ロボット計量制御とは、産業用ロボットや協働ロボットと秤、ロードセル、供給機器を連携させ、原料や部品を目標重量まで自動的に計量する制御です。ロボットが原料をすくう、投入する、容器を搬送するといった動作を行い、計量器が取得した重量値に応じて次の動作を判断します。
人による手作業計量では、作業者が秤の表示を見ながら投入量を調整します。ロボット計量制御では、この判断をPLC、計量コントローラ、ロボットプログラムなどで実行し、計量作業の省人化や記録の自動化を図ります。
ロボット計量制御の基本構成
一般的なシステムは、次の機器で構成されます。
- 産業用ロボットまたは協働ロボット
- スコップ、カップ、グリッパなどのロボットハンド
- ロードセルを備えた秤
- 計量容器
- 原料容器や供給ホッパー
- 計量コントローラ
- PLC
- ロボットコントローラ
- 安全柵や安全センサ
- 上位の配合・生産管理システム
計量器が重量値をPLCへ送り、PLCが不足量を演算してロボットへ投入指示を出します。ロボットは、指示された採取量や動作パターンに従って原料を投入します。
目標重量まで計量する仕組み
計量制御では、現在重量と目標重量の差を求めます。
不足量=目標重量-現在重量
不足量が大きい段階では、ロボットが一度に多くの原料を投入します。目標重量へ近づくと、採取量を減らし、少量ずつ投入します。
例えば、次のような段階制御を行います。
- 大投入:目標値から大きく離れているとき
- 中投入:目標値へ近づいたとき
- 小投入:許容範囲の直前まで調整するとき
原料の採取量が一定でない場合は、投入後の実績重量を記録し、次回の採取姿勢やスコップ角度を補正します。
重量値の安定判定
ロボットが原料を投入した直後は、秤や計量容器が振動し、重量表示が変動します。その状態で次の投入量を計算すると、過量になる可能性があります。
そのため、投入後に一定時間待つ、または重量変化が所定範囲内になったことを確認してから判定します。
重量安定の考え方として、一定時間内の最大値と最小値の差が設定値以下になった場合に安定と判定する方法があります。
重量変動幅=一定時間内の最大重量-最小重量
重量変動幅が許容値以下になった後で、次の投入動作を開始します。
ロボットとPLCの信号連携
ロボットとPLCの間では、動作開始、動作完了、位置到達、異常、運転可能などの信号を送受信します。
一般的な動作の流れは次のとおりです。
- PLCが計量開始条件を確認する
- ロボットへ原料採取指示を出す
- ロボットが原料を採取する
- 計量容器へ原料を投入する
- ロボットが退避位置へ移動する
- 計量器が重量を安定判定する
- PLCが不足量を計算する
- 不足していれば追加投入を指示する
- 許容範囲内であれば計量完了とする
ロボットが計量容器へ接触したままでは正しい重量を測定できないため、退避完了信号を確認してから重量を判定します。
過量を防ぐ制御
ロボット計量では、一度の投入量が目標重量を超えると、原料を取り除く必要があります。粉体や混合原料では、過量分だけを正確に取り除くことが難しい場合があります。
そのため、目標値へ近づくほど投入量を小さくし、過去の投入実績から採取量を補正します。
過量が発生した場合は、次の処理を設備仕様に応じて選択します。
- ロボットで過量分を取り除く
- 計量不良として別容器へ排出する
- 上位システムへ異常を通知する
- 作業者による修正を要求する
複数原料の配合
複数の原料を順番に計量する場合は、原料ごとの容器位置、目標重量、許容差、採取方法を登録します。
誤った原料を採取しないように、バーコード、二次元コード、RFID、容器有無センサなどを利用する場合があります。
ロボットハンドやスコップに原料が残ると、次の原料へ混入する可能性があります。原料ごとに専用工具を使用する、工具交換を行う、清掃工程を設けるなどの対策を検討します。
原料性状による制御の違い
流動性の高い粒体は、比較的一定量を採取しやすい一方、細かい粉体や付着性原料では、スコップへ残留したり、投入時にまとまって落下したりします。
原料によって、ロボットの侵入深さ、採取速度、スコップ角度、振り落とし動作を変更します。
原料残量が少なくなると、同じ動作でも採取量が減る場合があります。原料面の高さを検知する、採取位置を段階的に下げる、原料補給要求を出すなどの制御を行います。
計量精度へ影響する要因
- 秤へ伝わる床振動
- ロボット動作による振動
- 計量容器への接触
- ケーブルや配管から加わる力
- 原料の付着
- ロードセルの温度変化
- 採取量のばらつき
- 投入後の落下残り
ロボットと秤を同じフレームへ設置すると、ロボット動作の振動が計量値へ伝わることがあります。基礎やフレームを分ける、計量判定時にロボットを停止するなどの対策を行います。
安全制御
産業用ロボットでは、安全柵、扉スイッチ、非常停止回路などを設けます。扉が開いた状態ではロボットを動作させない制御が必要です。
協働ロボットでも、スコップや容器の形状、対象物の重量、動作速度によっては、人との接触時に危険が生じます。設備全体でリスクアセスメントを行います。
ロボットと供給機、コンベヤ、AMRなどを組み合わせる場合は、それぞれの動作範囲と停止条件を整理し、相互インターロックを構成します。
異常時の確認方法
重量値が安定しない場合は、ロボットが秤へ接触していないか、床振動、ロードセル、ケーブル、計量容器の付着を確認します。
投入量が安定しない場合は、原料残量、スコップへの付着、採取位置、ロボットの教示位置を確認します。
ロボットが動作しない場合は、PLCとの信号、運転モード、安全扉、非常停止、ロボットアラームを確認します。計量完了にならない場合は、目標値、許容差、安定判定条件を確認します。
