
  • 容器、バケット、パレットの工程間搬送
  • 充填、検査、排出設備への順次搬送
  • 床上設備を避けた天井・架台上での搬送
  • 製造指示に応じた複数搬送先への自動振り分け

例えば、複数のミキサへ原料を投入する設備では、計量済みの原料を載せたトロリーを指定ミキサの上部へ移動させます。正しい位置への到着、ミキサの受入準備、排出経路の接続などを確認した後にゲートを開き、投入完了後にゲートを閉じて次の工程へ移動します。

搬送能力と走行時間の考え方

トロリーの1サイクルに必要な時間は、走行時間だけでなく、停止、位置確認、投入、排出、復帰などを含めて考える必要があります。1サイクルの時間をtc、1回当たりの搬送量をW、1時間当たりの搬送能力をQとすると、概算は次の式で求められます。

Q=W×3600÷tc

Qの単位はkg/h、Wはkg、tcは秒です。例えば、1回に500kgを搬送し、1サイクルが120秒の場合、理論上の搬送能力は15,000kg/hです。

実際には、製造指示の待ち時間、前後設備の処理時間、異常復旧、清掃などによって能力が低下します。また、走行距離を速度だけで割った値ではなく、加速時間、減速時間、停止確認時間を含めてサイクルを検討します。

設計・制御上のポイント

停止位置と位置決め精度

トロリーが目的位置からずれて停止すると、原料のこぼれ、投入シュートとの干渉、容器の受け渡し不良などにつながります。必要な停止精度に応じて、減速開始位置、低速走行速度、停止センサ、電磁ブレーキ、機械式ストッパーなどを組み合わせます。

搬送物の重量や車輪の摩耗、レールの勾配によって停止距離が変化する場合があります。インバーターの減速時間やブレーキの動作を試運転で調整し、積載状態が変わっても許容範囲内で停止できることを確認します。

位置情報と原点復帰

エンコーダで位置を管理する設備では、電源断、車輪の滑り、手動移動などによって、PLC上の位置と実際の位置がずれる可能性があります。基準となる原点センサや各停止位置の確認センサを設け、位置情報を定期的に照合します。

電源投入時や異常復旧後に位置を確定できない場合は、自動運転を開始せず、低速で原点復帰を行います。原点復帰中も走行範囲の端部や他設備との干渉を防ぐため、終端リミットや非常停止回路を有効にします。

投入・排出機器とのインターロック

トロリーが走行する前に、排出ゲート、昇降機構、クランプなどが安全な位置にあることを確認します。ゲートが開いたまま走行すると、原料の落下や周辺設備との干渉が発生する可能性があります。

排出時は、目的位置への停止、受入設備の運転許可、搬送先の満空状態、接続部の位置などを確認してからゲートを開きます。投入完了後は、ゲート閉端、残量、排出時間などを確認して次の動作へ進みます。

複数台運転と衝突防止

同じレール上で複数のトロリーを運転する場合は、それぞれの現在位置、移動方向、目的位置を管理し、必要な車間距離を確保します。走行区間を複数のブロックに分け、先行トロリーが区間を退出するまで後続を進入させない方法があります。

位置情報だけに依存せず、接近検出センサ、機械式ストッパー、非常停止機構などを組み合わせます。通信や位置検出に異常がある場合は、安全が確認できるまで走行させない制御とします。

給電と通信

移動するトロリーへの給電には、ケーブルベア、カーテンケーブル、トロリーダクト、集電装置などを使用します。走行距離、速度、屈曲回数、粉じん、水分、周囲温度などを考慮して選定します。

通信には有線、光伝送、無線などを使用する場合があります。無線通信では、通信断時に走行を継続するのか停止するのか、トロリー側の制御情報をどこまで保持するのかをあらかじめ定めます。

異常監視・復旧・保守

主な異常には、走行時間超過、モーター過負荷、インバーター異常、位置センサ不一致、終端リミット作動、ゲート開閉異常、通信異常などがあります。走行指令後、設定時間内に次の位置へ到達しない場合は、障害物、車輪の滑り、駆動部の故障、センサ不良などを想定して停止させます。

異常停止後は、現在位置、走行方向、搬送物の状態、ゲートや昇降機構の位置を確認します。手動運転や寸動操作を使用する場合も、安全扉や終端リミットなどの保護機能を無効にせず、必要な権限を持つ作業者だけが操作できるようにします。

停電後は、トロリーが惰性で移動していないか、ブレーキが正常に保持しているか、搬送物が安全な状態かを確認します。位置情報を保持できない方式では原点復帰を行い、仕掛品や搬送先の情報と実際の状態を照合してから自動運転へ戻します。

定期点検では、車輪やレールの摩耗、走行部の異音、減速機の油漏れ、ブレーキ、給電ケーブル、集電部、位置センサ、取付ボルトなどを確認します。停止位置のずれが大きくなった場合は、機械部品の摩耗だけでなく、減速時間やセンサ位置も点検します。

ハカルプラスの対応

ハカルプラスでは、搬送物の重量や形状、走行距離、停止位置、必要な搬送能力、設置スペース、前後工程との取り合いを確認し、トロリーを用いた搬送設備を検討します。

走行台車、レール、駆動機構、ホッパー、投入・排出ゲートなどの機械設計に加え、モーター、インバーター、位置センサ、安全機器を組み込んだ制御盤、PLCによる走行・減速・停止制御まで一体的に対応します。

タッチパネルでは、現在位置、目的位置、搬送物情報、センサ状態、警報内容、手動操作、復旧手順などを表示できます。計量設備と組み合わせる場合は、計量完了、搬送許可、投入先確認、排出完了までを一連のシーケンスとして構築します。

搬送元、搬送先、計量値、品種、ロット、警報履歴などの実績保存や、生産管理システム・配合管理システムからの搬送指示にも、必要な通信仕様を確認して対応を検討します。既設設備の更新では、モーター、センサ、給電方式、PLC、通信、位置データの互換性を確認し、改造範囲を整理します。

よくある質問

Q. 停止位置が徐々にずれる場合は何を確認しますか?

A. 車輪やレールの摩耗、ブレーキの劣化、センサ位置のずれ、インバーターの減速設定、エンコーダと走行機構の滑りなどを確認します。積載重量によって停止距離が変わっていないかも確認します。

Q. 走行中に通信が切れた場合はどうなりますか?

A. 設備の安全設計によって異なりますが、一般には減速停止または即時停止させます。通信復旧後も自動的に再走行させず、現在位置と搬送物の状態を確認してから復旧します。

Q. 既設トロリーへ停止位置を追加できますか?

A. レール長、機械的な停止スペース、センサやエンコーダの方式、PLCの入出力点数を確認し、追加できる場合があります。投入・排出設備との取り合いや安全範囲も見直します。

Q. 複数の搬送指示がある場合はどの順番で処理しますか?

A. 受付順、優先度、原料の品種、搬送距離、投入先の待ち状態などを条件に決定できます。緊急度の高い指示を優先しつつ、無駄な往復を減らす制御も検討します。

Q. トロリーの搬送実績を保存できますか?

A. 搬送元、搬送先、開始・完了時刻、品種、ロット、計量値、異常の有無などを保存できます。上位システムからの指示番号とひも付けることで、製造履歴として追跡することも可能です。

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