Technology
タッチパネル実績保存制御
(タッチパネルじっせきほぞんせいぎょ)
タッチパネル裏面
タッチパネル実績保存制御とは、制御盤に設置したタッチパネルを利用して、設備の運転結果、計量値、運転時刻、警報履歴などを記録・保存する制御技術です。設備の状態を表示して操作するだけでなく、生産や計量の実績をデータとして残すことで、帳票作成、品質確認、トレーサビリティ、設備改善などに活用できます。
保存するデータには、計量した原料名、目標重量、実績重量、計量開始・完了時刻、ロット番号、運転者、設備の異常内容などがあります。必要な記録項目は設備や運用目的によって異なるため、タッチパネル、PLC、計量コントローラ、上位システムの役割を整理して設計します。
タッチパネル実績保存制御の仕組み
タッチパネル実績保存制御は、主にPLC、タッチパネル、計量コントローラや各種センサ、保存用ストレージなどで構成されます。PLCが設備の運転状態や計量結果を収集し、所定のタイミングでタッチパネルへデータを送信します。
タッチパネルは受信したデータを画面に表示するとともに、内部メモリ、SDカード、USBメモリなどへ保存します。保存形式には、パソコンで扱いやすいCSV形式などが使用されることがあります。保存したデータをパソコンへ移し、表計算ソフトなどで集計して帳票や報告書を作成することも可能です。
設備によっては、タッチパネルにデータを保存するだけでなく、Ethernetなどの通信を利用してパソコンや生産管理システムへ送信します。保存件数、通信環境、閲覧方法、データを利用する部門などに応じて、適切な保存方法を選定します。
保存する主な実績データ
タッチパネルに保存する情報は、設備の種類や管理目的に合わせて設定します。代表的な実績データには、次のようなものがあります。
- 製品名、品種名、配合番号、ロット番号
- 原料名、目標重量、実績重量、計量誤差
- 計量開始時刻、計量完了時刻、所要時間
- 生産数量、運転回数、累積値
- 設備の運転・停止状態
- 警報の発生時刻、復旧時刻、警報内容
計量設備では、計量完了信号が成立した時点で実績を保存する方法が一般的です。ただし、計量を途中で中止した場合や、手動操作で補正した場合なども記録対象とするかを事前に決めておく必要があります。
タッチパネル画面の構成
設備モニター画面
設備全体の運転状態を確認する画面です。モーター、バルブ、ゲート、センサなどを配置し、運転中、停止中、異常などの状態を色や表示で分かりやすく示します。現在の計量値や生産中の品種を表示することもあります。
実績表示・履歴画面
保存した計量実績や生産実績を、日時、品種、ロットなどの条件で確認する画面です。最新の実績を一覧表示するほか、条件を指定して過去のデータを参照できる構成も検討します。
手動操作・メンテナンス画面
モーターやバルブなどを個別に操作し、点検や試運転を行うための画面です。誤操作を防ぐため、運転モードや設備状態に応じて操作を制限します。センサの入力状態、PLCの出力状態、通信状態などを確認できるようにすると、トラブル発生時の調査にも役立ちます。
警報画面
現在発生している警報と過去の警報履歴を表示します。警報名称だけでなく、発生した設備、考えられる原因、確認箇所などを表示することで、復旧作業を支援できます。
設計・制御上のポイント
保存するタイミングの設定
実績は、計量完了、充填完了、製造完了など、工程が正常に終了したタイミングで保存します。保存条件が不明確だと、同じ実績が複数回記録されたり、途中で中止したデータが正常実績として残ったりする可能性があります。
PLC側で保存要求を出し、タッチパネル側で保存完了を返すなど、データの受け渡しを確実にする制御も重要です。
保存容量とデータの取り出し
保存期間、1日当たりの運転回数、1件当たりのデータ量を確認し、必要な保存容量を見積もります。容量が上限に達した場合に、古いデータを自動的に上書きするのか、警報を出して交換を促すのかも決めます。
SDカードやUSBメモリを取り外す場合は、書込み中に抜かないための運用や、データ破損を防ぐ手順が必要です。記録媒体の交換時期やバックアップ方法も含めて検討します。
時刻とデータ形式の統一
実績には正確な日時が必要です。タッチパネルやPLCの時計がずれると、他の設備や上位システムの記録と整合しなくなるため、時刻合わせの方法を決めておきます。
重量の単位、小数点以下の桁数、日付形式、品種コード、文字コードなども統一します。上位システムや帳票作成ソフトへデータを渡す場合は、受け渡し先が扱える形式に合わせる必要があります。
誤操作とデータ改変への対策
運転条件や実績データを誰でも変更できる状態にすると、誤操作や記録の信頼性低下につながります。ユーザーごとに操作権限を分け、設定変更やデータ削除を管理者だけに限定する方法があります。
必要に応じて、設定変更日時、変更前後の値、操作者などを履歴として残します。記録の重要度に応じて、タッチパネルだけでなく上位システムにもバックアップする構成を検討します。
ハカルプラスの対応
ハカルプラスでは、設備モニター、手動操作、メンテナンス、警報、実績履歴など、設備の用途に応じたタッチパネル画面を設計します。お客様と相談しながら、日常的に確認する情報、操作手順、画面遷移、ボタンやランプの配置などを整理し、見やすく操作しやすい画面構成を検討します。
三菱電機、Pro-face、キーエンス、発紘電機、富士電機、IDECなど、各社のタッチパネルを使用した画面設計に対応しています。使用する機種や必要な機能は、PLCとの接続方式、画面数、保存容量、通信方法などに応じて選定します。
また、PLCソフト、計量コントローラ、タッチパネルを連動させ、計量実績、運転時間、警報履歴などをSDカードやUSBメモリへ保存する制御にも対応します。保存したデータをパソコンで利用する方法に加え、生産管理システムや基幹システムへ送信し、帳票作成や実績管理に活用する構成も検討できます。
よくある質問
Q. タッチパネルにどの程度の期間、実績を保存できますか?
A. 保存できる期間は、タッチパネルの機種、記録媒体の容量、1日当たりの保存件数、1件当たりのデータ量によって異なります。必要な保存期間と運転回数から容量を見積もって選定します。
Q. 保存した実績をパソコンで確認できますか?
A. CSV形式などでSDカードやUSBメモリへ保存すれば、パソコンへ移して表計算ソフトなどで確認できます。通信を利用し、パソコンや上位システムへ自動送信する構成も可能です。
Q. 計量を途中で中止した場合も記録できますか?
A. 記録できます。正常完了、手動終了、中止、異常終了などの結果を区別して保存することで、後から運転状況を確認しやすくなります。
Q. 警報履歴も保存できますか?
A. 警報の名称、発生時刻、復旧時刻などを保存できます。運転実績と警報履歴を照合することで、設備停止や計量異常の原因調査に活用できます。
Q. 既設タッチパネルの画面や保存機能を更新できますか?
A. 現在のタッチパネル、PLC、通信方式、画面データの有無などを確認したうえで検討できます。旧機種から新機種へ変更する場合は、画面の再設計やPLCソフトの修正が必要になることがあります。
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