導入時のポイント
対象原料、目標重量、許容誤差、処理能力、品種数を確認します。ロボットの可搬質量、動作範囲、繰返し精度も重要です。
計量精度と処理能力は相反する場合があります。少量投入を細かく繰り返すと精度は高まりやすい一方、計量時間が長くなります。必要な生産能力に応じて制御条件を決めます。
実績管理
計量完了後は、原料名、目標重量、実績重量、誤差、計量時刻、ロット番号などを保存できます。
異常や手動修正が発生した場合も記録することで、品質管理や原因調査に利用できます。上位の生産管理システムから配合データを受信し、計量実績を返す構成もあります。
保守・更新
定期的に秤の校正、ロードセル、ロボットハンド、教示位置、安全装置を点検します。スコップの摩耗や変形によって採取量が変化するため、投入補正値も確認します。
原料や配合を追加するときは、新しい採取条件、動作位置、許容差を設定します。ロボットや計量器を更新する場合は、通信方式、信号割付、動作タイミングを確認します。
ハカルプラスの対応
ハカルプラスでは、ロボットを用いた粉体・粒体の計量制御について、原料性状、目標重量、計量精度、処理能力などの仕様を確認して構成します。
計量器、PLC、ロボットコントローラ、原料識別、実績管理との連携についても、各機器の通信仕様を確認して検討します。
よくある質問
Q. ロボット計量ではどの程度の精度を出せますか?
A. 原料性状、目標重量、採取方法、秤の仕様によって異なります。実際の原料を使用して投入量のばらつきを確認します。
Q. 粉体と粒体を同じロボットで扱えますか?
A. ハンドやスコップ、採取動作を切り替えることで対応できる場合がありますが、混入防止や清掃方法の検討が必要です。
Q. 目標重量を超えた場合に自動で修正できますか?
A. 過量分を取り除ける原料であれば自動修正を検討できます。難しい場合は不良排出や手動修正とします。
Q. 計量中にロボットを動かしても問題ありませんか?
A. ロボットの振動が秤へ伝わる場合があります。重量判定中は停止・退避させる構成が一般的です。
Q. 計量実績を生産管理システムへ送れますか?
A. 上位システムの通信仕様を確認し、目標値の受信や実績値の送信を検討します。
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粗供給・微供給とは、計量や充填の前半では大きな供給量で原料を投入し、目標重量へ近づいた段階で供給量を小さく切り替える制御です。計量時間を短縮しながら、過量を抑えるために使用されます。
粉体、粒体、液体のバッチ計量、容器充填、袋詰めなどで広く用いられます。粗供給と微供給の切替点、停止点、供給速度が計量精度と処理能力を左右します。
ハカルプラスでは、供給機、ゲート、ポンプ、ロードセル、計量コントローラを組み合わせ、原料特性に合わせた粗供給・微供給制御を検討します。
粗供給の役割
粗供給は、目標重量から離れている区間を大きな供給量で投入する工程です。スクリューやポンプを高速運転する、ゲートを全開にする、大小二つの供給経路を同時に使用するなどの方法があります。
粗供給量を大きくするほど計量時間は短くなりますが、切替後に残る原料や設備応答の影響が大きくなります。
微供給の役割
微供給は、目標重量へ近づいた段階で供給量を小さくし、停止時の過量を抑える工程です。
スクリュー回転数を下げる、振動量を小さくする、小口径のバルブだけを使用するなどの方法があります。微供給量が小さすぎると計量時間が長くなり、供給が脈動・停止する場合があります。
基本的な制御の流れ
- 計量器のゼロ点確認
- 粗供給を開始
- 粗供給切替重量で微供給へ移行
- 供給停止重量で微供給を停止
- 空中にある原料の落下を待つ
- 重量安定後に実績値を確定
原料ごとに粗供給切替点と供給停止点を設定します。
切替点の決め方
粗供給から微供給へ切り替えた後、供給装置の速度が低下するまでには時間がかかります。その間も原料供給は続きます。
切替点が遅すぎると、微供給へ移行する前に目標へ近づきすぎます。早すぎると微供給時間が長くなります。供給装置の応答時間、供給量、落下距離から調整します。
供給停止点と落差
供給装置を停止しても、供給口から計量器までの間にある原料が落下します。目標重量から落差量を差し引いた位置で停止指令を出します。
落差量は、微供給速度、原料流動性、設備形状によって変わります。前回実績をもとに補正することで精度を安定させます。
供給方式による実現方法
スクリューフィーダーでは、インバーターで高速・低速を切り替えます。振動フィーダーでは、振動振幅や電圧を変更します。
ゲート供給では、粗供給用と微供給用の開度を切り替える、または大小二つのゲートを使用します。液体では、大流量バルブと小流量バルブを使い分けることがあります。
三段階以上の供給
供給量の範囲が大きい場合や高精度が必要な場合は、粗供給・中供給・微供給の三段階とすることがあります。
ただし、段階を増やすと設定項目や調整作業も増えます。必要精度と処理時間を確認し、適切な段数を選定します。
原料性状の影響
流動性のよい粒体は、供給機停止後も流れ続けることがあります。付着性のある粉体は、微供給時に供給が途切れやすくなります。
含水率、温度、かさ密度の変化によって供給特性も変わるため、固定設定だけでは精度を維持できない場合があります。
計量値の更新と遅れ
重量信号には、センサ応答、フィルタ、PLC処理による遅れがあります。表示値が目標へ到達した時点では、実際にはすでに多くの原料が供給されている可能性があります。
フィルタを強くしすぎると応答が遅くなるため、振動除去と制御応答のバランスを取ります。
自動補正
計量実績が目標より多かった場合は、次回の停止点を早めます。不足した場合は停止点を遅らせます。
粗供給切替点と停止点を別々に補正する方法や、直近数回の平均誤差を使用する方法があります。異常値をそのまま学習しないよう、補正範囲を制限します。
計量時間の最適化
計量時間は、粗供給時間、微供給時間、安定待ち時間で構成されます。精度を保ちながら微供給時間を短くすることが、生産能力向上につながります。
原料ごとの実績を分析し、粗供給切替点、微供給速度、安定判定条件を見直します。
異常検出
粗供給中に重量が増えない場合は、原料切れ、詰まり、供給機故障を確認します。微供給へ切り替えても供給量が低下しない場合は、インバーター、ゲート、バルブの動作を点検します。
目標値を大きく超えた場合は、停止信号、落差、機器応答、計量信号の遅れを確認します。
保守と調整
スクリュー、ゲート、バルブの摩耗や付着によって供給量が変化します。原料切替や機械部品交換後は、粗供給・微供給条件を再調整します。
計量実績、供給時間、補正値を記録し、徐々に変化していないか確認します。
ハカルプラスの対応
ハカルプラスでは、供給機の能力、原料の流動性、目標重量、必要精度を確認し、粗供給・微供給の切替条件を設定します。
インバーター、ゲート、バルブ、計量コントローラ、PLCを組み合わせ、落差補正、自動補正、実績保存まで含む制御を検討します。
よくある質問
Q. 粗供給と微供給を分ける理由は何ですか?
A. 大流量だけでは停止後の過量が大きくなり、小流量だけでは計量時間が長くなるためです。
Q. 微供給量は小さいほど精度が高くなりますか?
A. 小さすぎると供給が不安定になり、計量時間も長くなるため、適切な範囲へ調整します。
Q. 液体にも粗供給・微供給を使用できますか?
A. 大小バルブやポンプ速度を切り替えることで使用できます。
Q. 原料ごとに設定を変える必要がありますか?
A. 流動性や落差が異なるため、原料ごとに切替点と停止点を設定するのが一般的です。
Q. 計量時間を短縮できますか?
A. 粗供給量、切替点、微供給速度、安定判定を調整することで短縮できる場合があります。
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落差補正とは、供給装置を停止した後も、供給口から計量器までの間にある原料が落下して重量が増えることを見込み、目標重量より手前で供給を停止する制御です。空中量補正やオーバーラン補正と呼ばれる場合もあります。
粉体・粒体のバッチ計量、液体充填、袋詰めなどでは、停止指令を出した瞬間に供給が完全に止まるわけではありません。落差補正が適切でないと、過量または不足が繰り返し発生します。
