栽培測定履歴とは、作物の生育期間中に測定した植物体、土壌、培養液、環境などのデータを、日時や圃場、品種、測定位置と関連付けて継続的に保存した記録です。単発の測定値だけでなく、時間の経過に伴う変化を確認するために利用します。

植物の状態は、施肥、かん水、温度、日射、生育段階などによって日々変化します。測定値を履歴として残すことで、現在の数値が高いのか低いのか、施肥後にどのように変化したのか、良好だった過去の栽培と比べてどこが異なるのかを確認しやすくなります。

栽培測定履歴に保存する主な項目

保存する項目は、栽培目的や測定機器によって異なります。一般的には、次のような情報を記録します。

  • 測定日時
  • 圃場、ハウス、区画
  • 作物名と品種
  • 定植日または播種日
  • 生育段階
  • 株番号や測定位置
  • 測定部位や葉位
  • 硝酸態窒素などの植物体測定値
  • 土壌水分、EC、pH
  • 培養液や排液の測定値
  • 気温、湿度、日射などの環境情報

測定値だけでなく、測定条件を一緒に保存することが重要です。条件が異なるデータを同じ基準で比較すると、誤った判断につながる可能性があります。

測定履歴を残す目的

栽培測定履歴は、現在の生育状態を確認するだけでなく、過去の栽培結果を次回へ活用するために作成します。

  • 施肥前後の変化を確認する
  • 生育段階ごとの標準的な値を把握する
  • 圃場や品種ごとの差を比較する
  • 異常値が発生した時期を確認する
  • 収量や品質との関係を分析する
  • 担当者間で栽培状況を共有する
  • 次作の施肥や栽培計画へ反映する

良好な結果が得られた栽培の履歴は、その圃場や品種における基準データとして活用できます。

単発測定と履歴管理の違い

単発測定では、測定した時点の状態を確認できます。しかし、その数値が上昇している途中なのか、低下している途中なのかまでは分かりません。

定期的に同じ条件で測定すると、数値の変化方向や変化速度を確認できます。例えば、施肥後に硝酸態窒素が上昇し、その後どの程度の期間で低下したかを記録できます。

一度の測定値が基準範囲から外れていても、測定誤差や一時的な天候変化の可能性があります。履歴を確認することで、継続的な異常か、一時的な変動かを判断しやすくなります。

測定条件を統一する重要性

植物体の測定値は、測定部位、時間帯、葉齢、かん水後の経過時間などによって変化します。比較可能な履歴を作るには、測定方法を標準化する必要があります。

例えば、次のようなルールを決めます。

  • 毎週同じ曜日と時間帯に測定する
  • 同じ葉位または同じ部位を測定する
  • 複数株を測定し、平均値を記録する
  • 施肥やかん水からの経過時間をそろえる
  • 同じ測定器と測定モードを使用する
  • 測定者が変わっても同じ手順を使用する

測定条件を変更した場合は、履歴上にその内容を記録します。

測定対象の識別

複数の圃場や株を管理する場合は、どこで測定したデータかを識別できるようにします。圃場名だけでなく、ハウス番号、畝番号、株番号などを登録します。

二次元コードやバーコードを測定場所へ付け、読み取ってから測定すると、入力間違いを抑えられる場合があります。

同じ圃場内でも、入口側と奥側、日当たりの良い場所と悪い場所などで状態が異なることがあります。代表点を固定して継続測定する方法と、複数地点を広く測定する方法を目的に応じて使い分けます。

施肥履歴との関連付け

測定値の変化を評価するには、施肥日時、肥料名、施用量、窒素成分量などを関連付けます。

施肥後に測定値がどの程度変化したか、次の施肥までにどの程度低下したかを確認することで、施肥量や施肥間隔の見直しに利用できます。

複数の肥料を使用する場合は、製品量だけでなく、窒素、リン酸、カリウムなどの成分量を記録します。

かん水履歴との関連付け

硝酸態窒素や土壌中の肥料成分は、水分条件の影響を受けます。多量のかん水によって根域外へ移動したり、乾燥によって根が吸収しにくくなったりします。

かん水量、かん水時刻、排液量などを測定履歴と関連付けることで、肥料成分と水管理の関係を確認できます。

液肥をかん水と同時に供給する場合は、液肥濃度だけでなく、施用液量も記録します。

環境データとの関連付け

気温、日射、湿度などは、作物の生育や養分吸収に影響します。測定値が変化した場合、施肥だけでなく天候の影響も確認します。

例えば、日照不足が続くと、植物体内で硝酸成分の利用が進まず、測定値が高くなる場合があります。高温や低温によって根の活動が変化することもあります。

測定値と環境データを同じ時間軸で表示すると、変化の原因を検討しやすくなります。

グラフ表示の活用

測定履歴を時系列グラフにすると、数値の増減や異常な変化を視覚的に確認できます。

グラフには、測定値だけでなく、施肥日、かん水変更、収穫開始などの出来事を重ねて表示すると、栽培操作との関係が分かりやすくなります。

複数品種、複数区画、異なる施肥条件を同じグラフで比較する場合は、測定条件と単位をそろえます。

平均値とばらつき

複数株を測定した場合は、平均値だけでなく、最大値、最小値、ばらつきも確認します。

平均値が適正範囲でも、一部の株だけが大きく外れている場合があります。圃場内のばらつきが大きい場合は、施肥やかん水の偏り、日射、病害などを確認します。

平均値は、次のように求めます。

平均値=測定値の合計÷測定数

測定数が少ない場合は、一株の異常値が平均へ大きく影響します。目的に応じて必要な測定株数を決めます。

異常値の扱い

通常の傾向から大きく外れた値が出た場合は、すぐに削除せず、測定条件や機器状態を確認します。

異常値の原因には、測定位置の違い、葉の汚れ、水滴、機器の校正不良、入力間違いなどがあります。一方、実際に生育異常が発生している可能性もあります。

再測定した結果、測定ミスと判断した場合は、元のデータを削除するのではなく、無効理由や再測定値を記録できるようにすると履歴の信頼性が高まります。

写真や観察記録の保存

数値だけでは把握しにくい葉色、草姿、病斑、根の状態などは、写真や文章で記録します。

同じ撮影位置と角度で定期的に写真を保存すると、生育の変化を比較しやすくなります。

測定値が急に変化したときに写真や観察記録を確認すれば、病害、葉傷み、環境変化などの原因を検討できます。

データ入力時の注意点

手入力では、桁間違い、単位間違い、測定場所の選択間違いが発生する可能性があります。

入力範囲を設定し、通常では考えにくい値が入力された場合に警告を出すと、間違いを減らせます。測定器から直接データを取り込める場合は、転記作業を減らせます。

単位を途中で変更すると過去データと比較できなくなるため、表示単位や換算ルールを統一します。

担当者間での共有

栽培測定履歴を共有すると、担当者が不在でも圃場の状態を確認できます。測定結果に対して、追肥、かん水変更、経過観察などの対応内容を記録すると、判断の引継ぎに役立ちます。

誰が測定・入力・修正したかを残せる仕組みがあると、データの確認や原因調査を行いやすくなります。

収量・品質との比較

収穫後には、測定履歴と収量、糖度、サイズ、等級などを比較します。

生育期間中のどの測定値が収量や品質と関係していたかを確認することで、次作の管理基準を作りやすくなります。

収量だけでなく、肥料使用量や作業時間も記録すると、栽培全体の効率を評価できます。

データのバックアップと保管

測定履歴を長期的に活用するには、データ消失を防ぐ必要があります。パソコンや記録端末だけに保存せず、クラウドや別の記憶装置へバックアップします。

CSVなどの一般的な形式で出力できると、将来システムを変更した場合にもデータを移行しやすくなります。

保存期間、閲覧権限、修正権限を決め、誤って上書きや削除されないようにします。

ハカルプラスの対応

ハカルプラスでは、植物体の硝酸態窒素などの測定結果を、圃場、品種、株、測定日時などと関連付けて保存する栽培測定履歴について、必要な管理項目や運用を確認して検討します。

