- まず簡単に、自己紹介をお願いします。

三宅タケモトデンキ代表取締役社長の三宅です。
京都工芸繊維大学を卒業してタケモトデンキに入社。その後米イェール大学にて電子工学を学び、帰国後国際部長、専務取締役を経て、2000年から代表取締役社長としてタケモトデンキを引っ張っています。

管理本部 本部長 佃です。よろしゅう。
関西大学商学部卒業、社会人になってから立命館大学大学院(MBA)修了し、2012年タケモトデンキに移ってきてますねん。前の会社では、シンガポール、マレーシア、上海、韓国等に12年ほど駐在してて、今は管理本部本部長、経営企画室室長を兼任しとりま。

- タケモトデンキはBtoBの製造業では珍しい老舗企業なんですよね。

三宅今年で創業98年、人間でも100年生きるのって…なかなか難しいからね(笑)1916年は大正5年、先代社長である僕の父が大正6年生まれだったよ。

大正5年言うたら世の中は戦争一色やったんとちゃいますか?そんな時から創業…想像できまへんわぁ。

三宅タケモトデンキのこの100年を迎える瞬間に立ち会える、今年の採用はそれだけの意味があるよね。入社って言ったら人生においてとても大事なことだし、それが100年という節目の年だったら…
きっと忘れられない年になるだろうね。

- 今からとても楽しみですね。具体的な採用方針についてお聞かせ願えますか?

三宅それはやっぱり「次の100年を担う人材」かな。これまでの過去の100年ももちろん大事なんだけど、未来を担う、次の100年ってどんな時代なのか…僕はきっと、世の中がめまぐるしく変化していく時代だと思う。そういった時代の中で生き残るには、やっぱり「変わることを恐れない人」、もっと言えば「変化を楽しむ人」が欲しい。

世の中の流れといっしょに、会社かて変わっていかなあかん、という思いでぎょーさんプロジェクトを進めてますぅ。タケモトデンキには、失敗したかてええから、とにかく「やってみんかい!」言う社風があるさかい、そういう場面で怖気づくことなく手を挙げてやってみよか!って思える人に来てもろたら嬉しいですわ、ほんま。

三宅あとやっぱり何事も楽しもう、という精神は大事だと思うな。楽しくなかったら、長続きしないからね。しんどい、つらいと考えていたら、どんどんネガティブになって前に進めなくなってしまう。

仕事で成果を出す人間ゆうんは、僕が見た中では、仕事をある意味趣味みたいに捉えとる人が多かったですわ。そういう人間にはそう簡単には勝てまへん(笑)
しんどい仕事もあるけど、仕事を好きになる努力っていうんも必要ちゃうかと思うんです。

三宅やっぱり、楽しめないとやっていけないよね。でも楽しいだけじゃなくて、何らかの手応えややりがいを自分から求められるようにならないと、どこに言っても辛いだけだと思うよ。そういう意味では楽しいだけじゃ駄目なんだよね。

まじめに楽しむ、というか、「頭のええアホ」「愛嬌のあるアホ」、そういう子と一緒に働きたいですわ(笑)

- 今のタケモトって、どんな人が多いんですか?

そうですねぇ…「真面目」「素直」言うんですかね。それももちろん大事やと思いますけど、物事を改善、改良するためのヒントって、ほんまは手を抜くとか、ある意味「ずるい」「賢い」要素が必要な場合も多いやないですか。

三宅真面目でよく考えすぎる人は、行動に移すまでの時間がすごく長い場合も結構あるからね…
あと、いろんなリスクを考えすぎて萎縮してしまって、「できない」と言ってしまうこともある。

一人で仕事をしているわけやないので 、意見の対立もあると思います。そういうときに過去の例が無くてリスクもある提案に対して、すぐ保守的な意見で守りに回ってしまうタイプも結構いてはりますね。そうやなくて、そういう提案を受けて、ほなとりあえずやってみよか~、て考えてほしいんです。