ハカルプラスでは、原料特性、供給速度、設備応答を確認し、実績値に基づく落差補正と自動更新を検討します。
落差が発生する理由
供給停止後に重量が増える主な要因には、次のものがあります。
- 供給口から計量器まで空中にある原料
- スクリュー内部から押し出される原料
- ゲートやバルブが閉じるまでに流れる原料
- 配管やシュート内を移動中の原料
- ポンプ停止後の慣性や圧力で流れる液体
これらの合計が、停止指令後に追加される重量となります。
基本的な補正方法
目標重量から予想落差量を差し引き、供給停止重量を設定します。
供給停止重量=目標重量-落差補正量
目標重量が100kg、停止後に2kg増えると予想される場合は、98kgで供給停止指令を出します。
落差量に影響する条件
落差量は常に一定とは限りません。次の条件によって変化します。
- 微供給時の供給速度
- 原料の粒径、流動性、含水率
- 供給口から計量器までの距離
- スクリューやゲートの停止応答
- 配管圧力やポンプ吐出圧
- ホッパー内残量
原料残量によって供給圧が変わる設備では、同じ停止条件でも落差量が変化します。
固定補正と自動補正
固定補正では、試運転で求めた落差量を設定値として使用します。原料条件が安定している設備では簡単に運用できます。
自動補正では、前回の目標値と実績値の差から、次回の落差補正量を更新します。原料性状や機械状態が徐々に変化する設備に有効です。
補正値の計算
実績値が目標より1kg多かった場合、次回は停止重量を一定量早めます。補正量を一度に全量変更すると、ばらつきに過剰反応する可能性があります。
実績誤差の一部だけを補正へ反映する、複数回の平均値を使用するなど、変動を抑える方法があります。
粗供給・微供給との関係
落差補正は、通常、微供給停止時に使用します。粗供給停止後には供給量が大きく変化するため、その後の微供給で目標へ近づけます。
微供給速度が大きいほど落差量も増えやすくなります。計量時間と精度のバランスを見ながら微供給速度を設定します。
供給装置別の特徴
スクリューフィーダーでは、停止後もスクリュー内の原料が押し出されることがあります。振動フィーダーでは、振動が収まるまで原料が移動します。
ゲート供給では閉動作時間、液体バルブでは閉止時間と液だれ、ポンプでは配管圧力や慣性が落差へ影響します。
液体充填の落差
液体では、バルブ閉止後の液だれや配管内圧によって充填量が増えます。粘度や温度の変化によって流れ方が変わるため、補正値も変動します。
ノズル先端の閉止機構、吸引機構、ポンプ減速を組み合わせ、停止後の流入量を減らします。
計量信号の遅れ
重量信号へ強いフィルタをかけると、実際の重量変化より表示値が遅れます。表示上は停止重量へ達していなくても、実際には多くの原料が投入されている場合があります。
落差補正を調整する前に、計量信号の更新周期、フィルタ、PLCスキャン時間を確認します。
異常値を学習しない工夫
ブリッジ解消後の急落下、作業者の接触、ロードセル異常などで大きな誤差が発生した場合、その値を自動補正へ使用すると次回の計量が不安定になります。
補正可能範囲を設定し、異常値や許容範囲外のバッチは学習対象から除外します。
原料ごとの補正管理
原料によって流動性や落下量が異なるため、補正値は原料別に管理します。同じ原料でも供給装置や計量器が異なる場合は、設備ごとに設定します。
配合番号、品種、供給経路と補正値を関連付けて保存します。
落差補正の調整手順
試運転では、一定の微供給速度で複数回計量し、供給停止重量から安定後重量までの増加量を確認します。
平均落差量を初期値とし、計量実績を見ながら補正係数と上限・下限を調整します。供給機の部品交換や原料変更後は再確認します。
異常時の確認
過量が継続する場合は、落差補正不足、供給停止遅れ、バルブ閉止不良を確認します。不足が継続する場合は、補正過大、微供給停止前の供給途切れを点検します。
ばらつきが大きい場合は、原料流動性、ホッパー残量、供給速度、重量安定を確認します。
ハカルプラスの対応
ハカルプラスでは、供給装置の応答、微供給速度、原料性状を確認し、落差補正の初期値と更新方法を検討します。
計量コントローラやPLCへ補正演算を組み込み、原料別管理、補正上限、異常値除外、実績保存に対応できる場合があります。
よくある質問
Q. 落差とは高さのことですか?
A. 計量制御では、供給停止後に計量器へ入る原料量を指すことが一般的です。
Q. 落差補正量は一定ですか?
A. 原料性状、供給速度、設備応答によって変化するため、自動補正が有効な場合があります。
Q. 液体充填にも落差補正は必要ですか?
A. バルブ閉止後の液だれや配管内圧による流入があるため、必要になる場合があります。
Q. 補正値を毎回更新してもよいですか?
A. 異常値へ過剰反応しないよう、更新率と補正範囲を制限するのが一般的です。
Q. 過量が多い場合は補正値だけを変更すればよいですか?
A. 供給速度、ゲートやバルブの応答、計量信号の遅れも確認する必要があります。
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ゼロ点補正とは、計量器に測定対象が載っていない状態を基準のゼロとして調整し、付着、温度変化、経年変化などによって生じた表示ずれを補正する処理です。計量開始前の基準を整え、正しい正味重量を求めるために行います。
ロードセル式計量器では、機械構造、配管荷重、周囲温度、原料残留などによって、空の状態でも表示が完全なゼロへ戻らないことがあります。
ハカルプラスでは、計量器の用途、ゼロ変動の原因、運転条件を確認し、手動ゼロ補正、自動ゼロ追従、ゼロ異常判定を検討します。
ゼロ点が変化する主な原因
- 計量ホッパーや容器への原料付着
- ロードセルや構造物の温度変化
- 配管、ダクト、電線から加わる外力
- 機械部品の交換や摩耗
- ロードセルの経年変化
- 水分、粉じん、異物の堆積
表示をゼロへ戻すだけでなく、ずれの原因を確認することが重要です。
ゼロ点補正と風袋引きの違い
ゼロ点補正は、計量器が空の状態をゼロへ合わせる処理です。風袋引きは、容器や袋などの重量を差し引き、内容物だけの正味重量を表示する処理です。
- ゼロ点補正:空の計量器を基準ゼロへ合わせる
- 風袋引き:容器重量を差し引く
操作上は似ていますが、用途と管理方法が異なります。
手動ゼロ補正
作業者が計量器の空状態を確認し、ゼロキーや画面操作によって補正します。清掃後、保守後、始業前などに行います。
原料が残っている状態でゼロ補正すると、その残留量が基準から除外され、後の計量結果が誤ります。補正前に実際の空状態を確認します。
自動ゼロ補正
排出完了後など、計量器が空になる工程で自動的にゼロ補正を行う方法です。毎バッチの小さなゼロ変動を補正できます。
ただし、残留原料やゲート噛込みがある状態で自動補正すると、異常を見逃す可能性があります。そのため、補正可能な重量範囲を設定します。
ゼロ追従
ゼロ追従とは、ゼロ付近でゆっくり変化する小さな重量を自動的にゼロへ戻す機能です。温度ドリフトや微小な変動を抑えるために使用します。
追従範囲や追従速度を大きくしすぎると、少量の原料投入や漏れをゼロとして消してしまう可能性があります。
ゼロ補正可能範囲
ゼロ点から大きく外れている場合は、単なるドリフトではなく、残留原料、機械接触、ロードセル異常が疑われます。
自動補正を許可する範囲を定め、それを超えた場合はゼロ異常として警報を出します。作業者が原因を確認するまで次の計量を開始しない構成もあります。
計量開始前のゼロ確認
バッチ計量では、供給開始前に空重量が許容範囲内であることを確認します。ゼロ範囲外の場合は、排出不足や付着が考えられます。
ゼロ確認を省略すると、前バッチの残留量が次バッチの重量へ影響します。
原料付着との関係
計量ホッパー壁面やゲートへ原料が付着すると、空にしたつもりでも重量が残ります。毎回同じ量が付着するとは限らないため、単純にゼロ補正するだけでは品質上の問題が残ります。