施肥、かん水、生育、収量、品質との比較や、時系列グラフ、データ出力についても、必要な機能を確認して対応できる場合があります。

よくある質問

Q. 測定値だけを保存すればよいですか?

A. 比較できる履歴にするため、圃場、品種、生育段階、測定部位、日時などの条件も一緒に保存します。

Q. 毎回同じ株を測定する必要がありますか?

A. 同じ株の変化を追う場合は固定します。圃場全体の状態を把握する場合は、複数の代表株を測定します。

Q. 測定値が大きく外れた場合は削除してよいですか?

A. 測定ミスか実際の異常かを確認します。無効とする場合も、理由や再測定結果を残す方が履歴の信頼性を保てます。

Q. 過去の栽培と比較できますか?

A. 作物、品種、測定部位、単位などの条件をそろえて保存すれば、過去の良好な栽培と比較できます。

Q. 測定履歴をCSVで保存できますか?

A. システム仕様によって、測定結果や関連情報をCSV形式で出力できる構成を検討します。

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AMR搬送とは、自律走行搬送ロボットであるAMRを使用して、原料、部品、容器、完成品などを工場や倉庫内で搬送することです。AMRはAutonomous Mobile Robotの略で、周囲の地図やセンサ情報を利用して現在位置を推定し、目的地まで自律的に走行します。

床面に磁気テープや誘導線を敷設する搬送車と異なり、AMRは登録された地図上で経路を計画し、障害物を避けながら走行できる点が特長です。製造設備の配置変更や搬送先の追加に対応しやすく、人が台車を押して行っていた運搬作業の省力化に利用されます。

AMRの走行の仕組み

AMRは、レーザスキャナ、カメラ、距離センサ、車輪の回転情報などを利用して、自機の位置と周囲の状況を認識します。導入時に作成した地図とセンサ情報を照合しながら走行します。

目的地が指定されると、地図上で走行可能な経路を計算します。通路に人や台車などの障害物がある場合は、減速、停止、迂回などを行います。

複数台を運用する場合は、上位の管理システムが各AMRへ搬送指示を割り当て、経路の混雑や充電状態を管理します。

AGVとの違い

AGVはAutomated Guided Vehicleの略で、一般に磁気テープ、磁気マーカ、誘導線などの決められた経路に沿って走行します。AMRは地図とセンサを利用し、状況に応じて経路を変更できます。

AGVは走行経路が明確で、固定された繰返し搬送に適しています。AMRはレイアウト変更や複数経路への対応が必要な設備で利用しやすい傾向があります。

ただし、製品名称としてAGVとAMRの区分が異なる場合もあるため、選定時には実際の走行方式と機能を確認します。

AMR搬送の主な用途

  • 原料容器を計量設備まで搬送する
  • 計量済み材料を混合工程へ運ぶ
  • 部品箱を組立ラインへ供給する
  • 完成品を検査・梱包工程へ移動する
  • 空容器やパレットを回収する
  • 倉庫と製造設備の間を往復する

計量設備と組み合わせる場合は、原料容器を秤へ搬入し、計量完了後に次工程へ搬送する一連の流れを自動化できます。

搬送物の受渡し方法

AMRの上部には、棚、ローラコンベヤ、リフタ、フック、ロボットアームなどを搭載できます。搬送物の形状や重量、受渡し先の設備に応じて選定します。

ローラコンベヤ型では、固定設備側のコンベヤと高さを合わせ、双方のローラを連動させて荷物を受け渡します。リフタ型では、棚や台車の下へ入り込み、持ち上げて搬送します。

受渡し時には、AMRが所定位置へ正確に停止したこと、搬送物が存在すること、固定設備が受入れ可能な状態であることを相互に確認します。

設備との連携

AMRと製造設備は、無線LAN、接点信号、PLC通信、上位システムなどを通じて連携します。例えば、計量設備が搬出可能になったときにAMRを呼び出し、到着後に搬送物を受け渡します。

一般的な連携手順は次のとおりです。

  • 設備から搬送要求を出す
  • 管理システムがAMRを選択する
  • AMRが搬送元へ移動する
  • 到着と位置決め完了を確認する
  • 搬送物を受け取る
  • 搬送先まで走行する
  • 搬送物を引き渡す
  • 搬送完了を上位システムへ通知する

各工程で確認信号を設け、受渡し途中にAMRや固定設備が誤って動作しないようインターロックを構成します。

経路とレイアウトの設計

AMRの走行には、本体幅に加えて安全に通過できる通路幅が必要です。曲がり角、すれ違い場所、充電場所、待機場所も考慮します。

床面の段差、傾斜、溝、滑りやすさは走行安定性に影響します。エレベーターや自動扉を通過させる場合は、設備との通信連携が必要です。

人やフォークリフトが多い通路では、AMRが頻繁に停止して処理能力が低下する可能性があります。人と車両の動線を分けることも検討します。

処理能力の考え方

必要台数は、搬送距離、走行速度、積み降ろし時間、待機時間、充電時間から検討します。

1回の搬送に必要な時間は、概念的に次のように表せます。

搬送時間=往路走行時間+受渡し時間+復路走行時間+待機時間

実際には、障害物による停止、交差点での待機、充電などを考慮して余裕を持たせます。必要処理量に対して台数が少ないと、搬送待ちによって製造設備が停止する可能性があります。

安全機能

AMRは、レーザスキャナやバンパセンサなどで人や障害物を検知し、減速または停止します。ただし、安全機能の範囲や性能は機種によって異なります。

搬送物が本体からはみ出す場合や、上部に可動機構を搭載する場合は、AMR本体のセンサだけでは危険範囲を十分に検知できないことがあります。設備全体としてリスクアセスメントを行います。

非常停止ボタン、警告灯、音声案内、走行表示なども運用環境に合わせて検討します。

充電方法

AMRはバッテリーで動作します。作業者が充電器へ接続する手動充電と、AMRが自動的に充電ステーションへ移動する自動充電があります。

自動充電では、搬送要求が少ない時間や、残量が設定値を下回ったときに充電します。複数台を運用する場合は、充電設備の数と位置も処理能力へ影響します。

異常時の確認方法

AMRが目的地へ到着しない場合は、経路上の障害物、地図情報、無線LAN、バッテリー残量、走行エラーを確認します。特定位置で停止する場合は、床面状態や周囲形状が位置推定に適しているか確認します。

搬送物を受け渡せない場合は、停止位置、設備側センサ、コンベヤ、インターロック信号を確認します。AMR単体が正常でも、固定設備との信号不一致によって動作しないことがあります。

導入時のポイント

搬送物の重量、寸法、搬送回数、搬送距離、通路幅、床面、受渡し方法を確認します。必要な可搬質量と走行速度から機種を選定します。

既設設備と連携する場合は、PLC、通信方式、搬送要求、到着信号などのインターフェースを整理します。無線LANの通信品質についても、走行経路全体で確認します。

導入後の運用を安定させるため、通路へ物を置かない、搬送物を所定位置へ置く、異常停止時の対応者を決めるなどのルールも必要です。

保守・更新

定期的に車輪、センサ、バッテリー、充電端子、非常停止機能を点検します。床面や設備レイアウトを変更した場合は、地図や走行経路を更新します。

上位システムやPLCを更新する場合は、搬送指示や完了信号の通信仕様を確認します。AMRの台数を増やす場合は、通路の混雑、充電設備、無線LAN容量も見直します。

ハカルプラスの対応

ハカルプラスでは、計量設備や原料供給設備とAMRを組み合わせた搬送自動化について、搬送物、処理能力、受渡し方法、既設設備などの仕様を確認して検討します。

PLCによる搬送要求、到着確認、コンベヤ連動、計量実績との連携についても、AMRメーカーの通信仕様を確認して構成します。

よくある質問

Q. AMRとAGVは何が違いますか?

A. 一般にAGVは決められた誘導経路を走行し、AMRは地図とセンサを利用して経路を判断します。

Q. 人がいる通路でも走行できますか?

A. 障害物を検知して減速・停止できる機種がありますが、通路幅や人の動線を含めた安全設計が必要です。

Q. 計量設備と自動連携できますか?

A. 搬送要求、到着、受渡し完了などの信号を連携することで、自動搬送できる構成を検討します。

Q. 床に磁気テープを貼る必要はありますか?

A. 地図を利用して自律走行するAMRでは、通常、走行経路全体への磁気テープは必要ありません。

Q. 既設工場にも導入できますか?

A. 通路幅、床面、受渡し設備、無線通信などの条件を満たせば対応できる場合があります。

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計量ロボットとは、産業用ロボットや協働ロボットを使用し、原料や部品の供給、秤量、投入、搬送などの計量作業を自動化する設備です。人がスコップや容器を使って行っていた少量原料の計量、複数材料の配合、容器への小分けなどに利用されます。

計量作業では、目標重量へ近づくにつれて供給量を減らし、過量にならないよう調整する必要があります。計量ロボットでは、秤から得た重量値とロボットの動作を連携させ、供給量や回数を制御します。