三宅そうそう、やってみたけど駄目だった。でもここをこう変えたらなんとかなるんじゃない?って考える子なんて、最高だね。何でも最初から成功なんてしない。失敗するのはウェルカムだからね。そこから学べばいい。

そういう意味では、懐の深い会社やなと思います。せやさかい、やってみい、とゆわれたらそのチャンスをしっかり生かして欲しいんですわ。それをできるだけパッパとできたらめちゃくちゃよろしいですわ。

三宅これが社員のためのフレーズにある「3分考えたら、すぐ行動」に繋がるんだよね。

- なるほど。では、やってみよう、と言える人材が必要なんですね。

三宅これから私たちを取り巻く環境は、どんどん厳しくなる。生き残るには、これから伸びていくマーケットに入り込むことが何より大事。タケモトデンキの経営方針として、介護機器事業部を立ち上げたり、海外展開をしたりしているのはこれが理由なんだよね。これも、「やってみよう」という気持ちがあってこそ。どんどん新しい視野を持つことも大事かと思うな。

会社として、何か新しいことを、今おる人材だけで始める、壁を壊す言うのはなかなか難しい話とちゃいますか?そういう時のエンジンとなるんが、新しい人材や、とうちらは考えてます。

三宅だから新卒採用、中途採用、あるいは海外の人材、そして今いる人材。それをミクスチャーしたらきっといろんな新しいことができると思う。どんどん新しいことをやっていかないと。

- その新しいことの一つが「Peeping Life」なんですね。

三宅100年の老舗企業が、こういう「ゆるい」事すると思わないでしょ(笑) 僕はこういったコラボが次世代型の広告になると捉えてるんだ。

老舗の伝統を捨て切るわけやないんですけど、イメージの刷新や、新しく踏み出す精神っちゅうか、言わゆる「ベンチャースピリット」。これをどないかして伝えたくて、ええ方法がないんかと考えとった時に出会おうたのが、Peeping Lifeっちゅうわけですわ。

三宅広告って、うちはこんな製品を作っているよ、こんなすごいことをしているんだよ、っていうエゴに近い情報発信が多いけど、情報過多な今の時代、それじゃあ見てもらえないじゃない。なら、あえて自社をアピールしないPRコンテンツ作ってみようよって(笑)

で、どこをターゲットにやりましょか?言う話になって、Peeping Lifeのファン層とうちのステークホルダーの共通層って誰か?と考えたら、学生やったんですわ。それで今回、新卒採用でやってみましてん。

三宅タケモトデンキは100年企業だけど、無名だからね(笑) 採用活動においても、他社と同じ事をしてたら、みんな大手にいってしまう。だから、どういうフックが有効かなと考えた結果こうなった。Peeping Lifeも誰もが知っているというわけじゃなくて、見ている層っていうのは、ちょっと尖った、少し変わったアンテナを持っている人かなと思うので。

そういう人材との出会いのフックに期待して、このPeeping Lifeなんです。

三宅だから新 卒採用、中途採用、あるいは海外の人材、そして今いる人材。それをミクスチャーしたらきっといろんな新しいことができると思う。どんどん新しいことをやっていかないと。

- 2014年11月から新たなブランドをスタートされましたね。

三宅2年後に迎える100周年という大きな節目を、いい機会と捉えて「ハカルプラス」という新ブランドを立ち上げました。タケモトデンキの今まで事業はすべて「はかる」技術が根幹にあり、「名は体を表す」という想いと、次の100年は「はかる」だけにとどまらないという今後目指すべき姿をブランド名に込めたんだ。
急に社名変更してしまうと、既存のお客様も社員も困惑しちゃうから、100周年を迎える2016年に「タケモトデンキ」から「ハカルプラス」へ社名を変更する。今はその助走期間かな。

100年企業が社名を変えるっちゅうんは、えらいしんどいことやと思います。そんな大事なプロジェクトに携われてることがほんまにありがたい話ですわ。