付着量が増加傾向にある場合は、清掃、ホッパー形状、内面処理、バイブレータなどを検討します。
配管・ダクト荷重の影響
計量ホッパーへ接続した配管や集塵ダクトが硬く固定されていると、温度変化や設備振動によって外力が変わり、ゼロ点が移動します。
フレキシブル継手や適切な支持構造を採用し、計量器へ不要な力が加わらないようにします。
温度変化とゼロドリフト
ロードセル、増幅器、機械構造は温度によってわずかに変化します。始業直後と長時間運転後でゼロ点が異なる場合があります。
電源投入後の安定時間を設け、温度補償されたロードセルや計量機器を使用します。急激な温度変化を受ける場所では、周囲環境も確認します。
ゼロ点補正と校正
ゼロ点補正は、無負荷時の表示ずれを修正する処理です。分銅を使用して感度やスパンを確認する校正とは異なります。
ゼロ点だけを合わせても、荷重を加えた際の表示が正しいとは限りません。定期的に既知荷重を使用して校正します。
異常履歴の保存
ゼロ点補正前の値、補正量、補正時刻を保存すると、付着や機械状態の変化を把握できます。
補正量が徐々に増えている場合は、原料堆積、配管干渉、ロードセル劣化などの兆候として保全へ活用できます。
フェールセーフ
ゼロ点異常がある状態で自動運転を継続すると、すべての計量結果へ誤差が生じる可能性があります。
重要な設備では、ゼロ異常時に供給を禁止し、原因確認と再ゼロ操作を求めます。作業者権限によってゼロ操作を制限する方法もあります。
異常時の確認
ゼロ点が戻らない場合は、残留原料、ゲート噛込み、ホッパー接触、配管荷重を確認します。表示が変動する場合は、設備振動、ロードセル配線、電源、ノイズを点検します。
補正量が急に大きくなった場合は、ロードセル破損や機械構造の変形も疑います。
ハカルプラスの対応
ハカルプラスでは、計量工程と機械構造を確認し、ゼロ確認、自動ゼロ補正、ゼロ追従、補正範囲を設定します。
補正量の履歴保存、ゼロ異常警報、操作権限管理、清掃・保守後の確認手順まで含む計量制御を検討します。
よくある質問
Q. ゼロ点補正と校正は同じですか?
A. ゼロ点補正は無負荷時のずれを調整し、校正は既知荷重を使って計量値全体の正しさを確認します。
Q. 原料が残っていてもゼロ補正できますか?
A. 操作自体はできても、その残留量が基準から除外されるため、正しい計量ができなくなります。
Q. 毎回自動でゼロ補正してもよいですか?
A. 補正範囲を制限し、残留や異常をゼロとして処理しない設計が必要です。
Q. ゼロ点が少しずつ変わる原因は何ですか?
A. 温度変化、原料付着、配管荷重、ロードセルの経年変化などが考えられます。
Q. ゼロ補正の履歴を保存できますか?
A. 補正前重量、補正量、日時、操作者などを保存する構成を検討できます。
関連ワード
計量安定判定とは、ロードセルなどから得られる重量値の変動が所定の範囲内に収まり、計量結果を確定できる状態になったかを判断する制御です。粉体・粒体・液体のバッチ計量、充填計量、排出確認などで使用されます。
原料投入直後や排出直後の重量値は、落下衝撃、設備振動、液面の揺れ、供給機の停止振動などによって変動します。表示された瞬間値だけで計量完了を判断すると、実際の重量と異なる値を記録する可能性があります。
ハカルプラスでは、計量速度、必要精度、設備振動を確認し、判定幅、判定時間、フィルタ、タイムアウトを組み合わせた計量安定判定を検討します。
計量値が安定しない主な原因
- 原料が計量ホッパーへ落下した際の衝撃
- スクリュー、バイブレータ、モーターの振動
- 液体の波立ちや泡立ち
- 配管、ダクト、ケーブルから加わる外力
- 周辺設備や床から伝わる振動
- 電気ノイズやロードセル配線の異常
制御側の調整だけで改善できない場合は、計量架台、配管接続、供給方法など機械構造も確認します。
基本的な判定方法
一定時間内における重量値の最大値と最小値の差を求め、その差が設定した安定幅以内であれば安定と判定します。
例えば、判定時間1秒、安定幅0.1kgとした場合、1秒間の重量変動が0.1kg以内に収まれば計量値を確定します。
判定幅が狭すぎると安定待ち時間が長くなり、広すぎると変動中の重量を確定する可能性があります。
判定時間の設定
判定時間を長くすると、一時的な変動を除外しやすくなりますが、計量サイクルが長くなります。短くすると処理は速くなりますが、振動の谷や山を偶然捉えて安定と判定する可能性があります。
粉体計量、液体計量、容器充填など、対象によって適切な判定時間は異なります。実際の重量波形を確認して設定します。
デジタルフィルタとの関係
移動平均やローパスフィルタを使用すると、重量表示のばらつきを抑えられます。ただし、フィルタを強くすると実際の重量変化に対する応答が遅れます。
供給停止時の応答が遅いと、粗供給・微供給や落差補正にも影響します。計量表示を見やすくする設定と、制御に使用する重量値の設定を分ける場合もあります。
計量完了時の安定判定
供給停止後、落下中の原料がすべて計量器へ入り、重量変動が収まってから実績重量を確定します。
安定判定前に実績を記録すると、空中量が含まれず不足として記録される場合があります。反対に、設備へ一時的な衝撃が加わった瞬間を記録すると、過量として扱われる可能性があります。
排出完了時の安定判定
計量ホッパーから原料を排出した後、重量がゼロ付近で安定したことを確認します。これにより、原料残留、ゲート噛込み、排出不良を検出できます。
重量がゼロ許容範囲へ戻っていても変動が大きい場合は、ゲート振動や付着物の落下が続いている可能性があります。
ゼロ点補正との関係
自動ゼロ点補正を行う場合も、重量値が安定していることを確認してから補正します。変動中にゼロ補正すると、誤った値を基準として記録する可能性があります。
また、ゼロ許容範囲を超える重量が残っている場合は、補正せずに残留異常として警報を出す構成が有効です。
安定判定のタイムアウト
設備振動や原料の揺れが長く続くと、いつまでも安定判定が成立しないことがあります。一定時間を超えた場合は、安定待ちタイムアウトとして警報を出します。
タイムアウト後に強制的に計量値を採用するか、計量不良として排出を禁止するかは、品質要求に応じて決めます。
安定判定と生産能力
バッチ計量では、安定待ち時間が積み重なると生産能力へ大きく影響します。判定時間を短縮するだけでなく、原料の落下衝撃、計量架台の剛性、供給機停止時の振動を改善することも重要です。
計量精度と処理能力の両方を確認し、必要以上に厳しい判定条件としないよう調整します。
異常時の確認
安定判定が成立しない場合は、重量波形を確認し、周期的な振動か、不規則なノイズかを切り分けます。周期的な変動ではモーターや供給機、不規則な変動では配線や接触不良を確認します。
排出後だけ不安定になる場合は、ゲート、バイブレータ、ホッパーへの原料付着を点検します。
ハカルプラスの対応
ハカルプラスでは、ロードセル、計量コントローラ、PLCの重量データを確認し、安定幅、判定時間、フィルタ、タイムアウト条件を設定します。
計量完了、排出完了、ゼロ確認、自動補正、異常履歴を組み合わせ、計量精度と生産能力の両立を検討します。
よくある質問
Q. 重量表示が止まって見えれば安定していますか?
A. 表示桁や更新周期によって止まって見える場合があるため、内部重量値の変動幅と判定時間で確認します。
Q. 安定幅を狭くすれば精度は必ず上がりますか?
A. 判定は厳しくなりますが、計量時間が長くなり、設備振動が大きい場合は判定できなくなることがあります。
Q. フィルタを強くすれば安定判定しやすくなりますか?
A. 表示は安定しますが、応答が遅れて供給停止や落差補正へ影響する場合があります。
Q. 排出後にも安定判定は必要ですか?
A. 原料残留やゲート噛込みを確認するため、ゼロ付近での安定判定が有効です。
Q. 安定判定できない場合に自動運転を続けられますか?
A. 品質条件に応じて、タイムアウト警報、強制確定、運転停止のいずれかを設定します。
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自動補正制御とは、過去の計量結果や運転実績をもとに、次回の供給停止点、供給時間、供給速度などを自動的に調整する制御です。原料性状や機械状態の変化による計量誤差を抑えるために使用されます。
粉体・粒体・液体の計量では、同じ設定で運転していても、かさ密度、粘度、温度、ホッパー残量、機器摩耗などによって実績値が変化します。自動補正制御は、目標値と実績値の差を次回設定へ反映し、継続的に精度を整えます。