計量ロボットの基本構成

計量ロボットは、一般に次の機器で構成されます。

  • 産業用ロボットまたは協働ロボット
  • 原料をすくうスコップやハンド
  • ロードセルを備えた秤
  • 原料容器や供給ホッパー
  • 計量容器
  • ロボットコントローラ
  • PLCや計量コントローラ
  • 安全柵や安全センサ

対象原料に応じて、スコップ、カップ、吸着ハンド、グリッパ、オーガなどの先端工具を選定します。粉体、粒体、ペレット、部品などでは、適した供給方法が異なります。

計量する仕組み

ロボットが原料容器から原料を取り出し、秤上の計量容器へ投入します。投入後の重量を計量器で読み取り、目標重量との差を求めます。

不足量は次のように表せます。

不足量=目標重量-現在重量

不足量が大きい段階では一度に多く供給し、目標重量へ近づいた段階では少量ずつ供給します。この動作を繰り返し、設定した許容範囲へ入った時点で計量を完了します。

供給量の切替えには、大投入、中投入、小投入のような段階制御や、過去の投入実績から次回の採取量を補正する制御を使用します。

ロボットを使用するメリット

  • 計量作業を自動化できる
  • 作業者による計量ばらつきを抑えられる
  • 粉じんや重量物を扱う負担を軽減できる
  • 計量値と使用原料を記録できる
  • 夜間や長時間の連続運転に対応しやすい
  • 複数品種の配合切替えを自動化できる

少量原料を多数使用する製造工程では、原料の取り違えや計量値の転記ミスを防ぐ効果も期待できます。

適した原料と難しい原料

流動性が安定した粒体やペレットは、比較的取り扱いやすい原料です。一方、付着しやすい粉体、圧縮されやすい材料、繊維状材料、粒径差が大きい材料では、スコップから落ちにくい、採取量が安定しないなどの課題があります。

原料の状態に応じて、スコップ形状、表面処理、振動機構、掻き落とし機構などを検討します。吸湿性がある原料では、保管容器の密閉や除湿も必要になる場合があります。

計量精度を高める制御

計量精度を高めるには、目標重量へ近づいたときの少量供給を安定させる必要があります。ロボットの移動速度、スコップの傾け角度、投入高さ、投入回数などを調整します。

原料を秤へ投入した直後は、振動によって重量表示が安定しないことがあります。そのため、投入後に一定時間待ってから重量を判定します。

計量値が許容上限を超えた場合は、過量分を除去する機能や、不良として排出する処理を検討します。原料によっては一度投入したものを戻せないため、過量を防ぐ制御が特に重要です。

品種切替えと原料識別

複数の原料を扱う場合は、原料容器の位置や識別情報を管理します。バーコードや二次元コード、RFIDを用いて、正しい原料であることを確認する構成もあります。

品種切替え時には、スコップやハンドに残った原料が次の品種へ混入しないよう、清掃や工具交換が必要です。食品、医薬品、化学品などでは、交差汚染への対策を検討します。

安全対策

一般的な産業用ロボットは、動作範囲へ人が入れないよう安全柵や扉スイッチを設けます。扉が開いた場合はロボットを停止させます。

協働ロボットを使用する場合でも、先端工具、搬送物、動作速度によっては安全柵が必要です。リスクアセスメントを行い、挟まれ、衝突、落下、粉じんなどの危険を確認します。

原料が危険物や健康障害を生じる物質の場合は、局所集じんや保護設備も必要です。

異常時の確認方法

計量値が安定しない場合は、秤への振動、配管やケーブルの接触、ロードセル、計量容器への付着を確認します。採取量が安定しない場合は、原料の固まり、スコップへの付着、原料残量を確認します。

ロボットが原料容器や秤へ接触した場合は、教示位置、容器位置、ハンドの取付けを確認します。容器の位置ずれを検知するセンサを設ける方法もあります。

導入時の選定ポイント

対象原料、目標重量、許容誤差、処理能力、品種数、設置スペースを確認します。必要な可搬質量や動作範囲からロボットを選定します。

原料容器の配置、原料補充方法、計量後の搬送先、清掃方法も含めて設備全体を設計します。人による原料補充が必要な場合は、補充作業とロボット動作が干渉しない構成が必要です。

保守・更新

定期的にロボットの位置精度、ハンド、スコップ、ロードセル、秤の校正状態を確認します。摩耗や付着によって採取量が変化するため、投入補正値も見直します。

原料や配合を追加する場合は、新しい動作位置、採取条件、許容重量を登録します。ロボットや計量器を更新するときは、通信信号、動作タイミング、安全回路を確認します。

ハカルプラスの対応

ハカルプラスでは、ロボットを用いた原料計量設備について、原料性状、目標重量、計量精度、処理能力、設置環境などの仕様を確認して構成します。

秤、ロードセル、計量制御、PLC、ロボットとの信号連携、上位システムへの実績保存についても、必要な機能を確認して検討します。

よくある質問

Q. 粉体もロボットで計量できますか?

A. 粉体の流動性や付着性に適したスコップや供給方法を選ぶことで対応できる場合があります。

Q. 目標重量を超えた場合はどうなりますか?

A. 過量分を除去する、計量不良として排出するなどの処理を設備仕様に応じて検討します。

Q. 複数の原料を1台のロボットで扱えますか?

A. 動作範囲内に原料容器を配置し、混入防止や清掃条件を満たせば対応できる場合があります。

Q. 協働ロボットなら安全柵は不要ですか?

A. 必ず不要になるわけではありません。先端工具、速度、対象物などを含めたリスク評価が必要です。

Q. 計量実績を保存できますか?

A. 原料名、目標値、実績値、日時などを上位システムへ保存できる構成を検討します。

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帰着車両検知とは、工場や事業所から出発した車両が敷地内へ戻ってきたことを、センサや無線機器などで自動的に検知する仕組みです。生コンクリート工場では、出荷したアジテータ車が帰着したことを把握し、次の配車、洗車、積込み準備などに活用できます。

車両の帰着を人が目視や無線連絡だけで確認している場合、事務所から見えにくい進入路や混雑時には、把握が遅れることがあります。自動検知を導入すれば、車両の到着情報を操作室や配車担当者へ知らせ、場内作業を進めやすくなります。

帰着車両検知の仕組み

帰着車両検知には、車両に取り付けた識別機器を場内の受信機で検知する方式や、入口に設置したセンサで車両の通過を検知する方式があります。

車両ごとに識別情報を持つ無線タグや発信機を使用すれば、単に車両が入場したことだけでなく、どの車両が帰着したかを判別できます。受信した情報は、配車システム、操作画面、表示器などへ伝送します。

代表的な構成は次のとおりです。

  • 車両側の無線タグや発信機
  • 工場入口や場内に設置する受信機
  • 信号処理装置やゲートウェイ
  • 車両情報を管理するパソコンや制御装置
  • 帰着を知らせる画面表示や通知機能

検知方式の種類

無線タグ方式

車両ごとに異なる識別番号を持つタグを取り付け、工場へ近づいたときに受信機で検知します。車両番号を自動的に判別できる点が特長です。

RFID方式

車両にRFIDタグを取り付け、入口付近のリーダーで読み取ります。使用する周波数やアンテナによって通信距離が異なります。

光電センサ・ループコイル方式

入口を車両が通過したことを検知します。比較的単純な構成ですが、車両ごとの識別には別の仕組みが必要です。

ナンバープレート認識方式

カメラ画像から車両番号を読み取ります。車両側へ機器を取り付けずに識別できますが、照明、汚れ、撮影角度などの影響を受けます。

生コン工場での活用

生コン工場では、アジテータ車が出荷先から帰着した後、ドラム内の洗浄、残水処理、次便への積込み準備などを行います。帰着情報を早く把握できれば、配車担当者や操作員が次の作業を判断しやすくなります。

  • 帰着した車両を配車画面へ反映する
  • 次の積込み候補車両を把握する
  • 運行中と場内待機中を区別する
  • 車両の帰着時刻を記録する
  • 配車担当者へ到着を知らせる
  • 車両の回転時間を集計する

車両が工場へ戻っただけでなく、洗車や次便の準備が完了したかどうかは別の状態です。運用上は「帰着」「洗車中」「積込み待ち」などの状態を分けて管理する場合があります。

検知エリアの設定

無線方式では、受信機の設置位置と受信範囲を適切に設定します。範囲が広すぎると、工場前の道路を通過しただけの車両を帰着と判定する可能性があります。狭すぎると、入口を通過しても検知できないことがあります。

建物、金属製設備、大型車両、サイロなどによって電波の反射や遮蔽が起こる場合があります。導入前に現地で通信試験を行い、入口の進入方向や車両速度も考慮します。

誤検知や二重検知への対策

受信範囲内に車両が長時間いると、同じ車両情報を繰り返し受信する場合があります。そのため、同一車両を一定時間内に複数回受信しても、一度の帰着として処理する仕組みが必要です。

出発車両と帰着車両が同じ入口を通る場合は、進行方向を判別するセンサを組み合わせたり、配車状態と照合したりします。出荷中の車両が検知された場合のみ帰着処理する方法もあります。

車両情報との連携

受信した識別番号を、車両番号、運転者、積載量、出荷先などの情報と関連付けます。配車システムと連携する場合は、車両マスタの登録内容や通信形式を確認します。

帰着時刻と出発時刻を記録すれば、運行に要した時間を把握できます。ただし、交通状況や現場待機時間などの詳細を把握するには、GPSや運行管理システムとの組合せが必要になる場合があります。

異常時の確認方法

車両が帰着しても表示されない場合は、車両側機器の電源、電池、取付状態、受信機、アンテナ、通信配線を確認します。特定車両だけ検知されない場合は、車両側機器の故障や登録情報の誤りが考えられます。

帰着していない車両が表示される場合は、受信範囲が広すぎないか、近隣道路の車両を受信していないか、同じ識別番号が重複登録されていないかを確認します。

導入時のポイント

導入時には、対象車両数、入口の数、車両の進入経路、識別の必要性、既存配車システムとの連携方法を確認します。

車両側機器を電池で使用する場合は、電池寿命と交換時期を管理します。車両の洗浄や振動、屋外環境に耐えられる取付方法も必要です。

帰着情報を誰が確認し、検知後にどの状態へ変更するかなど、運用手順を決めておくことも重要です。

保守・更新

定期的に車両側機器の取付け、電池、受信状態を確認します。入口の構造変更、受信機の移設、新しい車両の追加があった場合は、検知範囲や車両マスタを見直します。

既設システムを更新する場合は、車両ID、通信仕様、配車ソフトとの連携方法を確認し、過去の登録情報を移行できるか検討します。

ハカルプラスの対応

ハカルプラスでは、生コン工場における車両の帰着検知や配車システムとの連携について、車両台数、場内動線、検知方式、既設システムなどの仕様を確認して構成します。

帰着情報の画面表示、時刻記録、車両状態の更新についても、必要な運用を確認したうえで対応できる場合があります。

よくある質問

Q. どの車両が帰着したか判別できますか?

A. 車両ごとに異なる識別情報を持つタグなどを使用すれば、車両を判別できる構成を検討できます。

Q. 工場前を通過しただけでも帰着扱いになりますか?

A. 受信範囲や判定条件によっては誤検知の可能性があります。受信機の位置や判定処理を調整します。

Q. 帰着時刻を記録できますか?

A. 検知時刻をシステムへ保存し、出発時刻などと比較できる構成を検討します。

Q. 車両側の機器に電源は必要ですか?

A. 方式によって異なります。車両電源を使用する機器や、内蔵電池で動作するタグがあります。

Q. 既存の配車システムと連携できますか?

A. 配車システムの通信仕様やデータ形式によって対応できる場合があります。既設仕様を確認して検討します。

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スランプ推定とは、生コンクリートの練混ぜ中に得られるミキサの負荷、電流、トルクなどの情報から、コンクリートの軟らかさを示すスランプを推定することです。従来のスランプ試験を完全に置き換えるものではなく、製造中の状態変化を早期に把握し、品質を安定させるための補助情報として利用されます。

生コンクリートのスランプは、単位水量、骨材の表面水率、配合、練混ぜ時間、混和剤、材料温度などによって変化します。これらの条件が変動すると、同じ配合設定でも練り上がりの状態が変わることがあります。スランプ推定を利用すれば、ミキサ内の負荷変化から、通常と異なる練混ぜ状態を製造中に把握しやすくなります。

スランプとは

スランプとは、所定の形状をしたスランプコーンへ生コンクリートを詰め、コーンを引き上げたときにコンクリートが沈下した量です。一般にセンチメートルで表し、値が大きいほど軟らかく、値が小さいほど硬い傾向を示します。

ただし、スランプが同じでも、材料分離のしやすさ、粘性、空気量、骨材粒度などが異なる場合があります。そのため、スランプだけでコンクリートの品質全体を判断することはできません。

スランプを推定する仕組み

生コンクリートをミキサで練り混ぜると、材料の硬さや粘性に応じてミキサの負荷が変化します。硬いコンクリートでは羽根が材料から受ける抵抗が大きくなり、モータ電流や駆動トルクが増加する傾向があります。軟らかいコンクリートでは、一般に負荷が小さくなる傾向があります。

この関係を利用し、あらかじめ実測スランプとミキサ負荷の関係を収集して推定式や判定基準を作成します。

概念的には、次のような関係で推定します。

推定スランプ=負荷データ、配合情報、練混ぜ条件などから求めた演算値

実際には、単純な電流値だけではなく、練混ぜ開始後の負荷波形、安定時の平均値、最大値、変化量、練混ぜ時間などを組み合わせる場合があります。

推定に利用される主な情報

  • ミキサモータの電流値
  • ミキサ軸のトルク
  • 油圧駆動装置の圧力
  • 練混ぜ開始からの経過時間
  • 配合番号や呼び強度
  • 骨材の表面水率
  • 計量された水量や混和剤量
  • 材料温度や外気温

推定精度を高めるには、対象となるミキサ、配合、材料ごとに実測データを蓄積することが重要です。異なるミキサや配合で作成した推定式をそのまま使用しても、適切な結果が得られない場合があります。

スランプ推定を利用する目的

スランプ推定は、製造中の全バッチを対象に状態を確認できる点が特長です。抜取りで行うスランプ試験だけでは、その間に製造したバッチの変化を把握できないことがあります。

  • 練混ぜ状態のばらつきを早期に把握する
  • 骨材表面水率の変動による影響を確認する
  • 材料投入や計量の異常を発見する
  • 通常と異なる負荷波形を検知する
  • 品質管理担当者の判断を支援する
  • 製造記録として負荷データを保存する

推定値が通常範囲から外れた場合に、実測試験の追加、材料計量値の確認、表面水率の再測定などへつなげる運用が考えられます。

実測スランプとの違い

スランプ試験は、実際に採取した生コンクリートを用いて沈下量を測定します。一方、スランプ推定は、ミキサ負荷などの間接的な情報からスランプに相当する値を求めます。

推定値は、材料や設備条件の影響を受けるため、実測値そのものではありません。日常管理では、定期的に実測スランプと推定値を比較し、差が大きくなっていないか確認します。

材料の産地変更、骨材粒度の変化、ミキサ羽根の摩耗、配合変更などがあった場合は、推定条件の見直しが必要になることがあります。

推定精度に影響する要因

  • 骨材の粒度や形状
  • 細骨材の表面水率
  • 単位水量
  • 混和剤の種類と添加量
  • コンクリート温度
  • ミキサへの投入順序
  • 練混ぜ量
  • ミキサ羽根やライナの摩耗
  • モータや駆動装置の状態

例えば、ミキサ羽根が摩耗すると、同じコンクリートでも負荷特性が変わる可能性があります。また、練混ぜ量が少ない場合と定格量に近い場合でも、電流値やトルクが異なります。

異常値が出たときの確認方法

推定スランプが通常より大きい場合は、水量の過多、骨材表面水率の設定誤り、混和剤量、計量ゲートからの漏れなどを確認します。通常より小さい場合は、水量不足、骨材量の過多、材料の未投入、混和剤不足などを確認します。

推定値だけでなく、各材料の計量実績、ミキサ電流波形、練混ぜ時間、実測スランプを併せて確認します。負荷波形が急に変化した場合は、ミキサ内部への異物混入や駆動部の異常も考えられます。

導入時のポイント

導入時には、ミキサの形式、モータ容量、負荷信号の取得方法、配合数、製造量、既存の制御装置との接続方法を確認します。

推定モデルを作成するには、実測スランプと負荷データを一定期間収集します。幅広い配合や季節条件のデータを収集することで、実際の製造条件に適した判定基準を作りやすくなります。