ハカルプラスでは、計量方式、原料特性、許容誤差を確認し、補正量、更新率、上限・下限、異常値除外を含む自動補正制御を検討します。
自動補正の基本
計量目標が100kg、実績が101kgであった場合、1kgの過量が発生しています。次回は供給停止を早める方向へ補正します。
反対に実績が99kgであれば、次回は停止を遅らせる方向へ補正します。ただし、誤差全量を一度に反映すると過補正になる可能性があるため、補正係数を使用します。
補正対象となる設定
- 微供給の停止重量
- 粗供給から微供給への切替点
- 落差補正量
- ポンプやスクリューの運転時間
- 供給速度やインバーター周波数
- バルブ閉止指令のタイミング
通常は、誤差へ最も直接影響する微供給停止点や落差補正量を調整します。
補正量の計算
基本的には、目標値と実績値の差へ補正係数を掛けて更新します。
新しい補正値=現在の補正値+計量誤差×補正係数
補正係数を小さくすると緩やかに追従し、大きくすると短時間で修正できますが、ばらつきへ過敏に反応しやすくなります。
一回値と平均値
直前の一回だけを使う方式は変化へ早く追従できますが、一時的な振動や原料の塊による誤差にも反応します。
複数回の平均誤差を使う方式は安定しますが、原料状態が急に変わった際の追従が遅くなります。設備の変動特性に応じて選定します。
異常値の除外
供給詰まり、原料切れ、作業者の接触、ロードセル異常などによって、通常とは異なる大きな誤差が発生することがあります。
その実績を補正へ使用すると、正常復帰後の計量が大きくずれます。許容誤差を超えたバッチ、警報発生中のバッチ、手動介入があったバッチは学習対象から除外します。
補正範囲の制限
補正値には上限と下限を設けます。補正値が限界へ達しても誤差が改善しない場合は、機械異常、原料変化、設定不良を疑います。
無制限に補正を続けると、本来点検すべき異常を制御が隠してしまう可能性があります。
原料別・設備別の管理
原料によって流動性、落差、供給速度が異なるため、補正値は原料別に保存します。同じ原料でも供給機や計量器が異なれば、設備別の補正値が必要です。
配合番号、原料コード、供給経路と補正値を関連付けて管理します。
粗供給・微供給との関係
過量が発生した場合でも、原因が粗供給切替の遅れなのか、微供給停止の遅れなのかを区別する必要があります。
粗供給終了時の重量、微供給時間、最終実績を記録すると、どの設定を補正すべきか判断しやすくなります。
落差補正との関係
供給停止後に増加した重量を測定し、その量を落差補正値として更新できます。停止重量から安定後重量までの差を直接学習する方法です。
供給停止前の不足や詰まりがある場合は、落差だけの補正では改善できません。
補正履歴の保存
補正前後の設定値、計量誤差、更新日時を保存すると、原料性状や設備状態の変化を確認できます。
補正値が徐々に大きくなる場合は、スクリュー摩耗、ゲート応答低下、付着増加などの予兆として利用できます。
手動変更との管理
作業者が補正値を直接変更する場合は、自動補正との優先順位を明確にします。手動変更後に自動補正が直ちに上書きすると、意図した調整が反映されません。
操作権限、変更理由、変更履歴を保存する構成が有効です。
異常時の確認
補正しても誤差が改善しない場合は、供給装置の詰まり、原料残量、ゲートやバルブの応答、計量安定判定を確認します。
補正値が正負に大きく振れる場合は、計量値のばらつきが大きい可能性があります。補正制御より先に機械構造や信号ノイズを改善します。
ハカルプラスの対応
ハカルプラスでは、計量実績、供給時間、落差量をPLCや計量コントローラで記録し、次回設定へ反映する制御を検討します。
原料別補正、平均化、更新率、補正範囲、異常値除外、操作履歴を組み合わせ、安定した計量精度の維持を図ります。
よくある質問
Q. 自動補正を使えば機械調整は不要ですか?
A. 補正には限界があります。詰まり、摩耗、配管干渉などの機械異常は点検が必要です。
Q. 計量誤差を毎回全量補正してもよいですか?
A. 一時的な変動へ過剰反応するため、補正係数や平均値を使うのが一般的です。
Q. 原料ごとに補正値を分ける必要がありますか?
A. 流動性や落差が異なるため、原料別に管理することが有効です。
Q. 異常時の計量結果も補正へ使いますか?
A. 警報や手動介入があった結果は、通常、補正対象から除外します。
Q. 補正値の変化を保全へ利用できますか?
A. 補正値の長期傾向から、摩耗、付着、応答低下などを把握できる場合があります。
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誤投入防止制御ソフト設計とは、原料のバーコードや二次元コードを製造指示と照合し、正しい原料を正しいタンクや投入先へ入れる場合だけ、蓋や投入口のロックを解除する制御です。原料の取り違えによる製品不良や廃棄を防ぎ、投入履歴を残すことで、品質管理とトレーサビリティの強化にも役立ちます。
ハカルプラスでは、バーコードリーダー、電気式シリンダーによるロック機構、PLC、タッチパネル、計量機、管理システムを連携させ、機械設備と制御ソフトを一体で構成します。
誤投入防止の基本的な仕組み
作業者が原料袋や容器のバーコードを読み取ると、PLCや管理システムが、現在の製造指示に登録された原料コードと照合します。原料が一致した場合は、投入対象となるタンクのロックだけを解除します。
不一致の場合はロックを解除せず、タッチパネルや警報表示で作業者へ知らせます。原料名が同じでも、ロット、使用期限、投入順序などが条件と一致しない場合は投入を禁止する構成も可能です。
基本的な投入手順
- 製造番号や配合を選択する
- 投入する原料のバーコードを読み取る
- 原料コード、ロット、使用期限などを照合する
- 正しい投入先を画面や表示灯で案内する
- 対象タンクのロック機構だけを解除する
- 蓋の開放と原料投入を確認する
- 投入完了後に蓋を閉じ、再びロックする
- 投入日時やロットなどの実績を保存する
照合からロック解除、投入完了までを一つの作業状態として管理することで、読み取った原料を別のタンクへ投入する間違いも防止します。
バーコードによる原料照合
バーコードには、原料コードだけでなく、ロット番号、使用期限、仕入先、数量などを含められます。制御ソフトでは、どの項目を照合条件とするかを運用に合わせて設定します。
印字のかすれやラベルの汚れで読み取れない場合は、再読取りを促します。手入力による代替を認める場合は、管理者権限や入力履歴を設け、安易に照合を回避できないようにします。
ロック機構との連動
投入タンクの蓋には、電気式シリンダーなどでピンを挿入し、通常時には開けられないロック機構を設けます。バーコード照合が成立すると、対象タンクのロック解除指令を出します。
ロック解除後は、シリンダーの後退確認やロックピンの位置をセンサで監視します。解除指令を出しても確認信号が成立しない場合は、機械的な引っ掛かりやシリンダー異常として投入を禁止します。
投入後は蓋が閉じたことを確認してからロックを戻します。蓋が開いた状態で次の原料照合へ進まないよう、作業順序をインターロックで管理します。
投入先の案内
複数のタンクが並ぶ設備では、正しいロックを解除するだけでなく、表示灯やタッチパネルで投入先を明確に案内します。投入対象以外のタンクはロック状態を維持します。
タンク番号、原料名、投入量を表示することで、作業者が投入前に内容を再確認できます。投入場所が離れている場合は、現場表示器やブザーを追加することもあります。
計量設備との連携
投入量を管理する場合は、電子台秤、フロアスケール、ホッパースケールなどと連携します。投入前後の重量差や、計量機から払い出した実重量を投入実績として記録します。
目標量に達していない場合は投入完了を受け付けず、不足量を表示できます。過量が発生した場合は警報を出し、管理者による確認を求める構成も可能です。
投入履歴の保存
投入作業の履歴として、次のような情報を保存できます。
- 製造番号、品種、配合番号
- 原料名、原料コード、ロット番号
- 投入先タンク、投入日時
- 目標重量、実投入重量
- 作業者、照合結果、警報履歴
品質問題が発生した際に、どの製品へどの原料ロットを投入したかを追跡できます。タッチパネルへ保存する方法のほか、生産管理システムや上位データベースへ送信する構成も検討します。
異常時の処理
代表的な異常には、バーコード不一致、読取り失敗、ロック解除不良、蓋開閉信号の不一致、計量値不足、通信異常があります。
通信が切れた場合に前回の照合結果を使ってロックを解除すると、誤投入につながる可能性があります。そのため、照合結果には有効期限を設け、通信異常時は新たなロック解除を禁止します。
停電復旧後は、停電前の解除指令をそのまま再実行せず、各タンクの蓋、ロック、投入途中の原料を確認します。必要に応じて管理者が状態を確定してから自動運転へ戻します。
手動操作と権限管理
保守や緊急対応のため、ロック機構を個別に操作する手動機能を設ける場合があります。ただし、通常の作業者が照合を省略できないよう、管理者パスワードや鍵付きスイッチで権限を制限します。
手動解除を行った場合は、解除したタンク、日時、操作者、理由を履歴に残すことで、後から作業内容を確認できます。
既設設備への追加
既設タンクへ誤投入防止機能を追加する場合は、蓋の形状、ロック機構の取付スペース、周辺設備、既設PLCの入出力点数を確認します。