推定値を自動補正へ直接使用する場合は、誤推定による品質への影響を考慮し、補正範囲、操作権限、確認手順を慎重に設計します。

保守・更新時の注意点

ミキサ、モータ、電流変換器、制御盤などを更新した場合は、負荷特性が変わる可能性があります。更新前の推定式を継続使用できるか、実測値と比較して確認します。

定期的に電流センサや信号変換器の出力、配線、ゼロ点を確認します。ミキサ羽根やライナの交換後も、推定値の傾向が変わっていないか確認します。

ハカルプラスの対応

ハカルプラスでは、生コンクリート製造設備の制御装置やミキサ負荷信号を利用した状態監視について、ミキサ形式、取得可能な信号、配合、既設制御装置などの仕様を確認して検討します。

製造画面への推定値表示、履歴保存、異常判定などについても、必要な機能と既設設備の構成を確認したうえで対応できる場合があります。

よくある質問

Q. スランプ推定でスランプ試験を省略できますか?

A. スランプ推定は実測試験を完全に置き換えるものではありません。製造中の傾向監視や、追加確認が必要なバッチを見つけるための補助情報として使用します。

Q. ミキサの電流値だけで推定できますか?

A. 電流値を利用できますが、配合、練混ぜ量、材料状態などの影響も受けます。複数の情報を組み合わせた方が安定した推定につながります。

Q. 配合ごとに設定が必要ですか?

A. 配合や材料によって負荷特性が異なるため、配合グループごとに推定条件を分ける場合があります。

Q. 推定値が実測値と合わなくなった原因は何ですか?

A. 骨材や混和剤の変更、ミキサ羽根の摩耗、センサのずれ、季節による材料温度の変化などが考えられます。

Q. 既設の生コン製造設備にも追加できますか?

A. ミキサ負荷信号の取得方法、制御装置、通信や入出力の条件によって対応できる場合があります。既設設備の仕様を確認して検討します。

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ベルト蛇行検知とは、ベルトコンベヤの搬送ベルトが正常な走行位置から左右へずれた状態を検出することです。ベルトの蛇行を放置すると、搬送物のこぼれ、ベルト端部の摩耗、フレームとの接触、設備停止などにつながるため、早期の検知と調整が重要です。

砂、砂利、砕石、粉体、袋物などを搬送する設備では、ベルトへの偏った荷重、ローラの傾き、付着物、張力の不均一などによって蛇行が発生します。蛇行検知器を設置すれば、ベルトが一定位置を超えたときに警報を出したり、コンベヤを停止したりできます。

ベルト蛇行が発生する仕組み

コンベヤベルトは、駆動プーリ、従動プーリ、キャリアローラ、リターンローラなどによって支持されながら走行します。各部の中心がそろい、左右の張力が均一であれば、ベルトはおおむね中央を走行します。

しかし、ローラやプーリが搬送方向に対して直角でない場合や、ベルトの左右で張力が異なる場合は、ベルトが片側へ寄ります。搬送物がベルト中央に載っていない場合も、左右の荷重差によって蛇行が起こります。

主な発生原因

  • ローラやプーリの取付けずれ
  • ベルト張力の左右差
  • 搬送物の偏った投入
  • ローラやプーリへの原料付着
  • ベルトの継ぎ目不良
  • フレームの変形
  • ローラの回転不良や固着
  • ベルトの摩耗や伸び
  • 雨水や原料による滑り

原因が複数重なっている場合もあります。蛇行検知器が繰り返し動作する場合は、検知器の位置を戻すだけでなく、コンベヤ全体を点検します。

蛇行検知器の仕組み

一般的な蛇行検知器は、ベルト端部の近くにローラ付きのレバーを設置し、蛇行したベルトがレバーを押すことで接点を動作させます。

軽い蛇行で警報接点を動作させ、さらに大きく蛇行した場合に停止接点を動作させる二段階構成もあります。これにより、初期段階では注意を促し、危険な位置までずれた場合に設備を停止できます。

接触式以外に、光電センサ、超音波センサ、画像センサなどを利用して非接触でベルト端部を検出する方法もあります。

検知器の設置位置

蛇行が発生しやすい場所は、ヘッドプーリ付近、テールプーリ付近、投入部、乗継部、長い直線部などです。コンベヤの長さや設備構成に応じて、複数箇所へ設置します。

ベルトの左右どちらにも蛇行する可能性があるため、通常は両側へ検知器を設けます。検知ローラは、正常走行中のベルトへ常時強く接触しない位置に調整します。

原料がこぼれやすい位置では、検知器が原料に埋もれたり、レバーの動きが妨げられたりしないようにします。

警報と停止制御

蛇行検知器の接点は、PLCやリレー回路へ入力します。警報段階では、操作画面や表示灯で対象コンベヤを知らせます。停止段階では、搬送物の供給を止めたうえでコンベヤを停止する制御を行います。

下流側のコンベヤを先に停止すると、上流から搬送物が流れ続けて詰まりや堆積が発生する可能性があります。そのため、設備全体の搬送順序を考慮してインターロックを構成します。

蛇行検知後に自動復帰させると、原因が解消していない状態で再起動するおそれがあります。一般には現場確認後に手動でリセットする運用が適しています。

異常発生時の確認方法

蛇行警報が発生した場合は、まず設備を安全に停止し、ベルトがどの位置でどちら側へ寄っているかを確認します。次に、投入位置、ローラ、プーリ、ベルト張力、付着物を確認します。

ベルトが片側へ寄った状態でフレームと接触している場合は、ベルト端部に傷やほつれがないか確認します。大きな損傷がある場合は、継続運転せず修理や交換を行います。

検知器だけが動作している場合は、レバーの固着、取付けずれ、接点不良、配線断線なども確認します。

蛇行を調整するときの注意点

ローラの角度を調整すると、ベルト走行位置を変えられる場合があります。ただし、一度に大きく動かすと反対側へ蛇行する可能性があるため、少しずつ調整して状態を確認します。

コンベヤ運転中の調整は、回転部やベルトへの巻込みの危険があります。設備の安全手順に従い、必要な停止措置やロックアウトを行います。

調整後は無負荷運転だけでなく、実際に搬送物を載せた状態でも確認します。無負荷では正常でも、負荷時に蛇行することがあります。

検知器を選定するポイント

選定時には、レバーの動作角度、接点数、接点容量、復帰方式、使用温度、防じん・防水性能を確認します。屋外や粉じん環境では、設置環境に適した構造が必要です。

警報と停止を分ける場合は、二段動作型や複数接点を備えた機器を選定します。制御回路の電圧やPLC入力仕様に合わせて接点を構成します。

保守点検

定期点検では、レバーやローラが滑らかに動くか、接点が正常に切り替わるかを確認します。付着物、腐食、取付けボルトの緩み、ケーブル損傷も確認します。

実際にレバーを動かし、操作画面の警報表示やコンベヤ停止まで動作するか確認します。検知器単体だけでなく、制御回路を含めた連動試験が重要です。

ハカルプラスの対応

ハカルプラスでは、ベルトコンベヤの蛇行信号を取り込む制御盤、PLC、操作画面、警報・停止インターロックについて、コンベヤ構成や既設回路の仕様を確認して検討します。

複数コンベヤの異常表示、履歴保存、上位監視との接続についても、必要な入出力点数や通信条件を確認して構成します。

よくある質問

Q. ベルトが少し動くだけでも蛇行異常になりますか?

A. ベルトは運転中に一定範囲で左右へ動くため、通常の変動で動作しない位置へ検知器を調整します。

Q. 蛇行検知器は左右両側に必要ですか?

A. ベルトはどちら側にも蛇行する可能性があるため、一般には左右両側へ設置します。

Q. 蛇行検知後に自動で再起動できますか?

A. 制御上は可能な場合がありますが、原因を確認せず再起動すると損傷につながるため、手動復帰が適する場合があります。

Q. 蛇行検知器が頻繁に動作する原因は何ですか?

A. ローラのずれ、投入の偏り、付着物、張力差、ベルト損傷などが考えられます。コンベヤ全体を確認します。

Q. 既設コンベヤの操作盤へ蛇行警報を追加できますか?

A. PLCやリレー回路の空き入力、停止回路、表示器などの条件によって対応できる場合があります。

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骨材サイロ残量計測とは、砂、砂利、砕石、再生骨材などを貯蔵するサイロやストックヤードの残量を測定することです。生コン工場やコンクリート製品工場で、材料切れの防止、骨材受入れ、在庫管理、高所確認作業の削減などに利用されます。

骨材は粉体と比べて粒径が大きく、投入や排出によって表面が大きく傾きます。サイロ上部から一点の高さを測定するだけでは、全体の残量を正確に把握しにくい場合があります。そのため、骨材の表面形状を複数点で捉える方式が利用されます。

骨材残量を把握する目的

  • 製造中の材料切れを防ぐ
  • 受入れ可能量を確認する
  • 補充するサイロを判断する
  • 骨材の在庫を見える化する
  • 高所での目視確認を減らす
  • 補充計画や製造計画へ活用する
  • 複数サイロを一画面で監視する

骨材搬入前に残量を確認できれば、誤ったサイロへの投入や受入れ容量不足を防ぎやすくなります。

骨材の粉面形状

骨材をコンベヤや投入シュートから投入すると、投入位置を頂点とする山形の表面になります。

下部ゲートから排出すると、排出口付近がくぼみ、すり鉢状になることがあります。

骨材の種類、粒径、水分、投入位置、排出位置によって表面形状が変化します。この形状を考慮せず、一点の高さだけから容量へ換算すると誤差が大きくなる場合があります。

2次元センサによる計測

ハカルプラスのコルゲートサイロ残量監視システムH-RMでは、2次元レーザースキャナーを利用して骨材表面を走査します。

一方向の複数点までの距離を取得し、骨材表面の高低差を波形として捉えます。

一点式センサよりも表面形状を把握しやすく、山形やすり鉢状の骨材残量を計算するために利用できます。

レーザースキャナーの仕組み

レーザー光を複数の角度へ照射し、それぞれの位置から反射して戻るまでの時間を測定します。

センサから骨材表面までの距離を角度ごとに取得し、断面形状を求めます。

サイロの直径、高さ、縦横寸法などの形状情報と組み合わせ、骨材の残量を換算します。

円形・矩形サイロへの対応

骨材サイロには、円形のコルゲートサイロや矩形サイロなどがあります。

残量換算では、円形の場合は直径と高さ、矩形の場合は縦、横、高さなどの寸法を設定します。

底部ホッパーや排出口の形状が複雑な場合は、その体積も考慮します。

センサの設置位置

センサは、投入配管、コンベヤ、補強材などが測定範囲を遮らない位置へ設置します。

投入位置に近すぎると、投入中の骨材や粉じんがセンサへ当たる可能性があります。離れすぎると、残量を代表する断面を測定できない場合があります。

サイロ形状、投入方向、排出口を確認し、測定角度を調整します。

粉じんと結露への対応

骨材投入時には粉じんが発生し、屋外サイロでは温度変化による結露も発生します。

センサの検出面へ粉じんや水滴が付着すると、測定状態へ影響する可能性があります。

H-RMでは、粉じん環境での計測を想定したセンサを使用し、ヒータ機能による結露対策を備えています。ただし、定期的な点検と清掃は必要です。

測定角度の調整

センサの測定方向を調整し、骨材表面の代表的な断面を測定します。

サイロ内の投入位置や内部構造に合わせ、固定角度を調整します。

設置後は、空状態、受入れ後、使用後などの表示を実残量と比較し、換算設定を確認します。

残量の表示

測定結果は、サイロ形状、骨材表面の波形、残量などとしてパソコン画面へ表示できます。

複数のサイロを一画面で表示し、残量低下、投入中、投入完了、通信異常などの状態を確認する構成があります。

屋外モニターを設置し、骨材を搬入する運転者が補充対象のサイロを確認できる構成も検討できます。

残量換算と骨材のかさ密度

センサで把握した骨材表面とサイロ形状から、骨材の体積を推定します。

重量へ換算する場合は、次の関係を使用します。

推定重量=推定体積×骨材のかさ密度

かさ密度は、骨材の種類、粒径、水分、締まり具合によって変化します。そのため、表示重量と実際の納入・使用重量に差が生じる場合があります。

計測周期

残量は一定間隔で計測し、画面へ反映します。

骨材投入中は表面が急激に変化するため、測定値が上下することがあります。投入完了後の安定した値を在庫管理へ使用する方法があります。

必要な更新周期は、骨材の使用速度や搬入頻度に合わせて設定します。

通信異常時の扱い

センサと監視装置の通信が途絶えた場合は、画面へ通信異常を表示します。

通信異常中の表示値は最新の実残量ではない可能性があるため、古い値であることを明確にします。

残量値を自動投入要求や製造制御へ使用する場合は、通信異常時に誤った動作をしないようインターロックを設けます。

ストックヤードでの計測

屋根付きのストックヤードや骨材置場でも、設置条件によって残量計測を検討できます。

サイロと比べて測定範囲が広く、骨材の積み方や重機の移動によって形状が大きく変化します。

測定可能範囲、遮蔽物、センサ設置場所を確認して構成します。

目視確認との使い分け

残量監視システムを導入すると、高所へ上がって日常的に目視確認する作業を減らせます。

ただし、センサ異常、設備改造、異物混入など、画面だけでは確認できない状態もあります。

定期保守や異常時には、必要に応じて安全な方法で現場を確認します。

異常値が出た場合の確認

  • センサ面の汚れや結露
  • センサ角度のずれ
  • 投入設備や内部構造物による遮蔽
  • サイロ寸法の設定間違い
  • かさ密度設定
  • 通信異常
  • 骨材の偏った堆積

センサ単体のスキャン状態や波形を確認し、反射状態に異常がないか点検します。

保守点検

定期的にセンサのスキャン状態、取付金具、ヒータ、配線、通信を確認します。

センサ面へ粉じんが付着している場合は清掃します。屋外モニターやパソコンについても、表示と通信状態を点検します。

骨材銘柄やサイロ形状を変更した場合は、表示名称、色、容量設定などを見直します。

ハカルプラスの対応

ハカルプラスでは、コルゲートサイロ残量監視システムH-RMにより、2次元レーザースキャナーを用いて骨材表面の高低差を計測し、残量をパソコンなどへ表示する構成を提供しています。

円形・矩形サイロ、複数サイロの一括監視、屋外モニター、ログ保存などについて、サイロ形状や工場運用を確認して構成します。

よくある質問

Q. 骨材サイロはミリ波式で測定しますか?

A. ハカルプラスのH-RMでは、2次元レーザースキャナーを使用し、骨材表面の高低差を計測します。

Q. 骨材表面が山形でも残量を測定できますか?

A. 複数点を走査して断面形状を捉えるため、一点式より表面の高低差を反映しやすい方式です。

Q. 円形以外のサイロにも対応できますか?

A. 円形および矩形のサイロについて、寸法や内部構造を確認して設定します。

Q. 複数のサイロを一画面で確認できますか?

A. H-RMでは複数サイロを一画面で監視する構成に対応しています。

Q. 屋外の運転者も残量を確認できますか?

A. オプションの屋外モニターなどにより、補充対象となるサイロを確認できる構成を検討します。

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粉体サイロ残量計測とは、セメント、石灰、フライアッシュ、樹脂粉、食品粉などを貯蔵するサイロ内の残量を測定することです。原料切れや過充填を防ぎ、受入れ、発注、製造計画、在庫管理へ活用します。

粉体サイロは密閉されていることが多く、外側から内部を直接確認できません。高所へ上がって点検口から確認する方法には、安全面と作業負担の課題があります。そのため、レベル計や重量計測などを利用して残量を把握します。

残量計測を行う目的

  • 原料切れを防止する
  • 受入れ可能量を確認する
  • 過充填や吹きこぼれを防ぐ
  • 発注時期を判断する
  • 高所での確認作業を減らす
  • 原料使用量の傾向を把握する
  • 製造計画と在庫を連携する