バーコードリーダーとロック装置だけを追加する方法のほか、既設計量機や生産管理システムと連携し、投入実績まで管理する方法があります。設備を停止できる期間も考慮し、段階的な導入を検討します。
ハカルプラスの対応
ハカルプラスでは、原料照合、投入先案内、ロック解除、蓋開閉確認、投入重量管理、実績保存を含む誤投入防止システムを検討します。
電気式シリンダーやロックピンを用いた機械機構、バーコードリーダー、計量機、制御盤、PLC、タッチパネルを組み合わせ、現場の作業手順に合わせて設計します。
既設設備との連携や上位システムへの履歴送信についても、通信仕様と現在の運用を確認し、誤投入を防ぎながら作業負担を増やしにくい構成を検討します。
よくある質問
Q. 原料名が同じでもロット番号まで照合できますか?
A. バーコードにロット情報が含まれ、製造指示側にも対象ロットが登録されていれば照合できます。
Q. バーコードを読み取れない場合は投入できますか?
A. 原則として投入を禁止します。手入力を認める場合は、管理者権限と操作履歴を設けます。
Q. 間違ったタンクの蓋を開けることはできますか?
A. 通常時は全タンクをロックし、照合に合格した対象タンクだけを解除するため、誤った投入先を開けにくい構成にできます。
Q. 投入した重量も履歴として保存できますか?
A. 計量機と連携することで、目標重量、実投入重量、投入日時、原料ロットなどを関連付けて保存できます。
Q. 既設のタンクにも後付けできますか?
A. 蓋の構造、ロック装置の取付スペース、既設制御盤の仕様を確認し、後付けできる場合があります。
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計量コントローラ・ソフト設計とは、ロードセルなどから得られる重量信号を取り込み、フィーダー、ゲート、ポンプ、バルブなどの供給機器を制御する計量コントローラの設定・制御ソフトを設計することです。
計量対象や生産工程に応じて、バッチ計量、減算計量、分割計量、連続減算計量などの方式を使い分けます。目標重量へ到達した際に供給を停止するだけでなく、粗供給・微供給の切替、落差補正、重量安定判定、過量・不足判定などを組み合わせ、計量精度と処理能力を両立させます。
ハカルプラスでは、自社製の計量コントローラに加え、ユニパルス、ミネベアミツミなど他社製コントローラを使用した制御実績があります。計量機、供給機器、PLC、タッチパネル、上位システムとの接続条件を確認し、設備に適したソフトウェアを設計します。
計量コントローラの役割
計量コントローラは、ロードセルからの微小な電気信号を重量値へ変換し、その値に基づいて供給機器を制御します。主な機能には次のようなものがあります。
- ゼロ点・スパンの調整
- 重量値の表示と安定判定
- 粗供給・微供給の切替
- 供給停止と落差補正
- 過量・不足・ロードセル異常の検出
- 計量実績のPLCや上位システムへの送信
計量コントローラ単体で一連の計量を制御する構成と、PLCが運転順序を管理し、コントローラが重量演算と供給出力を担当する構成があります。
バッチ計量方式
バッチ計量方式は、空の計量容器へ原料を加え、目標重量まで計量する加算式の方式です。1回ごとに計量、排出、ゼロ確認を繰り返す、最も一般的な計量方式です。
目標重量から離れている間は粗供給を行い、目標へ近づくと微供給へ切り替えます。供給停止後もシュートやフィーダー内を落下中の原料が入るため、目標より手前で停止指令を出します。
ホッパースケール、容器充填、紙袋充填、配合計量などに使用されます。
減算計量方式
減算計量方式は、原料を入れた計量ホッパーや供給機全体を計量し、開始時の重量から減少した量を実計量値として扱う方式です。
例えば、開始重量が100kgで、供給後の重量が92kgの場合、供給量は8kgです。供給先の容器を計量する必要がないため、複数の供給先へ原料を払い出す設備にも利用できます。
供給機の振動や配管・ケーブルから加わる外力が重量値へ影響しやすいため、計量中の振動対策や機械構造が重要です。
分割計量方式
分割計量方式は、一つの目標量を複数回に分けて計量する方式です。計量機のひょう量より大きな量を扱う場合や、一度に供給すると過量になりやすい原料に使用されます。
例えば、100kgを30kg、30kg、30kg、10kgのように分割し、最後の計量でそれまでの実績誤差を反映して目標値を微調整します。
各回の排出完了やゼロ復帰を確認し、計量回数と累積重量を管理する必要があります。途中で異常停止した場合は、何回目まで完了したかを保持し、二重計量を防ぎます。
連続減算計量方式
連続減算計量方式は、計量ホッパーから減少する重量を一定時間ごとに測定し、時間当たりの供給量を制御する方式です。ロスインウェイト方式とも呼ばれ、供給量はkg/hなどで設定します。
一定時間に減少した重量をΔW、測定時間をΔtとすると、供給量Qは次の関係で求められます。
Q=ΔW÷Δt
実際の供給量が設定値より少ない場合はフィーダー速度を上げ、多い場合は速度を下げます。重量値には振動や原料の流動変化が含まれるため、短すぎる測定時間では制御が不安定になり、長すぎると応答が遅くなります。
粗供給・微供給と落差補正
バッチ計量では、処理時間を短くするための粗供給と、目標付近を細かく合わせる微供給を使い分けます。スクリューフィーダーでは回転速度を切り替え、ゲートでは開度や使用するゲートを切り替える方法があります。
供給停止後に入る原料量を落差量と呼びます。落差量は、原料の流動性、供給速度、付着、残量などによって変化します。計量結果から落差補正値を自動学習する機能を使用する場合もあります。
補正を強くしすぎると計量値が変動しやすくなるため、補正範囲や更新条件を設定します。
重量安定判定
供給停止直後は、計量機の揺れや落下中の原料によって重量値が変動します。一定時間、重量変化が設定範囲内に収まったことを確認してから、計量完了値として確定します。
安定判定条件を厳しくすると精度を確認しやすくなりますが、計量時間が長くなります。振動の多い設備では、機械的な振動対策とフィルタ設定の両方を検討します。
PLC・タッチパネルとの連携
PLCは、配合選択、原料順序、前後設備とのインターロックなど、設備全体の運転を管理します。計量コントローラとの間では、計量開始、目標値、実重量、完了、過量、異常などをやり取りします。
通信接続する場合は、データ形式、単位、小数点位置、更新タイミングを一致させます。通信異常時は、古い目標値で計量を開始しないよう、新規運転を禁止する処理が必要です。
タッチパネルには、目標値、現在重量、粗供給・微供給状態、計量結果、異常内容などを表示します。
異常処理と復旧
代表的な異常には、重量値不安定、ゼロ異常、過量、供給不足、ロードセル断線、通信異常、供給機過負荷があります。
目標重量へ一定時間内に到達しない場合は、原料切れ、フィーダー詰まり、ゲート動作不良などが考えられます。供給を停止し、異常原因を確認できるようにします。
停電や非常停止から復旧する際は、計量途中の重量、供給機器の状態、排出の有無を確認します。計量を継続するか、内容物を排出して最初からやり直すかを設備仕様に応じて決めます。
コントローラ更新時の注意点
既設の計量コントローラを更新する場合は、ロードセル仕様、励起電圧、入力感度、出力信号、通信方式、端子配列を確認します。
同じメーカーの後継機でも、パラメータ名や通信アドレス、完了信号の動作が変わる場合があります。既設設定を単純に移すだけでなく、PLCソフトやタッチパネルとの連携を含めて確認します。
更新後は、ゼロ点、スパン、下限・中間・上限の重量、粗供給・微供給、過量判定、異常時の停止動作まで試験します。
ハカルプラスの対応
ハカルプラスでは、バッチ計量、減算計量、分割計量、連続減算計量など、設備に応じた計量コントローラのソフト設計に対応します。
自社製コントローラだけでなく、ユニパルス、ミネベアミツミなど他社製機器の仕様を確認し、目標値設定、供給制御、落差補正、安定判定、異常処理を構成します。
計量コントローラ単体の設定に加え、ロードセル、供給機器、制御盤、PLC、タッチパネル、実績保存、上位システム連携まで、設備全体の仕様に合わせて検討します。
よくある質問
Q. バッチ計量と減算計量はどのように使い分けますか?
A. 受け容器へ加えた重量を測る場合はバッチ計量、供給元から減った重量を測る場合は減算計量が適しています。
Q. 計量コントローラだけで供給機を制御できますか?
A. 機種によっては可能です。設備全体の運転順序や複数機器との連動が必要な場合は、PLCと組み合わせます。
Q. 連続減算計量で供給量が安定しない原因は何ですか?
A. 原料の流動変化、ホッパー内の残量、振動、フィーダー能力、制御ゲインなどが考えられます。
Q. 他社製の計量コントローラにも対応できますか?
A. 入出力仕様、通信仕様、設定資料を確認できれば、ユニパルスやミネベアミツミなど他社製機器を使用した制御を検討できます。
Q. 古い計量コントローラを更新できますか?
A. ロードセル、入出力、通信、既設PLCソフトを確認し、後継機または別機種への更新を検討します。