残量を操作室で確認できれば、製造中にサイロへ上がる作業を減らせる場合があります。

代表的な測定方式

ミリ波・レーダ式

サイロ上部から電波を照射し、粉面までの距離を非接触で測定します。粉じん環境で使用できる場合があり、機械的な可動部を減らせます。

超音波式

超音波が粉面で反射して戻るまでの時間を測定します。温度、粉じん、蒸気、気流などの影響を受ける場合があります。

サウンジング式

錘をサイロ内へ下ろし、粉面へ到達した位置から残量を求めます。ワイヤ、錘、巻取り機構などの点検が必要です。

ロードセル式

サイロ全体または支持部に加わる荷重を測定し、内容物重量を求めます。重量を直接把握しやすい一方、サイロ支持構造や外力の影響を考慮します。

レベルスイッチ

上限や下限など、特定位置に原料があるかを検知します。連続した残量値ではなく、満量、補給要求、空などの状態確認に使用します。

距離から残量へ換算する方法

非接触式レベル計では、センサから粉面までの距離を測定します。

サイロの高さと断面形状を設定し、充填高さから体積を計算します。さらに、かさ密度を掛けることで重量へ換算します。

推定重量=推定体積×かさ密度

かさ密度が変化すると換算重量も変わるため、実際の受入れ量などと比較して補正します。

粉面が平らにならない問題

粉体を上部から投入すると、投入位置を中心に山形の粉面が形成されます。下部から排出すると、排出口を中心にすり鉢状になる場合があります。

一点式センサが測定するのは、電波が当たった位置の粉面高さです。その値がサイロ全体の平均高さと一致するとは限りません。

投入位置、排出口、安息角、センサ位置を確認し、代表性の高い測定位置を選定します。

ブリッジとラットホール

粉体が排出口上部でアーチ状に固まる状態をブリッジと呼びます。中央部だけが流れ、壁面付近に粉体が残る状態をラットホールと呼びます。

上部のレベル計では原料が残っているように見えても、排出口へ粉体が流れず、製造設備へ供給できない場合があります。

残量計測だけでなく、供給機の状態、重量変化、粉面検知などを組み合わせます。

投入中の測定

粉体投入中は、サイロ内部に濃い粉じんが発生し、粉面も急激に変化します。

測定値が不安定になる場合は、投入中の値を参考値とし、投入停止後に確定する制御を行います。

投入配管からの原料が直接センサへ当たらない位置に設置します。

満量管理

連続式レベル計の上限値だけでなく、独立した上限レベルスイッチを設ける場合があります。

レベル計の設定不良や異常時にも過充填を防ぐため、重要な満量信号を別の検知方式で構成します。

受入れ設備の停止、警報、バルブ閉止などの動作を確認します。

残量表示

測定値は、距離、充填高さ、割合、体積、重量などで表示できます。

操作室の表示器や制御盤で残量を確認し、設定値以下になった場合に警報を出す構成があります。

発注判断に利用する場合は、製造予定量、納入リードタイム、最低在庫量を考慮します。

精度へ影響する要因

  • 粉面の山やすり鉢形状
  • 粉体のかさ密度
  • センサの設置位置と角度
  • 投入配管や補強材からの反射
  • 粉じん、付着、結露
  • サイロ寸法の設定
  • 底部ホッパー形状

表示値は、測定距離と設定条件から求めた推定残量であることを理解して運用します。

異常値が出たときの確認

測定値が急に満量や空になる場合は、センサ面、電源、通信、不要反射を確認します。

実残量と表示が徐々にずれる場合は、かさ密度、サイロ寸法、底部形状、換算設定を確認します。

投入や排出を行っても値が変わらない場合は、粉体のブリッジ、センサの固定値出力、通信異常などを確認します。

保守点検

定期的にセンサ面の付着、取付金具、フランジ、配線、表示器を点検します。

実際の納入量や使用量と表示変化を比較し、大きな差がある場合は換算設定を見直します。

高所点検を行う場合は、安全設備と作業手順を確保します。

ハカルプラスの対応

ハカルプラスでは、ミリ波式サイロ残量表示器を用い、粉体サイロ上部から粉面までを非接触で計測し、操作室で残量を確認する構成を検討します。

既設サウンジング式のフランジや信号線を活用できる場合があります。サイロ形状、寸法、投入位置、内部構造、粉体性状などを確認して構成します。

よくある質問

Q. 粉体サイロの重量を直接測定できますか?

A. 距離式センサでは粉面までの距離を測定し、サイロ形状とかさ密度から重量へ換算します。

Q. セメントのように粉じんが多い原料も測定できますか?

A. ミリ波式などで測定できる場合がありますが、投入状態、付着、結露、設置位置を確認します。

Q. 粉面が斜めでも残量が分かりますか?

A. センサ位置の高さを測定できますが、一点測定では粉面全体の形状による誤差が生じる場合があります。

Q. 満量防止にも使えますか?

A. 上限警報に利用できます。重要な過充填防止では、独立した上限センサとの組合せも検討します。

Q. 既設のサウンジング式から更新できますか?

A. 既設フランジ、信号線、表示器、サイロ内部条件などを確認し、更新構成を検討します。

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ミリ波レベル計測とは、ミリ波帯の電波を測定対象へ照射し、反射波が戻るまでの時間や周波数の変化から、センサと対象物表面までの距離を非接触で測定する技術です。粉体、粒体、液体などのレベル測定に利用されます。

サイロやタンクの上部へセンサを設置し、内容物の表面までの距離を測定します。あらかじめ登録したサイロ高さや形状と組み合わせることで、レベル、残量率、容量、重量などへ換算します。

ミリ波とは

ミリ波とは、波長がミリメートル単位となる高い周波数帯の電波です。一般的なレーダ式レベル計では、高周波の電波を使用することで、狭い範囲へ電波を照射しやすくなります。

超音波式とは異なり、音の伝わる速度を利用しないため、周囲の空気温度や圧力の影響を受けにくいという特長があります。

測距の仕組み

センサから測定対象へ電波を照射すると、粉面や液面で反射し、センサへ戻ります。

送信波と受信波の関係から、センサと対象物表面までの距離を求めます。

サイロの基準高さをH、センサから粉面までの距離をDとすると、概念的な充填高さLは次のように求められます。

L=H-D

実際には、センサ取付位置、サイロ底部、測定不能範囲などを補正します。

距離と残量の違い

ミリ波センサが直接測定するのは、センサから対象物表面までの距離です。

残量率、容量、重量などを表示するには、サイロ形状、寸法、かさ密度などを設定して換算する必要があります。

粉面が平らでない場合は、一点の距離だけではサイロ全体の正確な体積を表せない場合があります。そのため、表示値は設定した換算条件に基づく推定値となります。

非接触計測の利点

  • 測定部が粉体や液体へ接触しない
  • ワイヤや錘を内容物へ下ろす必要がない
  • 機械的な可動部を減らせる
  • 高所での手動確認を減らせる
  • 連続的または定期的に測定できる

従来のサウンジング式では、ワイヤや錘の摩耗、付着、巻取り機構の保守が必要です。ミリ波式では、サイロ上部から非接触で測定します。

粉じん環境での計測

粉体投入中は、サイロ内部に多量の粉じんが発生します。ミリ波は粉じん環境でも対象面を測定できる場合があります。

ただし、非常に濃い粉じん、センサ面への付着、結露などによって受信状態が変化する可能性があります。

投入中と静止中で測定値が異なる場合は、投入終了後に測定する、信号を平滑化するなどの設定を検討します。

粉面形状の影響

粉体や粒体は、投入時に山形となり、排出時にすり鉢状になることがあります。

センサが山の頂点を測定するか、斜面を測定するかによって距離が変わります。サイロ中央、投入配管、排出口の位置を考慮してセンサを設置します。

一点測定値から容量へ換算する場合は、実際の粉面形状による誤差を考慮します。

内部構造物の影響

サイロ内部の補強材、配管、梯子、投入シュートなどへ電波が当たると、対象物表面とは異なる反射波を受信することがあります。

センサの照射範囲に内部構造物が入らない位置を選びます。必要に応じて、不要反射を除外する設定を行います。

取付け前にサイロ内部図面や既設配管の位置を確認します。

取付角度

粉面の中央や代表位置を測定できるよう、センサの角度を調整する場合があります。

センサを斜めに設置すると、鉛直距離ではなく斜距離を測定します。残量換算では、取付角度や測定方向を考慮する必要があります。

設置後は、空状態や既知の残量状態で表示値を確認します。

測定不能範囲

レベル計には、センサ直下の一定範囲を正しく測定できない不感帯が存在する場合があります。

満量時の粉面が不感帯へ入らないよう、センサ取付高さと上限位置を確認します。

サイロ底部付近では、底板や排出口からの反射が測定へ影響する場合があります。

残量換算

円筒形、角形、ホッパー形など、サイロ形状に応じて体積を計算します。

重量へ換算する場合は、次の関係を利用します。

残量重量=推定体積×かさ密度

かさ密度は、原料の種類、水分、締まり具合によって変化します。そのため、換算重量と実際の受入れ重量に差が生じる場合があります。

異常値が出た場合の確認

  • センサ面への付着や結露
  • 投入粉じん
  • 内部構造物からの不要反射
  • センサ角度のずれ
  • サイロ形状設定の間違い
  • 電源や通信異常
  • 粉面の急激な変化