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添加率補正とは、主原料の実計量値に応じて、添加剤や副原料の目標量を自動的に計算し直す制御です。主原料の重量が計画値から変動した場合でも、あらかじめ設定した添加率を維持できるように、添加剤の計量設定値を補正します。
例えば、主原料に対して添加剤を1%加える配合では、主原料を100kg使用する場合の添加量は1kgです。主原料の実計量値が98kgとなった場合、添加剤を固定値の1kgで供給すると、実際の添加率は約1.02%になります。添加率補正を行えば、添加剤の目標量を0.98kgへ変更し、設定した1%を維持できます。
添加率補正は、粉体、液体、混和剤、着色剤、香料などを扱う配合設備で利用されます。正しく運用するには、何を基準重量とするか、どの時点の実績値を使うか、端数をどのように処理するかを明確にする必要があります。
添加率補正の基本的な計算
基準となる主原料の実計量値をWm、設定した添加率をR、補正後の添加剤目標量をWaとすると、基本的な関係は次のように表せます。
Wa=Wm×R/100
主原料の実計量値が250kg、添加率が0.8%の場合、添加剤の目標量は次のとおりです。
Wa=250×0.8/100=2kg
実際の設備では、補正値をそのまま計量設定値にするだけでなく、計量器の最小表示、供給装置の最小供給量、配合上の上下限などを考慮して決定します。
添加率の基準となる重量
添加率補正では、どの重量に対する割合なのかを明確にすることが重要です。代表的な基準には、次のようなものがあります。
- 特定の主原料1種類の実計量値
- 複数の主原料を合計した実計量値
- 水分補正後の乾燥重量
- 製品1バッチ全体の計画重量
- 前工程から受け取った実績重量
例えば、骨材に対する添加率と、セメント量に対する添加率では計算結果が異なります。配合表、製造指示、PLC、上位システムの間で、基準重量の定義を一致させます。
計画値基準と実績値基準
計画値を基準にする方法
配合表に登録された主原料の設定値から添加量を計算します。主原料の計量が多少変動しても添加量は変わらないため、制御が単純で、先に添加剤を計量できる利点があります。
一方、主原料の実量が設定値から外れた場合は、実際の添加率も変化します。
実計量値を基準にする方法
主原料の計量確定値を使用して添加量を再計算します。主原料の過不足に合わせて添加剤量を変えられるため、実際の配合比率を維持しやすくなります。
ただし、主原料の計量完了後に補正値が確定するため、工程順序によっては添加剤の計量開始が遅れます。処理能力を確保するには、計量機の構成や並行動作を検討します。
複数原料を基準とする補正
複数の主原料の合計重量に対して添加率を設定する場合は、各原料の実計量値を合計してから添加量を計算します。
主原料A、B、Cの実計量値をそれぞれWA、WB、WCとすると、基準重量Wmは次のようになります。
Wm=WA+WB+WC
一部の原料が計量NGになった場合や、製造指示によって使用されない場合は、その原料を合計へ含めるかを決めておきます。単純に全計量器の値を加算すると、対象外原料や残量を含める可能性があります。
水分を含む原料の補正
砂、骨材、粉体などに水分が含まれる場合、湿潤重量と乾燥重量では添加率の基準が変わります。添加率が乾燥原料重量に対して定められている場合は、水分率を使用して乾燥重量へ換算します。
湿量基準の水分率をM%、湿潤重量をWw、乾燥重量をWdとすると、概算では次のように表せます。
Wd=Ww×(100-M)/100
湿潤重量が500kg、水分率が4%の場合、乾燥重量は480kgです。添加率が乾燥重量に対して1%であれば、添加量は4.8kgとなります。
水分率には湿量基準と乾量基準があるため、水分計、配合管理システム、添加率補正で同じ定義を使用します。
補正を行うタイミング
添加剤の目標値を決定するタイミングは、設備の工程順序に影響します。主な方法には、製造指示を受信した時点で計算する方法と、主原料の計量確定後に再計算する方法があります。
主原料と添加剤を同時に計量する場合は、当初は計画値を使って添加剤計量を開始し、主原料の実績が確定した後に目標値を修正する方法も考えられます。ただし、補正後の目標値が現在の添加量より小さくなると、すでに過量となっている可能性があります。
高い精度が必要な場合は、主原料計量の確定後に添加剤を計量するか、補正量の変動範囲を見込んで粗供給から微供給へ切り替える構成を検討します。
計量確定値の扱い
計量停止直後は、落差や液だれによって重量が増加することがあります。また、振動や液面の揺れが残っている状態では、表示値が安定しません。
添加率補正には、供給停止指令時の値ではなく、落差を含めて重量が安定した後の計量確定値を使用することが基本です。
一定時間内の重量変化が許容範囲内であることを確認し、計量OK判定を行った後に実績値として登録します。計量NGの場合は、その値で補正を続行するか、作業者の確認を求めるかを決めます。
端数処理と最小計量量
計算上の添加量が細かな小数になる場合でも、計量器や供給装置には分解能と最小供給量があります。
例えば、計算結果が0.037kgであっても、計量器の最小表示が0.01kg、1回の安定した供給量が0.02kgであれば、設定値どおりの計量が難しい場合があります。
PLCや計量コントローラでは、四捨五入、切上げ、切捨てなどの端数処理を設定します。配合全体への影響と品質基準を確認し、統一した方法を使用します。
上限・下限の設定
主原料の計量異常や設定ミスによって、添加剤の補正値が極端に大きくなったり小さくなったりすることを防ぐため、添加量に上下限を設けます。
補正後の設定値が上限を超えた場合は上限値へ制限する方法もありますが、そのまま製造すると設定した添加率を維持できません。品質へ影響する場合は、計量を開始せず異常として停止します。
添加率そのものについても、品種ごとに入力可能範囲を設け、桁間違いや単位間違いを防止します。
粉体添加剤の供給制御
粉体添加剤では、スクリューフィーダー、振動フィーダー、オーガフィーダーなどを使用して計量器へ供給します。
補正後の目標値に対して、粗供給と微供給を切り替え、停止後に落下する原料量を見込んで供給を停止します。少量添加では、フィーダー停止後の落差が目標値に占める割合が大きくなるため、供給装置の選定が重要です。
粉体の付着、固結、かさ密度変化によって供給量が変動する場合は、アジテータや付着防止機器を組み合わせます。
液体添加剤の供給制御
液体添加剤では、ポンプ、バルブ、流量計、ロードセルなどを使用します。目標量の大部分を大供給し、目標値付近で小供給やショット制御へ切り替えます。
供給停止後の液だれ、配管内残液、バルブ閉止時間によって過量になる場合があります。補正後の目標値が小さい場合ほど、1回の液だれ量が計量精度へ大きく影響します。
粘度や温度が変化する液体では、供給時間や停止後の流れ込み量も変わるため、実液を使用して調整します。
累積計量での添加率補正
1台の計量器へ複数の添加剤を順番に供給する累積計量では、各添加剤の補正量を累積目標値へ変換します。
最初の添加剤が1.0kg、次の添加剤が0.5kgの場合、2番目の供給終了目標は累積1.5kgです。最初の添加剤が実際には1.02kgとなった場合、2番目の供給を0.5kg追加するのか、累積目標1.5kgまでの0.48kgとするのかで、各添加率が異なります。
各原料の配合比率を重視する場合は、原料ごとの増加重量を個別に管理します。計量器全体の総量だけでなく、各供給開始時と終了時の差分を実績として保存します。
計量NG時の処理
添加剤が許容範囲を外れた場合は、過量か不足かによって処理を分けます。
不足の場合は、追加供給によって許容範囲へ入れられる可能性があります。過量の場合は取り除くことが難しいため、バッチ停止、排出、手動確認などの処理が必要です。
主原料が計量NGとなった場合も、その実績値を基準に添加量を補正して製造を続けてよいとは限りません。主原料と添加剤がそれぞれ許容範囲内であり、最終的な配合比率も適合することを確認します。
異常監視とフェイルセーフ
添加率補正では、基準重量の未確定、計量信号の異常、通信断、補正値の範囲外などを監視します。
- 主原料の実績値が確定していない
- 添加率が未設定または許容範囲外である
- 補正後の添加量が計量器の能力を超えている
- 上位システムから受信した単位や小数点位置が異なる
- 同一バッチの補正計算が重複して実行されている
異常時に前回バッチの補正値を誤って使用しないよう、バッチ開始時にデータを初期化し、製造番号やバッチ番号と関連付けて管理します。
実績保存とトレーサビリティ
品質確認のためには、設定した添加率だけでなく、補正に使用した基準重量、補正後の目標量、実計量値、計量判定を保存することが重要です。
上位システムへ送信する実績には、品種、ロット、バッチ番号、原料名、添加率、計画値、補正値、実績値、異常履歴などを含める場合があります。
計算値を後から変更できる設備では、変更前後の値、変更日時、作業者も記録すると、原因調査を行いやすくなります。
既設設備への追加・更新
既設設備へ添加率補正を追加する場合は、主原料の実計量値を取得できるか、添加剤の目標値を外部から変更できるかを確認します。
PLCソフトの変更だけで対応できる場合もありますが、計量コントローラの通信機能、メモリー容量、タッチパネル画面、上位システムのデータ形式などの変更が必要になることもあります。
更新時は、従来の配合計算、端数処理、単位、計量順序を確認します。新旧システムで計算結果が一致しない場合は、どの段階で丸め処理を行っているかを比較します。
ハカルプラスの対応
ハカルプラスでは、主原料と添加剤の関係、添加率の基準、必要な計量精度、製造順序を確認し、設備に適した添加率補正を検討します。
粉体・液体の供給装置、ロードセル、計量コントローラ、制御盤、PLC、タッチパネルを組み合わせ、補正値の演算、計量、過不足判定、異常復旧まで構成します。
複数原料を基準とした補正、水分補正後の重量を使用する計算、複数添加剤の累積計量などについても、配合仕様に合わせてソフトウェアを設計します。
配合管理システムや基幹システムとの連携、補正前後の設定値と計量実績の保存についても、既存設備と通信仕様を確認して対応を検討します。
よくある質問
Q. 添加率は計画重量と実計量値のどちらを基準にすべきですか?
A. 実際の配合比率を重視する場合は実計量値が適します。ただし、工程順序や処理能力への影響があるため、設備全体の運転方法に合わせて決定します。
Q. 主原料が計量NGでも添加量を自動補正できますか?
A. 計算自体は可能ですが、主原料と最終配合が品質上の許容範囲に入るかを確認する必要があります。範囲外では製造を停止する構成が基本です。
Q. 少量の添加剤で計量値が安定しない場合はどうしますか?
A. 計量器の容量、最小表示、供給装置の最小供給量、落差や液だれを確認します。小容量計量器や微供給装置への変更が必要な場合があります。
Q. 水分を含む原料に対して添加率を補正できますか?
A. 水分率から乾燥重量を計算し、その重量に対して添加量を求められます。水分率の定義と異常時の代替値を明確にする必要があります。
Q. 既設の計量設備へ添加率補正を追加できますか?
A. 主原料の実績値と添加剤の設定値をPLCなどで扱える場合は追加できることがあります。既存コントローラ、通信、計量順序を確認して構成します。
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計量制御とは、ロードセルや計量器で重量を測定しながら、原料や製品の供給量を調整し、設定した目標重量へ自動的に合わせる制御です。粉体、粒体、液体などを所定量だけ投入するバッチ計量や、搬送中の流量を連続的に管理する設備で使用されます。
単に重量を表示するだけでなく、供給機器の起動・停止、粗供給と微供給の切り替え、停止後に落下する原料の補正、重量安定判定、過不足判定、計量実績の保存までを一連の工程として管理します。
設備は、ホッパースケール、フロアスケール、電子台秤などの計量部、ロードセル、計量コントローラ、PLC、供給機器、制御盤、タッチパネルなどで構成されます。
計量制御の基本構成
計量対象の荷重は、ロードセルによって微小な電気信号へ変換されます。複数のロードセルを使用する場合は、和算箱で信号をまとめて計量コントローラへ入力します。
計量コントローラはロードセル信号を増幅・変換し、重量値、安定状態、上限・下限判定などをPLCへ出力します。PLCは目標重量や工程条件に基づき、ゲート、バルブ、スクリューフィーダー、振動フィーダー、ポンプなどを制御します。
タッチパネルでは、目標重量、現在重量、粗供給設定、微供給設定、落差補正値、許容範囲、異常内容などを表示・設定します。上位システムと連携する場合は、品種や配合ごとの設定値を受信し、計量結果を返送します。
計量制御の主な用途
- 粉体・粒体・液体のバッチ計量
- 複数原料の配合計量
- 容器、袋、フレコンへの充填計量
- 製品重量の過不足判定
- ベルトコンベア上の連続計量
- 計量結果と品種・ロット情報の記録
例えば、ホッパースケールへ原料を投入する設備では、空の計量槽でゼロ点を確認し、供給機を高速運転します。目標重量へ近づくと供給速度を下げ、設定重量の手前で停止します。落下中の原料が入り終わり、重量が安定した時点で計量完了とします。
基本的な計量工程
ゼロ確認と風袋処理
計量開始前に、計量槽や計量台が空であることを確認し、ゼロ点が許容範囲内にあるか判定します。容器へ充填する場合は、容器重量を風袋として登録し、投入物だけを正味重量として管理します。
総重量をWg、風袋重量をWt、正味重量をWnとすると、次の式で表せます。
Wn=Wg-Wt
粗供給
計量開始直後は、目標重量までの距離が大きいため、供給機を高速または全開で運転します。短時間で大部分を投入することで、設備の処理能力を確保します。
微供給
目標重量へ近づくと、供給速度を下げて少量ずつ投入します。スクリューフィーダーでは回転速度を下げる、ダブルゲートでは粗供給側を閉じて微供給側だけを開くなど、機器に応じた切り替えを行います。
供給停止と落差補正
停止指令を出しても、供給口と計量槽の間にある原料や、機器内部に残った原料はそのまま落下します。この停止後に加わる重量を落差または空中落下量と呼びます。
目標重量をWs、予測落差をWf、供給停止重量をWcとすると、概算では次のように設定します。
Wc=Ws-Wf
目標重量100kg、予測落差0.8kgの場合は、99.2kg付近で供給を停止します。
重量安定と完了判定
供給停止直後は、原料の落下、容器の揺れ、液面変動、周辺設備の振動などによって重量値が安定しません。一定時間内の重量変動が設定範囲以内となったことを確認し、確定重量を取得します。
確定重量が許容範囲内であれば計量完了とし、過量または不足の場合は補充、排出、手動確認などの処理へ移ります。
粗供給・微供給の設定
計量精度と処理能力は、粗供給から微供給へ切り替える重量と、供給を停止する重量に大きく影響されます。
微供給への切り替えが遅すぎると、供給量を十分に減らせないまま目標重量へ到達し、過量になりやすくなります。早すぎると微供給時間が長くなり、計量サイクルが低下します。
粉体では密度、粒径、含水率、圧縮性、付着性によって供給量が変化します。液体では粘度、温度、配管圧力、バルブ応答が影響します。そのため、実際の原料を用いた計量試験によって設定値を調整することが重要です。
落差補正と自動補正
落差は常に一定とは限りません。供給速度、原料残量、原料性状、機器内部への付着、バルブやゲートの応答時間などによって変化します。
前回の計量誤差を次回の停止重量へ反映する自動補正を行う場合があります。目標重量と確定重量の差を計量誤差Eとすると、次の計量で落差補正値を増減させます。
E=確定重量-目標重量
過量が続く場合は供給停止を早め、不足が続く場合は遅らせます。ただし、異常な計量値をそのまま学習すると設定が大きくずれるため、補正量の上限や採用条件を設けます。
設計・制御上のポイント
計量部へ外力を加えない
計量槽や計量台へ配管、ホース、ケーブル、シュート、コンベアなどから力が加わると、その力も重量として検出されます。配管にはフレキシブル継手を使用し、計量部と固定部の接触を避けます。
粉体が計量槽と周辺設備の間に堆積し、橋渡し状態になると、重量が正しく戻らない場合があります。付着や堆積を確認しやすく、清掃しやすい構造とします。
供給機器の特性を把握する
スクリューフィーダー、振動フィーダー、ゲート、ポンプでは、指令から実際に供給が止まるまでの応答時間が異なります。機器の停止応答と原料の流れ方を考慮して、微供給速度と停止点を決めます。
粉体の詰まりや付着によって供給量が急に減る場合もあります。運転指令中に重量が一定時間増加しなければ、原料切れや閉塞として警報を出します。
計量レンジと分解能を選定する
ロードセル容量は、原料重量だけでなく、計量槽、容器、付属機器、偏荷重、衝撃荷重を含めて選定します。ただし、必要以上に大きな容量を選ぶと、少量計量で十分な分解能を得にくくなります。
最大計量値、最小計量値、必要精度、最小表示を整理し、設備に適したロードセルと計量コントローラを選定します。
振動とフィルターを調整する
ミキサー、コンベア、集塵機、ポンプなどの振動が計量部へ伝わると、安定判定に時間がかかります。架台や配管を機械的に分離し、必要に応じて防振対策を行います。
計量コントローラのデジタルフィルターを強くすると表示は安定しますが、応答が遅れます。供給中の高速応答と、停止後の安定性を両立できるよう調整します。
原料ごとに設定を管理する
同じ設備でも、原料の密度や流動性が異なると、供給速度や落差が変わります。品種ごとに粗供給設定、微供給設定、落差補正、安定判定時間、許容値を登録します。
配合管理システムと連携する場合は、製造指示に対応する設定が正しく選択されたことを確認してから計量を開始します。
異常監視と復旧
主な異常には、ゼロ点異常、ロードセル断線、重量不安定、過荷重、供給時間超過、重量増加なし、過量、不足、計量コントローラ通信異常などがあります。
供給指令中に重量が増えない場合は、原料切れ、ゲートやバルブの動作不良、スクリューの停止、閉塞、ロードセル信号異常を確認します。供給停止後も重量が増え続ける場合は、バルブの閉止不良や原料の流れ込みが考えられます。
異常復旧時は、計量槽に残っている原料とPLCが管理する工程状態を確認します。計量途中の原料がある状態で最初から再実行すると、二重投入につながるため、継続計量、手動確定、排出のいずれを行うか選択できる構成とします。
停電・通信異常時の処理
停電時は、供給機やバルブを安全側へ停止させ、原料の流入を止めます。復電後は、計量途中であったか、計量槽内に原料が残っているか、重量値と工程状態が保持されているかを確認します。
計量コントローラとPLCの通信が切れた場合は、新しい供給を開始せず、現在の供給も設備条件に応じて停止します。復旧後に古い開始指令を重複実行しないよう、バッチ番号や工程番号を照合します。
上位システムへの実績送信ができない場合は、計量結果をPLC、タッチパネル、産業用パソコンなどへ一時保存し、通信復旧後に未送信データだけを送る構成を検討します。
計量実績とトレーサビリティ
計量完了時には、目標重量、確定重量、誤差、原料名、品種、ロット、容器番号、計量日時などを保存します。
複数原料を配合する設備では、各原料を正しい順番と量で投入したことを記録します。バーコードやRFIDを使用して原料・容器を識別すれば、誤投入防止とトレーサビリティの強化につながります。
記録データは、品質確認、原料使用量の集計、異常原因の調査、製造報告書の作成などに活用できます。
保守と設備更新
定期点検では、ロードセル取付部、ケーブル、和算箱、端子、計量槽と周辺設備の接触、粉体の堆積、ゼロ点、既知重量による指示値を確認します。
計量コントローラを更新する場合は、ロードセル仕様、入力感度、校正値、最小表示、フィルター、安定判定、入出力信号、通信データを確認します。
PLCやタッチパネルの更新では、品種設定、落差補正値、計量実績、上位通信の互換性を確認します。新旧機器で演算や応答が異なる場合は、実原料を使用して粗供給・微供給と停止点を再調整します。
ハカルプラスの対応
ハカルプラスでは、粉体、粒体、液体などの原料特性、目標重量、必要精度、処理能力、設備構成を確認し、用途に応じた計量制御を検討します。
ロードセル、計量コントローラ、ホッパースケール、フロアスケール、供給機器、ゲート、バルブ、ポンプなどを組み合わせ、制御盤、PLC、タッチパネルまで一体で構成します。
粗供給・微供給、落差補正、重量安定判定、過不足判定、異常監視、停電復旧、手動操作を設備条件に合わせて設計します。
配合管理システム、生産管理システム、バーコード機器などと連携し、製造指示の受信、誤投入防止、計量実績の保存、上位システムへの送信についても、通信仕様を確認して対応を検討します。
よくある質問
Q. 計量結果が毎回目標重量を超える場合はどう調整しますか?
A. 微供給速度、供給停止重量、落差補正値を確認します。ゲートやバルブの停止応答、原料の流動性が変化していないかも確認します。
Q. 重量が安定せず計量完了にならない場合は何を確認しますか?
A. 周辺設備の振動、配管やホースの接触、粉体の堆積、計量槽の揺れ、フィルターと安定判定条件を確認します。
Q. 原料が変わった場合も同じ設定で計量できますか?
A. 原料の密度、粒径、付着性、流動性によって供給速度と落差が変わります。品種ごとに粗供給・微供給と補正値を設定することが望まれます。
Q. 既設の計量設備を自動化できますか?
A. ロードセルや計量器の信号、供給機器、PLC入出力、盤内スペースを確認し、計量コントローラや制御盤を追加・更新できる場合があります。
Q. 計量値を生産管理システムへ送信できますか?
A. PLCや計量コントローラの通信機能を使用し、品種、ロット、目標重量、実績重量、計量日時などを送信する構成を検討できます。