センサの受信波形や信号強度を確認できる機器では、反射状態を確認して調整します。

保守点検

定期的にセンサ面、取付金具、配線、通信状態を確認します。

粉体がセンサ面へ堆積している場合は、安全を確保したうえで清掃します。結露が発生する環境では、ヒータや断熱などを検討します。

設備改造や投入配管の変更後は、反射条件が変わるため再確認します。

ハカルプラスの対応

ハカルプラスでは、ミリ波式センサを用いた粉体サイロの非接触残量計測について、サイロ寸法、内部構造、投入位置、対象粉体などの条件を確認して検討します。

距離計測、残量換算、操作室での表示、既設信号線の活用などについて、設備条件に合わせて構成します。

よくある質問

Q. ミリ波センサは残量重量を直接測定しますか?

A. 直接測定するのは粉面までの距離です。サイロ形状やかさ密度を設定して残量へ換算します。

Q. 粉じんが多いサイロでも測定できますか?

A. 測定できる場合がありますが、粉じん濃度、付着、投入状態などによって測定状態が変化します。

Q. 粉面が山形でも正確に測定できますか?

A. センサが測定する位置の高さは把握できますが、一点測定ではサイロ全体の形状を完全には捉えられません。

Q. サイロ内の配管は影響しますか?

A. 配管や補強材からの反射が影響する場合があります。照射範囲を避けて設置します。

Q. 既設のサウンジング式から交換できますか?

A. 既設フランジ、取付位置、信号線、表示器などの条件を確認し、流用できる構成を検討します。

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LTEカメラ監視とは、携帯電話のLTE通信を搭載したカメラを現場へ設置し、撮影した静止画像を遠隔地から確認する仕組みです。工場、ビル、屋外設備、離れた事業所などの巡回点検を支援する用途に利用されます。

ハカルプラスの「巡回点検楽スルー」は、設備や計器を定期的に静止画で撮影し、画像をクラウドへ送信するシステムです。動画を常時配信する監視カメラではなく、設定した時刻や必要なタイミングに画像を取得する巡回点検支援システムです。

LTEカメラ監視の基本構成

一般的な構成は、次のとおりです。

  • LTE通信機能を備えたカメラ
  • カメラを固定する取付金具
  • LTE通信回線
  • 画像を保存するクラウド
  • 画像を確認するパソコンやタブレット
  • 必要に応じてオンデマンド撮影用の通信機器

カメラが撮影した画像をLTE通信でクラウドへ送信し、利用者はブラウザから確認します。

静止画による巡回点検

現場巡回では、アナログメータ、液面計、設備外観などを目視確認し、点検表へ記録する作業があります。

LTEカメラを使用すると、定期的に撮影された画像を離れた場所から確認できます。危険場所、屋外、遠隔地などへの巡回回数を減らせる場合があります。

ただし、画像に写らない異音、臭い、振動、漏れなどは確認できません。カメラ点検と現場巡回を使い分けます。

定刻撮影

あらかじめ設定した時刻にカメラが静止画を撮影し、クラウドへ送信します。

毎日または一定の時間間隔で同じ設備を撮影することで、設備状態の変化を比較できます。

点検対象の変化速度に合わせて、撮影時刻や撮影回数を設定します。

オンデマンド撮影

必要なときに遠隔から撮影を要求するオンデマンド撮影にも対応できる構成があります。

ハカルプラスのシステムでは、オンデマンド撮影時にBLEとLTEルータを使用する構成があり、カメラの常時待受け状態や通信条件によって、撮影画像の取得まで時間がかかる場合があります。

リアルタイム動画や瞬時のライブ映像を確認する機能とは異なるため、用途を確認して導入します。

クラウドでの画像確認

撮影画像はハカルプラスクラウドへ保存し、パソコンなどから確認します。

設備ごと、撮影日時ごとに画像を管理することで、前回画像との比較や点検記録として利用できます。

保存期間、閲覧権限、通信回線、利用者アカウントなどを運用前に決めます。

計器値の記録

撮影したアナログメータや表示器の数値を利用者が確認し、クラウド画面へ手入力することで点検値を記録できます。

入力した値をグラフ表示したり、CSV形式で出力したりすることで、変化傾向を確認できます。

巡回点検楽スルーにおける数値入力は、画像からAIが自動的に数値を読み取る機能ではありません。画像を確認した人が値を入力する運用です。

しきい値とメール通知

手入力した点検値に上限値や下限値を設定し、範囲を外れた場合にメール通知を行う構成があります。

画像が撮影された時点で自動的に異常値を判定するのではなく、数値入力後に設定値と比較します。

通知を受けた後の現場確認、設備停止、担当者連絡などの手順を決めておきます。

操作履歴の管理

画像確認、数値入力、対応内容などの操作履歴を残すことで、誰がいつ点検し、どのような対応を行ったか確認できます。

巡回点検の記録を紙から電子化し、点検漏れや転記ミスを抑える用途に活用できます。

点検画像と数値履歴を同じシステムで管理することで、異常発生時の振り返りにも利用できます。

カメラの設置位置

カメラは、点検対象が画像の中央に入り、数字や針を判別できる位置へ設置します。

次の点を確認します。

  • カメラと対象物の距離
  • 表示文字や目盛りの大きさ
  • 撮影角度
  • 照明や逆光
  • ガラス面への映り込み
  • 設備振動
  • 人や物による遮蔽

設置後は実際の撮影画像を確認し、取付角度や露出を調整します。

暗所での撮影

カメラには、撮影時の明るさを補正する機能や、暗所でフラッシュを自動的に使用する機能があります。

ただし、反射の強いガラス面、金属面、近距離撮影などでは、フラッシュ光によって表示が見えにくくなる場合があります。

現場の照明条件に合わせて撮影試験を行います。

屋外・粉じん環境

屋外や工場内へ設置する場合は、防じん・防水性能、使用温度、直射日光、結露などを確認します。

レンズへ粉じん、水滴、虫などが付着すると画像を確認しにくくなります。定期的な清掃が必要です。

取付金具の緩みやカメラ角度のずれも点検します。

電源とバッテリー

LTEカメラは充電式バッテリーを備え、電源配線が難しい場所へ設置できる場合があります。

撮影回数、通信状態、温度などによってバッテリー消費量が変化します。定期的な充電や交換の運用を決めます。

オンデマンド撮影に必要なLTEルータなど、周辺機器にはAC100V電源が必要になる構成があります。

LTE通信の確認

LTE通信が利用できる場所であることを確認します。建物内部、地下、金属製盤内などでは電波が弱くなる場合があります。

通信状態が悪いと、画像送信に時間がかかったり、送信できなかったりする可能性があります。

導入前に実際の設置場所で通信確認を行います。

ライブカメラとの違い

一般的なライブカメラは、動画を連続的に配信し、現在の様子をリアルタイムで確認します。

巡回点検楽スルーは静止画を一定の時刻や要求時に撮影し、点検記録として利用するシステムです。

人の侵入監視や瞬時の設備動作確認など、常時動画が必要な用途には、別のカメラシステムを検討します。

保守点検

定期的にカメラのレンズ、取付状態、バッテリー、通信状態、撮影画像を確認します。

設備改修や計器交換によって表示位置が変わった場合は、カメラの向きを再調整します。

クラウドへ画像が届いていない場合は、カメラ電源、バッテリー、LTE通信、設定時刻を確認します。

ハカルプラスの対応

ハカルプラスでは、LTEカメラとハカルプラスクラウドを組み合わせた「巡回点検楽スルー」により、設備の静止画確認、点検値の手入力、グラフ表示、CSV出力、しきい値通知などを行う構成を提供しています。

撮影対象、設置環境、撮影回数、オンデマンド撮影の必要性、通信状態などを確認して構成します。

よくある質問

Q. LTEカメラで動画を確認できますか?

A. 巡回点検楽スルーは、静止画を利用する点検支援システムです。ライブ動画を常時配信するものではありません。

Q. カメラがメータの数値を自動で読み取りますか?

A. 数値のAI自動読取りではありません。撮影画像を確認し、利用者がクラウド画面へ数値を入力します。

Q. 設定値を超えたらメール通知できますか?

A. 手入力した点検値と設定したしきい値を比較し、範囲外の場合にメール通知する構成があります。

Q. 電源のない場所へ設置できますか?

A. 充電式カメラを使用できる場合があります。ただし、撮影回数や温度に応じた充電管理が必要です。

Q. 撮影したいときにすぐ画像を確認できますか?

A. オンデマンド撮影に対応できる構成がありますが、通信条件により取得まで時間がかかる場合があります。

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